JPS594448B2 - ジユシヨウジユウテンザイ オヨビ ソノセイゾウホウ - Google Patents

ジユシヨウジユウテンザイ オヨビ ソノセイゾウホウ

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JPS594448B2
JPS594448B2 JP49109608A JP10960874A JPS594448B2 JP S594448 B2 JPS594448 B2 JP S594448B2 JP 49109608 A JP49109608 A JP 49109608A JP 10960874 A JP10960874 A JP 10960874A JP S594448 B2 JPS594448 B2 JP S594448B2
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oxide
firing
filler
resin
mixture
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洋一 東
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシース・コア構造を有し、且つその250重量
部を樹脂100重量部に均一に分散混入せしめた樹脂組
成物を沸水中40時間煮沸処理15した後の体積抵抗率
が1010Ω・儂通常1010Ω・儂以上の優れた耐水
性を有する電気絶縁性且つ熱伝導性の樹脂用充填材およ
びその製造法に関する。
更にくわしくは本発明は、酸化マグネシウムとその他の
金属酸化物の混合物を焼成してなる電気加 絶縁性且つ
熱伝導性の樹脂用充填材において、該充嫡材は酸化マグ
ネシウムのコア粒子と、その上に形成された複酸化物の
シースとからなり、該複酸化物は酸化マグネシウムと酸
化ホウ素の複酸化物および酸化マグネシウムおよび酸化
ホウ素と、25酸化チタン、酸化物および酸化クロムよ
りなる群から選ばれた金属酸化物との複酸化物からなる
群より選ばれた複酸化物であり、且つ該充填材はその2
50重量部を樹脂100重量部に均一に分散混入せしめ
た樹脂組成物を潜水中、40時間煮沸30処理液の体積
抵抗率が1×1010Ω・儂以上であることを特徴とす
る樹脂用充填材およびその製造法に関する。注型用電気
絶縁樹脂に使用する充填剤としての酸化マグネシウムを
約1000℃以上の温度で焼35成することを特徴とす
る注型樹脂用充填剤の処理方法が知られている。
(特公昭47−7135号公報) この提案には、酸化マグネシウムと他の充填材との混合
物の焼成物が、酸化マグネシウム単独の焼成物よりも優
れた結果を与えるかも知れないことを示唆し得る認識は
全く存在せず、更に他の充填材として、酸化ホウ素、酸
化チタン、酸化鉄、酸化クロムの利用可能性に関しては
全く触れていない。
一方、特公昭38−1898号公報には、酸化マグネシ
ウムが、高温領域においてその有していた電気抵抗値を
低下させる欠陥を有するのを改良する目的で酸化マグネ
シウムに対して、該酸化マグネシウム重量に基いて15
%以下の量の酸化ホウ素を添加した混合物を焼成して電
気絶縁物質を製造することが記載されている。
この提案には、上記酸化ホウ素の添加量に上限があるこ
とが記載され、最良の結果は7(fl)の場合に得られ
、改善効果が得られるのは15%までであることを実験
的に示している。
更に、この提案には上記混合物を1300℃で3時間焼
成して原料酸化マグネシウム粒度のままの焼成物が得ら
れたことを記載し、また得られる焼成物のシースヒータ
一充填物としての利用を示唆している。上記後者の提案
では、得られた焼成物の電気絶縁性樹脂組成物中への充
填材としての混入については全く記載されていない。ま
た、15%をこえる量での酸化ホウ素の利用を否定し、
更に1300℃で3時間の焼成条件以外の条件に関して
は全く沈黙している。本発明者等は上記前者の提案にお
ける焼成酸化マグネシウム充填材を混入した樹脂組成物
は、高温高湿条件下ではその電気的特性に重大な劣化を
生ずることおよびそのような条件下では寸法安定性、耐
クラツク性なども著るしく悪化し、実用に供し得ないこ
とを発見した。
このような焼成酸化マグネシウム充填材の欠隔を克服す
べく、上記後者の提案について検討した結果、この後者
の提案に従つて該提案が至適量として数える7%の酸化
ホウ素を酸化マグネシウムに加えた混合物を1300℃
で3時間焼成した焼成物においても、該充填材を混入し
た樹脂組成物は高温高湿条件下では満足し得る電気的特
性を発揮できないことを知つた。
本発明者等は、上述の如き従来提案の焼成物が共通して
有する高温高湿条件下での使用困難乃至不可能という技
術的課題を解決すべく研究の結果、酸化マグネシウムと
酸化ホウ素との混合物の焼成温度と焼成時間との間に特
殊な相関関係があることを発見した。
更に、この特殊な相関関係を充足する焼成条件下に焼成
して得られた焼成物は、上記技術的課題を解決し、該焼
成物を混入した樹脂組成物は格段に優れた耐高温高湿特
性を示すことを発見した。
更に、この特殊な相関関係を充足する焼成条件の採用に
よつて、上記後者の提案が否定した15%を超える量の
酸化ホウ素の利用も可能であつて、従来提案における量
的制約が解消することを発見した。更に研究を進めた結
果、この焼成温度と焼成時間との特殊な相関関係を満足
する焼成条件で焼成される酸化マグネシウムと酸化ホウ
素の混合物は実質的な量で酸化チタン、酸化鉄、酸化ク
ロムを含有していてよいことが発見された。
上記諸発見は、既述の従来提案の認識からみて、全く意
外な結果であつた。
この意外な結果の生ずる原因について検討した結果、こ
の特殊な相関関係を充足する焼成条件で焼成された焼成
物は、酸化マグネシウムのコア粒子と、その上にそれを
とりまいて形成された複酸化物のシースとからなり、例
えばホウ酸マグネシウムの如き複酸化物(二種あるいは
それ以上の金属酸化物からなる高次の化合物)のシース
が酸化マグネシウムコア粒子の全表面を覆つて化学的に
結合した従来未知の特殊な構造を有することが発見され
た。前記後者の提案において、格子欠隔を有する酸化マ
グネシウムの空格子点が、ホウ酸マグネシウムを加えて
焼成することによつて埋められ、真性酸化マグネシウム
のような結晶構造となるためであるとされていた従来知
見からみて、このシース・コア構造の特殊な構造を有す
る焼成物の形成は全く意外なことであつた。
更に、本発明者等は、本発明者等によつて発見された特
定の焼成条件で焼成されることによつて、上記特殊な構
造を有するに至つた焼成物は、後に詳述する如く該焼成
物を混入した樹脂組成物を沸水中、40時間煮沸処理テ
スト後の体積抵抗率が1×1010Ω・?以上であると
いう特性を有し、この特性が複酸化物のシースが酸化マ
グネシウムコア粒子の全表面を覆つて該粒子に化学的に
結合した構造の形成を検知する最も便利な目安となるこ
とを発見した。
従つて、本発明の目的は優れた改善性質を高温高湿条件
下においても維持できる特殊なシースεコア構造を有す
る酸化マグネシウムと酸化ホウ素の混合物および酸化マ
グネシウムおよび酸化ホウ素と酸化チタン、酸化鉄、酸
化クロムよりなる群から選ばれた金属酸化物との混合物
からなる群より選ばれた混合物を焼成してなる電気絶縁
性且つ熱伝導性の樹脂用充填材を提供するにある。
本発明の他の目的は、かかる電気絶縁性且つ熱伝導性の
樹脂用充填材を製造する方法を提供するにある。本発明
の電気絶縁性且つ熱伝導性の樹脂用充填材は、(1)酸
化マグネシウムのコア粒子と、その上にそれをとりまい
て形成された複酸化物のシースとからなり、(11)該
複酸化物は、酸化マグネシウムと酸化ホウ素の複酸化物
および酸化マグネシウムおよび酸化ホウ素と酸化チタン
、酸化鉄および酸化クロムよりなる群から選ばれた金属
酸化物との複酸化物からなる群より選ばれた複酸化物で
あり、且つ、(!11)該粉末物質は、該粉末物質25
0重量部を樹脂100重量部に均一に分散混入せしめた
樹脂組成物を、沸水中40時間煮沸処理後の体積抵抗率
が1×1010Ω・儂以上である。
上記において酸化チタン、酸化鉄および酸化クロムより
なる群から選ばれた金属酸化物は一種であつてもよいし
、それ以上複数種であつてもよい。
これら金属化合物の中でも酸化チタンが好ましく、酸化
鉄は多量に用いると焼成物を電気的縁性樹脂組成物の充
填材として利用する場合、該組成物に磁性を与える傾向
があるので、そのような傾向の好ましくない用途におい
てはその使用に制約をうける。上記([)の構造は以下
の方法で確認できる。
〔nテストA゜試料の調製 テストしようとする焼成物粉末ロッドから粉体試料19
を四分法により採取する。
この粉末からスパチユラで少量のサンプルを加作意に取
し、採取したサンプル粉末を両面接着テフープの片面に
ふりかけ他の面を試料台に貼着する。
上記サンプル粉末をふりかけた側の表面に炭素蒸着を施
す。次いで、その上に金蒸着を施す。
装置および測定条件 走査型電(MSM−2型:日立一明石社製)を用い加速
電圧15KV1倍率100〜10,000倍の測定条件
で粉末粒子表面を観察する。
評価 上記観察の結果通常数100個からなる全粒子数の99
%以上の個数の粒子の観察し得る表面にシース形成が認
められた場合に、本発明のシース・コア構造を有するも
のと評価する。
図2−aには、このようなシース・コア構造の形成の認
められた本発明製品の一粒子の走査型電顕像の写真(×
400)が示してある。
対比を容易にするため、本発明のシース・コア構造を有
しない後記比較例9の粒子の同様な写真(×400)お
よびM9Oのみを焼成した同様な写真(×400)がそ
れぞれ図2−b、図2−cに示してある。〔〕テストB
試料の調製 テストAで少量のサンプルを無作意に採取した残りの粉
末を乳鉢に移し、強し叩いて粉砕する。
この粉砕粒子からスパチユラで少量のサンプルを無作意
に採取し、採取したサンプル粉末を両面接着テープの片
面にふりかけ他の面を試料台に貼着し以下テストAで行
なつたと同様にして試料を調製する。装置および測定条
件 テストAと同じ装置および測定条件でカツトされた粒子
断面構造を観察する。
評価 上記観察の結果、カツトされた粒子の99%以上の個数
の粒子がシース・コア構造を有すると観察された場合に
、本発明のシース・コア構造を有するものと評価する。
図3−aには本発明品の400倍像の写真が図3−aに
はその5000倍の部分像の写真(図中左側がシース層
部分)が示してある。
比較を容易にするため、本発明のシース・コア構造を有
しない後期比較例9の粒子の同様な(400倍)写真が
図3−bに示してある。本発明の樹脂用充填材において
、複酸化物のノース例えばホウ酸マグネシウム(3M9
0,B203及び/は2Mg0,B,03):ホウ酸マ
グネシウム(3Mg0,B203及び/又は2Mg0,
B203)とチタン酸マグネシウム(M9O,TiO2
及び/又は2M90,Ti02)及びホウ酸チタン(T
iBO2)の混合物:ホヴ酸マグネシウム(3Mf10
,B203及び/又は2M90,B203)と鉄酸マグ
ネシウム(M9O,Fe2O3)及びホウ酸鉄(FsB
O3)の混合物:ホウ酸マグネシウム(3M90,B2
03及び/又は2M90,B203)λクロム酸マグネ
シウム(M9O,Or2O3)及びホウ酸クロム(Cr
BO3)の混合物等のシースの厚みは、該充填材を樹脂
重量に基づいて250重量部均一に分散混入せしめた樹
脂組成物を沸水中40時間の煮沸処理後の体積抵抗率が
少なくとも1×101煮Ω・?、好ましくは少なくとも
1X1011Ω・儂の条件を充足するように、M9Oコ
ア粒子の全表面を該シースが包んでいればよく特に制約
はないが、好ましくは該充填材粒子の平均粒子径の約5
0%以下、通常約2〜約30q1)である。
この平均厚みは以下の方法で測定算出できる。前記シー
ス・コア構造確認のためのテストBに於いて5000倍
鐵の写真のシースの最も肉厚の部分(シース上に付着物
のようなものが認められる場合には、この付着物を除い
て)と最も肉薄の部分を二つの粒子について実測し、そ
れらの合計の算術平均値として算出する。又、粒子径は
該写真に於いて最も長径の部分と最も短径の部分とを二
つの粒子について、それぞれ測定しこの両者の算術平均
値として算出する。この平均粒子径に対する上記平均シ
ース厚みの百分率で平均厚みを表わす。上記Q:)の複
酸化物は、いずれもX線回折法で確認することができる
又、本発明の樹脂用充填材の上記(11l)の特性は以
5下のようにして測定できる。
前記テストAと同様に四分法により得た粉末試料を用い
て、下記組成の成形用組成物をつくる。
本発明の充填材粉末 :250重量部エポキシ
樹脂:シエル社製エピ 4コート828
:100重量部離 型 剤:ステアリン酸亜鉛: 4
重量部硬 化 剤:ジアミノジフエニルメタン
: 27重量部 フ 上記組成物を、低圧トランスフア一成型して直径50m
m、厚さ2闘の円板状試料片をつくる。
この試料片2枚を沸謄条件に保つた水中にて40時間煮
沸しつづけた後、試料片をとりだし冷水中に30分間浸
漬してからガーゼで拭いて水分を除き、2分後に絶縁抵
抗測定器(SM−10型:東亜電波工業KK製)で、A
STMD257に従つて、体積抵抗率を実測する。本発
明の酸化マグネシウムとその他の金属酸化物の混合物を
焼成してなる電気絶縁性且つ熱伝導性の樹脂用充填材は
、酸化マグネシウムと酸化ホウ素の混合物;及び酸化マ
グネシウム及び酸化ホウ素と酸化チタン、酸化鉄(Fe
2O3)、酸化クロム(Cr2O3)、焼成条件下に酸
化鉄(Fe2O3)を形成し得る鉄化合物、例えば水酸
化鉄Qll)の如き鉄化合物及び焼成条件下に酸化タロ
ム(0r203)を形成し得るクロム化合物、例えば塩
化クロムθ11)水酸化クロムQll)の如きクロム化
合物よりなる群からえばられた化合物との混合物よりな
る群からえばられた混合物を下記式但し式中、Tは焼成
温度5を、tは焼成時間(Hr)を示しt≧人である。
を満足する条件下に焼成することによつて提供できる。
上記焼成温度と焼成時間との相関々係を図示すると図1
に示した通りである。
図中、曲線a(T8O/t+1200)と曲線b(T=
80/t+800)とにはさまれた区域である。図中0
印をつけて屋を記載した点は、本発明方法の実施例であ
つて屋は実施例番号を示している。上記区域外の△印を
つけて應を記載した点は比較例であつて、黒は比較例番
号を示している。図に於いて、t=1/12(Hr)以
下では均一な焼成結果が得難い。
好ましくはt=1/6(Hr)以上、一層好ましくはt
二1/3(Hr)以上の焼成時間が採用できる。又、余
り長時間の焼成はいたずらに時間を浪費することになる
ので適当な時間を選択して行なうのがよい。焼成手段に
よつて適当に選択されるが通常好ましくは約10分(t
1/6)〜約20時間(t=20)程度一層好ましくは
20分(t=l/3)〜約6時間(t6)の範囲の焼成
時間が採用される。本発明方法に於いては、補酸化物の
シースがM9Oコア粒子の全表面を包んでいればよく、
原料M9O粉末の粒度、これを混合される他の金属酸化
物粉末の粒度等によつて適当に変更されるが焼成によつ
て形成される複酸化物がM9Oコア粒子の全表面を覆つ
て形成されるに足る最低量以上の量で該酸化ホウ素を混
合すればよい。
適常酸化マグネシウム重量に基づいて約3(Ff)以上
の酸化ホウ素を用いることが好ましい。一層好ましくは
約5(f)以上である。酸化マグネシウム重量に基づい
て酸化マグネシウムと等重量、又はそれ以上の酸化ホウ
素の使用も可能であるが、通常酸化マグネシウム重量に
基づいて約60%程度までの使用量で充分である。従つ
て、本発明方法に於いては、M9Oど酸化ホウ素の二成
分系の場合には酸化マグネシウム、該酸化マグネシウム
重量に基づいて約3〜約60%の酸化ホウ素の混合物を
用いるのが好ましい。又、酸化マグネシウム及び酸化ホ
ウ素の他に前記チタン鉄、クロム成分を加えた混合物を
用いる場合には、混合物重量に基づいて各々M9O65
〜95wt%−B2O3〜20wt%一TlO23Ow
t%以下、MgO5O〜95wt(Fb−B2O35〜
20wt(:Fb−Fe2O3(焼成条件下Fe2O,
を形成し得る鉄化合物の場合はFe2O3換算量)40
wt%以下、及びMgO5O〜95wt(Fb−BO5
〜20wt0k−Cr2O2(焼成条件下、Cr2O3
を形成し得る鉄化合物の場合はCr2O3換算量)40
wt%以下の混合割合での利用が好ましい。本発明方法
に於いては、前記式を充足する焼成条件下に上記の如き
原料混合物を焼成することが必要である。
後に多くの比較例で実験的に示す通り前記式の焼成条件
を満足しない場合には、該焼成物粉末を混入した樹脂組
成物は沸水中40時間煮沸処理後の体積抵抗率が1X1
010Ω・礪以上の特性を達成することができない。例
えば図1にΔ黒9で示した既述の特公昭38−1898
号で最も良い結果が得られるというM9O(5M90重
量に基づいて7%の酸化ホウ素との混合物を1300℃
で3時間焼成して得られた焼成物粉末を混入した樹脂組
成物の上記特性値は6.2×108Ω・?であるのに対
して、本発明に従つて同じ混合物を1180℃で3時間
焼成した焼成物粉末(図1に○f).9で示した例)の
該特性値は8.0×1011Ω・?であつて、耐高温高
湿性が格段に相違することがわかる。本発明に於いて、
上記焼成条件が充足されない場合、例えば、図1に於い
て曲線bより低温側では複酸化物のシースが形成され難
い。
又、曲線aより高温側では原料粒子の焼成物は集合団塊
化し、これを解粒する必要を生ずる。この団塊化が粒子
同志が強固に結合した状態となつているため、解粒操作
が因難である上に無理に解粒すると複合酸化物のシース
が破損するためと推測しているが、前記本発明要件(1
)の構造を有する粒子が得られず、その結果、該焼成物
粉末粒子を混入した樹脂組成物を沸水中、40時間煮沸
処理後の体積抵抗率が1×1010Ω・?以上という特
性を持つた焼成物粉末は得られなくなる。又、この際上
記団塊化が生じない場合でも、同様に本発明の改善が達
成できない。
その理由は未だ充分明らかではないが、例えば所望の組
成の複酸化物のシースが形成され難い及び/又は一旦形
成された所望の複酵化物のシースが多孔化もしくは亀裂
を生じて粒子の全表面を充分に被覆しない及び/又は粒
子の全表面を覆つた複酸化物のシースの形式が本来不可
能となるなどの理由によるものと推測している。勿論本
発明はこのような推測によつて少しも制約されるもので
はないことを理解すべきである。本発明方法によれば、
原料酸化マグネシウム粒子はその粒子サイズを実質的に
保つたまま、その表層部が複酸化物のシースに転化し団
塊化は殆んど生じない。
又、団塊化を生じた場合にもわずかな応力で容易に解粒
でき、各粒は前記要件(1)を満足したシース・コア構
造を有する焼成物となる。焼成の手段それ自体には特別
な制約はなく、M9Oと他の金属酸化物、或いは焼成条
件下これに転化し得る化合物との混合物を均一に焼成で
きる任意の手段を採用できる。かかる手段としては、例
えば実験室規模もしくは少量生産の場合には抵抗炉の如
き電気炉を、又大量生産の場合にはロータリーキルン又
はトンネルキルンの如きブリツクキルンを使用して焼成
することができる。又、本発明に於いて原料MgO、他
の金属酸化物、焼成条件下に該金属酸化物を形成し得る
金属化合物はこれら原料に包合され得る数量の不純物、
例えばAt,si,,In,Ga,Mn,Na,K,N
i,Cu等の金属成分を含有していて差支えない。
これら不純物の量は上記金属として通常約1wt(:F
t)未満、最も普通には約0.1wt%以下である。原
料M9Oの粒度は焼成物の所望の粒度に応じて適当に選
択できる。通常好ましくは平均粒度が約30〜約800
0メツシユ(タイラーメツシユ以下同様)程度、一層好
ましくは約30〜約2000メツシユのものが好ましく
利用される。又、原料酸化ホウ素の粒度は原料MgOの
粒度及び酸化ホウ素の使用量などによつて適当に選択で
きる。通常好ましくは平均粒度が約65メツシユ以下、
一層好ましくは約400メツシユ以下程度のものが好ま
しく利用できる。更に、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロ
ム、焼成条件下に酸化鉄を形成し得る鉄化合物及び焼成
条件下に酸化クロムを形成し得るクロム化合物よりなる
群から選ばれた金属化合物の粒度も原料Mf!0の粒度
及びこれら化合物の使用量などによつて適当に選択でき
る。
通常、好ましくは平均粒度約100〜約11,000メ
ツシユ、一層好ましくは約1,000〜約10,000
メツシユである。本発明で用いる原料M9Oには特別な
制約はなく、M9Oの融点である約2800℃以上に加
熱した溶融状態のMgOを徐々に冷却した塊を粉砕した
電融マグネシア、M9Oを約1,000〜約2,000
℃で焼成した硬焼マグネシア、その他マグネシア繊維、
ホースカーなどをあげることができるが、電融マグネシ
アの使用が最も好ましい。本発明の充填材は種々の電気
的及び/又は熱伝導性用途に用いることができるが、特
に熱伝導性且つ電気絶縁性樹脂組成物用途に於いて極め
て有用であり、かかる用途としては、例えば電子及び電
気工業分野において、(:) IC(集積回路)、LS
I(大規模集積回路)トランジスター、ダイオード、薄
膜回路等の封止樹脂用充填材(Ii) トランス、キヤ
パシタ一、抵抗等の注型樹脂用充填材0:I)その他熱
放散性を必要とする個所のコーテイング剤及び接着剤用
充填材などの用途があげられる。
上記充填材としての用途には、該樹脂組成物容積に基づ
いて好ましくは約5容積%以上、一層好ましくは約15
容積%以上の量で用いるのがよい。
通常、約65容積%程度までの使用量で充分である。樹
脂中へ混入する手段は自由に選択でき、例えば、エポキ
シ樹脂によるトランスフア一成型用コンパクンドは次の
ようにして作られる。(j)液状樹脂に離型剤を溶解し
、 (11)ついで本発明の充填材及び顔料を樹脂中に分散
させ010硬化剤を添加よく混合する。
QV)均一になつた混合物を1〜2CTrL厚さの板状
にひろげ(v)軟化点が充分高くなり、粉末化できるよ
うになるまで混合物を放置してBステージに至らしめ、
ついで粉砕する。
(V1)粉末をさらに熱成される。
又、ナイロン6−10による射出成型用ペレツトはナイ
ロン6−10チツプと本発明による充填材を適当な配合
量でも型ブレンダ一で均一に混合した後、充分乾燥しエ
クストルーダ一で押出しベレツト化する。
従つて、本発明の樹脂組成物は注型用の二液混合物の液
状樹脂、ペースト状並びに成形用粉末、粒、フレーク、
ペレツト等の形状であることができるし、各種成形手段
で成形された成型品であることもできる。樹脂の種類に
は、特別な制約はなく、無機質充填材で充填され得る任
意樹脂を用いることができる。
斯かる樹脂の例としては、公知の任意の合成熱硬化性樹
脂、合成熱可塑性樹脂及び天然もしくは合成ゴムおよび
これらの任意のブレンド物をあげることができる。これ
らの具体例としては、例えばビスフエノールA系、ノポ
ラツク系、樹脂式のエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フ
エノールホルムアルデヒドの如きフエノール樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素およびメ
ラミンの如きアミノ樹脂、ジアリルフタレート、ジイソ
フタレート、DMCの如きアルキツド樹脂等の如き熱硬
化性樹脂、および例えばポリエチレン、ポリプロピレン
、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ
エステル、アクリル、ポリ塩化ビニル等の如き熱可塑性
樹脂および例えばポリプタジエン、ブタジエン・スチレ
ンの如き合成ゴムおよび天然ゴム類をあげることができ
る。本発明の熱伝導性且つ電気絶縁性樹脂組成物は他の
慣用のアスベスト、ガラス粉末、カオリンその他の粘土
、鉱物質粉末、ガラス繊維、雲母、タルク、石英粉、(
結晶および非晶質)ガラスマイクロパルーン等の如き充
填材および顔料類を一諸に混入することができる。これ
らの充填材および顔料類の添加量は適宜に選択できるが
通常組成容量に基づいて約10〜約50%程度である。
次に、比較例をまじえ、実施例により本発明の態様を更
に詳細に説明する。
実施例1〜20および比較例1〜20 後掲表1に記載した平埼粒径を有する電融マグネシアの
表1記載の量と、表1に記載した平埼粒径を有する酸化
ホウ素の該表1に記載量とを、場合により、該表に記載
した種類、平均粒径および量のその他の金属酸化物と共
によく混入した。
該混合物を250CCアルミナるつぼにプレスしない状
態で詰め、電気炉中に配置する。表1に記載した焼成条
件で焼成し、必要により粉砕して表1に示した焼成物を
得た。結果を下掲表1に示す。実施例21〜35後掲表
2に記載の混合物を、該表2に記載した焼成条件で焼成
するほかは、実施例1と同様に行なつた。
その結果を下掲表2に示す。実施例 36〜50 実施例1〜35、比較例1〜20および対照例で得た焼
成物から、適当に選んで該焼成物を樹脂に混入し、下掲
表3に示した樹脂組成物の熱伝導率、体積抵抗率(40
時間煮沸処理時)を測定した。
その結果は下掲表3に示した通りである。熱伝導率の測
定は次のようにして行なつた。すなわち、先ず焼成物を
樹脂に混入した樹脂組成物試料(直径30闘、厚み1m
7!L、2Tt7n13m7!Lの3枚の円板状試料)
を注型法あるいはトランスフアーネ成型法により作製し
、宝工業株式会社製HC一111型の熱伝導率測定装置
を用い、伝熱性ペーストを両面に塗布した上記円板状試
料を真鋳棒間の挟み、上炉温度80℃下炉温度50℃に
設定し、真鋳棒の温度80℃試料の温度勾配と試料の温
度勾配を測定することにより、真鋳の熱伝導率との対比
で試料の65℃における熱伝導率を求めた。また、体積
抵抗率は上述の測定法に従つて測定した。
【図面の簡単な説明】
図1は酸化マグネシウムとその他の金属酸化物の混合物
を焼成する際の最適の焼成温度と焼成時間の範囲を表わ
した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化マグネシウムとその他の金属酸化物の混合物を
    焼成してなる電気絶縁性且つ熱伝導性の樹脂用充填材に
    おいて、該充填材は酸化マグネシウムのコア粒子と、そ
    の上に形成された複酸化物のシースとからなり、該複酸
    化物は、酸化マグネシウムと酸化ホウ素の複酸化物およ
    び酸化マグネシウムおよび酸化ホウ素と、酸化チタン、
    酸化鉄および酸化クロムよりなる群から選ばれた金属酸
    化物との複酸化物からなる群より選ばれた複酸化物であ
    り、且つ該充填材はその250重量部を樹脂100重量
    部に均一に分散混入せしめた樹脂組成物を沸水中、40
    時間煮沸処理後の体積抵抗率が1×10^1^0Ω・c
    m以上であることを特徴とする樹脂用充填剤。 2 酸化マグネシウムとその他の金属酸化物の混合物を
    焼成してなる電気絶縁性且つ熱伝導性の樹脂用充填材の
    製造法において、酸化マグネシウムと酸化ホウ素の混合
    物および酸化マグネシウムおよび酸化ホウ素と酸化チタ
    ン、酸化鉄、酸化クロムよりなる群から選ばれた金属酸
    化物との混合物からなる群より選ばれた混合物を下記式
    (80/t)+800<T<(80/t)+1200但
    し、式中Tは焼成温度(℃)を、tは焼成時時間(hr
    )を示し、t≧1/12である。 を満足する条件下に焼成することを特徴とする樹脂用充
    填材の製造法。
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