JPS5938Y2 - コンバインの排藁株元支持板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバインの脱穀部から排出された排藁を移送
するための排藁移送装置の改良に関する。

コンバインにおいては、脱穀部で脱穀された穀杆すなわ
ち排藁は蒸出しチェーンによって移送されて機外に排出
されるかあるいはカッタ部に導かれて切断された後回収
される。

ところが従来、この排藁移送途中における排藁と排藁の
株元を支承する株元支持体との間の抵抗等によりこの支
持体の終端部に藁屑が多く滞溜して排藁の移送を妨げる
ことが多かった。

また、機外へ排出されてドロッパ上に落下する排藁はこ
の移送の乱れによって交錯しその回収が困難になるとい
う不都合が生じていた。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、上側の排
藁移送径路中を移送される排藁の株元を支承し案内する
株元支持板の終端部附近に傾斜部を設けることにより、
終端部に滞溜する藁屑を下方に落下させて排除するごと
く構成したコンバインの排藁移送装置を提供するもので
ある。

以下その構成等を図に示す実施例により詳細に説明する
。

第１図はコンバインの側面図、第２図は本考案を実施し
た排藁移送部の側面図、第３図はおなじく平面図である
。

これらの図において、脱穀部１で脱穀された穀杆はフィ
ードチェーン２の終端部において排藁３となって蒸出し
チェーン４に移乗される。

この蒸出しチェーン４は両端を鎖車５および６に張架さ
れ、始端部より終端部に向うにしたがって排藁３の穂先
側に向うごとく傾斜して設けられている。

この蒸出しチェーン４は機台側部の駆動ベルト７からス
テーパイプ８内の駆動軸を経て駆動される。

この蒸出しチェーン４の上側に排藁移送径路を形成する
上部挟持杆９は、平板状に形成され、前後の脚を機台カ
バー１０に摺動自在に係入することによって支持されて
いる。

そして機台カバー１０との間に嵌挿された圧縮コイルば
ね１１により蒸出しチェーン４側へ弾撥力を付与してい
る。

また、蒸出しチェーン４の下側に他の排藁移送径路を形
成する下部挟持杆１２は、同じくその脚を機台フレーム
１３に摺動自在に係入し圧縮コイルばね１４により蒸出
しチェーン４側への弾撥力を付与している。

また前記蒸出しチェーン４よりも排藁株元側には、前記
下側の排藁移送径路の概ね全面を覆うごとく、すなわち
藁出しチェーン４の略々始端部側から終端部側まで延設
された株元支持板１５がポル１〜１６によって水平状態
に支持されており、この株元支持板１５の水平面は藁出
しチェーン４の上端よりやや低く位置付けられている。

なお、ボルト１６は株元支持板１５に凹設した図示しな
い凹陥部内で取付けられ、したがってボルトの頭はこの
凹陥部内に埋設し株元支持板１５の表面上に突出しない
。

第４図はこの株元支持板１５の斜視図で、その終端側の
一部には断面コ字形の境壁部材１５ａを境にして３個の
間怠１５ｂが設けられている。

そしてこの間怠１５ｂの始端側の孔縁を始端とする傾斜
部１５ Ｃは、終端部に向うに従って下方に傾斜されて
おり、前記境壁部材１５ ａならびに平板部材１５ｄと
共に一体に形成されている。

以上のごとく構成された排藁移送装置のうち下側の排藁
移送径路の終端部下方には、円板状に形成されたカッタ
１７が多数並設されでおり、その回転により排藁３を切
断する。

また１８はこのカッタ１７に対向して設けられた送りロ
ータで、カッタ１７との間に排藁３を挟持して切断を補
助する。

１９は排藁３を切断せずに機外へ排出するときにこれを
受けるドロッパで機台前端に蝶番によって開閉自在に枢
着されている。

なお前記藁出しチェーン４は図示しない正逆回転装置に
より正逆転可能に構成されており、図に実線矢印で示す
ごとく正回転するときは、排藁３は上側の排藁移送径路
、すなわち上部挟持杆９側を移送されてドロッパ１９上
に落下する。

また破線矢印で示すごとく逆回転するときは、下側の排
藁移送径路、すなわち下部挟持杆１２側を移送されてカ
ッタ１７上に落下する。

第５図および第６図は他の実施例による排藁移送部の平
面図と拡大平面図および側面図で、本実施例では株元支
持板１５の終端部の構造が前記実施例と異なる。

すなわち、株元支持板１５の終端部には前記実施例の凹
孔１５ｂ長方形の透窓１５ｂが設けられており、この透
窓１５ｂの始端側の孔縁には第６図に拡大して示すごと
く傾斜板１５Ｃが蝶番１５ ｅによって開閉自在に枢着
されている。

この傾斜板１５ Ｃはトーションスプリング１５ ｆに
より透窓１５ｂを閉じる方向への弾撥力が付与されてい
るので、通常は閉じられているが、この傾斜板１５ Ｃ
上に藁屑が滞溜するとその重みにより開かれて藁屑が下
方のカッタ部に落下するごとく構成されている。

以上の説明により明らかなように、本考案によれば、コ
ンバインにおいて、排藁株元支持板の終端部附近に下方
に向って傾斜する傾斜部を設けることにより、移送され
る排藁と株元支持板との間の摺動抵抗が少なくなるし、
また滞溜せんとする藁屑は傾斜部を通って落下して排除
されるので、排藁の移送が渋滞することなくきわめて円
滑に行なわれる。

したがって、排藁は整列された状態で排出されるのでそ
の回収が容易であり、また藁屑排除のために脱穀作業を
中断することがないので作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係るコンバインの排藁移
送装置を示し、第１図はコンバインの側面図、第２図は
本考案を実施した排藁移送部の側面図、第３図はおなじ
く平面図、第４図は株元支持板の斜視図、第５図および
第６図は他の実施例による排藁移送部を示し、第５図は
その平面図、第６図は要部を拡大した平面図および側面
図である。 ３・・・・・・排藁、４・・・・・・藁出しチェーン、
１５・・・・・・株元支持板、１５ Ｃ・・・・・・傾
斜部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正逆転させることによりその上側および下側に排藁移送
   径路が形成される蒸出しチェーンと、この蒸出しチェー
   ンの上下排藁移送径路間に水平状態に介装され上側の排
   藁移送径路で移送される排藁の株元を支承し案内する株
   元支持板とを備え、この株元支持板は、前記蒸出しチェ
   ーンの略々始端部側から終端部側まで延設され、かつ終
   端部付近には下方へ傾斜して藁屑等を放出可能な傾斜部
   が形成されていることを特徴とするコンバインの排藁移
   送装置。