JPS5943718Y2 - 高電圧貫通形コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波高電圧装置、たとえば電子レンジのマグ
ネトロン管等のノイズフィルタとして使用される高電圧
貫通形コンテンプに関する。

最近、放送機器等の産業用機器のみならず、電子レンジ
等の民生機器にもＵＨＦ、ＶＨＦ帯の大電力の電磁波が
利用されるようになり、その利用度が高まるにつれて、
これら機器から漏洩する電磁度による雑音公害が大きな
社会問題としてクローズアンプされるようになってきた
。

このような雑音公害を防止するため゛、従来より各種の
ノイズフィルタが知られている。

第１図はこの種のノイズフィルタとしての高電圧貫通形
コンデンサの従来例を示し、貫通孔１ａを開口させた両
端面に電極２，３をそれぞれ形成した誘電体磁器１を、
接地金具４の浮上部５上に、電極３が対接するようにし
て固着すると共に、電極金具６を貫着しかつ一端にタブ
端子Ｔを形成した貫通端子８を、誘電体磁器１、接地金
具４の浮上部５に設けた各貫通孔１ａ、５ａを貫通させ
たうえで、電極金具６を誘電体磁器１の電極２上に半田
付けなどの手段によって固着し、更に誘電体磁器１、電
極金具６を合成樹脂９で被覆した構造となっていた。

前記貫通端子８は、第２図に拡大して示すように、円筒
状のパイプの一端をプレスしてタブ端子Ｉを形成すると
共に、該タブ端子１０反対側の一端から絶縁チューブ１
０を被せ、次に円環状の電極金具６を半田または導電性
接着剤などで固着する構造となっている。

しかし、電極金具６が円環状で薄く、貫通端子８との間
の接触面積が小さいため、電極金具６と貫通端子８との
間の挿着作業が面倒で、十分な固着強度を得ることが困
難であった。

また電極金具６と貫通端子８とが、その固着作業の途中
で相対的に移動し、ズレを生じ易く、寸法精度が落ちる
欠点もあった。

さらに、直径の小さい貫通端子８に、外部との接続用の
リード線を直接巻回固定しなければならないため、リー
ド線の取付作業が面倒で、しかも十分な半田付は強度が
得られないという欠点もあった。

本考案は上述する欠点を除去し、貫通端子の挿着作業、
リード線固着作業を、精度良く、簡単かつ確実に行なう
ことが可能で、絶縁耐圧の高い高電圧貫通形コンデンサ
を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案は、貫通孔を開口させ
た両端面に電極を有する誘電体磁器を、接地金具上に前
記電極の一方が対接するようにして固着すると共に、こ
の誘電体磁器の前記電極の他方に電極接続体を固着し、
この電極接続体に前記誘電体磁器の貫通孔内を貫通する
貫通端子を接続させ、この貫通端子の前記貫通孔内を貫
通する部分の外周に絶縁チューブを挿着し、前記誘電体
磁器の内外に絶縁樹脂を充填した高電圧貫通形コンデン
サにおいて、前記電極接続体は、金属材料を用いて、筒
状の大径部とこの大径部の軸心上に同体に突設された筒
状の小径部とを備える段付筒状に形成し、前記大径部は
その周縁を前記誘電体磁器の前記電極９他方に接続固定
し、前記小径部はその内径部内に前記貫通端子の一端を
挿着し、かつ、端部を前記絶峠樹脂の外部に突出させて
構成され、前記貫通端子は、前記電極接続体に挿着され
る端部とは反対側の端部に他の部分より幅広のタブ端子
を連設して構成され、該タブ端子の端縁と、前記電極接
続体の内端面との間で、前記貫通端子に挿着された前記
絶縁チューブを挾持して位置決めしたことを特徴とする
。

。以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具
体的に説明する。

第３図は本考案に係る高電圧貫通形コンデンサの断面図
である。

図において第１図、第２図と同一の参照符号は同一の構
成部分を示している。

１１は電極接続体である。該電極接続体１１は金属材料
により段付円筒状に形成してあって、その大径部１１ａ
を誘電体磁器１の電極２上に半田付けなどによって同軸
状に固着しである。

大径部１１ａの軸心上の上方に連設された小径部１１ｂ
は、その該小径部１１ｂ内に貫通端子８の一端部を挿着
しである。

また該小径部１１ｂの端部は合成樹脂９の外部へ突出さ
せてあって、該突出部をリード線を巻回固定するための
端子部分としである。

上述のような構造であれば、電極接続体１１に対する素
通端子８の嵌合接触面積が従来のものより著しく大きく
なるから、貫通端子８を電極接続体１１に挿着する際の
安定性が良好になり、ズレなどを生じることなく、取付
強度の大きいものが実現できる。

また、電極接続体１１は、外径が少なくとも貫通端子８
の外径より大きく、半田付は性の良好な金属材料等を任
意に選択使用することができるから、電極接続体１１の
小径部１１ｂの外周にリード線を巻回する際の巻回作業
が非常に容易になると同時に、十分な半田付は強度が得
られる。

しかも電極接続体１１自体は、プレス加工等により、安
価に量産できるものであり、コスト的にも有利である。

更に貫通端子８は、貫通部８ａの一端にこれより幅広の
タブ端子８ｂを同体に連設し、該タブ端子８ｂの内端に
絶縁チューブ１０を位置決めする支持面８ｂ１，８ｂ２
を設けた構造となっている。

このような貫通端子８を使用すると、電極接続体１１に
対する量適部８ａの挿入量、タブ端子８ｂの位置が、絶
縁チューブ１０の長さに従って精度良く定まるので、貫
通端子８の挿着作業を容易かつ高精度で行なうことがで
きる。

また、絶縁チューブ１０を、電極接続体１１の内端面と
タブ端子８ｂの支持面８ｂ１，８ｂ２との間で挾持して
位置決めする構造であるので、貫通端子８の貫通部８ａ
の全体が全て絶縁チューブ１０によって被覆された状態
になり、絶縁耐電圧が向上する。

なお、実施例では、誘電体磁器１を１個備えるものを例
にとって示しであるが、複数個の誘電体磁器を備えるも
のについても適用し得ることは勿論である。

以上述べたように、本考案は、貫通孔を開口させた両端
面に電極を有する誘電体磁器を、接地金具上に前記電極
の一方が対接するようにして固着すると共に、この誘電
体磁器の前記電極の他方に電極接続体を固着し、この電
極接続体に前記誘電体磁器の貫通孔内を貫通する貫通端
子を接続させ、前記誘電体磁器の周りに絶縁樹脂を充填
した高電圧貫通形コンテンサにおいて、前記電極接続体
は金属材料を用いて、大径部とこの大径部の軸心上に同
体に突設された小径部とを備える段付筒状に形成し、前
記大径部はその周縁を前記誘電体磁器の前記電極の他方
に接続固定し、前記小径部はその内径部内に前記貫通端
子の一端を挿着し、かつ端部を前記絶縁樹脂の外部に突
出させたことを特徴とするから、電極接続体と貫通端子
との間の嵌合接触面積が大きく、貫通端子を精度良く簡
単かつ確実に挿着し得る高電圧貫通形コンデンサを提供
することができる。

また、電極接続体を端子部とし、これにリード線を巻回
固定することにより、リード線の巻回（２）定作業が容
易で、十分な半田付は強度を有する高電圧貫通形コンデ
ンサを提供することができる。

更に、上記の構成に加えて、貫通端子の構造を、電極接
続体に挿着される端部とは反対側の端部に他の部分より
幅広のタブ端子を連設し、該タブ端子の端縁と、前記電
極接続体の内端面との間で、前記貫通端子に挿着された
前記絶縁チューブを挾持して位置決めする構成としたか
ら、電極接続体に対する貫通部の挿入量、タブ端子の位
置が、絶縁チューブの長さに従って精度良く定まり、貫
通端子の挿着作業を容易かつ面精度で行なうことができ
る。

しかも、絶縁チューブを、電極接続体の内端面とタブ端
子の端面との間で挾持して位置決めする構造であるので
、貫通端子の貫通部の全体が全て絶縁チューブによって
被覆された状態になり、絶縁耐圧が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧貫通形コンテンプの断面図、第２
図はその貫通端子の斜視図、第３図は不考案に係る高電
圧貫通形コンデンサの断面図である。 １・・・・・・誘電体磁器、２，３・・・・・・電極、
４・・・・・・接地金具、８・・・・・・貫通端子、１
０・・・・・・絶縁チューブ、１１・・・・・・電極接
続体、８ａ・・・・・・貫通部、８ｂ・・・・・・タブ
端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貫通孔を開口させた両端面に電極を有する誘電体磁器を
   、接地金具上に前記電極の一方が対接するようにして固
   着すると共に、この誘電体磁器の前記電極の他方に電極
   接続体を固着し、この電極接続体に前記誘電体磁器の貫
   通孔内を貫通する貫通端子を接続させ、この貫通端子の
   前記貫通孔内を貫通する部分の外周に絶縁チューブを挿
   着し、前記誘電体磁器の内外に絶縁樹脂を充填した高電
   圧貫通形コンデンサにおいて、前記電極接続体は、金属
   材料を用いて、筒状の大径部とこの大径部の軸心上に同
   体に突設された筒状の小径部とを備える段付筒状に形成
   し、前記大径部はその周縁を前記誘電体磁器の前記電極
   の他方に接続固定し、前記小径部はその内径部内に前記
   貫通端子の一端を挿着し、かつ、端部を前記絶縁樹脂の
   外部に突出させて構成され、前記貫通端子は、前記電極
   接続体に挿着される端部とは反対側の端部に他の部分よ
   り幅広のタブ端子を連設して構成され、該タブ端子の端
   縁と、前記電極接続体の内端面との間で、前記貫通端子
   に挿着された前記絶縁チューブを挾持して位置決めした
   ことを特徴とする高電圧貫通形コンテンプ。