JPS5934973B2 - 衝撃摩耗試験機のブレ−キ材押付け装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ブレーキ材の衝撃摩耗試験を行なう際に、前
記ブレーキ材を回転円板のライニング材に押付ける装置
に関するものである。

ブレーキ材は、使用時に於ける保安上その品質性能に確
実さが要求され、衝撃摩耗試験を行なう必要がある。

しかし、従来のブレーキ材の摩耗試験は、その前面外周
に平滑に貼設されたライニング材を有する円板を回転さ
せ、該ライニング材に耐摩レジン鋳鉄等の試験片を所定
の押圧力で圧接して行なわれていた。

し力化ながら、実際の使用条件は、さらに苛酷な状態に
なつており、現実にはブレーキ材の圧接面が平滑面であ
ることは少く、従つてより実際の使用状態に近い状況で
のブレーキ材の衝撃摩耗度を調査するためには試験態様
も現実に即応させる必要がある。そして上記現実に即応
させる方法として前記ライニング材の表面に段差をつけ
てブレーキ材の摩耗試験を行なうことが考えられるが、
この場合にはブレーキ材を取付けてある押付け軸に軸方
向と回転円板の接線方向に繰返しの大きな衝撃が加わる
ため、従来の試験機をそのまま使用すると、ブレーキ材
の支承部等が損傷するという問題があつた。本発明は、
上記問題点に鑑みて成されたものであつて、ブレーキ材
の押付け軸に作用する軸方向と回転円板の接線方向の衝
撃力を吸収し、試験機の保守向上を図れる衝撃摩耗試験
機のブレーキ材押付け装置を提供せんとするもので、固
定架台上フ に回転円板のライニング材に対する接離移
動可能に移動架台を取付け、この移動架台には、適数本
の平行状にスライド自在なブレーキ材押付け軸と、これ
らブレーキ材押付け軸に所定の押圧力を付与するスライ
ド自在なアクチュエータと、試験時に５ おける押圧方
向の衝撃を緩衝する緩衝器とを順次連続して設け、又前
記ブレーキ材押付け軸の先端にこれらと直角に取付けら
れた固定金具には、ブレーキ材がスライド軸受およびブ
レーキ材取付座を介して前記円板の接線方向に移動可能
な如く装設され、更に接続方向の衝撃を緩衝する緩衝器
を前記固定金具に配設したことを特徴とするものである
。

以下本発明のブレーキ材押付け装置の一実施例を図面に
基づいて説明する。

図面において、１は本発明に係る衝撃摩耗試験機におけ
るブレーキ材押付け装置であり、該ブレーキ材押付け装
置１は、ブレーキ材押付け方向の衝撃と回転円板の接線
方向の衝撃を吸収すべく構成されたものである。

すなわち、２は固定架台、３は回転円板Ａの前面外周に
段差をつけて貼設したライニング材Ｂに対して接離移動
可能な如く前記固定架台２上に取付けられた移動架台で
あり、該移動架台３上には、ブレーキ材押付け方向と平
行に配置された適数本（本実施例では３本）のブレーキ
材押付け軸４をスライド自在に貫通保持するスライド軸
受５を内装してなる軸受箱６と、前記ブレーキ材押付け
軸４の先端に取付けられた後述するブレーキ材を前記ラ
イニング材Ｂに対して押圧するための油圧サーボアクチ
ユエータ７をスライド自在に支承する保持体８と、試験
時に発生する繰返しの衝撃を緩衝すべく前記ブレーキ材
押付け軸４および油圧サーボアクチユエータ７の軸方向
移動を吸収するための例えばオイルバツフア一等の緩衝
器９が順次連続して載設されている。

なお１０は前記ブレーキ材押付け軸４と油圧サーボアク
チユエータ７間に介装され、後述するブレーキ材の前記
ライニング材Ｂに対する押圧力を検出するためのロード
セルである（第２図、第３図イ参照）。１１は衝撃摩耗
試験をせんとするブレーキ材であり、該ブレーキ材１１
は上記ブレーキ材押付け軸４の先端にこれらを一体とす
べく直角に取付けられた固定金具１２に対し、スライド
軸受１３およびブレーキ材取付座１４を介して前記回転
円板Ａの接線方向に移動可能な如く取付けられている。

１５は試験時に発生する繰返しの衝撃を緩衝すべく、前
記ブレーキ材１１の移動を吸収するために前記固定金具
１２に取付けられた適数個（本実施例では２個）のオイ
ルバツフア一等の緩衝器である。

（第３図参照）。前記固定金具１２の前面でかつブレー
キ材１１の移動距離に相当する部分は凸状２形成されて
案内軌道１６と成さしめられ、この案内軌道１６に嵌合
する凹部を前記スライド軸受１３の背面に設けて、前記
ブレーキ材１１が円滑に移動できるように構成されてい
る（第４図参照）。

なお１７は前記軌道１６の所定位置に配設されたストツ
パ一である。またブレーキ材１１の取替え時に、移動架
台３を、固定架台２上で進退移動させる手段として、本
実施例では、固定架台２の長手方向（ブレーキ材１１の
押付け方向）に回転自在な螺軸１８を内装せしめると共
にこの螺軸１８に螺合するナツト体１９を移動架台３底
部に固着し、前記螺軸１８を例えばモータ２０、カツプ
リング２１を介して正逆回転させることで前記進退移動
を行なつている（第２図参照）。

なお、本実施例では固定架台２と移動架台３とをアリ溝
嵌合させたものを示している（第１図参照）。上記した
如く構成された本発明に係るブレーキ材押付け装置１を
用いて、衝撃摩耗試験を行なう場合、先ずモータ２０を
逆回転させて移動架台３を回転円板Ａより離反移動させ
た後、試験せんとするブレーキ材１１をブレーキ材取付
座１４に取付け、しかる後モータ２０を正回転させて、
前記ブレーキ材１１が所定位置にくるまで移動架台３を
回転円板Ａに対して接近移動させる。

次に回転せしめられた回転円板Ａに貼設したライニング
材Ｂに対し、油圧サーボアクチユエータ７を作動させて
所定の押圧力でブレーキ材１１を圧接させて試験する。

ここで、前記ライニング材Ｂは段差をつけて貼設されて
いるため、上記ブレーキ材１１には押圧方向と、回転円
板Ａの接線方向に繰返しの大きな衝撃力が作用すること
になるが、押圧方向の衝撃力に対しては、緩衝器９でこ
れを吸収し、又接線方向の衝撃力に対しては、緩衝器１
５，１５で吸収するため、ブレーキ材押付け装置自体は
何等衝撃を受けることはない。

以上述べた如く本発明は、固定架台上に回転円板のライ
ニング材に対する接離移動可能に移動架台を取付け、こ
の移動架台には適数本の平行状にスライド自在なブレー
キ材押付け軸と、これらブレーキ材押付け軸に所定の押
圧力を付与するスライド自在なアクチユエータと、試，
験時における押圧方向の衝撃を緩衝する緩衝器とを順次
連続して設け、又前記ブレーキ材押付け軸の先端にこれ
らと直角に取付けられた固定金具には、ブレーキ材がス
ライド軸受およびブレーキ材取付座を介して前記円板の
接線方向に移動可能な如く装設され、更に接線方向の衝
撃を緩衝する緩衝器を前記固定金具に配設して成る為、
回転円板に貼設するライニング材に段差をつけ、より実
際に即した試験を行なつた場合でも、ブレーキ材押付け
装置は何等衝撃による損傷をうけることなく、衝撃摩耗
試験を行なえる等の優れた効果を有する。

なお、緩衝器には復元弾性力がある為、上記衝撃を吸収
後、ブレーキ材は元の位置に復帰して衝撃摩耗試験が続
行できることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の一実施例を示すものであり、第１図
は回転円板と本発明装置の配置関係を示す説明図、第２
図は第１図における矢視図、第３図イは第２図における
矢視図、同図口はイ図の左側面図、第４図は第３図帽こ
おける一断面図である。 １はブレーキ材押付け装置、２は固定架台、３は移動架
動、４はブレーキ材押付け軸、７はアクチユエータ、９
，１５は緩衝器、１１はブレーキ材、１２は固定金具、
１３はスライド軸受、１４はブレーキ材取付座、Ａは回
転円板、Ｂはライニング材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 前面外周に段差をつけて貼設されたライニング材を
   有する円板を回転させ、該ライニング材に対してブレー
   キ材を圧接させて試験する衝撃摩耗試験機のブレーキ材
   押付け装置において、固定架台上に前記ライニング材に
   対する接離移動可能に移動架台を取付け、該移動架台に
   は、適数本の平行状にスライド自在なブレーキ材押付け
   軸と、これらブレーキ材押付け軸に所定の押圧力を付与
   するスライド自在なアクチュエータと、試験時における
   押圧方向の衝撃を緩衝する緩衝器とを順次連続して設け
   、又前記ブレーキ材押付け軸の先端にこれらと直角に取
   付けられた固定金具には、ブレーキ材がスライド軸受お
   よびブレーキ材取付座を介して前記円板の接線方向に移
   動可能な如く装設され、更に接線方向の衝撃を緩衝する
   緩衝器を前記固定金具に配設して成ることを特徴とする
   衝撃摩耗試験機のブレーキ材押付け装置。