JPS5938005B2 - 変速機用流体フイルタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は変速機用流体フィルタに関し、かつ特に、あら
かじめ指定された最低作動温度を有する変速機に対して
連続的に流体を供給するフィルタに関する。

中形自動車用の変速機においては、例えば天然繊維また
は合成繊維、もしくは金属線のメツシュまたはスクリー
ンから成る濾過材を有する変速機用流体フィルタを設け
ることが普通である。

このような濾過材は、１３０ミクロンの平均粒度または
粒径を有する粒子を濾過することができ、多年にわたり
満足に利用されて来ている。

しかしながら、変速機の構造を含めて、現在の自動車の
゛手形化″の傾向は、例えば粒度６０ミクロンのオーダ
ーに至るまでの、いっそう有効な濾過を要求している。

変速機用流体において、より小さい粒度までの粒子の濾
過を行いうる濾過材は、これまで提案されて来ている。

しかしながら、変速機用流体の粘度が実質上高（なる寒
冷期の始動条件及び作動条件のもとでは、流体はフェル
トのような濾過材を通してほとんど流れず、従って変速
機の適正な変速や作動が阻害されてしまう。

本発明の目的は、変速機のメーカーによりあらかじめ指
定された、最低作動温度における変速機の適正な作動に
必要な最小限度の流体の流れを付与するとともに、普通
の作動条件のもとにおいても、工業的゛に先行する技術
であるメツシュ及びスクリーン・フィルタの特性に比べ
て高い濾過効率を付与することのできる変速機用フィル
タを提供することにある。

かかる本発明の目的は、フィルタ素子と、該フィルタ素
子を支持する支持装置であって変速機用流体を前記フィ
ルタ素子を通して該支持装置と該フィルタ素子との間に
形成される空所内に通過せしめる支持装置と、前記空所
からの流体出口とを有する変速機用流体フィルタにおい
て、 前記フィルタ素子が、一平面内に支えられ、該平面内に
形成された開口を有し、且つ略均−な厚さのシートから
なる細かい濾過材と、該細かい濾過材の平面内の前記開
口を覆うよう該細かい濾過材に取り付けられる粗い濾過
材とからなり、該粗い濾過材と前記細かい濾過材とが、
各々の濾過材を通って前記空所へと濾過される流体に対
する、別々かつ明確な平行する連続的な流路を形成し、 前記開口を覆う前記粗い濾過材が、該粗い濾過材を通過
する流体を前記細かい濾過材から迂回させ、 前記粗い濾過材の前記細かい濾過材に対する表面積の比
率が、予め定められた変速機の最低作動温度における変
速機用流体の最小の流れを許容しうる最小限となるよう
選択されている、変速機用流体フィルタを提供すること
によって達成される。

本発明は、その付加の目的、特徴、および利点と合わせ
て、以下の説明および添付図面から最もよく理解される
であろう。

添付の図面に基づいて説明すると、本発明に従う図示の
変速機用流体フィルタの一実施態様は、だいたい平担な
底部の壁面１２と、そこから直立する複数の縦に延びる
平行なスペーサーとして、ボスまたはリブ１４とを持っ
た、盆形のベースパン１０を有する。

周縁端部１６がベースパン１０の周囲を取り巻いて延び
、そして壁面１２の平面から一定の間隔だけ離れている
。

カバーとなる盆形のパン１８は、ベースパン１０と対を
なし、だいたい平らな壁面２０と、スペーサーとして、
該壁面から一体に突出する複数の縦に延びる平行なリブ
２２とを有する。

カバーパン１８の周縁端部２４は、第２図および第３図
に最もよ（見られるように、カバーパン１８を取り巻（
とともに該カバーパンの壁面２０の平面から一定の間隔
だけ離れている。

大体長方形の細長いシートからなるフィルタ素子２６は
、第４図により理解されるように、その短い寸法部分（
幅）を横切って折り返されるとともに、カバーパン１８
とベースパン１０との間に西装置されており一訪フイル
り去半の祈り返されてない３つの辺は、上下に重なり合
い、パンの周縁端部１６のところに延びている。

ベースパンの周縁端部１６から一体に延びるフランジ２
８は、カバーパンの周縁端部２４から外向きに延びる舌
状部３０を覆って密封係合をなすように折り曲げられて
おり、それによりフィルタ素子の上記３辺が相対するベ
ーンパンとカバーパンの間に密封係合し、またカバーパ
ンがベースパンに対して捕捉され、ベースパンとカバー
パンの間チ一定の容積を内包するフィルタ素子の支持装
置が組み立てられる。

フィルタ素子のシートは第１及び第２の開口を有スる。

第１の開口はフィルタ素子２６における入口開口３２（
第４図）であり、これはカバーパンの壁面２０に形成さ
れた、対応する入口開口３４と整列するとともに、連続
する周辺を有するはと口金３６によって、入口開口３４
に密封係合して固着されている。

ベースパン１０及びカバーパン１８によって形成される
支持装置と、支持装置内のフィルタ素子２６との間には
、フィルタ素子の上下、及び上記フィルタ素子２６の折
返部と、フィルタ素子の辺と係合しないパンの周縁端部
との間に、それぞれ空所が形成される。

カバーパン１８には出口開口４０が形成され、出口装置
として引上げ管３８がそこから上向きに延びて、空所か
らの流体出口を構成する。

引上げ管３８は、カバーパン１８の遠隔端４２において
、変速機用流体ポンプ４４の流体入口開口内に圧入され
るようになっている（第３図参照）。

輪形の舌状部４６は、引上げ管３８の外表面を取り巻い
て突出しており、それによって該引上げ管のポンプハウ
ジング４４内への挿入を限定するようになっている。

か（して引上げ管３８は、変速機用流体フィルタの出口
開口４０をポンプハウジング４４に連通させるとともに
、第３図に符合４８で略示するように、フィルタを変速
機用流体ポンプ内につり下げる２つの目的を果たしてい
る。

第３図に方向矢印で示すように、変速機用流体は、作動
に際し、まずはと目金３６を通ってフィルタ素子２６の
シートが折り返されて重なり合い、これら重なり合った
シートの間にはさまれた平らな部分の区域に入り、次い
で濾過材を通って、該濾過材とパンの壁ｔｉ１２，２０
との間に形成されたそれぞれの空所に入る。

次に濾過された流体は、ベースパン１０の支えリブ１４
とカバーパンのリブ２２（これらのリブはまた。

平らなフィルタ部分をポンプ４４からの吸込に対して支
える役割をも果たす。

）との間を通り、引上げ管３８を上がり、そして流体ポ
ンプハウジング４４内へと入る。

ベースパン１０は、薄い板金から鍛造した形に構成する
ことが好ましい。

カバーパン１８と引上げ管３８とは、繊維で補強したポ
リアミド（ナイロン）で一体に成形された組立体として
構成され５る。

本発明に従えば、フィルタ素子２６は、その濾過表面に
第２の開口として開口５２を有するシート状の細かい濾
過材５０と、開口５２を覆うよう該濾過材５０に取り付
けられた粗い濾過材５４とを含む、複合組立体から成っ
ている。

濾過材５０゜５４は、はと目金３６内に入る変速機用流
体に対して、別々かつ明確な、連続する平行な流路を付
与する。

即ちひとつの流路は細かい濾過材を通過して空所へと流
出するものであり、他は粗い濾過材を通過し、細かい濾
過材を迂回する流路である。

これらの流路は第３図に見られるように平行であり、明
確に別々に分かれている。

明らかなように、平行な濾過材５０，５４を通って流れ
る流体の量は、それぞれの濾過材の流体の流れに対する
抵抗によるが、この量はまた、部分的に流体の粘度と温
度とに依存する。

本発明の重要な特徴に従えば、粗い濾過材５４の細かい
濾過材５０に対する表面積の比率は、変速機のメーカー
によりあらかじめ定められた特定の最低作動温度におい
て変速機の作動に対して要求される変速機用流体の最小
の流れを許容するに充分な最小比率となるよう、経験的
に選ばれる。

別言すれば、粗い濾過材５４０表面積は、あらかじめ定
められた最低作動温度において変速機に最小限度必要な
流体の流れを付与するに必要な最小限度であり、フィル
タ素子２６の残部は粗い濾過材より有効な細かい濾過材
５０である。

この表面積の比率は、変速機をあらかじめ指定された最
低動作温度において作動するとともに、最小限度の流体
流れが得られるまで粗い濾過材の細かい濾過材に対する
比率を変動させることによってほどなく決定されうる。

粗い濾過材５４は、ポリエステルの単繊維で１２０Ｘ’
１２０メツシユに織るとともに、最小粒度１３０ミクロ
ンの保留能を有するスクリーンで構成することが好まし
い。

また細かい濾過材５０は、最低粒度６０ミクロンの保留
能を有する、フェノール樹脂を浸のポリエステル・フェ
ルトで構成スる。

図示の特定のフィルタにおいては、粗い濾過材５４は全
フィルタ表面積の約１５係を占める。

換言すれば、シートの第２の開口部の表面積は、全フィ
ルタシートの１５係である。

この特定の構造体は、特定のモデル変速機に対し、温度
−３４，４℃において最小流れの所要条件を付与するこ
とが経験的に見出されたものである。

図示の特定のフィルタ組立体が、特定の変速機組立体に
用いるのに適していることは認められるであろう。

しかしながら本発明は、本発明の範囲を逸脱することな
しに他の変速機モデルに用いるための他の型式のフィル
タ構造体に具現すること吃できる。

本発明を利用できる２つの付加のフィルタ組立構造体は
、本出願人が譲受けた米国特許第４１３６０１１号明細
書に記載されている。

同様に、ポリエステル・メツシュおよび樹脂含浸ポリエ
ステル・フェルト以外の濾過材も、より大きいまたはよ
り小さい濾過能力が所望されるＪＡ合に利用することが
できる。

また同様に、本発明に従う複合フィルタ素子における、
粗い濾過材の表面積の、細かい濾過材の表面積に対する
比率は、先に述べたように、フィルタの構造、変速機の
型式、および指定された最低作動温度の関数として変動
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従う変速機用流体フィルタの一実施態
様を示す平面図；第２図および第３図はそれぞれ第１図
の線２−２および線３−３についての断面図；第４図は
第１〜３図に示す変速機用流体フィルタの分解立面図で
ある。 １０・・・ベースパン、１４・・・ベースパンのリフ、
１８・・・カバーパン、２２・・・カバーパンのリフ、
２６・・・フィルタ素子、３２・・・フィルタ素子の入
口開口、３４・・・カバーパンの入口開口、３６・・・
はと目金、３８・・・引上げ管、４０・・・カバーの出
口開口、４４・・・ポンプ（）・ウジング）、５０・・
・細かい濾過材、５２・・・フィルタ素子の開口、５４
・・・粗い濾過材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フィルタ素子と、該フィルタ素子を支持する支持装
   置であって変速機用流体を前記フィルタ素子を通して該
   支持装置と該フィルタ素子との間に形成される空所内に
   通過せしめる支持装置と、前記空所からの流体出口とを
   有する変速機用流体フィルタにおいて、 前記フィルタ素子は、一平面内に支えられ、該平面内に
   形成された開口を有し、且つ略均−な厚さのシートから
   なる細かい濾過材と、該細かい濾過材の平面内の前記開
   口を覆うよう該細かい濾過材に取り付けられる粗い濾過
   材とからなり、該粗い濾過材と前記細かい濾過材とは、
   各々の濾過材を通って前記空所へと濾過される流体に対
   する、別々かつ明確な平行する連続的な流路を形成し、 前記開口を覆う前記粗い濾過材は、該粗い濾過材を通過
   する流体を前記細かい濾過材から迂回させ、 前記粗い濾過材の前記細かい濾過材に対する表面積の比
   率は、予め定められた変速機の最低作動温度における変
   速機用流体の最小の流れを許容しうる最小限となるよう
   選択されている、変速機用流体フィルタ。 ２ 前記支持装置は、相対して固定される周縁端部及び
   各々他から離間した略平担な壁面とを有して一定の容積
   を内包する一対の略長方形で盆形のパン部材と、該パン
   部材の各々の壁面と一体で前記容積内へと突出するスペ
   ーサーと、前記パン部材の一方の壁面に形成された入口
   開口とからなり、前記フィルタ素子の細かい濾過材は、
   樹脂が含浸され略長方形で均一な厚さのフェルトのシー
   トであって、最小粒度６０ミクロンの保留能を有するシ
   ートであり、該シートは折り返されており、折り返し部
   以外の３辺は前記一対のパン部材の相対する周縁端部の
   ３辺の間に密封係合するよう受容され、折り返し部は前
   記一対のパン部材の相対する周縁端部の他の一辺から離
   間して前記容積内に配置されており、 前記空所は、折り返されて重なり合った部分が前記スペ
   ーサーにより支持されて一平面内に支えられたシートと
   、前記一対のパン部材の壁面との間で形成されており、 前記シートは第１及び第２の開口部を有し、前記フィル
   タ素子の開口は前記シートの第１の開口部であり、前記
   折り返されたシートの重なり合う部分の間に流体が流入
   するよう前記パン部材の入口開口を囲んで密封係合し、 前記フィルタ素子の粗い濾過材は、粒径１３０ミクロン
   の保留能を有する、単繊維で１２０×１２０メツシユに
   織られたスクリーンであって、前記シートの第２の開口
   部に取り付けられ、前記側々かつ明確な平行する連続的
   な流路は、前記フェルトのシートと前記スクリーンの各
   々を通る、前記折り返されたシート内から前記空所への
   流路であり、 前記流体出口は、前記シート折り返し部と前記パン部材
   の周縁端部の他の一辺との前記離間部分に開口するよう
   前記パン部材に保持された出口装置であって、前記空所
   と流体連絡する出口装置である、 特許請求の範囲第１項記載の変速機用流体フィルタ。 ３ 前記シートの第２の開口部は、該フェルトシートの
   表面積の約１５係を占める、特許請求の範囲第２項記載
   の変速機用流体フィルタ。