JPS5933678Y2 - 筆記用具のインク吸蔵用中芯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂製繊維束の外周に外皮を包被する
ようにしたサインペン、もしくはボールペンなどのいわ
ゆる筆記具の軸筒に挿入使用するインク吸蔵用中芯の改
良に関し、そしてこの考案で特に対照とする中芯は、上
記外皮を煙草巻き状に巻付ける形式の、ものにおいての
み適用される。

ところで、従来の上記煙草巻き形の中芯としては、外皮
素材としてセロハンなどを用いたものが知られている。

このものは素材そのものが廉価なるため中芯を低コスト
で製造でき、又高速巻付は機により製造できるため生産
性が極めてよいと云う利点があるが、外皮自身がうすい
ためにでき上った中芯は剛直性に之しく、従って中芯を
筆記具の軸筒に挿入する際の作業が極めて煩雑であった
り、更に又中芯の外面には該中芯を上記軸筒に挿入した
ときその外面と軸筒の内面との間に軸線方向の空気通路
を形成するための突条のような出張りを作ってやる必要
であるが、その手段として繊維束に外皮を巻付けその両
端を重ねたとき自ずと形成される膨み部分をそのま・利
用しているがもともと外皮がうすいのであるからその膨
みも極めて僅かにすぎず、従って上記軸筒内面と中芯と
の間に充分な空気通路を形成することができないと云う
欠点がある。

そこで、この考案では外皮に工夫を加え、もって従来の
ような欠点を除去することにある。

以下図面に就いて実施例の詳細を述べる。

適当な毛細管密度を有する合成繊維束Ａの外周に外皮Ｂ
を煙草巻き状に巻付け、その両端重合部Ｃを固着する形
式のインク吸蔵用中芯において、上記外皮Ｂを内面にホ
ットメルト樹脂１を且外面にポリエチレンもしくはポリ
プロピレン２を被膜処理した紙３にて形成し、この紙３
即ち、外皮Ａをそのホットメルト樹脂１面を内側にして
上記繊維束Ａに巻付けると共にホットメルト樹脂１を繊
維束Ａの外面に融着したものである。

尚、上記紙３は腰の強い防濡紙を用いることが望ましい
。

本考案は上述のように構成したので、中芯全体が剛直性
をもつようになり、従ってこの中芯の筆記具軸筒イへの
挿入作業を容易に行わせることができる。

又、ホットメルト樹脂が繊維束の外周に融着しているの
で繊維束を安定させ、従ってこの繊維束に吸蔵される単
位体積当りのインク量を平均させることができる。

そして又軸筒内での中芯の機械的安定性を保たせること
ができる。

更に又上記中芯の軸筒イへの挿入によってこの中芯の重
ね目の存在が空気通路口を形成することになるが、外皮
の被膜厚さ分が重ね目にプラスされるので実質的に重ね
目部分が大きく膨らむことになり、従って充分な空気通
路を軸筒内壁と中芯外面との間に作ることができる。

而も重ね目部分も剛性をもっているので通路を常に安定
して保持させることができる。

このように本考案によれば、たとえ紙製外皮を用いて製
造される中芯であってもノズル成形、もしくは押出成形
によって製造される他の中芯、つまり外皮が合成樹脂の
ものと比較しても何等劣ることのない機械的強度をもち
、もって外皮が紙なるが故に生じたこの種煙草巻き式中
芯の欠点を一掃したもので、その特長は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は外観図、第２図は同上拡大断面図、第３図は中
芯を筆記具の軸筒に挿入した状態の断面図である。 Ａ・・・・・・繊維束、Ｂ・・・・・・外皮、１・・・
・・・ホットメルト樹脂、２・・・・・・ポリエチレン
もしくはポリプロピレンの被膜、３・・・・・・紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製繊維束の外周に外皮を煙草巻き状に巻付け、
   その両端重ね目を固着する形式のインク吸蔵用中芯にお
   いて、上記外皮を、内面にホットメルト樹脂を且外面に
   ポリエチレンもしくはポリプロピレンと被膜を形成した
   紙にて形成し、この外皮をホットメルト樹脂面を内側に
   して上記繊維束に巻付けると共にホットメルト樹脂を繊
   維束の外面に融着し、かつ外皮の両端重ね目を、外皮を
   構成する紙とその内外面の被膜との綜合肉厚によって中
   芯を筆記具軸筒に挿入したとき、該中芯外面と軸筒内壁
   との間に空気通路を形成させる軸筒内壁への当接用重ね
   目段差により形成したことを特徴とする筆記用具のイン
   ク吸蔵用中芯。