JPS5933905Y2 - エンジン停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は潤滑用オイルを収容するオイルタンクを有する
汎用エンジン、エンジン発電機、車両等においてオイル
が所定のレベル以下になった場合に確実にエンジンを停
止させるエンジン停止装置に関するものである。

し従来技術〕 従来より、エンジン焼付防止のためオイルが所定のレベ
ル以下になったらエンジンを停止させるスイッチを具備
した装置は提案されている。

これらの装置はオイル面に浮上しているフロートに磁石
を設け、この磁石でリードスイッチを作動するものであ
るため、オイルレベルが所定値にさがってくると作動が
クリチカルになる。

このとき、エンジン回転による振動等によりオイル面が
波打っていると、フロートがオイル面に追従して上下動
し、フロートと一体に磁石が上下するためリードスイッ
チが開いたり閉じたりする。

一方、エンジンは機械的慣性を有して回転しているので
、停止させようとして一旦点火装置を不動作にすること
ができたとしても、慣性回転中に再び点火装置が働くと
エンジンは再度回転を開始してしまう。

このため、従来の装置では、オイル量が減少したときエ
ンジンの回転等による振動にてリードスイッチが開いた
り閉じたりし、これにより点火装置が働いたり停止した
りすることになり、多くの未燃焼ガスが排出されてパッ
クファイヤーを起こさせる一因なっていた。

又、従来装置では、リードスイッチが断続を繰り返して
いる限りエンジンは確実には停止せず、不安定なまま回
転を継続せざるを得ないといった問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は以上のような問題を解決するためになされたも
ので、その目的とするところは、オイルレベルが所定値
以下に下がったとき、エンジンを確実かつ自動的に停止
させることができるエンジン停止装置を提供することに
ある。

〔考案の構成〕

この目的を遠戚するため、本考案は、オイルタンク内の
オイルレベルが所定値以下になると作動する検出スイッ
チ、この検出スイッチの作動時間を計測する計測手段、
この計測手段が所定時間を計測したときに検出スイッチ
の作動を受けて自己保持するとともに停止用信号を出力
する自己保持手段、この自己保持手段の停止用信号に基
づき点火コイルの一次側コイル電圧を点火限界値以下に
下げるように作用する停止手段、電源から前記自己保持
手段への供給電圧が低下したときに電源に代わって電力
供給を所定時間継続させる動作時間延長手段を有し、計
測手段はオイルレベルが所定値を越すことにより復帰し
、自己保持手段は動作時間延長手段からの供給電圧が所
定値以下に低下することにより復帰するように構成した
ものである。

〔実施例〕

以下、本考案の詳細を実施例により説明する。

第１図は本考案のエンジン停止装置に使用する検出スイ
ッチの一実施例の作動状態を示す説明図であり、イは作
動していない状態、口は作動している状態を示す。

第２図は本考案のエンジン停止装置の一実施例を示す回
路図である。

（検出スイッチ） まず、第１図において、１は潤滑用のオイルを収容する
オイルタンク、２は検出スイッチを支持するためのゴム
製の支持具、３は支持具２の下部に設置された合成樹脂
製の円筒体、４は円筒体３内の所定位置に固定されたリ
ードスイッチであってその両端から導出されるリード線
は円筒体３及び支持具２内を通りオイルタンク１の上方
へ導かれるように配線されている。

５は円筒体３の外径よりやや大きい内径を有するリング
状のフロートであり、その内部に埋め込まれたリング状
の磁石６は前記リードスイッチ４及びフロート５と共に
オイルレベルの検出スイッチを構成している。

Ｉはオイルタンク１内に収容された潤滑用のオイル、８
は該オイル面であり、その面上にフロート５が浮上し得
るようになっている。

さて、オイルタンク１内に十分な量のオイル７が貯留さ
れ、オイル面８がリードスイッチ４より十分に高い位置
にあるときには、第１図イに示すように、フロート５は
ストッパＳに当接し、リードスイッチ４は閉じている。

次に、オイルタンク１内のオイル７が所定量以下まで減
少し、オイル面８が所定値以下に低下すると、第１図口
に示すように、フロート５の磁石６はリードスイッチ４
から離間し、これによりリードスイッチ４は開くように
作動する。

（点火装置） 第２図において、１ｇはマグネドウ点火方式の点火装置
を示し、９はエンジン、１０はエンジン９の回転により
回転される回転磁石、１１は点火コイルであり、その−
次側コイル１２は交流電圧を発電するように前記回転磁
石１０と磁気結合されている。

１３は断続器であり、交流の発電電圧を断続し点火うイ
ル１１の二次側コイル１４に高電圧を発生させる。

１５は点火栓であり前記高電圧に基づきエンジン９に火
花点火を行わせる。

尚１６は消弧用のコンデンサである。

（停止装置ユニット） 一方、同じく第２図には停止装置ユニツ）Ｕが示され、
１７は該ユニッ）Ｕに設けられた端子であり、ユニソ）
Ｕと前記点火装置１ｇを接続し、ユニツ）Ｕに点火コイ
ル１１の一次側コイル１２の発電電圧を供給するために
用いられる。

２５．５７はいずれもユニツ）Ｕに設けられた端子であ
り、前者は前記リードスイッチ４を接続することにより
ユニツ）Ｕにオイルレベルを検出した信号を入力するた
めに用いられ、後者はユニツ）Ｕに手動停止スイッチ３
８を接続するために用いられる。

次に、停止装置ユニツ）Ｕの内部構成について説明する
。

（計測手段） 計測手段はプラス側がダイオード１９．抵抗１８を介し
て端子１７に、接地側が端子２５に接続されたものであ
り、ダイオード１９．端子２５間に接続された抵抗２２
とコンデンサ２４との直列回路と、抵抗２２より十分大
きな抵抗値をもち該直列回路と並列に接続された抵抗２
３と、コンデンサ２４と抵抗２３との接続点ａにアノー
ドが接続されたダイオード２６とを有する。

そして、この手段においては、リードスイッチ４が閉じ
ているとき、コンデンｆ２４には抵抗２２を介して充電
されるので、その充電時定数は小さく、またリードスイ
ッチ４が開いているとき、コンデンサ２４の充電電荷は
抵抗２３と抵抗２２とを介して放電するので、その放電
時定数は大きい。

さて、上記の構成を有する計測手段において、オイル７
が十分にあり、オイルレベルが高く、リードスイッチ４
が閉じている場合には、ａ点は接地されアース電位にあ
るためにダイオード２６のカソード側には電圧が印加さ
れない。

次に、オイ）ｖ７は必要量はあるが、エンジンの振動に
よりオイル面８が波立ち、リードスイッチ４が開いたり
閉じたりしている場合には、スイッチ４が開いている時
間だけコンデンサ２４は放電してａ点の電位を上げよう
とするが、放電時定数が大きいためにａ点の電位が必要
値まで上がる前にスイッチ４が閉じて、ａ点がアース電
位に落ちると共にコンデン−９′″２４は抵抗２２を介
して充電される。

この場合にもダイオード２６のカソード側は必要値まで
電圧は上がらず、誤動作によりダイオード２６を介して
電圧信号を出力するといった問題が防止されている。

さらに、補給が必要になるまでオイル７が消費され、オ
イルレベルが所定値以下になると、例えオイル面８が波
立っていたとしてもリードスイッチ４が開いている時間
が十分に確保されるため、コンデンサ２４は必要量の電
荷を放電することができ、ａ点の電位を上げてダイオー
ド２６の六ソード側の電圧を必要値まで上昇させる。

尚、オイルを十分に補給することによりオイルレベルを
リードスイッチ４の位置より十分上に位置させ、リード
スイッチ４を閉じると、ａ点の電位はアース電位に戻さ
れる一方、コンデンサ２４はエンジンが駆動して端子１
７から電力が供給されることにより元の状態まで充電さ
れる。

（自己保持手段） 自己保持手段は前記ダイオード２６のカソードがベース
に接続されたトランジスタ２７、ベース電圧が印加され
ていないときにこのトランジスタ２７を非導通状態にバ
イアスするためにトランジスタ２７のエミッタに接続し
た２つの抵抗２８゜２９と、このトランジスタ２７のコ
レクタに抵抗３９を介してベースが接続されたトランジ
スタ加と、トランジスタ３０のコレクタからトランジス
タ２７のベースへ自己保持用の電流を流す回路をつくる
抵抗３１及びダイオード３２を有する。

尚、トランジスタ３０のエミッタは前記ダイオード１９
．抵抗１８を介しか端子１７に接続されると共にそのベ
ースは前記抵抗３９及び抵抗４０を介して端子３７に接
続されているので、手動停止スイッチ３８を押すとベー
ス電流が流れてこのトランジスタ３０は導通する。

さて、上記の構成を有する自己保持手段は、前記ダイオ
ード２６が導通せず、その方ソード側の電圧が十分に低
い場合には、トランジスタ２Ｔは導通せず、従ってトラ
ンジスタ３０も非導通状態全維持し、トランジスタ３０
のコレクタに接続すれた抵抗３３からは停止用信号とし
ての電流が出力されない。

次に、ダイオード２６が導通し、その六ソード側の電位
が必要値まで上げられると、トランジスタ２７が導通し
、それによりベース電流が流れてトランジスタ３０が導
通する。

すると、このトランジスタ３０は抵抗３１．ダイオード
３２を介してトランジスタ２７のペース回路ヘコレクタ
電流を供給してこの自己保持手段を自己保持状態に保つ
。

一方、トランジスタ３０のコレクタ電流は前記抵抗３３
から停止用信号として出力される。

尚、この自己保持状態は、トランジスタ３０のエミッタ
に供給される電源が無くなるか、その電圧が所定値以下
になることにより解除される。

（停止手段） 停止手段は前記トランジスタ３０のコレクタに接続され
た抵抗３３にゲートが接続されると共にアノードが端子
１７に、カソードがアースに接続されたサイリスタ３５
と、このサイリスタ３５のゲートとアース間に並列に接
続された抵抗３６゜コンデンサ３４を有する。

この停止手段は、トランジスタ３０が導通してサイリス
タ３５のゲートにターンオンゲート電圧以上の電圧が印
加されると、サイリスタ３０は導通して点火コイル１１
の一次側コイル１２を短絡して点火装置を失火させ、エ
ンジンの回転を停止させる。

尚、この停止手段におけるサイリスタ３０の代わりにト
ランジスタ等の他の半導体スイッチを用いても何等問題
はない。

（動作時間延長手段） 次に、前記停止手段をエンジン慣性回転の時間分以上継
続動作させる手段について説明する。

この動作時間延長手段は前記ダイオード１９のカソード
とアース間に並列に接続されたコンデンサ２０及びツェ
ナーダイオード２１を有し、この十分に充電された電荷
を有するコンデンサ２０が延長用電源としてもちいられ
る。

さて、前記停止手段により点火装置が失火されると、エ
ンジンの回転速度が低下し、点火コイル１１の出力電圧
が低下していく。

このように、端子１７から供給される電圧が低下してい
くと、コンデンサ２０は放電を開始し、この放電電流は
トランジスタ３０を通ってサイリスタ３５のゲート及び
トランジスタ２７のベースに供給され、所定時間サイリ
スタ３５の導通状態を保持する。

但し、この保持時間は、はぼコンデンサ２０の容量と抵
抗３３の抵抗値の積によって求められる時定数で決める
が、点火装置１ｇの点火作用が停止してからエンジンの
慣性回転が完全に停止するまでの時間（通常２〜３秒）
以上に設定する。

一方、この手段はオイル７が十分に補給されてリードス
イッチ４が閉成されると共に、トランジスタ２７，３０
及びサイリスタ３５が制御用電源が無くなることにより
非導通状態に復帰した状態にてエンジンが駆動されると
復帰し、コンデンサ２０はツェナーダイオード２１で制
御された電圧まで充電される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案はオイルタンク内のオイル
レベルが所定値以下になると作動する検出スイッチ、こ
の検出スイッチの作動時間を計測する計測手段、この計
測手段が所定時間を計測したときに検出スイッチの作動
を受けて自己保持するとともに停止用信号を出力する自
己保持手段、この自己保持手段の停止用信号に基づき点
火コイルの一次側コイル電圧を点火限界値以下に下げる
ように作用する停止手段、電源から前記自己保持手段へ
の供給電圧が低下したときに電源に代わって電力供給を
所定時間継続させる動作時間延長手段を有し、計測手段
はオイルレベルが所定値を越すことにより復帰し、自己
保持手段は動作時間延長手段からの供給電圧が所定値以
下に低下することにより復帰するように構成したことに
より、オイルレベルが所定値以下に下がったとき、エン
ジンを確実かつ自動的に停止させることができ、パック
ファイヤーを解消すると共に、エンジンが不安定なまま
回転を継続しないようにできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図イ５口は本考案のエンジン停止装置に使用する検
出スイッチの一実施例を示す説明図、第２図は本考案の
エンジン停止装置の一実施例を示す回路図である。 Ｕ・・・・・・停止装置ユニット、１ｇ・・・・・・点
火装置、１・・・・・・オイルタンク、４・・・・・・
リードスイッチ、５・・・・・・フロート、６・・・・
・・磁石、７・・・・・・オイル、８・・・・・オイル
面、９・・・・・・エンジン、１１・・・・・・点火コ
イル、１２・・・・・・−次側コイル、２２，２３，３
３・・・・・・抵抗、２６，３２・・・・・・ダイオー
ド、２０，２４・・・・・・コンデンサ、２７，３０・
・・・・・トランジスタ、３５・・・・・・サイリスタ
、３８・・・・・・手動停止スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 潤滑用オイルを収容するオイルタンクを有し、点火コイ
   ルにより点火がなされるエンジン装置において、オイル
   タンク内のオイルレベルが所定値以下になると作動する
   検出スイッチ、誤動作防止のためこの検出スイッチの作
   動時間を計測する計測手段、この計測手段が所定時間を
   計測したときに検出スイッチの作動を受けて自己保持す
   るとともに停止用信号を出力する自己保持手段、この自
   己保持手段の停止用信号に基づき点火コイルの一次側コ
   イル電圧を点火限界値以下に下げるように作用する停止
   手段、電源から前記自己保持手段への供給電圧が低下し
   たときに電源に代わって電力供給を所定時間継続させる
   動作時間延長手段を有し、計測手段はオイルレベルが所
   定値を越すことにより復帰し、自己保持手段は動作時間
   延長手段からの供給電圧が所定値以下に低下することに
   より復帰するエンジン停止装置。