JPS5938855B2 - 転造成形機の転造成形品検査方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、転造成形機から放出される成形品の全数に
つき、転造形状のみならず圧造形状をも自動的に検査す
るための方法及び装置に関するものである。

ところで、予め所要形状に圧造成形して供給される素材
の軸部外周面へ更に雄ネジもしくは環状の溝などを転造
成形して、各種のボルト類やパーツ類を製造するように
構成された転造成形機では、上記素材の寸法的な形状異
常ないし当該成形機側の不調などに起因して、転造形状
に異常のある不良品、例えば雄ネジ径に過不足のあるボ
ルトを生せしめることがある。

また転造成形の前段階における圧造成形では、上記した
寸法的な形状異常のほか、据込み部分に割れや偏心を伴
なった不良品が生じることもあり、且つこのような不良
品は、次の転造成形段階をそのまま通過する。

然してこのような不良品の発生は、散発的であると続発
的であるとを問わず、適確に予知できるものでないから
、かかる不良品の良品中への混入を確実に防止しようと
すれば、少なくとも転造成形後に於て、成形品の全数に
つき、形状の良否を検査しなければならなくなる。

然し乍ら、そのような全数検査を転造成形機から全く独
立した専用の検査機器で行なわせるときは、該機器への
成形品の整列供給その他につき、種々の面倒な問題が伴
ない易く、また時間もかかる。

そこで、この全数検査を、成形品が転造成形機の転造空
間から放出されようとする位置で行なうようにすれば、
上記した整列供給その他に伴なう問題は解決される。

但しこの検査では、成形品を上記の検査位置で少なくと
も１回転以上にわたり回転させる必要がある。

これに対して転造成形機の転造能力は、１分間当たりに
つき数１０個から数１００個にも達する。

従って、１個当たりについては１秒ないしそれ以下の極
く限られた僅かな時間的子桁の中で、如何にして成形品
を１回転以上回転させるかが、上記した全数検査を可能
にするか否かの決め手となる。

本発明は、上記したような考察にもとづいて、転造成形
機から放出される成形品の全数検査を可能ならしめるた
め、転造空間の成形品放出口附近で、回転ダイの回転動
作に追従して転がりつつ膣口から放出される成形品を一
時的に捕捉して、該成形品を引き続き転造時の姿勢に保
たせ乍ら上記回転ダイの回転動作で更に少なくとも１回
転以上回転させ、その間に転造形状のみならず圧造形状
をも検査させるようにしたものである。

以下これを図面に示す実施例について詳述する。

まず第１図に於て、１は検査対象となる成形品の一例と
して示されたボルトであって、頭部２及び軸部３が圧造
加工により形成され、その軸部３には雄ネジ４が転造加
工により形成されている。

次に第２〜４図に於て、１１は転造成形機の一例として
示されたロータリ一式ネジ転造機の円形なる回転ダイ、
１２は同じく円弧形なる固定ダイである。

これらの両ダイ１１，１２は、円弧状の転造空間１３を
介して対接するように配置され、且つ静止した固定ダイ
１２に対して回転ダイ１１は、第２図中の矢印イ方向へ
回転させられるようになっている。

かかるネジ転造機に於て、第１図に示したボルト１の予
め圧造成形されて未だ雄ネジ４が形成されていない素材
１′は、図示しない供給機構によって、転造空間１３の
素材供給口１３ａへ第２図中の矢印口で示す如く供給さ
れ、その空間１３内を回転ダイ１１の回転動作に追従し
て矢印凸方向へ転がり乍ら矢印二方向へ通過する間に、
雄ネジ４が転造成形されて、該空間の成形品放出口１３
ｂから放出されることになる。

１４．１５は成形品捕捉機構の互に近接平行した２本−
組なる制止ローラ及び保持ローラであって、転造空間１
３の成形品放出口１３ｂから放出される転造成形品１を
、引き続き回転ダイ１１へ転接させ乍ら一時的に定位置
へ留まらせるべく、上記放出口１３ｂの直ぐ外方におけ
る固定ダイ１２の転造面延長上へ、回転ダイ１１の回転
中心とも平行して、その放出口１３ｂに近い方から保持
ローラ１５、制止ローラ１４の順序で順次に配置されて
いる。

１６は成形品捕捉機構のベースであって、２個のスライ
ドブロック１７，１Ｂを回転ダイ１１へ向かう方向に対
し個々に進退自在であるよう支持しており、またそれら
の各ブロック１７．１８は、。

夫々の先端で、前記の各ローラ１４，１５を回転自在に
支持している。

然して制止ローラ１４を支持するスライドブロック１７
は、成形品放出口１３ｂから転造成形品１が放出される
直前には、該成形品の通過を阻止する位置まで制止ロー
ラ１４を前進させ、その阻止された成形品１を少なくと
も１回転以上回転させるに要する時間の経過後には、該
成形品の通過を許容する位置まで制止ローラ１４を後退
させ得るような、往復駆動手段を備えている。

かかる往復駆動手段として、図例では、空気圧もしくは
油圧を利用する流体圧シリンダユニット１９が採用され
、前記のベース１６に取り付けられている。

この図示するユニット１９は、往動時のみ流体圧を利用
し復動時にはコイルバネ２０の復元力を利用するもので
あるが、往復共に流体圧を利用するものであっても良い
。

いずれにしても上記ユニット１９のプランジャ２１は、
先端でスライドブロック１７に連結され、且つストロー
ク調節のための調整ネジ２２を後端に備えている。

また、上記往復駆動手段の他の例としては、回転ダイ１
１の回転動作をカムで往復動作に換えてリンク等を介し
スライドブロック１７へ伝えるようにした機械的な往復
伝動機構であっても良い。

一方、保持ローラ１５を支持するスライドブロック１８
は、成形品放出口１３ｂから放出された転造成形品１の
通過を妨げるが如き位置まで保持ローラ１５を常時前進
させ、その通過しようとする転造成形品１で一時的に該
ローラを押し戻させ得るような、弾力的なる附勢手段を
備えている。

かかる弾力的附勢手段として、図例ではスライドブロッ
ク１８の背面を加圧するコイルバネ２３が採用され、且
つ該ブロックの背面へ連結したロッド２４の後端には、
保持ローラ１５の前進位置を規制する調整ネジ２５が備
えられている。

２６は転造成形品１の雄ネジ径などを検査する転造形状
検出器である。

この検出器２６は、保持ローラ１５を検出端として利用
するものであり、従って図例では、該ローラの変位に従
う前記田ンド２４の動きから転造形状の適否を検出させ
るべく、前記のベース１６へ取り付けられている。

かかる検出器２６としては、接触形、非接触形のいずれ
に属する検出素子を用いてもよく、従って例えばポテン
ショメータや差動変圧器などが適当である。

２７は転造成形品１の主として据込み部分における割れ
や偏心などを検査する圧造形状検出器である。

この検出器２７は、前記両ローラ１４，１５で捕捉され
た転造成形品１の要検査部位へ検出端２８を接近させ得
るようにして、前記のベース１６に取り付けられている
。

かかる検出器２７としては、非接触形の検出素子を採用
するのが好ましく、従って例えば磁気探傷子などが適当
である。

なお、前記した両ローラ１４，１５は、成形品放出口１
３ｂの直ぐ外方に配置されるが、該放出口より放出され
る転造成形品１の固定ダイ１２から保持ローラ１５への
受は渡しを円滑ならしめるため、図例では、それら両者
間に成形品ガイド２９が配置されている。

また第２図中の３０は検査済みの転造成形品１を矢印小
方向へ排出するためのシュートであって、その排出方向
における図示しない先方位置には、前記検出器２６．２
７のいずれかで検出された不良品を排除し得る適当な機
構が備えられているものとする。

上記した構成に於て、転造成形品の素材１′が図中の矢
印口で示す如く、転造空間１３の素材供給口１３ａへ図
示しない供給機構によって一定の間隔で次々に供給され
ると、それらの各素材１′は、回転ダイ１１の矢印イ方
向への回転動作に追従して矢印凸方向へ転がり乍ら転造
空間１３内を矢印二方向へ通過する間に、回転ダイ１１
と固定ダイ１２とで順次転造加工されて転造成形品１と
なり、成形品放出口１３ｂから放出される。

このようにして放出された転造成形品１は、図例では成
形品ガイド２９に誘導されて、回転ダイ１１へ転接し乍
ら保持ローラ１５に達し、該ローラをバネ２３に抗し後
退させ乍ら、このローラ１５と回転ダイ１１との間を通
過する。

然してこの時点では、制止ローラ１４が流体圧シリンダ
ユニット１９によって前進させられているため、上記の
保持ローラ１５を通過した転造成形品１は、この制止ロ
ーラ１４に当たって止まる。

また、この成形品１によって上記の如く後退させられた
保持ローラ１５は、該成形品が通過するのと相前後して
、バネ２３で再び前進させられ、制止ローラ１４で止め
られた上記成形品１へ背後から弾力的に当接する。

従ってその転造成形品１は、これの転造加工された部分
、即ち雄ネジ４で回転ダイ１１及び各ローラ１４，１５
の３者へ転接し乍ら、これら３者により捕捉されて定位
置に留まり、この捕捉位置で引き続き転造時の姿勢を保
ち乍ら、回転ダイ１１の回転動作に追従して回転する。

然して保持ローラ１５が捕捉された転造成形品１の雄ネ
ジ４へ当接しているとき、該ローラの位置は、上記成形
品の転造形状が正常であるか否かによって相違する。

例えば転造成形された雄ネジ４の有効径ないし外径に過
不足があるとき、保持ローラ１５の実際の位置は、予定
された位置よりも後退方向もしくは前進方向へずれてお
り、またこの雄ネジ部分の断面形状が正しい円形でない
とき、上記ローラの位置は、該ネジ部分の回転するに伴
ない揺れ動いて、定まらない。

かかる保持ローラ１５の成形品捕捉時における変位、即
ち位置のずれや揺れは、ロッド２４を介して検出器２６
で検出できる。

よって転造成形品１の転造形状は、捕捉用の保持ローラ
１５を検出端に利用して、検出器２６で検査されること
になる。

一方、上記の如く捕捉されて回転する転造成形品１の圧
造加工されたままの部分、即ち頭部２には、圧造形状検
出器２７の検出端２８が接近している。

この検出端２８は、それ自身は静止しているにも拘らず
、相対的にみれば、捕捉位置で回転している転造成形品
１の頭部２に対し、その周囲を走査して、該頭部の割れ
や偏心を検出器２７で検出させる。

よって転造成形品１の圧造形状は、前記した転造形状の
検査と併行して検査されることになる。

ところで、上記したような転造形状及び圧造形状の検査
は、転造成形品１が１回転する間に完了する。

従って転造成形品１を捕捉しておく時間は、該成形品を
１回転ないしはそれを少し越える程度に回転させ得るだ
け有れば良い。

かかる時間的な余裕は、次の転造成形品１が成形品放出
口１３ｂから放出されるまでの間に充分確保できるので
、転造空間１３の素材供給口１３ａに対する転造素材１
′の供給間隔を、上記検査のために特に長くする必要は
ない。

一方、転造成形品１の通過を阻止している制止ローラ１
４は、上記の各検査が完了した時点で、流体圧シリンダ
ユニット１９の復動作により後退させられる。

すると、それまで定位置に捕捉されていた検査済みの転
造成形品１は、回転ダイ１１の回転動作と保持ローラ１
５の弾力的な押動作とで、その捕捉位置から解放され、
シュート３０へ落下して該シュート上を矢印小方向へ滑
落する。

また上記のようにして後退させられた制止ローラ１４は
、検査済みの転造成形品１を解放した後に於て、次の転
造成形品１が成形品放出口１３ｂから放出されるまでの
間に、流体圧シリンダユニット１９の往動作で、再び元
の位置まで前進させられ、次回の検査に備えられる。

なお、上記の各検査に於て発見された不良品は、シュー
ト３０の途中もしくは末端に備えられている筈の適当な
排除機構で排除されるものとするが、この排除機構は、
各検出器２６．２７から出力される不良品検出信号を利
用して動作させることができる。

またこの検出信号を適当に利用すれば、転造成形機の運
転を、不良品の発生が散発的であるときには継続させ、
続発的であるときには自動的に停止させるよう制御する
こともできる。

以上の如く、本発明は転造成形機から次々に放出される
転造成形品を改めて整列し直すことなく順次に一個ずつ
捕捉して、その夫々につき転造形状及び圧造形状の検査
を行なわせるようにしたものであるから、このような本
発明によれば、転造成形品の全数に対する上記の検査を
、転造成形機での転造加工と並行し乍ら該加工に引き続
いて容易且つ自動的に、従って能率よく実行させ得る効
果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の対象となる転造成形品の一例を示した
拡大正面図、第２図は本発明の実施例を示す平面図、第
３図はその要部を示す欠截正面図、第４図は同じく欠截
平面図である。 １・・・・・・転造成形品、１１・・・・・・回転ダイ
、１２・・・・・・固定ダイ、１３・・・・・・転造空
間、１３ｂ・・・・・・成形品放出口、１４・・・・・
・制止ローラ、１５・・・・・・保持ローラ、１９・・
・・・・流体圧シリンダユニット（往復駆動手段）、２
３・・・・・・コイルバネ（附勢手段）、２６・・・・
・・転造形状検出器、２７・・・・・・圧造形状検出器
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 予め圧造成形された転造素材を回転ダイと固定ダイ
   との間の転造空間内で転造加工するようにした転造成形
   機に於て、上記の転造空間から次々に放出される転造成
   形品を、順次に１個ずつ一時的に捕捉して、この捕捉位
   置で、引き続き転造時の姿勢を保たせ乍ら、上記回転ダ
   イの回転動作により少なくとも１回転以上回転させ、そ
   の間に該成形品の転造形状及び圧造形状を共に検査させ
   るようにしたことを特徴とする転造成形機の転造成形品
   検査方法。 ２ 予め圧造成形された転造素材を回転ダイと固定ダイ
   との間の転造空間内で転造加工するようにした転造成形
   機に於て、上記転造空間の成形品放出口の直ぐ外方に装
   備される成形品捕捉機構と転造形状検出器及び圧造形状
   検出器とからなり、且つその成形品捕捉機構は、前記固
   定ダイの転造面延長上へ配置される回転自在な制止ロー
   ラ及び該ローラを前記回転ダイに向かう方向へ進退させ
   る往復駆動手段と、この制止ローラよりも固定ダイ寄り
   に配置される回転自在な保持ローラ及び該ローラを回転
   ダイに向かって弾力的に前進させておく附勢手段とを有
   し、更に前記の転造形状検出器は上記保持ローラを検出
   端に利用して該ローラの変位を検出し得る位置へ設置さ
   れ、圧造形状検出器は上記両ローラで捕捉された転造成
   形品の要検査部分に検出端を対向させ得る位置へ設置さ
   れていることを特徴とする転造成形機の転造成形品検査
   装置。