JPS5940135Y2 - 運搬装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、運搬装置、さらに詳しくは直方体状の運搬容
器の側面に吊手を設け、この吊手にコ字型の吊金具を引
掛け、これをクレーンにより移動し、その容器の吊手を
軸として容器を傾倒させ内容物をクレーン操作のみによ
り排出させるようにした運搬装置に関する。

従来から高温溶融物質を取鍋等に取りこれを移動し、排
出する方法は公知である。

例えば円筒形の鋳鍋に溶鋼を入れ鋳型に注入する場合、
ハンガーにフックを引掛は移動し鋳鍋を吊ったまま鋳型
に注入しているか、これは、比較的少量の溶鋼を鋳型に
入れるのに適している。

しかし、電気炉から排出される溶融カルシウムカーバイ
ド（ＣａＣ２）のように大量に排出され冷却固化するも
のを運搬したり、また固化したＣａＣ２を一度に排出さ
せるものには適当な運搬装置ではない。

（実公昭３８−２３０２６号）さらに従来のＣａＣ２の
運搬装置について説明すると、ＣａＣｚ製造用電気炉か
ら排出されるＣａＣ２を電気炉から上部方向に向って拡
がりを有する直方体状の運搬容器に取り、これを冷却室
に運搬して冷却した後、これを割り台に運搬して粉砕し
所望の形状にしている。

このようなＣａＣ２の運搬容器はＣａＣ２が約６００
ｋｇ以上充填されているので、これを運搬するには運搬
容器の側面に固定された吊手に、先端が掛はフックから
なるコ字型吊金具を引掛け、さらにその容器の上部縁部
に掛は止め具を人力で固定して、クレーンで運搬する方
法が採られている。

しかしＣａＣ２は冷却室で冷却され表面が固化しても内
部まで完全に冷却されていないので、高温であり、これ
を割合に運搬し、そのＣａＣ２を取り出すためその容器
を転動しなければＣａＣ２を取り出すことができない。

このような運搬装置では人手により転動しなければなら
ず、危険を伴うので人手を要しないで運搬でき排出でき
る装置の出現が望まれていた。

本考案者は、運搬容器の重心と吊手位置について鋭意研
究を重ねた結果、空容器の重心位置と充填した容器の重
心位置の間に吊手位置を設けることにより空容器の時は
容器は安定状態にあり、内容物が充填されているときは
傾転しやすい状態にあるという知見により本考案を完成
したものである。

すなわち、本考案は上部方向に向って拡がりを有する直
方体状の運搬容器の断面積が小さい側面の両側面対象位
置に固定した吊手を設け、これを先端が掛はフックから
なるコ字型の吊金具に引掛け、クレーンで移動する運搬
装置において、容器の吊手を空容器の重心位置と運搬物
を充填した時の容器の重心との間に設けると共に、コ字
型の吊金具に容器の上部縁部を固定する脱着自在な掛は
止め具をコ字型の吊金具に設けてなることを特徴とする
運搬装置である。

次に本考案の実施例について図面にもとづいて説明する
。

第１図は本考案の実施例の運搬容器の正面図、第２図は
その側面図である。

ＣａＣ２を気炉がら排出される溶融したＣａ’Ｃ２１を
容器２に受け、容器の両側面にある吊手３にコ字型吊釡
具４をクレーンの操作盤で操作して掛は止め具５で固定
する。

吊金具４をクレーンで懸吊し冷却室□に運搬する。

冷却室で冷却後割合に運搬し、クレーンの操作により掛
は止め具５を外すと容器は不安定状態にあるため吊手を
軸にして傾転し固化したＣａＣ２が容器から排出される
。

このようにして容器が空になると重心が下って容器の底
が下に戻る。

この容器の吊手３の位置は、空容器の重心位置より上方
で、かつＣａＣ２が容器上端附近まで充填された状態の
重心位置より下方の位置すなわち、吊手の位置を空容器
の重心位置とＣａＣ２を充填した時の容器の重心位置と
の間に鰻けるが容器の重心位置は容器の材質、寸法によ
って変るので内容物の種類、比重によって充填した容器
の重心位置を算出し、吊手の位置を決定しなければなら
ない。

なお、本考案の運搬装置の掛は止め具の掛は外しは、本
考案出願人の提案した特公昭５８−２１５７号発明の名
称「運搬容器の自動フック掛は外し装置」に示されるも
のが好ましく用いられる。

この装置は運般容器の吊金具に上端固定したスプリング
を補助金具で吊り、補助金具のピンを吊金具の溝を介し
て掛は止め具の長溝に対応させて掛は止め具を吊金具の
ピンで係止し、補助金具のピンが掛は止め具の長溝にそ
って下方に移動して溝下端に当ると掛は止め具が転倒し
て容器に掛り、−力量金具を下降させると容器の端部で
掛は止め具が起転して容器から外れるようになっている
もので、クレーン操作で自動的に掛は止め具を掛けたり
、又外したりすることができる。

以上本考案の装置の実施例をＣａ Ｃ２を運搬する場合
について説明したが、本考案はこれに限られるものでは
ない。

本考案は特定の位置に吊手を設けた運搬容器とその吊手
を先端が掛はフックからなるコ字型吊金具により引掛け
、さら（ごその容器の上部縁部を掛は止め具により固定
し、クレーン操作により移動し、内容物を排出するとき
は吊金具を降下させると掛は止め具が起転して容器から
外れるようになっているので、クレーン操作のみで内容
物を運搬し、排出できるので運搬作業が省力化できると
いうすぐれた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の正面図、第２図はその側面図
である。 １・・・・・・Ｃａ Ｃ２，２・・・・・・運搬容器、
３・・・・・・吊手、４・・・・・・吊金具、５・・・
・・・掛は上め具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部方向に向って広がりを有する直方体状の運搬容器の
   断面積が小さい側の両側面対象位置に固定した吊手を設
   け、これを先端か掛はフックからなるコ字型の吊金具に
   引掛はクレーンで移動する運搬装置において、運搬容器
   の吊手を空容器の重心位置と内容物を充填した時の容器
   の重心位置との間に設けると共にその容器の上部縁部を
   固定する脱着自在な掛は止め具をコ字型の吊金具に設け
   てなることを特徴とする運搬装置。