JPS5934552B2 - 無限軌道履帯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、単ヒンジピン型無限軌道覆帯であって、リン
ク体内にゴムで支承されたピンと、リンク体にピンを取
付けるためのシャックル式連結個所とを有する形式のも
のに関する。

無限軌道の覆帯であって、−そのリン矛一体がピンを受
容するために片側に２つの互いに整ダルた孔を有し、か
つ他方の側に３つの継目板を有している形式のものは公
知である（米国特許第 ２５６３８４８号明細書）。

孔内には２つのピンがころがり軸受を介して回転可能に
配置されている。

これらのピンは端部に四角形横断面の部分を有し、これ
らの四角形横断面の部分は、隣合うリンク体の継目板の
相応する切欠き部内へ係合する。

きのこ状横断面の走行ウェブは上記切欠き部内へ保合し
これを閉鎖する。

継目板内にもまた四角形横断面部分にも孔が設けられて
おり、かつこれらの孔に整列してねじ孔が走行ウェブ内
に設けられている。

孔内へ挿入されたボルトはピンを継目板内に緊締する。

高出力の車両、殊に戦車の場合には、無限軌道覆帯に、
継目板を切欠き効果により破壊する大きな引張応力が生
じることがある。

さらに、一体のシャックルを有する無限軌道覆帯も公知
である（米国特許第２６８６６９７号明細書）。

リンク体内にゴムで支承された六角形横断面のピンは上
記シャックル脚部間の相応する横断面形状の切欠き部内
に係合する。

シャックル脚部内へ挿入されるねじが相応する横断面形
状の切欠き部を有するピンを形状接続的にかつ摩擦接続
的に固定する。

これにより既にシャックル脚部には剪断応力を生じる。

さらに走行運転中、ピンによって覆帯のリンク体中のね
じ及びシャックル脚部へ伝達される動力学的の負荷が生
じる。

昇動（走行路中の障害物）によりシャックル脚部の緊締
方向で変形したシャックル脚部は、例えば損傷したリン
ク体の交換のために覆帯の連接を外すことを困難にする
。

変形したシャックル脚部はねじ並びにピンを固く締込ん
でしまう。

高出力の無限軌道車、殊に戦車の場合、無限軌道覆帯は
できるだけ軽量でかつ殊に高速走行に適するものである
ことが必要とされる。

このためにリンク体横断面が、前記のリンク体連結個所
範囲においても、小さくされる。

この場合不都合にもリンク体内の、成形横断面切欠き部
に切欠き効果を生じる。

このことは成程切欠き部内に適当な丸面取り部を形成す
ることにより避けることができるが、しかしシャックル
脚部はなお裂断の危険にさらされている。

またこの場合、製作（鋳造）に際してリンク体中の種々
異なる応力状態を考慮しなければならない。

本発明の課題は、２つのリンク体間の連結個所が走行運
転中に発生する応力に耐えかつ長い耐用寿命を有する無
限軌道覆帯を提供することにある。

さらに、上記連結個所が昇動の作用によって損傷を受け
ることがなく、かつ製作及び組立が簡単であり、かつま
たいつでも困難なく取外し可能であるようにすることに
ある。

この課題は本発明によれば特許請求の範囲第１項に記載
された特徴を有する無限軌道覆帯の構成によって解決さ
れている。

特許請求の範囲第１項記載の構成の連結個所によれば、
リンク体において、切欠き効果を生じることなしにリン
ク体から突出部への大きな横断面の力伝達径路が形成さ
れる。

突出部は鋳造技術上簡単にかつ問題となる応力区域を生
じることなく製作可能である。

緊締シャックルは特別の取付部材として、適当な、高い
引張り強度を有する、切欠き効果に対して靭性の材料か
らやはり簡単に、しかも申し分のない横断面を有するよ
うに、製作されている。

走行運転中においても、連結個所は故障を生じない。

それというのは連結個所もしくは中間連結個所内へ万一
側方から又は下から昇動が侵入した場合にも、これらの
昇動は拡開力を作用させないからである。

連結個所は走行方向に向って閉じられている。

これに対して、米国特許第２６８６６９７号明細書記載
のものでは、シャックル脚部間へ押込まれた硬い昇動は
、シャックル脚部、ひいてはまた無限軌道覆帯の破損を
招く付加的な負荷を生じさせる。

本発明による連結個所によれば、突出部がコンパクトで
あることによりリンク体の製作が簡単に可能である。

本発明の構成に対して米国特許第２６８６６９７号明細
書記載の発明はいかなる示唆も与えない。

それというのはこの米国特許発明はリンク体を付加的の
連結部材（緊締シャックル）で連結することを推考させ
るものではないからである。

この付加的の連結部材はしかし、リンク体の製作上の諸
問題を解決し、かつ、多くの場合応力を受ける連結部に
応力に関して申し分のない構成を与え、かつ走行運転中
の故障発生頻度を著しく減少させるものである。

特許請求の範囲第２項記載の構成によれば、緊締シャッ
クルを突出部上に、押しずらしによって簡単に組付ける
ことができ、また緊締シャックル脚部の弾性的な、後に
不都合な作用を生じない拡開によって簡単に取外すこと
ができる。

特許請求の範囲第３項記載の構成によれば、リンク体へ
の緊締シャックルの安価なかつ確実な結合形式かえられ
る。

さらに、特許請求の範囲第４項記載の構成によれば、中
間緊締シャックルが設けられていることにより、ピンの
横断面が中間緊締シャックルの範囲においてたんに維持
されるばかりでなく、さらに太くされ、かつまたピンが
中間緊締シャックルにより、特許請求の範囲第５項記載
のスリーブを介して回動不能に締込まれる。

これにより′ミピン端部はある程度負荷を軽減され、就
中摩耗を生ぜず、その結果全走行時間にわたり支持面は
一様に保持される。

特許請求の範囲第６項記載の構成によれば、端部緊締シ
ャックルとピンとの間に回動阻止部が簡単な形式でえら
れる。

特許請求の範囲第７項記載の構成によれば、端部緊締シ
ャックルの巻掛は範囲（ピン掴み範囲）の増大により単
位面積当りの面負荷が減少せしめられる。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図示の無限軌道の覆帯を構成するリンク体１゜３１及び
３２は簡単化して示されている。

これらのリンク体は適当な材料から成る鋳造品として製
作されている。

第２図及び第３図かられかるように、リンク体は公知の
形式で鎖線で示されている案内歯、グリッパ−条片及び
回転クッション体を有している。

これらの構成部分は本発明の対象外のものであり、符号
は付されていない。

重量型高出力無限軌道車用の第１図〜第３図に図示され
ている無限軌道覆帯区分はリンク体１から構成されてお
り、リンク体１は、側方に設けられたリンク体を貫通し
互いに整夕１ルている孔２、端部突出部３、自由スペー
ス１５、端面側に設けられている。

自由スペース１５に相応する切欠き４、中間突出部５、
孔２内に押嵌められているピン６、緊締シャックルもし
くはクランプとして製作された端部緊締シャックル７及
び中間緊締シャックル８を備えている。

突出部３及び５は走行平面Ａ内に位置する互いに平行な
面９及びこれに対して直角に位置する孔１０を有してい
る。

ピン６は第４図に示されているように製作されている。

ピン６上にはばね緊締スリーブ１１及び例えばスリット
を有しないスリーブ１１′が押嵌められており、さらに
ゴムリング１２が加硫結合されている。

ばね緊締スリーブ１１の直径Ｂは孔２の直径よりも幾分
率である。

これに対して、スリーブ１１及び１１の直径は中間緊締
シャックル８の直径に対して、これらが組立のために押
しずらし可能であるように、定められている。

ゴムリング１２の直径りは公知の形式で孔２の直径Ｃよ
りも大きくされている。

ピン６の両端部には、円弧部分１３に対して付加的に面
部分１４が設けられている。

第２図の端部緊締シャックル７はその巻掛緊締範囲２０
内に、ピン６の上記両端部に相応する、円弧部分２１及
び面部分２２を有する横断面を有しており、これにより
ピン６は緊締シャックル７に対して回動不能に緊締され
る。

円弧部分２１は突起２３によって延長されている。

さらに端部緊締シャックル７及び中間緊締シャックル８
は、孔２５を有する緊締顎２４を有している。

第３図の中間繁締シャックル８はばね緊締スリーブ１１
に円弧状に巻掛けられている。

第１図〜第３図の覆帯区分は以下のように組立てられる
。

図示されていない装置により、互いに連結しようとする
リンク体１及び中間緊締シャックル８を、中間緊締シャ
ックル８が切欠き４内で側方遊びＥを有するように、固
定する（第１図）。

ピン６を孔２内へ押込みかつこのさい中間緊締シャック
ル８にばね緊締スリーブ１１もしくはスリーブ１１を掴
ませる。

この場合ゴムリング１２は圧縮され孔２（第１図）を殆
んど完全に満たす。

中間緊締シャックル８をばね緊締スリーブ１１もしくは
１１上で、場合によっては側方へずらすことにより、調
節し、孔１０が互いに整列し合うようにする。

ねじ３０により中間緊締シャックル８は中間突出部５を
挾持してこれに形状接続しかつ摩擦接続して締込まれる
。

これによりばね緊締スリーブ１１もしくは１１もピン６
上に弾性変形により回動不能に固定される。

次いで、端部緊締シャックル７をピン６の両端部及び端
部突出部３上へ差嵌めかつねじ３０によりリンク体１に
対して側方遊びＥ（第１図）をもたせて固定する。

他の覆帯区分も上記の形式で組立てられる。

第１図によれば、リンク体１内に押込まれたピン６は、
スリーブ１１もしくは１１’Ｒび中間緊締シャックルな
しで図示されているが、これらは切欠き４を明瞭に示す
ために図面上省略されているにすぎない。

−２つの隣合うリンク体１がピン６を中心にして旋
回せしめられると、公知の形式で、変形したゴムリング
１２は軸受を形成する。

昇動の作用による緊締シャックル７及び８の破損又はこ
れらの緊締シャックル内のピンの抜は出しは、突出部３
゜５及びピン６を緊締シャックル７．８が両側から締込
んでいること並びに組立てられた状態における緊締シャ
ックルのプレロードに基づき、避けられる。

ねじ結合部は公知の、図示されていない形式で弛まない
ように確保されている。

結合に必要な全ての部分、例えばねじ山、孔及びピンの
嵌合面等は昇動の作用から保護されている。

これによりリンク体は組立の困難性を生じることなく常
に交換可能であり、また覆帯の連接は簡単に分解可能で
ある。

軽量型無限軌道車の場合には、その無限軌道覆帯は、第
５図及び第６図に示されているようなリンク体３１又は
３２から構成することができる。

原理的には第５図のリンク体３１はリンク体１と同じで
ある。

異なる点は、主に、中間緊締シャックル８のために設け
られていた切欠き４がないことである。

相応してピン６′上にはスリーブ１１゜１１もない。

しかしゴムリング１２はそのまま残されている。

リンク体３１の連結には、第２図に図示されている端部
緊締シャックル７が役立つ。

この覆帯の駆動は無限軌道車の鎖車を介して行なわれ、
該鎖車は個々のリンク体の、図面には示されていない特
別の部分内に噛合わされる。

第６図のリンク体３２は、第１図のリンク体１のように
、ゴムリング１２′及びスリーブ１１′を有する、ゴム
で支承されたピンＣを有している。

嵌込まれた中間緊締シャックル８′を有する切欠き４′
もまた、原理的に、第１図、第３図及び第４図に記載さ
れたものに相応する。

（第５図及び第６図のリンク体も、本発明の
実施例であるが、これらの実施例の他に、本発明によれ
ば、リンク体を、その中心（第６図の符号Ｈ参照）に１
個の中間緊締シャックル８′用の唯一つの切欠き４′及
び相応して唯一つの中間突出部５′シか有しない雪上車
用リンク体として製作することも可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は高出力無
限軌道車用の無限軌道覆帯区分を示す図、第２図は第１
図の■−■線による断面図、第３図は第１図のＭ−ｌ［
線による断面図、第４図は第１図、第２図及び第３図に
示されているピンを示す図、第５図及び第６図は軽量型
無限軌道車用の無限軌道覆帯のリンク体を示す図である
。 １．３Ｌ３２・・・・・・リンク体、２，１０，２５・
・・・・・孔、３・・・・・・端部突出部、４，４′・
・・・・・切欠き、５ 、５′・・・・・・中間突出部
、６．６’、Ｅｒ・・・・・・ピン、７・・・・・・端
部緊締シャックル、８，８′・・・・・・中間緊締シャ
ックル、９・・・・・・面、１１，１１・・・・・・ス
リーブ゛、１２１２４・・・・・ゴムリング゛、１３・
・・・・・円弧部分、１４・・・・・・面部分、１５・
・・・・・自由スペース、２０・・・・・・巻掛緊締範
囲、２１・・・・・・円弧部分、２２・・・・・・面部
分、２３・・・・・・突起、２４・・・・・・緊締類、
３０・・・・・・ねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 単ヒンジピン型無限軌道覆帯であって、リンク体内
   にゴムで支承されたピンと、リンク体にピンを取付ける
   ためのシャックル式連結個所とを有する形式のものにお
   いて、無限軌道覆帯の走行方向Ｇで、少なくとも２つの
   突出部３，５がリンク体１；３１にかつ緊締シャックル
   ７．８の組付は及び取付けのための少なくとも２つの自
   由スペース４，１５がピン６．６′の範囲に設けられて
   おり、かつ緊締シャックル７．８が突出部及びピン６に
   係合して回動不能に取付けられていることを特徴とする
   、無限軌道覆帯。 ２ 突出部が緊締面９を有し、該緊締面はリンク体の走
   行平面Ａ内に位置していてかつ緊締シャックルの内面と
   協働する特許請求の範囲第１項記載の無限軌道覆帯。 ３ 突出部及び、緊締シャックルの緊締顎２４が結合ね
   じ３０を受容するための、走行平面Ａに対して直角の孔
   １０ 、２５を有している特許請求の範囲第１項記載の
   無限軌道覆帯。 ４ リンク体１が少なくとも１つの中間突出部５を有し
   ており、該中間突出部は走行平面Ａ内に位置する緊締面
   ９を有しており、スリーブ１１゜１１を有するピン６を
   掴んでいる中間緊締シャックル８が上記中間突出部５の
   緊締面９に走行方向Ｇで押しずらし可能でありかつ結合
   ねじ３０により固定可能である特許請求の範囲第１項記
   載の無限軌道覆帯。 ５ スリーブが、ピン上で移動可能のばね緊締スリーブ
   １１もしくは嵌合スリーブ１１として製作されている特
   許請求の範囲第４項記載の無限軌道覆帯。 ６ ピン６の両端部及び相応する所属の緊締シャックル
   ７がそれぞれ円弧部分１３．２１及び、回動を阻止する
   面部分１４．２２を有している特許請求の範囲第１項記
   載の無限軌道覆帯。 ７ 緊締シャックルに、円弧部分２１を延長する突起２
   ３が設けられている特許請求の範囲第６項記載の無限軌
   道覆帯。