JPS593453B2 - リツタイキセイサレタフアルネソ−ルノセイゾウホウホウ - Google Patents

リツタイキセイサレタフアルネソ−ルノセイゾウホウホウ

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JPS593453B2
JPS593453B2 JP49147802A JP14780274A JPS593453B2 JP S593453 B2 JPS593453 B2 JP S593453B2 JP 49147802 A JP49147802 A JP 49147802A JP 14780274 A JP14780274 A JP 14780274A JP S593453 B2 JPS593453 B2 JP S593453B2
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nerolidol
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JP49147802A
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和男 糸井
卓司 西田
祐章 大村
芳司 藤田
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication of JPS593453B2 publication Critical patent/JPS593453B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は立体規制されたフアルネソールの製造方法に関
する。
フアルネソールはその立体構造により多少の差はあるが
、スズラン系の特有の花香を有しており、高級香料とし
て賞用されている。
またビタミンE、ビタミンK等の製造中間体であるフイ
トール、イソフイトールの製造原料としても非常に重要
である。フアルネソールは二化タイ虫および近縁昆虫類
のフ化成長を遅延させる作用があり、無公害の農薬とし
ても注目されている。中でも特にΔ6−゛トランス、Δ
2−シス及びΔ6−トランス、△2−トランスに立体規
制されたものが活性があるとされている。また抗潰瘍活
性を有するフアルネシル酢酸エステル類の合成中間体と
しても立体規制されたフアルネソールは重要な位置を占
めている。現在、工業的に製造されている代表的な合成
ルートは次のとおりである。すなわち、リナロールを等
モル量のジケテンまたはアセト酢酸エチルと作用させた
後加熱、脱炭酸をしてキャロル転位反応を行なわしめる
か、P−トルエンスルホン酸などの酸性触媒の存在下に
イソプロペニルエーテルと加熱してクライゼン転位反応
を行なわしめることによりゲラニルアセトンを製造し、
これをビニルグリニヤール試薬と反応させるかエチニル
化反応後部分水素添加反応させることにより、式で表わ
されるネロリドールを得る。
このようにして得られるネロリドールはΔ6−位の2重
結合に関してのシス対トランスの比率が約4対6の混合
物である。このネロリドールをR.B.Bates等が
J.Org.Chem.l上、1086〜1089(1
963)に報告している様に酢酸エステルとして酸性触
媒により異性化するか、三塩化燐、三臭化燐等と反応さ
せた後、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等と作用させる
ことにより、式で表わされるフアルネ.シルアセテート
とし、これを加水分解するとフアルネソールを得ること
ができる。
しかしながら、この方法で得られるフアルネソールは4
種の立体異性体すべてを含んでいる為、これらを工業的
規模でかつ簡単な操作で分離することはほとんど不可能
である。他方、出発原料として△2−シス、3・7ージ
メチル一 2 ・ 6 −オクタジエン−1−オールま
たは△2−トランス− 3 ・ 7 −ジメチル− 2
・ 6 ーオクタジエン−l−オールを用い、例えば
三臭化燐などによりその立体構造を保ちながらハロゲン
化を行ない、次いでアセト酢酸エチルとアルカリ存在下
に縮合し、更に加水分解脱炭酸を行なうことにより、シ
スまたはトランスーゲラニルアセトンとしこれをビニル
グリニャール試薬と反応させるか、エチニル化反応を行
なつた後、部分水素添加することにより△6−位の2重
結合がシスまたはトランスに立体規制されたネロリドー
ルが得られることは知られている。
このものはR.B.Bates等がJ.Org.Che
m.K.K、1086〜1089(1963)に報告し
ている様に△6−シス、△2−シス、トランス混合また
は△6−トランス△2−シス、トランス混合フアルネソ
ールとすることができる。また最近、P.A.Grie
cOがJ−Chem・SOc.Chem.COmm.l
972.486に報告している方法、L.J.Altm
anらがJ.Amer.Chem.SOc.、94、3
257(1972)に報告している方法により立体選択
的に合成することも可能である。
佐藤らが有機合成化学協会誌第29巻第3号、237〜
253(1971)で述べているように、ポリプレニル
アルコールの3置換オレフインを立体特異的に合成する
為の多くの試みがなされているにもかかわらず、反応工
程が長く、かつ煩雑な操作を必要とする為、工業的に大
量に製造しうる有効な方法は確立されていないのが現状
である。本発明は、工業的に大量かつ安価に、立体規制
されたフアルネソールを製造しうる方法を提供するもの
である。
本発明方法の概略は第1図に示したとおりである。即ち
△6−トランスネロリドールを原料として用いた場合を
例にとつて説明すれば、不活性ガス雰囲気中、周期律表
における第V族または第族遷移金属化合物からなる触媒
の存在下に加熱して異性化反応を行ない、さらに触媒分
離を行なうことにより、原料の△6−トランスネロリド
ール及びその生成物である△6−トランスΔ2−シス、
トランス混合フアルネソールの3種の混合物を得る。こ
れらを精密蒸留することにより、原料の△6−トランス
ネロリドールを回収すると同時に△6−トランスΔ2−
シスフアルネソール及び△6−トランス△2−トランス
フアルネソールを得る。なお触媒分離工程で回収された
触媒は再使用することが可能である。原料のΔ6−シス
またはトランスネロリドールは前述の△2−シスまたは
トランス−3・7ージメチル一2・6−オクタジエン−
1−オールから立体選択的に合成したものを使用するこ
ともできるが、好ましくは次の方法により得たものがよ
い。
(1)シス、トランス混合ゲラニルアセトンを精密蒸留
により分離し、得られたシスまたはトランスゲラニルア
セトンをビニルグリニヤール試薬と反応させるか、エチ
ニル化反応後部分水素添加を行なうことにより製造する
。(2)Δ6 −シス、トランス混合ネロリドールを精
密蒸留することにより分離する。
ここで上記シス、トランス混合ゲラニルアセトンあるい
はネロリドールはスクワラン、イソフイトール等の中間
体として工業的に大量に製造されており、容易に入手す
ることができると同時に、これらの製造プロセスと立体
規制されたネロリドールの製造プロセスを組み合わせる
ことは第2図からも明らかな様に中間留分をフイードバ
ツクすることにより非常に効果的なものであると言える
ゲラニルアセトンのシス、トランス混合物の分離方法と
しては0.Is1er等がHelv.Chim.Act
a.、39、897〜904(1956)に報告してい
るセミカルバゾン一再結晶法または0.Is1er等が
Helv.Chim.Acta.、43、1745〜1
751(1960)に報告している低温結晶化法等が知
られているが、いずれも種々の試薬を用いるが、複雑な
操作を経なければならない為、工業的な実用化が困難で
あつた。他方、一般にシス、トランス異性体の蒸留によ
る分離はR.B.Bates等がJ.Org−Chem
・)281086〜1089(1963)に報告してい
る様に炭素数10のネロール及びゲラニオールの混合物
を分離する場合は適しているが、更に分子量の大きな炭
素数15のフアルネソール等では非常に効率が悪いとさ
れてきた。
しかるに本発明等は炭素数13のゲラニルアセトン及び
炭素数15のネロリドールを精密蒸留した結果、それら
のシスートランス体の分離効率が非常に良い事を見い出
し、同時に△6一位がシスまたはトランスに規制された
ネロリドールを異性化して得られる△6−シス△2−シ
ス、トランス混合フアルネソールあるいは△6−トラン
ス△2−シス、トランス混合フアルネソールは意外にも
前記R.B.Bates等の報告と異なり、精密蒸留に
より効率よく分離できることを見出した。
ネロリドールからフアルネソールへの異性化はアリル転
位として公知であるが、従来は酸触媒を使用する為、副
反応生成物が多く実用的ではなかつた。
ところが最近周期律表第族、第族および第族の遷移金属
化合物がこの様なアリルアルコールの転位反応触媒とな
るというローヌ・プーラン社の特許が公告になつた(例
えば英国特許第1256184号明細書および特公昭第
48一23407号公報参照)。本発明者等の研究によ
ると上記遷移金属化合物の中、特にすぐれているものは
、ある種のバナジウム化合物、タングステン化合物およ
びモリブデン化合物であり、他はほとんど触媒能が低い
か脱水等の副反応を併起しやすく、選択率が低いかであ
つて実用化できるものではなかつた。
さらに本発明者らは、上記遷移金属化合物群を触媒とし
た本アリル転位反応が可逆的平衡反応である事を明らか
した(特開昭49−18809号および特開昭49−1
8810号公報参照。
)例えばΔ6−トランスネロリドールを用いた場合の異
性化反応は次の様になる。即ち、異性化反応は、ほとん
どネロリドールを経由して進行し、△2゜6−トランス
体;△2−シスΔ6−トランス体の直接的変換は非常に
小さい事が明らかになつた。
平衡組成比はネロリドール60%、Δ2−シスΔ6−ト
ランスーフアルネソール15%、△2゜6−トランスフ
アルネソール25%であるが、反応は必ずしも平衡値ま
で行なう必要はなく中途で停止してもよい。この様な反
応混合物からフアルネソールを分離するにあたり、一般
に容易にでき、安価な分離方法は蒸留分離である。その
沸点はネロリドールくΔ2−シスΔ6トランスフアネソ
ール〈Δ2゜6−トランスフアルネソールの順であり留
出する順序はネロリドールが最初である。従つて反応混
合物から蒸留してネロリドールを分離しようとすると平
衡値がずれてΔ2゜6−トランス及び△2−シスΔ6−
トランスフアルネソールがネロリドールへ逆異性化する
反応が起こり、収率が低下する。
そのため触媒を何らかの方法で分離するか失活させなけ
ればならないが、これらの触媒の失活は簡単でなくかつ
高価であることを考えると回収使用することが望ましい
。かかる意味から触媒を分離、再使用することが好まし
いが、触媒は反応系に均一に溶解しており、蒸留分離す
る以外には簡単な分離方法はない。しかるに蒸留すると
上述のような平衡のずれる不利があるので蒸留塔の段数
を少なくしてネロリドール、フアルネソールの混合物と
して留去させ、塔底より触媒を回収すると同時に留出物
を精密蒸留するのが好ましい。得られたΔ6−トランス
、△2−シス、トランス混合フアルネソールは前記R.
B.Batesらが蒸留分離効率が非常に悪いと報告し
ているにもかかわらず、意外にも効率よく分離できるこ
とが明らかになつた。
このことは異性化反応と蒸留分離の組み合せにより目的
とする立体規制されたフアルネソールを相当するネロリ
ドールから理論的には収率100%で得ることができる
ことを意味するものである。例えばΔ2゜6−トランス
フアルネソールのみを製造しようとした場合、△6−ト
ランスネロリドールを原料として、前記触媒の存在下に
アリル転位反応を行ない触媒分離工程を経た後、精密蒸
留により△2゜6−トランスフアルネソールを得、前留
分である△6−トランスネロリドール及びΔ2−シスΔ
6−トランスフアルネソールを再度異性化工程にもどす
ことを繰り返すことにより△2゜6−トランスフアルネ
ソールのみを製造できる。本発明の実施に際して使用さ
れる精密蒸留塔に必要な段数について述べると理論段数
の低い蒸留塔を用いても原理的には分離可能であるが、
目的物であるシス体またはトランス体を高純度で、1回
の蒸留で得ようとした場合、少なくとも実段数10段以
上は必要である。
本発明の分離に使用するネロリドール及びフアルネソー
ルは非常に高沸点である為、蒸留には減圧蒸留を採用し
なければならない。目的物を高収率で得るには理論段数
の高い蒸留塔が好ましいが、一方このような蒸留塔を用
いると蒸留の圧力損失が高くなる。減圧蒸留の場合、こ
の圧力損失が高いという事は蒸留の安定性を悪くし、缶
液の温度上昇が高く、物質の安定性が低下するなどの欠
点を生ずるので無制限に高くすることはできない。本発
明者らによる洋細な検討の結果、本発明に使用される蒸
留塔としては実段数10〜100段程度の蒸留塔がよく
、経済性を加味すると好ましくは20〜60段程度の実
段数を有する塔が好ましい。塔の構造としては1段当り
の圧力損失の小さい構造のものが好ましいことは勿論で
ある。還流比は塔によつても異なるが、2〜100好ま
しくは5〜30程度である。本発明の蒸留は回分式、連
続式、または半回分式の何れでも可能であり、その何れ
がよいかは生産量等による経済的要素によつて決められ
るべきである。本発明の異性化反応工程において使用さ
れる周期律表における第V族および第族遷移金属化合物
からなる触媒の中でも特に好ましいのぱ以下の化合物で
ある。
オルトバナジン酸メチル、オルトバナジン酸エチル、オ
ルトバナジン酸n−プロピル、オルトバナジン酸イソプ
ロピル、オルトバナジン酸n−ブチル、オルトバナジン
酸イソブチル、オルトバナジン酸Sec−ブチル、オル
トバナジン酸Tertブチル、オルトバナジン酸ネオペ
ンチル、オルトバナジン酸Tert−ペンチル、オルト
バナジンサンn−ヘキシル、オルトバナジン酸シクロヘ
キシルなどのオルトバナジン酸エステル類、タングステ
ンオキシテトラメトキサイド、タングステンオキシテト
ラエトキサイド、タングステンオキシテトラブトキサイ
ド等のタングステンオキシテトラアルコキサイド類およ
びモリブデンオキシテトラエトキサイド、モリブデンオ
キシテトラ−n−プロポキサイド、モリブデンオキシテ
トラブトキサイド等のモリブデンオキシテトラアルコキ
サイド類である。
上記バナジウム、タングステンおよびモリブデン化合物
はアルキルオキシ基のかわりに例えばトリメチルシリル
オキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリフエニルシ
リルオキシ基等が入つてもさしつかえない。即ち、本反
応は使用するネロリドール又は生成するフアルネソール
と触媒の間でエステル交換反応が起こり、これがクライ
ゼン型転位反応を起こすことから成る平衡反応である故
、使用する触媒のアルキルオキシ基には影響されない。
また、バナジウム、タングステンおよびモリブデン化合
物は錯体触媒としてのアセチルアセトネート、ベンゾイ
ルアセトネート、グリオキシメート、キノレート、サリ
チルアルデヒデートのごときキレートであつても良い。
さらにタングステン触媒は窒素化合物、ホスフイン化合
物、アルシンおよびスチピン、ニトリル等が配位しても
何らさしつかえなく、場合によつては高選択性を与える
ことがある。
当然の事ながら、ポリビニルピリジン等の様な含窒素高
分子化合物やポリスチレン化合物に炭素−リン結合を形
成させて配位することにより不溶化して触媒回収工程を
容易にすることも可能である。もちろん活性アルミナ、
シリカ、軽石、フラ一土、ケイソウ土等に担持すること
もできる。異性化反応は酸素をしや断した不活性ガス雰
囲気中例えば窒素雰囲気下で行なうことが望ましい。
反応は、通常100ないし300℃で行なうことができ
るが、反応速度及び反応物の熱安定性から好ましい反応
温度は150ないし250℃である。触媒はネロリドー
ルに対し10ppm程度の低濃度でも使用できるが、好
ましいのは0.01〜3重量パーセントである。反応時
の圧力には特別の制限はなく、一般に大気圧下で十分に
反応を行ない得る。触媒分離工程は反応生成物中最も高
沸である△2゜6−トランスフアルネソールに比べても
、触媒の比揮発度は非常に小さく、単蒸留により容易に
実施できる。
それ故、反応液をプレツシヤ一・ドロツプがほとんどな
い様な蒸留塔を用いて、反応温度より30〜100℃低
い温度で蒸留し、原料及び反応生成物を触媒と分離する
ことができる。特に必要性はないが、触媒分離工程で触
媒の濃縮による逆異性化速度の増大を回避するため、お
よび高沸であるフアルネソールの追い出し量を多くする
ため、ならびに触媒の分離能を上昇させる為、フアルネ
ソールより遥かに沸点が高く単蒸留でほとんど分離可能
な高沸点溶剤、例えばポリエチレングリコールの様なも
のを反応溶液に加えてもよい。また高沸点溶剤を使用す
る場合は、フアルネソールの用途が特に香料、医薬品で
あることから、使用する高沸点溶剤は悪臭がなく、かつ
ネロリドール、フアルネソール及び触媒を安定に溶解し
、自身も異性化反応条件下で安定であることが必要であ
る(但し、ここで用いた安定という言葉は、触媒とエス
テル交換反応を起こすことは排除しない)。この条件を
満足するものであれば、高沸点溶媒は何でも良いが、好
ましくは高沸点アルコール類である。本方法によれば目
的とする立体規制されたフアルネソールを選択的かつ工
業的規模で製造することが可能になり、得られたフアル
ネソールは香料、医薬品原料としてのみならず、ステロ
イド、ポリイソプレノイド化合物等の立体化学研究の試
薬としても幅広い用途がある。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
参考例 1 リナロール6016V(純度95%)およびジケテン3
4447をトリエチルアミン163yの存在下に反応さ
せた後、アルミニウムイソプロポキサイド240tを加
え、加熱してキヤロル転位反応を行なう。
反応液を真空蒸留することによりBp68〜74℃(0
.4mmHg)の留分からシス/トランス=4/6混合
ゲラニルアセトン52007を得た。このものを理論段
数約40段の精密蒸留塔を使用して、還流比10にて蒸
留分離を行なうとシスーゲラニルアセトンがBp74〜
76℃(0.4mmHg)の留分より830V(仕込原
料中のシス一体に対する蒸留収率40%)およびトラン
スーゲラニルアセトンがBp77〜79℃(0.4m7
!LHg)の留分より2420V(仕込原料中のトラン
ス一体に対する蒸留収率78%)得られた。なお中間留
分としてシス/トランス=66/34の混合ゲラニルア
セトン19207得た。シスーゲラニルアセトンの屈折
率はn智一1.4628であり、その核磁気共鳴スペク
トルは第3図に示した。
トランスゲラニルアセトンの屈折率はn智=1.463
4であり、その核磁気共鳴スペクトルは第4図に示した
。次に21三ツロフラスコに液体アンモニア11を入れ
ておき、金属ナトリウム55.2tを加えた後、アセチ
レンガスを通す。
反応液が紫色から白色に変化した時点をもつてアセチレ
ンガスの吹込みを停止してシスーゲラニルアセトン38
8rを加える。次に液体アンモニアを還流しながらアセ
チレンを4時間吹込んで反応を停止する。アンモニアを
除去した後、塩化アンモニア1107を加えて中和し、
反応液を水にあけてエーテルを抽出する。油層を水洗後
、ホウ硝にて乾燥し、浴媒を留去してから真空蒸留する
。Bpl33〜135℃(5mmHg)の留分より、シ
スーデヒドロネロリドール372Vを収率85%で得た
。このものの屈折率はn智=1.4750であり、その
核磁気共鳴スペクトルは第5図に示したとおりである。
次にこのシスデヒドロネロリドール320tのn−ヘキ
サン1000WLI溶液中にキノリン0.15m1及び
0.25%Pd−リンドラ一触媒5.0tを加え、常温
、常圧下にて水素添加反応を行なう。反応経過はPEG
−20M(5%)を担持したガスクロマトグラフイ一に
て解析した。カラム温度150℃o原料のシスーデヒド
ロネロリドールの消失をもつて反応終了とし、反応液を
グラスフイルタ一で口過する。口液の溶媒を除去した後
、残液を高真空蒸留するとBp99〜102℃(0.3
mmHg)の留分より、シスーネロリドール314Vを
得た。このものの屈折率はn渭−1.4753であり、
その核磁気共鳴スペクトルは第6図に示したとおりであ
る。同様にトランスーゲラニルアセトン13607を金
属ナトリウム176fの存在下にエチニル化反応を行な
い、後処理をした後真空蒸留するとBpll2℃(0.
5mmHg)の留分よりトランスーデヒドロネロリドー
ル1280tを収率83%で得た。
このものの屈折率はn智=1.4771であり、その核
磁気共鳴スペクトルは第7図に示した。次にトランスー
デヒドロネロリドール1000t0)n−ヘキサン20
00m1溶液中にキノリン0.5a及び0.25%Pd
−リンドラ一触媒157を加えて常温、常圧下にて水添
する。後処理した後、高真空蒸留を行なうとBplO7
〜110℃(0.5mT1LHg)の留分よりトランス
ーネロリドール980tを得た。このものの屈折率はn
智=1.4754であり、その核磁気共鳴スペクトルは
第8図に示した。参考例 2 A.0fnerらがHelv.Chim.Acta.、
↓ヱ.2577〜2584(1959)に報告している
方法によりシス一又はトランスーゲラニルアセトンより
それぞれシス一又はトランスーネロリドールを得た。
即ち420TfLeのテトラヒドロフラン中に新しく調
整した金属マグネシウム粉12.57を入れておき、6
0yの臭化ビニルを氷冷下に滴下してグリニヤール試薬
を形成させ、更にシスーゲラニルアセトン又はトランス
ーゲラニルアセトン507を25℃にて滴下する。
反応液は塩化アンモニウム水溶液にて中和し、エーテル
で抽出する。ホウ硝にて乾燥後溶媒を減圧下に留去し、
残分を真空蒸留するとシスーゲラニルアセトンよりシス
ーネロリドールが収率82%、トランスーゲラニルアセ
トンよりトランスーネロリドールが収率86%で得られ
た。生成物は参考例1の方法で得た標準物質により確認
した。参考例 3 シス対トランスの比率が約40対60の混合ネロリドー
ル1000yを理論段数40段以上の精密蒸留塔を用い
て還流比15にて分留するとBp99〜102℃(0.
3mmHg)の留分よりシスーネロリドールが183t
、またBplO7〜110℃(0.5m1LHg)の留
分よりトランスーネロリドールが324y得られ、同時
に中間留分4817を回収した。
シス及びトランスーネロリドールはガスクロマトグラフ
イ一分析の結果、いずれも純度99.5%以上であつた
。実施例 1 トランスーネロリドール1000tにオルトバナジン酸
n−ブチル3.57を加えて窒素雰囲気下190℃にて
攪拌しながら反応を4時間行ない、次に反応液を130
℃まで冷却してから、真空下に粗蒸留を行ない触媒を分
離すると同時に留出物976?を得た。
なお粗蒸留は塔底温度を150℃以下に保つて蒸留を行
なつた。留出物はガスクロマトグラフイ一分析の結果原
料のトランスーネロリドール62%、△6−トランス△
2−シスフアルネソール14%、△6−トランスΔ2−
トランスフアルネソール24%の混合物であることがわ
かつた。
次に留出物976yを理論段数約40段の精密蒸留塔の
塔底に入れて、還流比を15、塔底温度を145〜15
0℃、減圧度0.5〜0.7mmHgに保ちながら精密
蒸留を行ない、BplO9〜11Fc/0.5mmHg
の留分よりトランスネロリドール597クを回収し、B
pl32〜133℃/0.5mmHgの留分より△6−
トランス、△2−シスフアルネソール94yを得、Bp
l33〜135℃/0.5m7fLHgの留分より△6
−トランス△2−トランスフアルネソール1527を得
、同時に中間留分として△2−シス、トランス混合フア
ルネソール1127を得た。△6−トランス、Δ2−シ
スフアルネソールの屈折率はn甘=1.4866であり
、その核磁気共鳴スペクトルは第9図に示したとおりで
ある。また△6−トランス△2−トランスフアルネソー
ルの屈折率はn甘=1.4873であり、その核磁気共
鳴スペクトルは第10図に示したとおりである。次に精
密蒸留の結果、回収されたトランスネロリドール597
yを、前記粗蒸留により回収された触媒に加えて再度、
窒素雰囲気下190℃にて4時間攪拌を行なう。
反応液は粗蒸留により触媒分離を行ない、留出物として
トランスネロリドール60%、△6−トランス△2−シ
スフアルネソール15%、△6−トランス、△2−トラ
ンスフアルネソール25%混合物5837を得た。これ
を同様に精密蒸留することにより原料トランスネロリド
ール344?を回収し、△6−トランス△2−シスフア
ルネソールを53y1Δ6−トランス、△2−トランス
フアルネソールを957、及び△2−シス、トランス混
合フアルネソールを817を得た。実施例 2〜8 実施例1と同様に窒素ガス雰囲気下、トランスネロリド
ールを各種異性化触媒の存在下に異性化反応を行ない、
粗蒸留により触媒を除去した後、精密蒸留を行ない△6
−トランス△2−シス、トランス混合フアルネソールを
得た。
結果は第1表に示したとおりである。なおトランスネロ
リドールはすべて1007使用した。実施例 9 シスネロリドール1000fにタングステンオキシテト
ラ一(トリメチルシリルオキサイド)−ピリジン錯体W
O(0SiMe3)4・Py2.OVを加え、窒素雰囲
気下185℃にて撹拌しながら反応を5時間行なう。
反応後は粗蒸留により触媒分離を行ない、同時に留出物
972fを得た。実施例1と同様に理論段数約40段の
精密蒸留塔により精密蒸留を行ない、BplO3〜10
5℃(0.5m1Hg)の留分よりシスネロリドールを
5747回収、Bpl29〜130℃(0.5T1Lm
Hg)の留分より△6−シス△2−シスフアルネソール
を757得、Bpl3O〜131℃(0.511Hg)
の留分より△6−シス△2−トランスフアルネソールを
153V得、同時にΔ2シス、トランス混合フアルネソ
ール留分を141v得た。さらにシスネロリドール57
4y、及び△6シス△2−シスフアルネソール757、
及び△6ーシス△2シス、トランス混合フアルネソール
留分141yを混合し、上記回収触媒を加えて、窒素雰
囲気下190℃にて同様に反応する。
触媒分離をへてネロリドール62%、△6−シス△2−
シスフアルネソール14%、Δ6−シスΔ2−トランス
フアルネソール24%の混合物を776t得た。これを
精密蒸留することにより△6−シス、△2−シスフアル
ネソール55r1及びΔ6−シス△2−トランスフアル
ネソール1157、及び中間留分としてΔ2−シス、ト
ランス混合フアルネソール113Vを得た。なお、Δ6
−シスΔ2−シスフアルネソールの屈折率はn甘=1,
4863であり、その核磁気共鳴スペクトルは第11図
に示したとおりである。
△6−シス△2−トランスフアルネソールの屈折率はn
=1,4869であり、その核磁気共鳴スベクトルは第
12図に示したとおりである。
【図面の簡単な説明】
添付の図面において、第1図は本発明の方法を示したフ
ローシートであり、第2図はシス、トランス混合ゲラニ
ルアセトンあるいはシス、トランス一混合ネロリドール
を用いる本発明のフアルネソール合成ルートとイソフイ
トールあるいはスクワランなどの合成ルートとの関係を
示したフローシートに関するものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 ▲数式、化学式、表等があります▼ で表わされる△^6−シスまたはトランス−ネロリドー
    ルを不活性ガス雰囲気中、バナジウム化合物、タングス
    テン化合物またはモリブデン化合物からなる触媒の存在
    下に加熱して異性化することにより式▲数式、化学式、
    表等があります▼ で表わされる△^6−シス、△^2−シス、トランス混
    合または△^6−トランス、△^2−シス、トランス混
    合フアルネソールを得、該△^6−シス、△^2−シス
    、トランス混合フアルネソールまたは△^6−トランス
    、△^2−シス、トランス混合フアルネソールを精密蒸
    留することにより△^6−シス、△^2−シス、トラン
    ス混合フアルネーソールから△^6−シス、△^2−シ
    ス−フアルネソールおよび(または)△^6−シス、△
    ^2−トランス−フアルネソールを分離取得し、あるい
    は△^6−トランス、△^2−シス、トランス混合フア
    ルネソールから△^6−トランス、△^2−シス−フア
    ルネソールおよび(または)△^6−トランス、△^2
    −トランス−フアルネソールを分離取得することを特徴
    とする、立体規制されたフアルネソールの製造方法。
JP49147802A 1974-12-23 1974-12-23 リツタイキセイサレタフアルネソ−ルノセイゾウホウホウ Expired JPS593453B2 (ja)

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