JPS5943985B2 - Al−Cu系高力合金の鋳造法 - Google Patents

Al−Cu系高力合金の鋳造法

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JPS5943985B2
JPS5943985B2 JP5830979A JP5830979A JPS5943985B2 JP S5943985 B2 JPS5943985 B2 JP S5943985B2 JP 5830979 A JP5830979 A JP 5830979A JP 5830979 A JP5830979 A JP 5830979A JP S5943985 B2 JPS5943985 B2 JP S5943985B2
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casting
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雅行 原田
進 小池
誠 佃
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋳造用Al Cu系高力合金の鋳造処理方法に
関するものである。
Al−Cu系の合金は高力合金として広く利用されてお
り、微量添加元素の種類や配合量に工夫を加えたもの、
更には鋳造条件を制御して行なうもの等が知られている
本発明者等も当分野の研究を行なっており、AA−Cu
系合金の機械的性質に及ぼす微量添加元素(特にZnや
Mg )の影響、並びに鋳造条件、更には鋳造後の熱処
理条件等について検討した。
その結果従来の高力合金に比較した場合、伸びや衝撃値
に悪影響を与えることなく、引張強さや耐力の向上に寄
与し得る添加元素を見出すと共に、該元素を配合した場
合における好適な鋳造条件及び熱処理条件を確立し得る
に至った。
即ち本発明に係るAl−Cu合金の鋳造法とは、Cu
: 2.5〜4.5%(重量係、以下同じ)Zn :
0.5〜2.5% Mg : 0.4〜1.5% Ti:0.03〜o、1sfO 8i:0.1〜0.5係 下記Cr、Mnの1種以上 Cr : 0.1〜0.5% Mn : O71〜0.5% Fe:0.2%以下 残部Al及び不可避不純物 からなる合金溶湯を用い、鋳型内における溶湯冷却速度
を1〜10°C/Secにすると共に、凝固区間冷却速
度を10〜6.5℃/secとするところに要旨があり
、それによりその後の熱処理条件等によって悪影響を受
けない鋳造組織が得られる。
しかし常法に従って鋳造品を溶体化処理した後焼戻しす
る場合を考慮し、溶体化処理条件の検討を行なったとこ
ろ、1段溶体化処理に比べて多段溶体化処理の方が有意
に好ましいことを確認した。
そして該溶体化処理の好適条件を求めたところ、(固相
線温度−20°C)から固相線温度の間で第1段溶体化
処理を行ない、次に固相線温度から(固相線温度+50
℃)の範囲で2段以上の溶体化処理を施した場合は、引
張強さや耐力更には伸びや衝撃値の向上にとって有利で
あることを知った。
本発明で使用する合金成分の化学組成は前述した通りで
あるが、これらの数値範囲限定根拠は下記の通りである
CuはAl−Cu系合金における必須成分であり、2.
5%未満では時効硬化性が低い為に高強度を保証するこ
とができない。
しかし4.5%を越えて配合する場合には凝固区間温度
範囲が広くなって鋳造性がむつかしくなる。
Zn及びMgは本発明における必須の成分であるが、好
ましい鋳造組織を与える凝固条件等さの関連において検
討した。
第1図は、Al−3,5%Cu−0,3%Mn−0,2
%Cr−0,2%Si −0,07%Ti −0,02
%Fe合金について、ZnをO係及び1fOとして、M
gを0,0.4,0.7゜1、o 、 1.4 ; 1
.6 (各条)とした場合の夫々の機械的性質を示すも
のである。
尚これらは後述する条件によって鋳造した製品を対象と
するもので、鋳造後の熱処理は施していない。
第1図の左側はZnが0%、右側はZnが1%の場合を
示し、上の2つは縦軸にTS(引張り強さ二上側の曲線
)及びYS(耐カニ下側の曲線)、中央の2つは縦軸に
El伸び)、下の2つは縦軸にIc(衝撃値)をとって
いる。
まずZnが0%の場合を見ると、引張り強さは、Mgが
0.4%になる迄急上昇し、1%でピークに達するが、
その後はMgの増量に反比例して低下する。
これに対し耐力はMgの増量に応じて増加するが、15
%あたりで平行状態になっている。
これらに対し伸び及び衝撃値はMgの増加に伴なって減
少している。
次にZnが1%の場合を見ると、いずれも0%の場合と
同じ様な傾向を示しているが、引張り強さのピーク以後
の低下傾向がおだやかであるし、伸びや衝撃値について
も、0%の場合に比べてやや高いレベルにある。
これらのことがらZnは、引張り強さや耐力に悪影響を
与えることなく伸びや衝撃値を向上させる機能を有する
ものであることが明らかになった。
そしてこの様な効果は、第1図からも判る様にMgが多
くなる程顕著であるが、Zn : 0%、Mg:1.6
%の合金について顕微鏡写真〔第7図A〕を調べると、
粒界にAl3−Cu−Mgと考えられる晶出物の増大が
みられ、引張り強さを低下させる原因になっているもの
と思われる。
しかしZn : 1%。Mg : 1.6%の合金写真
〔第7図B〕を見ると前記晶出物はやや少なく、引張り
強さの低下が少ないことを裏づけでいる。
もつともMg : 1.6%で晶出物が見られることは
事実であり且つ前述の様に引張り強さの低下を招いてい
るので、Mgの上限については1.5%と定めることに
した。
他方Mgの下限値は、引張り強さ及び耐力の試験結果か
ら見て0.4%と定めた。
次にZnの下限値は、第1図の結果及び一般的考察によ
り0.5%と定めたが、上限値の決定については更に検
討すべきであると考え、第2図に示す試験を行なった。
即ち最大の引張り強さを与えるMg量(1係)を含有す
る合金(Al−3,5係Cu −1%Mg−0,3%M
n −0,2%Cr −0,2%5i−0,07%Ti
−0,02%Fe〕において、Zn量を0%、1%、1
.5%、2.4%、3%の5段階に分けて配合し、50
5℃×8時間、512’cxs時間、527℃×8時間
、15℃W、 Q、、160(又は170又は180)
’CX20時間の熱処理を行なった鋳造品について、T
S、YS。
Elの夫々を試験した。
図中の○印、△印及び口印は、焼きもどし温度が夫々1
60℃、170°C及び180℃の場合を示す。
引張り強さはZnが3fbになった段階で低下しており
、又耐力については、180℃処理の場合についてやは
り3係の段階で低下している。
この様なところから、Znの上限値は2.5係が妥当で
あると決定した。
その他の成分については、夫々下記の如く定めた。
即ちSiは鋳造性を改善して耐圧性を高め、又Mgと共
にMg2Siを析出することにより時効硬化を促進し機
械的性質を高める作用があり、0.1%以上含有させな
ければならない。
しかし第3図(Al−3,5Cu −1,5Zn −I
Mg−0,07Tiに対するSlの添加効果を示すグ
ラフ)に示す如<0.5%を越えると機械的性質、特に
伸びが著しく低下する。
又、Cr及びMnは靭性と耐応力腐食割れ性を向上させ
る元素で、その1種以上を0.1%以上含有させなけれ
ばならない。
しかし第4,5図(A7−3.5Cu−1,5Zn−I
Mg−0,07Tiに対するCr及びMnの添加効果を
示すグラフ)に示す如く、多すぎると機械的性質が悪化
するので0.5%以下とすべきである。
Tiは結晶粒を微細化し靭性を高めるのに不可欠の成分
であり、o、o3%未満ではこれらの実効があられれな
い。
しかし多すぎるとTi化合物の粒内偏析が生じ易くなり
、機械的性質、殊に伸びが低下するので、0.15%以
下に止める必要がある。
尚TiはAl−Ti又はAl−Ti −B母合金として
添加される。
Feは不純物であり靭性を損なうので、該不利益を被ら
ない為にも0.2%以下におさえることが必要である。
次に手記成分を満足する合金を原料とする鋳造処理法に
ついて説明する。
第1,6図に示した鋳造品は、この有利な鋳造法によっ
て得たものであるが、鋳造において特に重要なことは鋳
造組織であり、最適の鋳造組織を得る為の凝固条件を確
立すべく種々検討を行なった。
その結果溶湯段階における冷却速度(VLO)を1〜b ると共に、凝固区間における冷却速度(Vsc)を1.
0〜6.5℃/5eCJこすることが有利であることを
知った。
即ちVLO及びVSOがいずれも上記下限速度未満であ
るときは、Al−Cu或はAl−Cu−Mgの晶出物が
多く且つ大きく成長し靭性に悪影響をもたらすことが多
い。
又鋳造後の熱処理(溶体化処理)を行なう場合について
も、完全な固溶状態を得る為の処理時間が非常に長くな
り、それでも尚完全な固溶状態に至らないことがあって
好ましくない。
他方VLOが上記上限を越えて早くなる場合は、溶湯中
のガスを内在させたままで凝固がはじまってガス欠陥を
招く。
又VSOが早すぎると、指向性凝固が進行し難くなって
鋳造欠陥を生じると共に、鋳造ひずみを残すことにもな
る。
尚鋳造ひずみは熱処理によって解放されるが、肉厚変化
の大きい製品では割れの原因になり易く、又この解放が
不十分乃至全くなされない場合には、使用環境によって
は応力腐食を発生することもあって好ましくない。
VLc及びVSCの機械的性質に及ぼす影響は第1表に
示す結果より明らかである。
次に鋳造完了後の熱処理条件について述べる。
第6図A、Bは第1図に対応するもので、・印は505
°C×8時間、512℃×8時間、527°C×8時間
の3段溶体化処理後160℃×20時間の焼きもどしを
行なったもので、○印、△印及び口印は、夫々505℃
×15時間の溶体化処理を行なった後、160℃(○)
、170℃(△)及び180℃(ロ)で各20時間の焼
きもどしを行なった場合を示す。
図に見られる如<、TS、YS。El及びIcのいずれ
についても第1図(鋳造まま)の場合と同様の傾向を示
しており、鋳造時の凝固条件が重要であることを示して
いるが、溶体化処理及び焼きもどしの各条件によっても
相当の差違が生じることも明らかである。
即ち焼きもどし条件が同じ場合(eと○)を比較すると
、3段溶体化処理を行なったもの(・)の引張り強さや
耐力は、1段溶体化処理を行なったもの(○)に比較し
て2〜3kg/ma高い値を示しており、伸びや衝撃値
についても・の方が高くなっている。
尚引張り強さや耐力に限って言えば、1段溶体化処理と
高温焼きもどしの組み合わせ(△と口)も一応良好な結
果を示しているが、伸び及び衝撃値に大きな悪影響を与
えているので本発明より除外した。
本実1験で用いた合金の凝固終了温度はZn量の増加と
ともに低下し約480〜510℃である。
第1段の溶体化処理温度を505℃としている為、凝固
終了温度がこの温度より低い場合は、400℃から50
5℃までの昇温時間を少なくとも数時間以上にしなけれ
ばならない。
第2及び3段の溶体化処理は凝固点以上になっている。
特に第3段は527℃の高温で行なっており、それでも
良好な結果が得られているのは、段階的な昇温手順を踏
んでいる為、鋳造時に晶出した化合物がマトリックス中
に非常にゆっくり拡散固溶されているからであり、いき
なり527℃まで昇温させると、粒界の晶出物が溶融し
、溶体化の効果が表われなくなる。
他方505℃の1段溶体化処理では固溶量が少なく溶体
化が進まないので、焼きもどしの効果も発揮されない。
多段溶体化処理の温度条件は、上記考案より導かれるが
、凝固条件に若干のばらつきが生じるので、溶体化処理
条件についても若干の幅をもたせておくのが好ましく、
本発明においては、(固相線温度−20℃)から固相線
温度の間で第1段溶体化処理を施し、第2段以降少なく
とも2段以上行なう溶体化処理は固相線温度から(固相
線温度+50’C)の範囲内で行なう様に定めた。
そして鋳造時の冷却速度が早い場合には比較的低めの温
度で溶体化処理を行ない、冷却速度が遅い場合には比較
的高めの温度で溶体化処理を行なうことが推奨される。
最後に焼きもどし温度であるが、本発明においては特に
これを限定していない。
しかし耐力向上の為には180℃に近い温度で長時間(
通常15〜20時間)焼きもどして良好な時効硬化を発
揮するのが好ましく、合金組成或は鋳造品の形状に応じ
て若干低い温度、例えば160℃を採用(時間は15〜
20時間)してもよい。
尚第2表は本発明で得た合金及び比較合金の成分組成及
び物性を示したものである。
但し鋳造時におけるVSCは3.5〜5.3°C/Se
c、 ■L Oは2.0〜5.0℃/secとし、又鋳
造後の熱処理条件としては、490℃×8時間及び51
0℃×8時間の2段溶体化処理後160°C×20時間
の焼きもどしを行なう方法を採用した。
本発明は以上の如く構成されているので、良好な機械的
性質を有する高力合金が提供されることになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱処理前の鋳造品について調べた機械的諸性質
のグラフ、第2図〜5図は合金中におけるZn 、Si
、Cr及びMn含有量の影響を示すグラフ、第6図A
、Bは熱処理後の鋳造品について調べた機械的性質のグ
ラフ、第7図は鋳造品の断面拡大写真(400倍)であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I Cu : 2.5〜4.5% Zn : 0.5〜2.5% Mg : 0.4〜1.5係 Ti:0.03〜0.15係 Si:0.1〜0.5% 下記Cr、Mnの1種以上 Cr : 0.1〜0.5% Mn : 0.1〜0.5% Fe : 0.2%以下 残部Al及び不可避不純物(重量%) からなる合金溶湯を用い、 溶湯冷却速度:1〜b 凝固区間冷却速度:1.O〜6.5°C/secの条件
    で鋳造することを特徴とするA7−Cu系高力合金の鋳
    造法。 2 Cu : 2.5〜4.5% Zn : 0.5〜2.5% Mg:0.4〜1.5係 Ti:0.03〜0.15% Si:0.1〜0.5% 下記Cr、Mnの1種以上 Cr二01〜0.5係 NJn : 0.1〜0.5 % Fe:0.2%以下 残部Al及び不可避不純物(重量係) からなる合金溶湯を用い、 溶湯冷却速度:1〜b 凝固区間冷却速度:1.O〜6.5℃/secの条件で
    鋳造した後、(固相線温度−20℃)から固相線温度の
    間で第1段溶・体化処理、固相線温度から(固相線温度
    +50℃)の間で2段以上の溶体化処理を行い、その後
    焼もどしするこさを特徴とするAI Cu系高力合金の
    鋳造法。
JP5830979A 1979-05-11 1979-05-11 Al−Cu系高力合金の鋳造法 Expired JPS5943985B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0449657Y2 (ja) * 1987-04-11 1992-11-24
JPH075175U (ja) * 1993-06-22 1995-01-24 株式会社ノムラピーオーピー スライドグラフ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0449657Y2 (ja) * 1987-04-11 1992-11-24
JPH075175U (ja) * 1993-06-22 1995-01-24 株式会社ノムラピーオーピー スライドグラフ

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