JPS5936310Y2 - ロ−ラ式塗装具のロ−ラ支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ローラ式塗装具におけるローラ支持装置の
改良に関するものである。

ところで、壁面や天井面などのような比較的広い平面を
塗装する場合には、ローラ式の塗装具がよく使用される
。

この塗装具は、先端にローラ支軸を備えた柄本体と、そ
のローラ支軸で支持される筒状の塗布ローラとから横取
されでいる。

かかる塗装具に於ては、上記の塗布ローラが、ローラ支
軸上で回転自在とされ、且つ随時に該支軸から抜外し可
能とされていなければならない。

そこで、塗布ローラが細径なるときは、該ローラの中心
に予めスリーブを貫入固定しで、その塗布ローラをこの
スリーブで上記のローラ支軸へ嵌合せしめる構造とされ
、また塗布ローラが大径なるときは、ローラ支軸上に予
め前影のロータを嵌支して、このロータ上へその塗布ロ
ーラを嵌合せしめる構造とされているのが通例である。

然るにこのような従来のローラ支持装置では、該ローラ
が細径であるか大径であるかにより構造が相違するため
、太さが異なるいずれの塗布ローラでも随時に交換して
支持させるというわけには行かず、然も前影ロータを用
いる支持装置では、該ロータの長さに合致した塗布ロー
ラしか支持させることができないなど、使用時の互換性
に乏しい欠点がみられる。

また上記の支持装置を採用するローラ式塗装具では、そ
の製作に際して、塗布ローラの長さが異なるごとに夫々
に応じた長さのスリーブないし前影ロータを用意しなけ
ればならないため、それらスリーブ等の部品としての汎
用性に乏しく、従って生産コストの引下げが困難である
。

このような従来装置としての公知な一例は、実公昭５５
−３２１２５号公報に示されている。

この公知例は、内径に段差がある円筒の外周面へ起毛部
のベースを巻き付は且つ固定して塗布ローラ、となし、
その円筒の大口径円孔内へ係止筒及び短円筒を挿入し且
つ短円筒を上記の円筒へ釘で固定することにより、係止
筒をその円筒内へ保持させて、該係止筒で、円筒の小口
径円孔及び短円筒へ挿入せしめたローラ支軸に対し、上
記塗布ローラの抜外し可能な抜止めを実現させるように
したものである。

かかる公知例では、円筒が塗布ローラの筒芯を兼ねてい
るため、塗布ローラの所要長さに適合した円筒をまず用
意しない限り、該ローラを完成させることができず、然
も該円筒の長さは上記ローラの所要長さに応じて個々に
相違する。

従ってこの公知例によれば、塗布ローラだけを円筒とは
別個の独立した単体として予め製作してお・くことがで
きず、且つ円筒についても長さに対する汎用性が無いた
め、生産工程に種々の制約を受けてコストの引下げが困
難である。

本考案は、ローラ式塗装具のローラ支持装置に関連した
上記のような従来の欠点に対処して、太さが異なる各種
塗布ローラの互換性及び使用部品の汎用性を高め、且つ
塗布ローラ自体の独立した容易な製作を可能にするため
、長さの段階的な増減が可能なスリーブを採用して、こ
れにローラ支軸との抜外し可能な抜止め手段を内蔵させ
、且つこのスリーブを塗布ローラの太さに関係なく、予
め独立の単体として完成された該ローラの中心へ挿入固
定せしめるようにしたものである。

以下これを図面に示す実施例について詳述する。

図に於て１は適当な太さの金属棒材をほぼ「了」の字形
に屈曲成形してなる柄本体で、縦方向の基端部分には握
り柄２が取り付けられ、横方向の先端部分はローラ支軸
３とされている。

４は筒状の塗布ローラであって、合成樹脂を含浸させた
紙管もしくは合成樹脂管等からなる筒芯５の外周面に適
当な刷毛材６を貼り付は或は植え付けたものであり、従
ってこれら両部材５，６からなる当該塗布ローラ４は、
これ自体が独立した単体として予め完成させている。

７は上記塗布ローラ４の中心へ筒芯５を貫通する状態に
挿入固定されるスリーブである。

このスリーブ７は、第３図に示す如く、同一外径なる各
１個の雌形瑞相７ａ及び離形瑞相７ｂと１ないし数個の
雌錐形中間材７ｃとから構成され且つそれらの各部材に
は、上記ローラ支軸３の外径よりも僅かに犬なる内径の
軸孔８ ａ、 ８ ｂ、 ８ ｃが夫々貫通せしめられ
でいる。

かがるスリーブ構成部材のなかで、雌形瑞相７ａ及び雌
錐形中間材７ｃの各一端には、夫々の外径より小で軸孔
８ａ。

８ｃの内径よりは大なる直径の継ぎ孔９ａ、９ｃが夫々
形成され、碓形瑞相７ｂの一端及び雌錐形中間材７ｃの
他端には、上記継ぎ孔９ａ、９ｃの内径に等しい外径を
もった継ぎ足１０ｂ、 １０ｃが夫々突設されている。

然して上記の雌錐形中間材７Ｃにお゛ける継ぎ孔９ｃの
深さは、碓形瑞相７ｂにおける継ぎ足１０ｂの長さに等
しいかもしくは僅かに大とされるが、雌形瑞相７ａにお
ける継ぎ孔９ａの深さは、継ぎ足１０ｂ、 １０ｃの長
さよりも遥かに犬とされている。

従ってその継ぎ孔９ａへ継き゛足１０ｂもしくは１０ｃ
を差し込んだとき、該孔の内奥には空洞１１が残される
ことになる。

かかる空洞１１内には、塗布ローラ４のローラ支軸３に
対する抜外し可能な抜止め手段として、断面Ｃ字形の筒
状クリップ１２が収められる。

このりＪツブ１２は、半径方向のバネ弾性を僅かでも期
待し得るような素材で形成されており、且つその内径は
、自由状態に於てローラ支軸３の外径よりも僅かに小と
なるよう定められ、また外径は、上記の内径がローラ支
軸３で拡開された状態に於てもなお・継ぎ孔９ａの内径
より僅かに小であるよう定められている。

このような継足し構造のスリーブ７に於ては、雌錐形中
間材７ｃの使用個数を随意に選ぶことができ、従ってそ
の使用個数を増すに従って、該中間材の継ぎ足１０ｃを
除いた長さずつ、上記スリーブ７の全長を順次段階的に
長くしていくことができる。

なお雌錐形中間材７ｃを全く使用しないで、雌形瑞相７
ａへ碓形瑞相７ｂを直接に継ぎ足すことも勿論可能であ
り、この場合にはスリーブ７の全長が最小となる。

いずれにしても、このスリーブ７に内蔵される前記クリ
ップ１２の数は、雌錐形中間材７ｃの使用の有無及び使
用個数に関係なく、常に１個である。

一方、」１記した構造のスリーブ７は、所要の長さとな
るように継ぎ足された状態で、独立の単体として予め完
成された塗布ローラ４に挿入固定される。

この場合に於て、塗布ローラ４が細径のものであるとき
、そのスリーブ７は、第１，２図に示す如く、該ローラ
の筒芯５内へ、これを貫通する状態で直接的に挿入され
、両者間の接触圧もしくは接着剤の併用により固定され
る。

然し乍ら塗布ローラ４が太径のものであり、従って筒芯
５の内径がスリーブ７の外径よりも大であるならば、こ
のスリーブ７は、その筒芯５を貫通する状態には変わり
ないけれども、第４図に示す如く、筒芯５の両端を閉塞
するキャップ１３．１３によって、上記ローラ４の中心
に固定される。

但しこのキャップ１３には、ローラ支軸３を通すための
該軸よりは僅かに径大な軸孔１４が設けられていること
勿論である。

なお、この継ぎ足されたスリーブ゛７は、自ら一本化さ
れた形状を保つので、第４図の実施例でも、特にその形
状を保つための手段は必要としないが、しかし念のため
、第５図に示す如く、適当な保護筒１５内へ収めること
は差し支えない。

またそのような保護筒１５を併用するときは、スリーブ
７の雌雄形中間材７ｃを使用しないで、これに代る筒状
の補助材７ｄを雌雄両端材７ａ、７ｂの片端もしくは両
端へ配置することも可能となる。

」―記した構成に於て、塗布ローラ４をこれの中心に挿
入固定したスリーブ７でローラ支軸３上へ嵌合させる。

このときの塗布ローラ４は、どちらの向きに嵌合しても
差し支えない。

するとスリーブ７に内蔵されたクリップ１２は、ローラ
支軸３で拡開されて、内径を拡大する如く弾性変形し、
その復元弾力で該支軸３を掴持する。

然してスリーブ７の軸孔８ａ〜８ｃはローラ支軸３の外
径よりも僅かに径大であり、またクリップ１２を収めた
空洞１１の内径も該クリップの外径よりは僅かに径大で
ある。

従ってローラ支軸３上に嵌合した塗布ロラ４は、該支軸
によって回転自在に支持され、且つクリップ１２によっ
て、通常の使用態様の下では上記支軸３上から自然に抜
けることのない程度に抜は止めされる。

このような塗布ローラ４のローラ支軸３による支持は、
該ローラが前記のスリーブ７を備えている限りに於て、
細径のものでも太径のものでも全く同様に行なえ、また
そのスリーブ７に内蔵されたクリップ１２をローラ支軸
３上へ位置させ得る限りに於て、長短いずれの塗布ロー
ラでも全く同様に行なえる。

なお上記の如くローラ支軸３」−に支持された塗布ロー
ラ４は、前記したクリップ１２の復元弾力のみで抜止め
されているだけのため、該ローラにやや強い軸方向外力
を加えるだけで、随意にそのローラ支軸３から抜き外す
ことができ、従って塗布ローラ４だけの洗滌もしくは該
ローラの交換を容易にする。

ところで通常市販される塗布ローラ４には、長さの異な
るものが何種類が存在する。

然し乍ら、その長さの差は、適当な単位長さ、例えば１
インチ（約２５ｍｍ）を基準とする段階的なものである
。

これに対して、その塗布ローラ４に予め挿入固定される
スリーブ７は、第３図に示すような各構成部材からなる
継足し構造とされ、その中の一種、即ち雌雄形中間材７
ｃの使用個数を増減することで、全長を段階的に増減で
きる。

従って、この中間材７ｃの継ぎ足１０ｃを除く長さを、
上記の単位長さ、例えば１インチとしておけば、どのよ
うな長さの塗布ローラ４についても、これに必要とされ
る所要長さのスリーブ７は、上記中間材７ｃの使用個数
を選択することで直ちに用意できる。

即ち長さの差が段階的である限り、どのような長さのス
リーブを必要とする場合でも、これの構成部材としては
、雌形瑞相７ａ、雄形端材７ｂ及び雌雄形中間材７ｃの
３種類のみを準備すれば良いことになる。

然も、スリーブ７をこのような継足し構造とするときは
、その構造を利用して、クリップ１２を該スリーブにた
やすく内蔵させることができ、内蔵させるための特別な
構造を別個に考慮する必要がない。

なお、上記構造のスリーブ７は、独立の単体として完戊
された塗布ローラ４の中心へ挿入固定されるものであり
、従って該スリーブの長さは、その完戊された塗布ロー
ラ４の長さに応じて定められる。

このため塗布ローラ４の製作は、スリーブの長さの決定
とこれに伴って必要となるスリーブ構成部材の準備とに
先行して、予め単独の工程で行うことができる。

以上の如く、本考案はローラ支軸に対する抜外し可能な
抜止め手段が内蔵されたスリーブを採用して、これを予
め独立の単体として完戊された塗布ローラの中心へ該中
心の筒芯を貫通する状態に挿入固定せしめ、その塗布ロ
ーラを上記のスリーブでローラ支軸へ嵌合させるように
したものであるから、太さや長さが異なる各種の塗布ロ
ーラにつき、それらのいずれをも同一のローラ支軸で回
転自在に支持させ得て、随時な交換も容易ならしめるこ
とができ、従ってローラ支軸に対する各種塗布ローラの
互換性を向上させ得ると共に、塗布ローラを予め独立の
単体として完成させた後にスノーブを挿入固定させれば
良いため、塗布ローラ自体の製作を、先行する単独の工
程で実行可能にして、その製作を容易にする等の効果が
期待できる。

また本考案は、上記のスリーブとして、各１個の雌形瑞
相及び離形瑞相と１ないし数個の雌雄形中間材とから構
成される継足し構造のものを採用し、上記中間材の使用
個数を適宜変更して該スリー・ブの全長を段階的に増減
させ得るようにしたものであるから、常に３種のスリー
ブ構成部材を準備しておくだけで、長さが異なる各種塗
布ローラのいずれに対しても、その夫々に適合した長さ
のスリーブを直ちに用意し得て、該スリーブに関する使
用部品の汎用性を向上させることができ、その継足し構
造を利用して前記の抜止め手段を内蔵させ得る事と相俟
って、生産コストの引下げを可能にする等の効果も期待
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部欠截側面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ線よりみた断面図、第３図は第１図の
スリーブ部分を分解して示す欠截側面図、第４図は他の
実施例の要部を示す欠截側面図、第５図は第４図に示し
た実施例の変形例を示す欠截側面図である。 １・・・・・・柄本体、３・・・・・・ローラ支軸、４
・・・・・・塗布ローラ、５・・・・・・筒芯、６・・
・・・・刷毛材、７・・・・・・スリブ、７ａ・・・・
・・雌形瑞相、７ｂ・・・・・・碓形瑞相、７Ｃ・・・
・・・雌雄形中間材、８ａ〜８ｃ・・・・・・軸孔、９
ａ〜９ｃ・・・・・・継ぎ孔、１０ａ〜１０ｃ・・・・
・・継ぎ足、１２・・・・・・クリップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柄本体先端のローラ支軸上へ筒状の塗布ローラが回転自
   在に支持され、且つこの塗布ローラが上記ローラ支軸へ
   筒状クリップで抜外し可能に抜止めされている構造のロ
   ーラ式塗装具に於いて、予め独立の単体として完成され
   た塗布ローラの中心へ該中心の筒芯内を貫通する状態に
   挿入固定されるスリーブを有し、且つこのスリーブは、
   各１個の雌形瑞相及び錐形瑞相と１ないし数個の雌雄形
   中間材とからなる継足し構造とされて、それらの各瑞相
   及び中間材には、上記ローラ支軸の外径よりも僅かに犬
   なる内径の軸孔が夫々貫通して設けられ、雌形瑞相及び
   雌雄形中間材の各一端には、夫々の外径より小で軸孔の
   内径よりは大なる直径の継ぎ孔が各段けられ、碓形瑞相
   の一端及び雌雄形中間材の他端には、上記継き孔の内径
   に等しい外径の継ぎ足が各突設されると共に、その雌形
   瑞相の内部へ、ローラ支軸を弾力的に掴持する前記の筒
   状クリップが収められでいることを特徴とするローラ式
   塗装具のローラ支持装置。