JPS5941785Y2 - まほうびんの栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、まほうびんの外胴に装着した肩部材に螺合し
、かつ着脱自在の機能を有するネジ式密栓型の栓構造に
関し、特に、内容液を注出するに当り栓自体をねじ戻す
ことなく、栓の上部に設けたスイッチを親指等で押すこ
とによってワンタッチで注出することができ、スイッチ
の押圧を解放すると、自動的に栓を閉じることができ、
しかも、不使用の場合においては従来の密栓式と同様、
転倒時にも液洩れを起さないようにした栓構造に係る新
規な考案に関するものである。

この種の形式を有するまほうびんの栓として従来様々の
ものが提案されているが、いずれのものも弁体が栓本体
の注水口である液注入口より上方にあり、バネにより液
性水口を常に開放する方向に付勢せしめられている。

従って、不使用時における密栓状態を完全ならしめるた
めには、弁閉塞用のスイッチの斜面と弁体の弁棒とが当
接する寸法精度が不可欠であり、その精度が充分でない
と水洩れ等の不具合を生ずることとなる。

また、中びん内の圧力が減少した場合には、弁座が栓本
体の液注入口に完全に吸着されるから、上記バネが弱い
場合にはスイッチをたとえ注水状態となるように移動さ
せても、弁体が上昇せず、注水不可能という事態を生ず
る。

このように、従来のものには、弁体の位置、弁体の付勢
力向に起因する致命的欠陥がある。

本考案は、このような欠点を解消するために案出された
もので、弁体７の弁座７ａが栓本体３の下方にあり、弁
体Ｉの上昇により液注入口を下方より閉塞するようにし
たものである。

本考案を実施例である図面に基いて説明する。

外胴１上に液通路２ａを有する肩部材２を装着し、該肩
部材２の口部には雌ネジを設け、これに栓本体３の雄ネ
ジ３ａを螺着し得るようにする。

栓本体３の下端部には液注入口４が、また、栓本体３の
前部（第１，４図の左方）には該液注入口４と連通ずる
液排出口５が設けである。

液注入口４の上方にあたる栓本体３には、ガイド孔６を
有するボス３ｂを樹立せしめる。

このガイド孔６には、上記液注入口４を開閉する弁体７
の弁棒７ｂが挿着せしめられ、弁棒７ｂの上下動を案内
する役をなす。

栓本体３の上方である開口部分には、栓カバー８を被せ
て一体的ならしめる。

栓カバー８の天板にはその下面に宿って、弁体７の上下
動を行わせるスイッチ９を配し、該スイッチ９の前端部
は、栓カバー８の太根下に設けた枢軸１０に枢着してス
イッチ９が枢軸１０を支点として揺動可能とし、スイッ
チ９の後部は、第２図に示すように栓カバー８の天板の
後部に設けた切欠部８ａ内に位置せしめ、外部から特に
栓カバー８の後方からスイッチ９を操作し得るようにす
る。

次に、液注入口４を開閉する弁体７は、下端部に弁座７
ａとその中心から上方に向けて弁棒７ｂを設けた断面逆
Ｔ字状とし、該弁棒７ｂの上端部は半球状に丸く形成す
る。

弁座７ａの外周面には断面コ字状の環状の弁用バッキン
グ１１を嵌着せしめる。

この弁体γは、上記弁座７ａが栓本体３の下方に位置す
るごとく装着し、弁用バッキング１１が液注入口４を下
方から閉塞するようにする。

即ち、弁座７ａに弁用バッキング１１を嵌着した後、栓
本体３の下方よりガイド孔６に弁棒７ｂを挿入して上方
に突出せしめる。

この状態において、こイル状のバネ１２をボス３ｂの外
側に装着し、水密用のＯＩＪソングのバッキング１３を
装着した後、バネ受座１４を弁棒７ｂの所定位置に強制
嵌合し、バネ１２が常に上方へ付勢力を有するようにす
る。

スイッチ９が第４図、第５図に示すような位置にあると
きは、バネ１２の弾力により、弁座７ａに嵌着した弁用
バッキング１１が液注入口４を下方から閉塞する。

一方、スイッチ９の後部を第５図の状態から押下げたと
き、液注入口４が順次開放せしめられるようにし、スイ
ッチ９が最も下ったとき（即ち、第６図の状態）には、
液注入口４が全開となるようにする。

バネ受座１４を弁棒７ｂに強制嵌着するに当っては、弁
棒７ｂの所定位置に予じめ浅い凹周溝を設けておくとよ
い。

このようにすると、バネ受座１４の固定を一層確実なも
のとすることができる。

スイッチ９の下面には、弁棒γｂの上端を押圧するとこ
ろにおいて、断面半球状の窪み９ａ（第３図〕を設け、
該窪み９ａ内に弁棒７ｂ上端部の半球状部分が嵌入しう
るようにしておくと、スイッチ９の作動と弁体７の上下
動との連動関係を一層確実なものとすることができる。

また、スイッチ９の作動前（即ち、第４，５図の状態の
とき）でも、スィッチ９下面と弁棒７ｂの上端とが当接
するようにしておくと、スイッチ９を僅かに押下げるだ
けで弁体７を降下せしめることができるから、栓カバー
８、ひいては栓全体の高さを小さくすることができるで
あろう。

上記水密用のバッキング１３は、弁体７が下方σこ押さ
れた注水状態において、ボス３ｂとバネ受座１４とで挟
圧され、ガイド孔６と弁棒７ｂとの間から栓本体３の上
方へ水が洩れることを防止する作用をなす。

なお、栓本体３はポリプロピレン等の耐熱性に優れ、臭
気の少い合成樹脂製とすることが望ましく、栓カバー８
、スイッチ９の材質も栓本体３と同様とすることが望ま
しい。

また、弁座７ａと弁棒γｂとは、ポリプロピレン等の合
成樹脂で一体成型するとよい。

その他図面において、１５は中びん、１６は把手、１７
は液通路２ａ上を被う肩カバー、１８は栓本体３に設け
た注液時の空気流入孔である。

注液するに当っては、栓自体をねじ戻すことなく、片手
持に把手１６を握っている手の親指でスイッチ９の後部
を押下げる。

すると、前述したように弁体７はバネ１２の弾力に逆ら
って降下せしめられ、液注入口４は全開する。

従って、まほうびんを傾けるだけで、中びん１５内の液
は液注入口４から栓本体３の通路、液排出口５、液通路
７２ａを経て注液することができる。

一方、スイッチ９から親指を離すと、バネ１２の弾発力
によりスイッチ９は枢軸１０を支点として上方に動き、
弁体７の上昇により液注入口４を下方から自動的に閉塞
する。

このように、本考案では、弁体がバネ１２により常に上
方に付勢され、液注入口４を常時下方から閉塞する方向
に力が働いているため、水漏れの恐れがほとんどなく、
また、弁体７上面とスイッチ９の斜面との当接に関し、
従来のものに比べてその精度を厳格に要求されることが
なく、簡単に組立てることができ、しかも、組立後にお
いて弁体Ｔが液注入口４を完全に閉塞しているか否かの
点検も容易に行うことができる。

また、中びん１５内の圧力が減少したとき、従来例では
弁座が栓本体３の液注入口４に完全に吸着され、スイッ
チ９をたとえ注水状態となるように移動させても、バネ
１２か弱い場合には弁体７が上昇せず、注水不可能とい
う事態を生ずる恐れがあるのに対し、本考案では減圧時
において、その力がたとえバネ１２の弾発力より勝って
いたとしても、弁体７が容易に下り、その瞬間外気が中
びん１５内に自然に流れ込み、瞬時にして密栓状態に復
帰し、減圧力は自然に解除されて、スイッチ９さえ押下
げれば直ちに注水可能となる。

さらに、スイッチ９の後部は把手１６の上方であるまほ
うびんの後部に位置しているため、片手で操作すること
ができてきわめて便利であり、また、スイッチ９の押圧
を放つと、瞬時にして酸注入口４は閉塞され、栓の締め
忘れもなく、安全であるという特長がある。

本考案は、構造的には一見従来り（ｊと僅かな差異があ
る程度にしか見えないけれども、上述したように従来例
とは作用効果の上で特に大きな差異が認められ、極めて
有益な効果を奏する。

まして、バネの耐久性を考慮するとき、従来のものに比
べて本考案は一層有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案によるまほうびんの栓の実施例を示すもの
で、第１図は正面図、第２図は平面図、第３図は分解し
た状態を示す縦断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線
線入大断面図第５図、第６図は真空二重びんを内蔵した
まほうびんに本考案の実施例である栓を螺着した上部を
けの縦断面図で、第５図はスイッチの作動前を、第６図
はスイッチを押下げた場合を示す。 １・・・・・・外胴、２・・・・・・肩部材、３・・・
・・・栓本体、４・・・・・・液注入口、５・・・・・
・液排出口、６・・・・・・ガイド孔、７・・・・・・
弁体、７ａ・・・・・弁座、７ｂ・・・・・・弁棒、８
・・・・・・栓カバー、８ａ・・・・・・切欠部、９・
・・・・・スイッチ、１０・・・・・・枢軸、１１・・
・・・・弁用バッキング、１２・・・・・・バネ、１４
・・・・・バネ受座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. まほうびんの外胴１上に装着した肩部材２に螺合し、か
   つ着脱自在の機構を有するまほうびんの栓において、下
   端部に液注入口４と前端部に該液注入口４と連通ずる液
   排出口５とを有する栓本体３を、肩部材２に螺合し、該
   栓本体３の上部には栓本体３の上部開口部分を閉鎖する
   べく栓カバー８を装着し、該栓カバー８の天板下には枢
   軸１０を支点として揺動可能なスイッチ９を設け、該ス
   イッチ９の後部は栓カバー８の後部に設けた切欠部８ａ
   内に位置せしめ、一方、断面逆Ｔ字状の弁体７の弁棒７
   ｂを前記液注入口４の下方より栓本体３に設けたガイド
   孔６を貫通して挿入し、該弁体７の弁座７ａには弁用バ
   ッキング１１を備え、前記弁棒７ｂの上部にはバネ受座
   １４を強圧穴し、該バネ受座１４と栓本体３との間には
   弁体７を常に上方に付勢するバネ１２を介装し、また、
   前記弁棒７ｂの上端は、前記スイッチ９の下面に当接せ
   しめ、スイッチ９の揺動運動を弁体７の上下運動に関連
   連動させて液注入口４を下方より開閉可能ならしめたこ
   とを特徴とするまほうびんの栓。