JPS5942859B2 - 自動絞り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一眼レフレツクスカメラの自動露出装置に係わ
る絞り装置即ち、自動絞り装置の改良に関する。

従来の一眼レフレツクスカメラの自動絞り装置は、シヤ
ツタレリーズ動作に伴つて自動露出装置の絞りレバーが
所定の絞りを与える位置に移動して止められ、絞りレバ
ーに連動して回動する絞り連動部材が絞りカム部材を一
体的に回動させることにより絞り羽根の絞り回動を行な
うものである。

即ち、絞りカム部材は絞りレバーの動きの最初から対応
して回動するように構成されている。そして、このよう
な自動絞り装置は、一般に、より絞り開放口径の大なる
レンズを取付けることができて、露出調整が行ない易い
ように、絞りレバーなり絞り連動部材の運動範囲を大き
く採り、特に絞り連動部材は絞り段階に対し出来るだけ
等間隔に回動変位するように構成している。そのため、
レンズ側の絞り駆動関係は、絞り込みにおいて、絞りレ
バーや絞り連動部材の初期の動きが絞り羽根の絞り回動
を生ぜしめないか、殆んど生ぜしめない、ようなものと
なり、それを満足させるために、絞りカム部材のカム形
状を初期の動き部分に対しては同心円的に、それ以後に
ついては半径方向に傾斜するような折曲点のある形状と
している。この点を第１図で説明すると、例えは、開放
Ｆ値がＦ。１．２とＦ。

５．６の焦点距離が等しいような交換’ノンズを取付け
るカメラの場合、Ｆｏ１．２とＦ。

５．６のレンズは絞りカム部材のカム形状ＡとＢが絞り
連動部材の回動範囲角αに対して図示の位置を占めるよ
うにカメラ本体に取付けられる。

そして、開放口径の最も大なるＦ。１．２のレンズの力
ム形状Ａも同心内部分の角度α１を有し、それよりも開
放口径の小なるＦ５．６のレンズのカム形状Ｂは角度α
２の同心内部分を有して、絞り連動部材がそれらの角度
以上絞りカム部材を回動させ、それによつて絞り羽根の
カムピン２ｂがカム形状の傾斜部分に入り込んで初めて
絞り羽根の絞り回動が行なわれる。

このカメラで、当面は開放口径の最も大きいＦ。ｌ．２
のレンズにおいてもなお、カム形状Ａに同心内部分が有
するようにしているのは、さらにより開放口径の大きい
レンズが取付けられるようになる可能性があるからで、
このようにカム形状は同心内部分を有するのが一般的で
ある。以上は、レンズ交換カメラに限らず、カメラ本体
を共通にして開放口径の異なるレンズを取付けるように
したカメラについても同様である。この様にカム形状に
折曲点があると、それが絞りカム部材の回動に大きな抵
抗を与えるから絞りカム部材を円滑に回動させるには大
きな回動力を必要とし、回動力が小さいと絞りカム部材
の回動に絞り羽根の絞り回動に関係しない初期回動範囲
があることと相俟つて、撮影時シヤツタ開口開始に間に
合わない絞り込みの遅延が生じたり、回動力が大きいと
絞り込み停止の際に跳ね返りが生じたりして、露出不良
や振れを生ぜしめる。

そして、絞り込み停止機構や自動プリセツト機構におけ
るクリツクストツプ用のばね等も強くせねばならず、そ
のため小型軽量化が妨げられたり、自動プリヤツトの切
換え感触が悪くなる。更に、マクロレンズの使用におけ
る撮影倍率を変化したときのＦナンバー補正や、絞り羽
根等の移動を伴うズームレンズの使用における絞り補正
は、絞りカム部材のカム形状に絞り羽根の絞り回動に関
係しない初期回動範囲のある折曲点があると、その範囲
を超えて羽根地板と絞りカム部材を相対回動させること
により行なわれることになり、そのために補正を自動的
に行ない難いと云う欠点も有する。本発明は、上述の欠
点のなＧ哨動絞り装置を提供するものであり、本発明の
自動絞り装置は、羽根地板と、羽根地板に回動可能に配
設された絞り羽根と、羽根地板に対し相対的に回動する
ことにより絞り羽根を回動させる絞り開放方向への回動
の付勢を施された絞りカム部材と、絞りカム部材の付勢
による回動を阻止する阻止部材と、付勢によつて自動露
出装置の絞りレバーに追従回動して絞りカム部材を付勢
に抗した絞り込み方向に回動させる絞り連動部材とを備
えた絞り装置であつて、絞りカム部材のカム形状が羽根
地板との相対的な回動の最初から絞り羽根を回動させる
折曲点のない形状をなし、絞りカム部材の絞り込み方向
への回動は絞り連動部材がある程度絞りレバーに追従回
動してから絞りカム部材に当接することによつて行われ
るように、絞りカム部材と絞り運動部材との間に間隙を
有することを特徴とする。

即ち、本発明の自動絞り装置は、絞りカム部材のカム形
状に折曲点がないことから、折曲点による大きな抵抗を
受けることがなくなつてそのための大きな回動力は不必
要となり、絞り連動部材は絞り羽根の回動に関係しない
初期回動の間絞りカム部材を動かさないから、絞り連動
部材が迅速に絞りレバーに追従して回動することができ
て、絞り込みの遅延や跳ね返りの発生がなくなる。

したがつて、小型軽量化の達成を可能にし、自動プリセ
ット機構採用における切換え感触も良くできる。更に、
マクロレンズやズームレンズ採用における絞りの自動補
正も、絞りカム部材と絞り連動部材との間隙を利用して
、その間隙の範囲で絞りカム部材の回動が撮影倍率の変
化やズーミングに伴つて行われるようにすることで容易
にできる。尤も、この自動補正に関しては、撮影倍率の
変化やズーミングに伴つて羽根地板を回動させるように
することもできる。以下、本発明を第２図、第３図を参
照して説明する。

第２図は本発明の装置の１例を示す概要斜視図である。

第２図において、１は羽根地板で、それに設けた配設穴
１ａに絞り羽根２の軸ピン２ａが回動自在に嵌合する。
３はレンズ鏡胴内で回動可能の絞りカム部材で、絞り羽
根２のカムピン２ｂが係合するカム溝４が設けられてお
り、カム溝４は羽根地板１と絞りカム部材３の間に相対
的な回動があると、それに応じて絞り羽根２が軸ピン２
ａを軸に回動して絞りを変化するような折曲点のない形
状になつている。

５は絞りカム部材３に絞り開放方向の回動の付勢を与え
る絞りカム部材ばねで、該付勢による絞りカム部材３の
回動は絞りカム部材に設けた開放位置規制突起３ａがレ
ンズ鏡胴と一体の阻止部材６に設けた阻止部６ａに当接
することにより阻止され、該阻止位置は羽根地板１、絞
り羽根２、絞りカム部材３よりなる絞り装置がその位置
にあるときの絞り最大開口を与える。

それは、マクロレンズやズームレンズを採用して撮影倍
率や写角を変化させた場合、必要な絞り最大開口の補正
を行なうのに、阻止部材６の阻止部６ａに光軸方向に関
し傾斜を与えることにより、撮影倍率や写角を変化させ
ることに伴なう羽根地板１や絞りカム部材３等の光軸方
向の移動で絞りカム部材３の回動阻止位置が変化し、自
動的になされることを示している。この補正のための絞
りカム部材３の回動は、後述する絞り連動部材７と絞り
カム部材３の間隙の範囲で行なわれる。第３図はこの補
正が行なわれる状態を示す説明図で、絞りカム部材３が
阻止部材６の阻止部６ａにより回動させられて、カム溝
４が実線位置から点線位置に変位すると、それに伴つて
絞り羽根２のカムピン２ｂはカム溝４に対して実線位置
から点線位置に変位することになるから、それによつて
絞り最大開口が補正される。そして絞り連動部材７によ
る絞り込みは、後述するように、両位置のカム溝４に対
して、カムピン２ｂが、自動露出装置の与える二点鎖線
位置まで変位させられることによつて行なわれる。なお
、絞り最大開口の補正は、絞り装置の光軸方向の移動に
より絞りカム部材３を補正回動させると同様な手段で、
羽根地板１を補正回動させることによつても自動的に行
なうこともできるし、また絞りカム部材３を補正回動さ
せるにしても、光軸方向に関する傾斜を絞りカム部材３
の開放位置規制突起３ａ側に与えるようにしてもよいし
、開放位置規制突起３ａを突起でなく溝とし阻止部材６
の阻止部６ａを突起に形成してもよいことは勿論である
。７は絞り連動部材で、絞り連動部材ばね８によつて絞
り込み方向への回動の付勢がなされ、該付勢の回動は絞
り連動部材の連動レバー７ａが自動露出装置の絞りレバ
ー９に当接して阻止されている。

図示の状態はシヤツタレリーズ動作がなされる前の状態
を示し、この状態では絞りカム部材３の被動レバー３ｂ
と絞り連動部材の作用レバー７ｂとは離れており、この
間隙を利用して先に述べたような絞り最大開口の補正が
行なわれる。

この状態からシヤツタレリーズ動作が行なわれるとそれ
ＩＣ伴つて絞りレバー９は自動露出装置の所定の絞りを
与える位置へと反時計方向に移動する。それに伴つて絞
り連動部材７も左回動し、絞り連動部材７に設けた作用
レバー７ｂが絞りカム部材３に設けた被動レバー３ｂに
当接して押すことにより絞りカム部材３はその付勢に抗
して左回動即ち、絞り込み方向の回動をなし、絞りレバ
ー９の与える所定の絞り込みを行なう。この場合、絞り
連動部材７の作用レバー７ｂが絞りカム部材３の被動レ
バー３ｂに当接するまでの間隙の間は、絞り連動部材７
は単独に迅速に絞りレバー９に追従回動し、作用レバー
７ｂが絞りカム部材３の被動レバー３ｂに当接してもカ
ム溝４の形状に折曲点がないから抵抗を受けることも少
なく、従つて絞り連動部材ばね８を強くしなくても済み
、絞りカム部材３の回動は直ぐ絞り羽根２に絞り回動を
与えることになる。自動プリセツトは、図示せざる公知
のクリツク装置を具えた絞り口径切替リングをその突片
が絞り連動部材７の作用レバー７ｂまたは絞りカム部材
３の被動レバー３ｂに当接し得る位置に設けて、絞り連
動部材７および絞りカム部材３の左回動を阻止するよう
にしてなされる。

シヤツタの開閉が行なわれて露出が完了すると、自動露
出装置の絞りレバー９は図示せざる公知の手段により再
び図示位置に復帰し、次のレリーズに備えた状態に戻る
。

本発明によれば、以上述べた如く、絞りカム部材のカム
形状に折曲点がなくなるから、絞り作動の不円滑がなく
なつて、絞りカム部材を絞り込み方向に回動させるため
の回動力を強くせずに済み自動露出装置を含めて装置の
軽量化小型化を促進でき、また、絞りカム部材と絞り連
動部材との間に初期間隙があるから、より開放口径の大
なるレンズを取付けることができるし、マクロレンズや
ズームレンズを用いる場合の絞り口径の自動補正が簡単
確実になされ、さらに、絞りカム部材の運動範囲が必要
最小限となつていて前述のカム形状は長さも短かくなつ
ているからカム及び絞り羽根のカムピンの摩耗も減少し
て耐久性も向上すると云う多くの効果を奏する。

本発明の装置において、絞りカム部材と絞り連動部材と
の係合を、絞りカム部材の被動レバー３ｂを延長して絞
り連動部材７の溝と係合するようなものとしたり、或い
はその逆のようなものとしたりする設計上の変更は必要
に応じて採用し得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動絞り装置のカム形状の説明図、第２
図は本発明の装置の１例を示す概要斜視図、第３図は絞
り最大開口の補正が行なわれる状態を示す説明図である
。 １・・・・・・羽根地板、２・・・・・・絞り羽根、３
・・・・・・絞りカム部材、４・・・・・・カム溝、５
・・・・・・絞りカム部ばね、６・・・・・・阻止部材
、７・・・・・・絞り連動部材、８・・・・・・絞り連
動部材ばね、９・・・・・・絞りレバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 羽根地板と、羽根地板に回動可能に配設された絞り
   羽根と、羽根地板に対し相対的に回動することにより絞
   り羽根を回動させる絞り開放方向への回動の付勢を施さ
   れた絞りカム部材と、絞りカム部材の付勢による回動を
   阻止する阻止部材と、付勢によつて自動露出装置の絞り
   レバーに追従回動して絞りカム部材を付勢に抗した絞り
   込み方向に回動させる絞り連動部材とを備えた絞り装置
   であつて、絞りカム部材のカム形状が羽根地板との相対
   的な回動の最初から絞り羽根を回動させる折曲点のない
   形状をなし、絞りカム部材の絞り込み方向への回動は絞
   り連動部材がある程度絞りレバーに追従回動してから絞
   りカム部材に当接することによつて行われるように、絞
   りカム部と絞り連動部材との間に間隙を有することを特
   徴とする自動絞り装置。 ２ 羽根地板と絞り羽根と絞りカム部材の組合せが光軸
   方向に変位可能であり、該光軸方向の変位に伴つて絞り
   カム部材の付勢回動の阻止部材による阻止位置が変化す
   る特許請求の範囲第１項記載の自動絞り装置。 ３ 羽根地板と絞り羽根と絞りカム部材の組合せが光軸
   方向に変位可能であり、該光軸方向の変位に伴つて羽根
   地板が回動する特許請求の範囲第１項記載の自動絞り装
   置。