JPS5934972B2 - 衝撃摩耗試験機の回転円板軸支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、衝撃摩耗試験機の回転円板に動力を伝達する
回転軸の支持装置に関するものである。

ブレーキ材は、使用時に於ける保安上その品質性能に確
実さが要求されるため、衝撃摩耗試験が行われている。
従来、上記試験は、その前面外周に平滑に貼設されたラ
イニング材を有する円板を回転させ、こ５ のライニン
グ材に耐摩レジン・鋳鉄等の試験片を所定の押圧力で圧
接して行われていた。

しかしながら、実際の使用条件はさらに苛酷な状態にな
つており、現実には、ブレーキ材の当接面が完全な平滑
面である状況は少い。従つて、より実際の１０使用状態
に近い状況でのブレーキ材の衝撃摩耗度を調査するため
には試験態様も現実に即応した状態にする必要がある。
すなわち、ライニング材の表面に現実と同様の段差をつ
けて上記試験を行なう必要がある。

しか１５し、上記の如く円板に貼設するライニング材の
表面に段差をつけて試験を行なつた場合には、回転円板
及び回転軸に繰り返し大きな軸方向の衝撃が加わるため
、従来の試験機をそのまま使用すると軸受部や継手部が
損傷するという問題がある。２０本発明は上記の実状に
鑑みて成されたものであつて軸方向の衝撃力を吸収して
試験機の保守向上を図れる衝撃摩耗試験機の回転円板軸
支持装置を提供することを目的とし、その特徴とすると
ころは、回転円板軸の軸心方向のスライドを許容する２
５−対のベアリングケースにより回転円板軸を支承して
垂直荷重を受け止めさせると共に、前記一方のベアリン
グケースと軸継手間に前記回転円板軸を支承するスラス
ト軸受を外装固定し、該スラスト軸受の外輪に精液され
た外筒を、復元弾性力を３０有する緩衝材を介して固定
基材で受け止め且つ定位置に復帰せしめる構成とした点
にある。

以下、本発明の回転円板軸支持装置の一実施例を図面に
基づいて説明する。第１図は本発明装置の要部を一部破
断して示す３５１実施例図で、１は回転円板、２は前記
回転円板１の前面外周に貼設されたライニング材であり
、該ライニング材２は、シリンダ等に依り圧接される試
験片３に対して繰返しの衝撃を付与する摩耗試験を行な
えるようにしたもので第２図に拡大断面として示す如く
、前記試験片３と接触する表面に段差がつけられている
。

４は回転円板１の回転軸、５は回転円板１を回転軸４に
一体化するキーである。

そして前記回転円板１、回転軸４はモータ６の作動によ
り、カツプリング７、軸継手８等を介して回転駆動され
る。９は前記回転円板１両側に位置する回転軸４の軸受
部１０に配設された一対のベアリングケースであり、前
記回転軸４はこれらベアリングケース９に内装された円
筒コロ軸受１１により軸心方向ヘスラード可能に支承保
持されている。

又、スラスト軸受１２は軸継手８と上記一方のベアリン
グケース９間に介装されて回転軸４を支承保持するスラ
スト軸受であり、該スラスト軸受１２の外輪に精嵌され
た外筒１３の回転円板１側端縁にはフランジ１４を周設
し、又前記外筒１３には前記フランジ１４に照合する径
大のリング体１５を、軸継手８寄り位置において外筒１
３を軸方向スライド可能に遊嵌させると共に、固定基材
１６に一体化支持させ、更に前記フランジ１４とリング
体１５との間に円筒ゴム、皿ばね、コイルばね等の復元
弾性力を有する緩衝材１７を介設し、加えて前記両者１
４，１５間に復帰量調整用のアクチエータ１８を軸心周
りに適数個（例えば１２０′間隔に３個という如く）配
設している。

上記例示した構成に依るものは、常法通り、回転円板１
と一体に回転するライニング材２に試験片３を圧接して
摩粍試験が行われるのであり、この際、ライニング材２
が平滑面でない故に大きな衝撃力が発生する。

この衝撃力は、第１図矢印イとして示す向きに回転円板
１、回転軸４を後退させる力が主たるものであるが、前
記回転軸４は一対のベアリングケース９に内装された円
筒コロ軸受１１により軸心方向にスライド可能に支承保
持されているため、上記イ方向の衝撃力は、前記一方の
ベアリングケース９と軸継手８間に介装されて、回転軸
４を支承保持するスラスト軸受１２に伝達され、ここで
スラスト軸受１２を精嵌した外筒１３に形成されたフラ
ンジ１４がリング体１５側に緩衝材１７を押圧Ｌ、この
過程で衝撃力は緩衝材１７に吸収されることになる。

従つて衝撃力は軸継手８等、スラスト軸受１２からモー
ター６側に位置する部材には伝達されないことになり、
該部材の機能が保全されることになる。勿論、衝撃力吸
収後、スラスト軸受１２、回転軸４、回転円板１は、緩
衝材１７の復元弾性力により第１図矢印口方向に押し戻
されて定位置に復帰するものであり、この際にアクチユ
エータ１８が復帰量を一定に制御していて以後の衝撃摩
耗試験が連続して順調に行われる。

以上説明したように本発明は、ベアリングケースに内装
された円筒コロ軸受が軸心方向のスライドを許容しつつ
垂直荷重を受け止めていて、該軸受部に加わる衝撃力が
無視できるのであり、衝撃に依る回転軸の軸心方向のス
ライドは、スラスト軸受の外輪に精嵌された外筒と固定
基材との間に介在する緩衝材に吸収されて、スラスト軸
受よりもモーター側に位置する他の部材に大きな衝撃力
を与えず、この結果、衝撃摩耗試験機の損傷が未然に防
止されることになる。

又、緩衝材自体が復元弾性力を有するものである故に、
衝撃力吸収後、回転円板が換言すればライニング材が、
緩衝材の復元弾性力に依り元の位置に復帰して衝撃摩耗
試験が円滑に継続できるのであり、衝撃摩耗試験機の回
転軸支持装置として有効適切な発明である。

なお、スラスト軸受を精嵌した外筒の軸方向移動を検出
すべく例えば光電管の受光器と投光器を前記外筒の両側
に配置し、これに軸方向の移動回数を積算するカウンタ
ーを設ければ、繰返し緩衝回数が設定可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すもので、第１図は部分的
に切欠して示す側面図、第２図はライニング材の付設態
様を例示する拡大断面図である。 １は回転円板、２はライニング材、３は試験片４は回転
軸、８は軸継手、９はベアリングケース１２はスラスト
軸受、１３は外筒、１６は固定基材、１７は緩衝材、１
８はアクチユエータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前面外周の表面に段差をつけて貼設されたライニン
   グ材を有する円板を回転させ、該ライニング材に対し試
   験片を圧接させて性能試験を行う衝撃摩耗試験機の回転
   円板の回転軸支持装置において、前記回転軸は一対のペ
   アリングケースに内装された円筒コロ軸受により軸方向
   へスライド可能に支承保持させると共に、前記一方のベ
   アリングケースと軸継手間には前記回転軸を支承保持す
   るスラスト軸受を介装し、このスラスト軸受を精嵌する
   外筒を復元弾性力を有する緩衝材を介し固定基材に受け
   止めさせさらに前記外筒と固定基材との間にアクチュエ
   ータを設けたことを特徴とする衝撃摩耗試験機の回転円
   板軸支持装置。