JPS5942367B2 - 映像信号の記録回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はＶＴＲ（ビデオテープレコーダ）の記録系に適
用しうる映像信号の記録回路に関する。

一般に回転２ヘッド形ＶＴＲでは、第１図に示すように
入力端子１からの映像信号をＡＧＣ回路２、クランプ回
路３、プリエンフアシス回路４及びホワイトクリップ回
路５を介してＦＭ変調器６に供給し、このＦＭ変調器６
の出力を記録増幅器７及び図示せずも回転トランス或い
はスリップリングを介して回転磁気ヘッドＢａ及び゛８
ｂに供給し、磁気テープに記録するようにしている。

回転磁気ヘッドＢａ及び８ｂは略略１８００の角間隔を
保つた状態で回転され、案内ドラムの周面にΩ形に繞ら
された磁気テープに対して２つの回転磁気ヘッドが交互
に対接するようになされ、磁気テープ上には順次映像信
号の１フィールドが傾斜したトラックとして記録される
。第２図Ａは映像信号の一例で、１水平期間が白レベル
となる場合を示しており、これがプリエンフアシス回路
４を介されることにより、第２図Ｂに示すように高域成
分が強調された波形となる。そして、ＦＭ変調に際して
は、例えば同期信号の先端が３．５ＭＨ２とされ、白レ
ベルで４．８ＭＨ２とされ、従つて周波数偏移が１．３
ＭＨ２となるように選ばれており、ホワイトクリップ回
路５によつて５．２ＭＨ２の周波数に相当するレベル以
上のものがクリップされることにより過変調が防止され
ている。また、磁気記録再生において記録電流を一定と
した場合、第３図において、実線で示す特性のように周
波数の低い範囲では周波数が倍になれば再生出力も倍に
なり、周波数が高くなると再生出力が種々の高周波損失
によつて減少する特性となる。

〜ＶＴＲの変調指数が約０．２のように小さくされたＦ
Ｍ変調映像信号の記録再生される側帯波の部分は略々１
〜６ＭＩＩｚの範囲で分布するものである。この第３図
の特性は磁気ヘッドと磁気テープの相対速度で変化し、
相対速度が７ｍ／ ｅｃの場合が実線で示す特性であつ
たとすると、相対速度が３．５ｍ／由ｃのように遅くな
ると、第３図において一点鎖線で示すように再生できる
周波数の上限が低くなつてくる。磁気ヘッドと磁気テー
プの相対速度を遅くすれば、案内ドラムの径を小さくす
ることができ、また磁気テープの走行速度を遅くするこ
とができるので、テープの使用量が少なくなり、ＶＴＲ
自体の小型化が可能となる利点がある。

しかし、上述のように相対速度を遅くする結果、記録再
生可能な帯域が狭くなつてしまうので、周波数偏移を前
述の数値例のように１．３ＭＨ２とすると、再生出力が
零となる特性の影響を受けてしまう。そこでＦＭ変調特
性を変えて、同期信号先端の周波数、白レベルの周波数
の夫々を共に小さくすることが考えられるが、低域側に
は低域変換された搬送色信号があるために、同期信号先
端の周波数を下げることができない。また、周波数偏移
を余り小さくするとドロツプアウト等の影響を受け易く
なりＳ／Ｎの劣化が生じ、特に高域のノイズが再生画面
で目立つ欠点があつた。本発明は上述の点を考慮して、
ＦＭ変調映像信号の周波数偏移を従来の場合の１／２〜
１／４としても画質の劣化が生じないようにして、ＶＴ
Ｒに適用したときには磁気テープと磁気ヘツドの相対速
度を遅くすることを可能とした映像信号の記録回路を提
供せんとするものである。

以下、第４図を参照して本発明の一実施例について説明
しよう。

入力端子１からの映像信号はＡＧＣ回路２を介してハイ
パスフイルタ１１及びローパスフイルタ１２に供給され
る。ハイパスフイルタ１１の出力に得られる映像信号の
高域成分は位相分割回路１３に供給され、正極性（白レ
ベル側）の部分が増幅器１４ａに供給され、負極性（同
期信号側）の部分が増幅器１４ｂに供給される。増幅器
１４ａのゲインは増幅器１４ｂのゲイン以上とされてい
る。これら増幅器１４ａ及び１４ｂの出力は加算回路１
５に供給される。さらに加算回路１５にはローパスフイ
ルタ１２の出力が可変減衰器１６を介して供給される。
そして加算回路１５の出力がクランプ回路３、ホワイト
クリツプ回路５を介してＦＭ変調器６に供給され、これ
よりのＦＭ変調映像信号力相？増幅器７を介して回転磁
気ヘツド８ａ，８ｂに供給される。上述の構成において
、入力端子１に第５図Ａに示すように白レベル一定の映
像信号が供給されると、ハイパスフイルタ１１からは同
図Ｂに示すように映像信号の高域成分が取り出され、ロ
ーパスフイルタ１２からは同図Ｃに示すように映像信号
の低域成分が取り出される．高域成分は位相分割回路１
３により正負の極性に分離され、夫々増幅器１４ａ及び
１４ｂにより増幅され、然もその際に正極性の部分を増
幅する増幅器１４ａのゲ゜インは大きいから、これら増
幅器１４ａ及び１４ｂの出力が合成されたものは第５図
Ｄに示すものとなる。

これと、ローパスフイルタ１２の出力が減衰されたもの
と力伽算回路１５で加算されるので、加算回路１５の出
力は第５図Ｅに示すものとなる。そして、ホワイトクリ
ツプ回路５により例えばＦＭ変調された場合に４．８Ｍ
Ｈｚに相当するようなレベル以上がクリツプされる。か
かる第５図Ｅで示す信号を変調波としてＦＭ変調を行な
うことにより、同期信号の先端の周波数３，５ＭＨｚか
ら白レベルの周波数４．０ＭＨｚまでの周波数偏移を０
．５ＭＨｚというように小さくすることができ、従つて
磁気ヘツドと磁気テープの相対速度が遅いときでも、再
生出力が零となるようなことがなく記録再生を行ないう
る。周波数偏移は小さくされているが、映像信号の高域
成分のうち、黒レベルより白レベルに向う信号を、同期
信号側ｌこ向う信号に比して大きく増幅することにより
白レベル側の高域成分が強調されているから、上述のよ
うに記録した磁気テープを再生することにより得られる
再生画像は高域成分のＳ／Ｎが改善されるために解像度
が良好で高域のノイズが目立たず、良好なものとなる。
勿論、再生時には、第４図の特性とは逆の特性の周波数
補償回路を設ける必要がある。一例として、相対速度を
３。５ｍ／Ｓｅｃとした場合に、解像度が２５０本、Ｓ
Ｎが４５ｄＢのカラーＶＴＲを実現することができた。

上述の数値例は一例であり、相対速度が略々３．５ｍ／
Ｗｃの場合では、周波数偏移は０．６ＭＨｚ以下に選び
、白レベルに相当する周波数からホワイトクリツプレベ
ルに相当する周波数までは０．６〜０．８ＭＨｚに選び
、同期信号の先端から同期信号側のピークレベル（ダー
ククリツプレベル）までは０．５〜０．７ＭＨｚに選ぶ
のが好ましい。

この数値は、周波数偏移に関しては、再生特性を考慮し
て小さくすると共に、ドロツプアウト、速度変化ノイズ
の影響を受けない程度に大きくするように選び、同期信
号先端或いは白レベルからのピークまでの周波数偏移は
過変調が生じない範囲で大きく選ばれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の映像信号の記録回路の系統図、第２図は
その動作説明に用いる各部波形図、第３図は再生特性を
示す図、第４図は本発明の一実施例の系統図、第５図は
その動作説明に用いる各部波形図である。 １は入力端子、６はＦＭ変調器、１１はハイパスフイル
タ、１２はローパスフイルタ、１３は位相分割回路であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 映像信号の低域成分の振幅を圧縮した低域信号と、
   この映像信号の高域成分のうち黒レベルより白レベル側
   に向う信号を、同期信号側に向う信号に比し増幅してこ
   れと加算した高域信号とよりなり、上記高域信号と低域
   信号との合成後に所定白レベル値でクリップをなし、記
   録用信号とした映像信号の記録回路。