JPS594004B2 - 鋼板外装楔形側圧緩衝滑り支承 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スラブまたは桁（以下構造体という：あるい
はこれに連らなるラーメン高架橋等の温度変化その他に
よる伸縮を許容しながら、水平地震力その他による側圧
を弾性的に支持すると共に、鉄道橋の軌道直結桁等の支
承に採用した場合、軌道直結桁等の通り狂いの整正のよ
うな微少な水平位置の調整を容易に行なえることを目的
とする定着用鋼板外装側圧緩衝滑り支承に関するもので
ある。

次に本発明を図示の例によって詳細に説明する３第１図
および第２図は本発明において用いられる楔形の側圧緩
衝滑り支承体１０の一例を示すものであって、滑り側鋼
板９の表面にテフロン（登録商標名）その他の合成樹脂
等の低摩擦耐食材料からなる滑り材８が接着剤等により
一体に固着され、かつこの滑り側鋼板９の裏面は側圧を
弾性的に支承するゴム層６の一方の側面に焼付けまたは
接着剤等により一体に固着される。

さらにゴム層６の他方の側面には固定側鋼板７が焼付け
または接着剤等により固着され、各鋼板７，９の上下、
左右方向の端縁部はゴム層６の外側を包むように屈曲さ
れて突起縁７’、９’が形成されている。

第３図および第４図は本発明において用いられる突起お
よび受座を有する軌道スラブ用のラーメン高架橋１３と
軌道を直結するスラブ桁とを接合する場合の支承付近の
一例を示すものである。

鉄筋コンクリート造のラーメン高架橋１３の端部に、そ
の高架橋のスラブ１２の上面よりも低いレベルに上面を
有する受座２が一体に築造され、かつその受座２の中央
部と高架橋のスラブ１２の端部とにわたって、高架橋の
スラブ１２の上面よりも上方に突出する鉄筋コンクリー
ト造の突起本体１４が一体として築造されている。

この突起体１４における高架橋のスラブ１２上に位置す
る部分は、現用の軌動スラブに対応する半円形の平面形
状とし、前記突起本体１４における受座２の上に位置す
る部分は、スラブ桁１の伸縮に対応できのように矩形状
の平面形状とし、この矩形状部分の両側面には、鋼板ま
たはステンレス鋼板等の金属製滑り支承板１５が固定さ
れ、前記突起本体１４と滑り支承板１５とにより突起５
が構成されている。

また前記受座２の桁巾方向の両側にはゴムシューまたは
その他のシューからなる鉛直力支持用シュー３が載置さ
れ、このシュー３は必要に応じ受座２に固定される。

第５図および第６図は、本発明における構造体として、
軌道を直結する軌道スラブ兼用のスラブ桁１を採用した
場合の一例を示すものであって、鉄筋コンクリート版ま
たはプレストレストコンクリート板からなるスラブ桁本
体１６の両端中央部に、平面がほぼコ字状の凹部４が設
けられ、かつその凹部４における桁巾方向の両側には、
下方から上方に向かって漸次深くなるように傾斜する側
面溝１７が設けられ、さらにスラブ桁１の上面には、側
面溝１７の上端部に連らなる上面凹部１８が設けられて
いる。

第７図は本発明において用いるスラブ桁１に接続される
現用の高架橋用軌道スラブ１９〈一例を示すものであっ
て、鉄筋コンクリート版またはプレストレストコンクリ
ート板からなるスラブ本体２０の両端中央部に平面半円
形の凹部２１が設けられている。

第８図および第９図は、軌道スラブを設置した高架橋１
３の端部における軌道を直結した前記の軌道スラブ兼用
のスラブ桁１と、高架橋上に設置される現用の軌道スラ
ブ１９との接続部における設置状態を示すものである。

軌道を直結したスラブ桁１の両端部が、隣り合う高架橋
１３の端部の受座２上に設置された鉛直力支持用シュー
３に架設されると共に、前記スラブ桁１の両端部の凹部
４内に前記突起５における受座側部分が配置され、かつ
前記楔形の側圧緩衝滑り支承体１０が、突起５の桁巾方
向の両側面とスラブ桁１の側面溝１７の傾斜溝底面とに
より形成された上部拡大楔形空間に嵌挿され、前記楔形
の側圧緩承滑り支持体１０の押込量の調節により、スラ
ブ桁１の桁巾方向の位置が調整され、次に側圧緩衝滑り
支承体１０の上端部すなわち広巾端部の上にセメントモ
ルタルまたはアスコン等の抜は止め用便化性ｔＪ材２２
が充填され、その充填材２２の上に当接された抜は止め
用押え部材２３は、スラブ桁１に埋設されているインサ
ート２４に螺合されたボルト２５により固定され、前記
充填材２２と押え部材２３とボルト２５とにより抜は止
め部材が構成されている。

高架橋のスラブ１２に載置された高架橋用軌道スラブ１
９の両端の凹部２１は突起５の一側部を囲むように配置
され、その凹部２１と突起５との間の半円形空間にはセ
メントモルタルまたはアスコン等の硬化充填材２６が充
填され、鉄道用レール２７は前記スラブ桁１および軌道
スラブ１９にわたって配置され、レール締結装置（図示
を省略した）により取付けられる。

また前記軌道スラブ１９の他端部および高架橋のスラブ
上に載置される他の軌道スラブの両端部も、高架橋スラ
ブの上面に設けられた突起および硬化性充填材により所
定位置に固定される。

第１０図は軌道を直結したスラブ桁１とスラブ桁１′と
を連接する場合の例を示すものであって、橋脚２５の頂
部を受座２とし、ここに平面形状が矩形の突起５を一体
に設置したものである。

この場合は、受座２と突起５の平面形状が第３図および
第８図と異なるのみで他の構成は同一である。

本発明を実施する場合、前記側面溝１γを突起５の両側
面に設けると共に、スラグ桁１の凹部４の垂直な両側面
に滑り支承板１５を固定してもよい。

また楔形の側圧緩衝滑り支承材１０の抜は出しを防止す
るための抜は止め部材としては、図示以外の任意のもの
を採用してもよい。

さらにまた、前記滑り支承板１５としては、鋼板の表面
に合成樹脂をコーティングしたものを使用してもよい。

前記側圧緩衝滑り支承体１０における外装鋼板の強さお
よび端縁の突起縁７’ 、 ９’の大きさを増すことに
より、ゴムの弾性係数および強度を増大させることが可
能である。

またこれにより支承体１０の大きさを調整すると共に、
楔形の形状を利用して、この支承体を楔形の空隙部に押
し込むことにより、スラブ桁１の水平方向の微量調整を
も行なうことができる。

本発明によれば、高架橋端部または橋脚、橋台の頂部等
の受座２上に鉛直力支持用シュー３を介して載置されて
いるスラブまたは桁等の構造体の端部に、前記受座２一
体に設けられた突起５を収容する凹部４が設けられ、そ
の突起５の構造体巾方向の両側部分と前記凹部４の構造
体巾方向の両側部分との間に形成された楔形空間に、断
面楔形の側圧緩衝用ゴム層６とその一方の側面に固着さ
れた固定側鋼板７と前記ゴム層６の他方の側面に固着さ
れた滑り材８付きの滑り側鋼板９とからなる楔形の側圧
緩衝滑り支承体１０が嵌挿されているので、接続する高
架橋および前記構造体の温度変化等に基づく伸縮を許容
すると共に、地震力または接続する高架橋間の相対変位
等による側圧を側圧緩衝用ゴム層６により緩衝して、構
造体を安全に支承することができ、さらに側圧緩衝滑り
支承体１０と構造体および突起５との間の間隙の大きさ
が、軌道の通り整正等のために変化しても、楔形の側圧
緩衝滑り支承体１０は、その設置高さが若干上下するの
みで、常に間隙に密着するので調整された間隙の大きさ
を確実に保持することができる。

さらに楔形の側圧緩衝滑り支承体１０を利用して構造体
の巾方向の位置調整を容易に行なうこともでき、しかも
前記側圧緩衝滑り支承体１０の広巾端部に係合する抜は
止め部材が、前記構造体または突起５に固定されている
ので、簡単な手段によって、側圧緩衝滑り支承体１０の
抜は出しを確実に防止することができる等の効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであって、第１図は
本発明において用いられる側圧緩衝滑り支承体の斜視図
、第２図はその縦断側面図、第３図は本発明において用
いられる突起および受座を有する高架橋の一部を示す斜
視図、第４図はその高架橋における突起および受座の一
部を示す正面図、第５図は本発明において用いられる軌
道スラブ兼用のスラブ桁を示す斜視図、第６図はそのス
ラブ桁における凹部付近の縦断正面図、第７図は本発明
の実施例において用いられる高架橋用軌道スラブを示す
斜視図、第８図は側圧緩衝可動支承装置と高架橋用軌道
スラブの設置状態とを示す一部切欠平面図、第９図はそ
のＡ−Ａ線断面図である。 第１０図は橋脚の頂部を受座として利用して軌道直結桁
を相互に連設する場合を示す分解斜視図である。 図において、１はスラブ桁、２は受座、３は鉛直力支持
用シュー、４は凹部、５は突起、６は断面楔形の側圧緩
衝用ゴム層、７は固定側鋼板、８は滑り材、９は滑り側
鋼板、１０は楔形の側圧緩衝滑り支承体、１１は橋脚、
１２はスラブ、１３は高架橋、１４は突起本体、１５は
金属製滑り支承板、１１は側面溝、１９は高架橋用軌道
スラブ、２２は抜は止め用硬化性充填材、２３は抜は止
め用押え部材、２５はボルトである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スラブ又は桁等の構造体の端部に設けられた凹部４
   内に、前記構造体を支持する受座２と一体に設けられて
   いる突起５が配置され、その突起５における構造物巾方
   向の両側部分と前記凹部４における構造物巾方向の両側
   部分との間に設けられた楔形空間に、断面楔形の側圧緩
   衝用ゴム層６とその一方の側面に固着された固定側鋼板
   ７と前記ゴム層６の他方の側面に固着された滑り材８付
   きの滑り側鋼板９とからなる楔形の側圧緩衝滑り支承体
   １０が嵌挿され、その側圧緩衝滑り支承体１０の広巾端
   部に係合する抜は止め部材が、前記構造体または突起５
   に固定されていることを特徴とする鋼板外装楔形側圧緩
   衝滑り支承。