JPS59400B2 - 自動記録機におけるペン交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は複数個の記録ペンを取換えて用いる自動記録
機において、記録ペンを交換するペン交換装置に関する
ものである。

このような自動記録機では、記録紙に平行な平面内では
任意の位置に移動可能なように架装されたキャリッジ（
ｃａｒｒｌａｇｅ）を備え、このキャリッジに装着され
ているペンホルダ（ｐｅｎｈｏｌｄｅｒ）に現在使用す
る記録ペンを装着し、キャリッジの位置を計算機によつ
て制御して所望の記録を行つている。

その場合、現在使用しない記録ペンはそれぞれ別のペン
ホルダに装着して、それぞれ所定の場所に置いてある。
この明細書では、現在使用する記録ペンを装着するペン
ホルダを仮に移動部ペンホルダと称し、これに対し現在
使用しない記録ペンを装着するペンホルダを仮に格納部
ペンホルダと称することにする。

したがつて、この明細書でいうペン交換装置とは移動部
ペンホルダと、指定した格納部ペンホルダとの間で自動
的に記録ペンの装着変更を行う装置である。従来のペン
交換装置には大別して２つの方式があつた。

その第１の方式では、指定した格納部ペンホルダを特定
の位置に移動させ、その場所でペンの交換を行うが、こ
のためには格納部ペンホルダの駆動装置とその、駆動装
置を制御するためのプログラムを、キヤリツジの駆動装
置とその制御のためのプログラム以外に別に設けなけれ
ばならず、装置が綜合的に複雑になるという欠点があつ
た。第２の方式では、格納部ペンホルダの位置は固定し
てあ一いて、移動部ペンホルダを移動して格納部ペンホ
ルダの位置まで持つてきてその位置で記録ペンの交換を
行うもので、第１の方式にふ・ける上述の欠点は除去す
ることができるが、第２の方式による従来の装置はすべ
て、記録ペンの着脱及び保持に機械的な機構を用いてお
・り、そのため、以下に述べるような種々の欠点があつ
た。すなわち、（ａ）記録ペンを機械的に保持するには
、多くの場合、弾性的な力を利用する力く記録ペンを着
脱する場合は、この弾性的な力に抗して記録ペンをその
保持から解放せねばならず、２５０１ないし３００ｆの
力を必要とする場合があり、移動部ペンホルダを１駆動
する駆動装置からこのような大きな力を与えることが困
難な場合がある。

（ｂ）移動部ペンホルダの所定の運動を利用して記録ペ
ンを保持から解放し、その状態で一力のペンホルダから
記録ペンを離脱させて他方のベンホルダに挿入し、この
他方のペンホルダにお〜ける弾性機構で記録ペンを保持
レ次に移動部ペンホルダを格納部ペンホルダの位置から
退避させるという一連の運動を連結して行わせるために
は複雑な機構が必要であり、上緘ａ頑で述べたことも関
連して、装置が大形となり製造原価が増大する。（ｃ）
上暉ｂ顔で述べた一連の運動を連結して行わせるために
は、記録ペンの着脱時点に訃ける格納部ペンホルダと移
動部ペンホルダの相対的位置関係には十分な精度を必要
とし、製造原価の上昇につながる。

上述の相対的位置関係に狂いを生じた場合は装置の動作
が不円滑となるばかりでなく、装置の破損を招く訃それ
がある。（ｄ）機械的な構造であり、動作に相等な力を
必要とかつ相対的位置関係に充分な精度を必要とするの
で、強固で重量のある構造となり、かつ振動、衝撃、摩
耗等に対して弱い構造となる。

・この発明は従来の装置に訃ける上述の欠点を除去する
ためになされたもので、極めて簡単な構造で、記録ペン
の着脱に大きな力を必要とせず、かつ安価Ｋ製造するこ
とができるペン交換装置を提供することを目的とするも
のである。以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。

第１図はこの発明の一実施例を示す自動記録機の略平面
図である。図にふ・いて１は記録面、２は筐体構造、３
はＸ方向ガイド、４はプラケツト、５はＹ力向ガイド、
６はキヤリツジ、７は移動部ベンホルダ、８は格納部ペ
ンホルダで３個の格納部ペンホルダが一体に構成されて
いる例を示す。９は記録ペンである。

Ｘ方向ガイド３とＹ方向カード５とは互に直角に構成さ
れて卦り、以下の記述ではＸ方向ガイド３の方向をＸ軸
、Ｙ方向ガイド５の力向をｙ軸゛とする直角座標を仮定
して説明する。

プラケツト４はＸ方向ガイド３上を自由に滑動すること
ができ、キヤリツジ６はＹ方向カード５上を自由に滑動
することができるので、キャリツジ６に装着された移動
部ペンホルダ７に保持された記録ペン９は、Ｘｙ座標上
の任意の位置にづいて記録面１に置かれた記録紙に対し
記録することができる。Ｙ力向ガイド５に溢つてキヤリ
ツジ６を１駆動する１駆動装置はプラケツト４内に設け
られ、Ｘ方向ガイド３に溢つてプラケツト４を駆動する
駆動装置は筐体構造２内に設けられる。

これらの駆動装置、これら１駆動装置を制御する制御回
路、この制御回路に与える信号を発生するため計算機が
実行すべきプログラム及び必要なゼータを記憶するメモ
リ装置、ならびに外部から計算機にデータを入力する手
段等は、すべて従来の自動記録機に｝けると同様であり
、かつこれらの装置は、この発明の説明に対しては直接
の関係は持つていないので、その一般的な説明は省略す
る。また移動部ペンホルダ７に装着した記録ペン９で記
録を行わないで、キヤリツジ６の位置を移動するときは
、記録ベン９を何等かの手段で記録面１に対し直角な力
向に退避させてあ・くのであるが、これも従来の自動記
録機に｝けると同様であるので、その説明を省略する。
第２図はこの発明の一実施例にあ一ける記録ベン９を示
第２図ａは側面図、第２図ｂは平面図、第３図はこの発
明の一実施例に訃ける格納部ペンホルダ８を示し、第３
図ａは側面図、第３図ｂは平面図、第４図は格納部ペン
ホルダ８に記録ペン９を装着した状態を示―第４図ａは
側面図、第４図ｂは一部平面図、第５図はこの発明の一
実施例に｝ける移動部ペンホルダ７を示し、第５図ａは
側面図、第５図ｂは平面図、第６図は移動部ペンホルダ
７に記録ペン９を装着した状態を示し、第６図ａは側面
図、第６図ｂは平面図である。

これらの図面に｝いて、７１は移動部ペンホルダ７の上
部保持板、７２は移動部ペンホルダ７のマグネツト、７
３は移動部ペンホルダ７の下部保持板、８１は格納部ペ
ンホルダ８の上部保持板、８２は格納部ペンホルダ８の
マグネツト、８３は格納部ペンホルダ８の下部保持板、
９１は記録ペン９のカラー（ＣＯ目Ａｒ）、９２は記録
ペン９の磁性部材、９３は記録ペン９の記録尖端である
。第５図ｂに示すとあ・り、移動部ペンホルダ７の上部
保持板７１、下部保持板７３には開口部が設けられ、矢
印Ａの方向にだけ記録ペン９の運動を許容する。また第
３図ｂに示すとお一り、格納部ペンホルダ８の上部保持
板８１、下部保持板８３には開口部が設けられ、矢印Ｂ
の方向にだけ記録ペンの運動を許容する。移動部ペンホ
ルダ７に記録ペン９を装着した状態（第６図）ではマグ
ネツト７２が磁性材料９２を吸着し、上部保持板７１と
下部保持板７３によつて矢印Ａの方向以外への記録ペン
９の運動を阻止し、かつ記録ペン９の自重と上部保持板
７１がカラー９１に及ぼす圧力とによつて尖端９３が記
録紙に圧着される。

格納部ペンホルダ８に記録ペン９を装着した状態（第４
図）ではマグネツト８２が磁性材料９２を吸着し、上部
保持板８１と下部保持板８３によつて矢印Ｂの方向以外
への記録ペン９の運動を阻止し、かつ記録ペン９の自重
はカラー９１が上部保持板８１の上にのることによつて
支えられる。

次に、移動部ペンホルダ７に装着している記録ペン９を
空いている格納部ペンホルダ８に装着する動作じついて
説明する。この動作を指令する信号が与えられると、こ
の動作に対するサブルーチン（Ｓｕｂ−ＲＯｕｔｌｎｅ
）プログラムが発動されて、移動部ペンホルダ７は空い
ている格納部ペンホルダ８に対し矢印Ｂの力向を逆に移
動して記録ペン９の中心軸が格納部ペンホルダ８の中心
軸に合致する点に到る。この点までは記録ペン９の軸は
保持板８１，８３の開口部を支障なく通過し、かつ保持
板７１，７３は保持板８１，８３とは高さが異なるため
接触することな〈通過し、記録ペン９は一方から見れば
第４図の状態、他方から見れば第６図の状態となり、磁
性部材９２はマグネツト７２とマグネツト８２の双方に
吸着される。この状態に｝いて矢印Ａの逆方向に移動部
ペンホルダ７を移動させると、保持板８１，８３のため
記録ペン９は格納部ペンホルダ８に残つたまま、保持板
７１，７３はその開口部の方向が矢印Ａの方向と一致す
るため移動部ペンホルダ７は格納部ペンホルダ８に残る
記録ペン９によつては何等の支障を与えられることなく
離脱するたとができる。以上のような動作のためには矢
印Ａの方向と矢印Ｂの方向とは互に異なる方向であるこ
とが必要であつで、図に示す実施例では互に直角になる
ように設定してある。格納部ペンホルダ８に装着してあ
る記録ペン９を空いている移動部ペンホルダ７に装着す
る動作も、先に説明した動作に類似している。

この場合は矢印Ａの方向から移動部ペンホルダ７を格納
部ペンホルダ８に接近させ、双方のペンホルダ７，８の
軸心を合致岱せた後矢印Ｂの方向に移動部ベンホルダ７
を移動させると保持板７１，７３の制限により記録ペン
９は移動部ペンホルダ７に保持されて保持板８１，８２
の開口部を通過する。以上の説明から明らかなように、
移動部ペンホルダ７と格納部ペンホルダ８の間で記録ペ
ン９の着脱を行うとき、その遷移点ではマグネツト７２
とマグネツト８２の吸引力は互に平衡しているので、十
分に小さな力によつて着脱を行うことができる。また工
作精度其他の原因で遷移点にあ・いてマグネツト７２と
マグネツト８２の吸引力に差が生ずる場合でも、その差
が十分に小さくなるよう磁路を設計することは容易であ
る。一般に磁束をφ、鉄片との距離をＸ，磁気回路の抵
抗をＲとすＤＲるとき、マグネツトの吸引力はＦ＝φ２
−となＤｘｄＲ るが、Ｘの小さな領域に｝いて一がほぼ一定にＤｘなる
よう磁気回路を設計して｝けば、工作精度其他の原因で
遷移点に訃いてマグネツト７２，８２と磁性部材９２と
の距離が異なる場合でも吸引力をほぼ平衡させることが
できる。

また、第４図と第６図に示すように、記録ペン９の軸心
に対し対称な位置Ｋ両マグネツト７２，８２を設け吸引
力を平衡させることは好適な実施例ではある八 この発
明はこのような実施例に限定されるものでなく、吸着用
マグネツトなどのように配置した場合でも、従来の機械
的装置に比しはるかに小さい力で記録ベン９の着脱を行
うことができる。また、第２図に｝いて９２をマグネツ
トにし、第３図に｝いて８２、第５図にお・いて７２を
磁性部材にしても同様に動作することができ、あるいは
、マグネツト７２，８２を電磁石にして吸着力を制御す
ることも可能である。

このような一般的な構成を綜合して、この明細書では仮
に磁気機構と称することにする。以上のように、この発
明によつて下記の効果を得ることができる。

（イ）構造を極めて簡単にすることができる。

（ロ）記録ベンの着脱に要する力を極めて小さくするこ
とができる。（ハ）移動部ペンホルダと格納部ペンホル
ダの相対的位置に相当な誤差を許容することができる。

たとえば格納部ペンホルダの移動が１〜２ｍｍ程度ずれ
ていても記録ペンは十分に正しい位置に吸着される。（
ニ）移動部ペンホルダにも格納部ペンホルダにも何等の
信号を与える必要はない。

（但し、マグネツト７２，８２を電磁石で構成その電流
を制御する場合を除く） （ホ）ペン着脱のための移動部の運動が単純なＶ字型で
あジ、最も制御が簡単である。

すなわち、図に示す実施例では矢印Ａの力向も矢印Ｂの
方向もｘ軸に対し４５矢の方向であるので、キヤリツジ
６をＸ軸方向とｙ軸方向とに互に等しい速度で，駆動す
ればよい。（へ）記録ペンの保持が安定であつて振動、
衝撃、摩耗等に対して強い。

以上を総合して、この発明によれば、従来の装置の欠点
をすべて除去し、信頼性のあるペン交換装置を安価に提
供することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例を示す自動記録機の略平面
図、第２図はこの発明の一実施例に訃ける記録ベンを示
す図、第３図はこの発明の一実施例に｝ける格納部ペン
ホルダを示す図、第４図は格納部ペンホルダに記録ペン
を装着した状態を示す図、第５図はこの発明の一実施例
に訃ける移動部ペンホルダを示す図、第６図は移動部ペ
ンホルダに記録ペンを装着した状態を示す図である。 ６・・・キャリツジ、７・・・移動部ペンホルダ、８・
・・格納部ペンホルダ、７１，８１・・・上部保持板、
７２，８２・・・マグネツト、７３，８３・・・下部保
持板、９２・・・磁性部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動記録機の記録面の所定範囲内の任意の位置に移
   動可能なよう架装されたキャリッジと、このキャリッジ
   の位置を駆動する駆動装置と、上記キャリッジに装着さ
   れる移動部ペンホルダと、この移動部ペンホルダに記録
   ペンを吸着する磁気機構と、上記吸着した記録ペンの上
   記移動部ペンホルダに対する相対運動を制限するため上
   記移動部ペンホルダに設けられる保持板と、上記記録面
   の上記所定範囲内の位置に設けられる複数個の格納部ペ
   ンホルダと、この複数個の格納部ペンホルダの各格納部
   ペンホルダに設けられ記録ペンを吸着する磁気機構と、
   上記各格納部ペンホルダに設けられ当該ペンホルダに吸
   着した記録ペンの当該ペンホルダに対する相対運動を制
   限するための保持板と、上記駆動装置を制御するプログ
   ラムを記憶するメモリ装置と、このメモリ装置から所定
   のプログラムを読出して上記駆動装置を制御し上記複数
   個の格納部ペンホルダのうち指定した格納部ペンホルダ
   から上記移動部ペンホルダに記録ペンを吸着させ又は上
   記移動部ペンホルダから上記複数個の格納ペンホルダの
   うち指定した格納部ペンホルダに記録ペンを吸着させる
   ため上記駆動装置の制御を発動する手段とを備えた自動
   記録機におけるペン交換装置。 ２ 移動部ペンホルダに設けられる保持板は、吸着した
   記録ペンの上記移動部ペンホルダに対する相対運動をあ
   らかじめ定める一方向にだけ可能ならしめる開口部を備
   え、各格納部ペンホルダに設けられる保持板は、上記移
   動部ペンホルダに設けられる保持板に対し定める上記一
   方向とは異なる一方向にだけ当該ペンホルダに吸着した
   記録ペンの当該ペンホルダに対する相対運動を可能らし
   める開口部を備えたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の自動記録機におけるペン交換装置。