JPS5933589B2 - L−アスコルビン酸の製造方法 - Google Patents

L−アスコルビン酸の製造方法

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JPS5933589B2
JPS5933589B2 JP7471375A JP7471375A JPS5933589B2 JP S5933589 B2 JPS5933589 B2 JP S5933589B2 JP 7471375 A JP7471375 A JP 7471375A JP 7471375 A JP7471375 A JP 7471375A JP S5933589 B2 JPS5933589 B2 JP S5933589B2
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正直 松井
智也 小川
謙一 田口
政之 箕形
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 本発明は新規なL−アスコルビン酸の製造方法に関する
L−アスコルビン酸はビタミンCとして有用な物質であ
るが、このものを合成する方法としては従来、D−グル
コースを出発原料としてD−グルコース→ソルビトール
→L−ソルボース→2−ケトーL−クロン酸→L−アス
コルビン酸の径路で合成する方法が一般に行われている
。本発明は醗酵法で得られる安価な物質であるアルキル
ー 2−ケトグルコネートたとえばメチルー2−ケトグ
ルコネートを出発原料として高収率でL−アスコルビン
酸を合成する新規かつ有用な方法を提供するものであつ
て、その第一の方法は(イ)アルキルー2−ケトグルコ
ネートの4位および5位の水酸基をアセタール化する工
程と、(ロ)前記(イ)工程で得られた反応生成物の2
位および3位の水酸基をアシル化する工程と、ヒう 前
記(ロ)工程で得られた反応生成物を脱アセタール化し
て4位および5位に水酸基を再生させる工程と、(ニ)
前記(ハ)工程で得られた反応生成物の4位の水酸基を
アシル化する工程と、(ホ)前記(ニ)工程で得られた
反応生成物の5位の水酸基を酸化してカルボニル基とす
る工程と、(へ)前記(ホ)工程で得られた反応生成物
を還元して5位にエカトリアル配座水酸基を生成させる
工程と、(ト)前記(へ)工程で得られた反応生成物を
加水分解する工程、の各工程から成ることを特徴とする
L−アスコルビン酸の製造方法であり、その第二の方法
は、第一の方法の(イ)〜(ニ)の各工程と、(刀 前
記(ニ)工程で得られた反応生成物の5位の水酸基をス
ルホニルオキシ化する工程と、(り)前記(力工程で得
られた反応生成物の5位のスルホニルオキシ基をエカト
リアル配座アシルオキシ基に置換する工程と、(ヌ)前
記(り)工程で得られた反応生成物を加水分解する工程
、から成ることを特徴とするL−アスコルビン酸の製造
方法である。
これを説明すると、本発明方法の始発原料とされるアル
キル−2−ケトグルコネートは下記の構造式(1)(式
中、Rはメチル基、エチル基などのアルキル基を表わす
)で示される化合物であるが、このものの4位および5
位の炭素原子に結合する水酸基を選択的にアセタール化
する〔(イ)工程〕ために用いられるアセタール化剤と
してはアセトン、2・2−ジメトキシプロパン、ベンズ
アルデヒドなど種々のものを使用することができる。
反応を行うにはアルキル−2−ケトグルコネートを1〜
10倍量のジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジオキサンなどの溶媒中に分散させ触媒量の酸触媒
たとえばパラトルエンスルホン酸、無水塩酸、無水硫酸
銅、濃硫酸などの存在下にアセタール化剤を添加すれば
よい。
なお、アセタール化剤としてアセトンを用いる場合はこ
れを溶媒を兼ねて使用してもよい。アルキル−2ケトグ
ルコネートは上記した溶媒中への溶解度が大きくないが
、全量が溶解している必要はない。すなわち、この場合
、一部分は懸濁状態であつても基支えなく、反応はその
進行に伴つて未溶解部分が逐次溶解し、ほぼ定量的に進
行する。上記酸触媒の使用量はアセタール化剤の種類、
溶媒の種類、濃度などの条件に応じて適宜とされるが、
一般には0.1〜10η/mlの濃度範囲で使用すれば
よい。
反応温度は10〜50℃、好ましくは30℃以下が適当
であるが、これは反応温度が高すぎると2、3位にもア
セタール化が起り、目的とする4、5位への選択的なア
セタール化が妨げられるからである。この(イ)工程で
得られるアセタール化物は単にアルキル−2−ケトグル
コネートの4、5位がアセタール化されるだけでなく、
含酸素6員環を有する環状構造を有することがNMRス
ペクトルおよび過よう素酸を用いる開裂反応試験の結果
から確認された。
したがつて、このものは下記の構造式()(式中、R′
およびR″はそれぞれ水素原子またはメチル基、エチル
基などのアルキル基もしくはフエニル基などのアリール
基を表わす)で示されるべき化合物であつて、このもの
は文献未載の新規物質である。
次に(ロ)工程は上記(イ)工程の反応混合物から溶媒
を除去して得られたアセタール化物の2位および3位の
水酸基をアシル化するのであり、このアシル基の種類と
しては特に限定する必要はないが、アセチル基、ベンゾ
イル基などが好ましい。
反応の方法は従来公知のアシル化方法にしたがつてピリ
ジン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、ベンゼン
、ジオキサン、ピリジンなどを溶媒として温度−10〜
100℃において無水酢酸、アセチルクロライド、ベン
ゾイルクロライドなどのアシル化剤を作用させればよく
、容易にほぼ定量的な収率で目的とするジアシル化物が
得られる。このものは下記の構造式()(式中R1はメ
チル基、エチル基などのアルキル基、フエニル基などの
アリール基から選ばれる一価炭化水素基を表わす)で示
される化合物であるが、これらもまた文献未載の新規物
質である。
次に(ハ)工程は上記(ロ)工程で得られたジアシル化
物を加水分解して脱アセタール化を行い、4位および5
位に水酸基を再生させるのであるが、加水分解は酸性水
溶液中で行うのが好ましく、そのような酸としてはギ酸
、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸などの
有機酸あるいは塩酸、硫酸などの無機酸の水溶液がいず
れも使用可能である。しかしながら、これには脱アセタ
ール化反応の反応性が高いという点から60〜80%の
酢酸水溶液を用いることが特に好ましい結果を与える。
たとえば80%酢酸水溶液を用いて加水分解を行えば、
ほぼ定量的な収率で目的物が得られ、その場合の反応温
度は特に限定されないが、反応を加速する目的において
50〜70℃に加温することが望ましい。ここに得られ
る反応生成物は下記の構造式()で示される化合物であ
るが、これらもまた文献未載の新規物質である。次に(
ニ)工程として、前記(ハ)工程で得られた脱アセター
ル反応生成物の4位の水酸基のみを選択的にアシル化す
る。
この場合のアシル基の種類にもまた特に制限はなく、ア
セチル基、ベンゾイル基などがいずれも適当とされる。
ベンゾイル基とする場合はアシル化剤としてベンゾイル
クロライド、ベンゾイルシアナイド、ペンゾールイミダ
ゾール、安息香酸の酸無水物などを用いればよく、その
使用量はアシル化すべき水酸基1モルに対して1.O〜
1.2モルを用いることがよい。
アシル化剤の使用量が前記範囲をこえて目的とするモノ
アシル化反応の収率が低下する。この反応に用いられる
溶媒は前記(口)工程で用いられるものと同様のもので
よく、反応温度は−30℃〜室温の範囲が適当である。
このような反応条件を適当に選ぶことによつて目的物を
80%以上の収率で得ることは容易である。ここに得ら
れる目的とする反応生成物は2位、3位および4位がア
シル化された下記の構造式(V)(式中、R2はR1で
定義したような一価炭化水素基)で示される化合物であ
るが、これらもまた文献未載の新規物質である。
以上の(イ)〜(ニ)工程は本願の第1の発明方法、第
2の発明方法において共通であるが、両方法はこの(ニ
)工程以下において若干相違する。
すなわち、第一の方法は上記(ニ)工程で得られたトリ
アシル化物を酸化して5位の水酸基をカルボニル基とし
〔(イ)工程〕、次に制限された条件下で該ケトン基を
還元してエカトリアル配座に反転された水酸基を再生さ
せた後、2位、3位、4位のアシル基を加水分解して水
酸基とすることによつて目的とするL−アスコルビン酸
とするものであり、第二の方法は上記(ニ)工程で得ら
れたトリアシル化物の5位の水酸基をスルホニル化した
後、有機酸アルカリ塩と反応させて該スルホニル基をエ
カトリアル配座されたアシル基に置換し、ついで加水分
解してアシル基を水酸基とすることによつて目的とする
L−アスコルビン酸を得るものである。この第一の発明
方法は、まず(ニ)工程で得られたトリアシル化物の5
位の水酸基を酸化してカルボニル基とするのであるが、
この反応〔((ホ)工程〕はトリアシル化物に溶媒中で
酸化剤を使用させればよい。
ここに用いられる酸化剤としてはたとえばジヨーンズ試
薬の各称で知られる無水クロム酸を酸化剤成分とするの
が適当であり、この場合溶媒としてはアセトン、メチル
エチルケトンなどが用いられる。
この酸化剤の使用量は酸化される水酸基1モルあたりC
rO3として0,67〜4モル、好ましくは1〜2モル
とすればよく、反応温度は室温以下、好ましくは−5『
C〜室温の範囲が適当である。またこの酸化剤としては
酸化ルテニウムを用いることもでき、その場合は触媒量
の酸化ルテニウムと計算量の過よう素酸ナトリウムをク
ロロホルム、四塩化炭素などの溶媒中で室温、かくはん
下に作用させればよい。
上記の酸化反応によつて得られるカルボニル基含有化合
物は下記の構造式()で示される文献未載の新規物質で
あるが、このものは赤外線吸収スペクトルによれば水和
された形になつている、やや不安定なものであるため、
たとえばシリカゲルを吸着媒とする吸着クロマトグラフ
イ一によつて精製するとエリミネーシヨンを起してその
収量が低下する。
しかしながら次工程のための中間原料としてはそのよう
に単離精製を行うことは必ずしも必要でなく、反応終了
後の溶液から単に過剰の酸化剤を除去しただけでただち
に次工程に用いることができる。ついで、上記酸化反応
によつて5位に生成したカルボニル基を制限された条件
で還元することによつてエカトリアルに配座した水酸基
とする〔(へ)工程〕のであるが、本工程は前記((1
)工程で得られた反応液から目的成分を単離することな
く単に過剰の酸化剤を分解除去しただけで行うことがで
きる。
この反応に用いられる溶媒としては水、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル
、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが適当である。
なお、この場合にここに用いる還元剤の選択が重要であ
るが、これにはNaBH4,NaBCNH3、LiAl
(0CH3)3H、LiAl(0C2H,)3Hなどが
適当とされる。反応温度は−20℃〜室温、好ましくは
−10℃〜+5℃が適当である。得られる反応生成物は
5位にエカトリアル配座水酸基を有し、下記の構造式(
)で示されるトリアシル化物であつて、いずれも文献未
載の新規物質である。上記(へ)工程で得られたエカト
リアル配座水酸基含有トリアシル化物は次に塩基または
酸を用いる加水分解により脱アシル化されて3個のアシ
ル基および1位の炭素に結合するメトキシ基の脱離とと
もに転位してL−アスコルビン酸の塩となり、これを酸
で中和すれば目的とする遊離のL−アスコルビン酸が得
られる〔(卜)工程〕。
上記加水分解に使用される塩基としてはアルカリアルコ
ラードたとえばナトリウムメチラートが適当である。
その際の反応温度は室温〜50℃とすることが好ましい
。次に上記の反応液中に酸を添加すれば過剰の塩基が中
和されるとともに加水分解によつて生成したL−アスコ
ルビン酸の塩は遊離のL−アスコルビン酸に変換される
。中和に用いる酸としては酢酸などの有機酸あるいは塩
化水素メタノール溶液などが適当である。なお、この加
水分解反応はまた、塩基を用いることなく、直接、酸を
用いて行つてもよく、たとえば、式()で示されるトリ
アシル化物をクカロホルム、四塩化炭素などの溶媒に溶
解しておき、これに塩酸とエタノールもしくはメタノー
ルを加えてかくはんしながら加熱還流させればL−アス
コルビン酸が析出する。
次に本願の第2の発明の方法について説明する。
この方法はまず前記(ニ)工程で得られたトリアシル化
物〔(ニ)工程において用いた溶媒は必らずしも除去す
る必要はない〕をスルホニル化剤たとえばパラトルエン
スルホニルクロライドまたはメタンスルホニルクロライ
ドと反応させて5位の水酸基をスルホニル化する〔(刀
工程〕。この場合の反応溶媒としてはピリジン、ベンゼ
ン、ジオキサンなどがあげられ、反応温度は室温以下、
好ましくはO℃〜室温の範囲とすることがよく、本工程
の反応は反応条件を適当に選ぶことによつてほぼ定量的
に進行する。この反応はまたピリジン、トリエチルアミ
ンなどの塩基の存在下でスルホニル化剤を作用させるこ
とによつても行うことができる。ここに得られるスルホ
ニルオキシ基含有トリアシル化物は下記の構造式()(
式中R3はフエニル基、トリル基、メチル基などの一価
炭化水素基を表わす)で示される化合物であつて、これ
らはいずれも文献未載の新規物質である。
上記(7)工程で得られたスルホニルオキシ基含有トリ
アシル化物は次に安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム
などの有機酸のアルカリ金属塩と反応させることによつ
てスルホニルオキシ基をアシルオキシ基と置換させるの
であるが、その際、置換によつて結合したアシルオキシ
基はエカトリアルに配座していることが確認された。
この置換反応〔(男工程〕に用いられる溶媒は、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
リん酸トリアミドなどが適当であり、反応温度は50〜
200℃で、かつ前記溶媒の沸点以下、好ましくは70
〜150℃とすればよい。
これは高温度になると反応物の分解や副反応が起り目的
物の収率が低下するからである。ここに得られる反応生
成物は下記の構造式()(式中、R4はメチル基、フエ
ニル基などの一価炭化水素基を表わす)で示されるエカ
トリアル配座アシル基を5位に有するテトラアシル化物
であつて、これも文献未載の新規物質である。
上記(り)工程で得られたテトラアシル化物はついで塩
基を用いて加水分解したのち酸で中和するか、もしくは
酸を用いて直接に加水分解することにより目的とするL
−アスコルビン酸となるが〔(ヌ)工程〕、該加水分解
中和工程に用いられる条件は第1の発明の方法における
(卜)工程とほぼ同様とすればよい。
本発明の方法は上記した第一、第二の方法のいずれにつ
いても、各段階の工程がきわめて容易、かつ高収率で目
的物の得られる反応から成り立つているので、L−アス
コルビン酸を安価に得ることができるというすぐれた効
果を与えるものである。
以下に実施例をあげて本発明の方法の実施態様をさらに
詳細に説明する。
実施例 1 (1)アルキル−2−ケトグルコネートのアセタール化
〔(イ)工程〕アルキル−2−ケトグルコネートとして
メチル〜2−ケトグレコネートを、アセタール化剤とし
て2・2−ジメトキシプロパンを用いた。
メチル−2−ケトグレコネート20.8yを40m1の
ジメチルホルムアミド沖に分散させたところ、一部分は
溶解したが、一部分未溶解のまま懸濁状態となつた。こ
の分散液へ2・2−ジメトキシプロパン15.8yおよ
びパラトルエンスルホン酸(水和物)0.2yを加えて
室温において2時間攪拌して反応させたところ液は次第
に透明となつた。この溶液に弱塩基性イオン交換樹脂(
アンバーライトIR−45、ローム.アンド.ハース社
商品名)30fを加え、30分間攪拌して酸を中和した
後、濾過してイオン交換樹脂を取除き、ジメチルホルム
アミドおよび過剰の2・2−ジメトキシプロバンを減圧
留去したところ透明なシロツプ状の液が得られた。この
シロツプ状の液を酢酸エチルに溶解し、エーデルを加え
て結晶を析出させ濾別乾燥してプリズム状の結晶23.
67を得た。このものについて元素分析を行つたところ
、前記()式においてR.RおよびR″がいずれもメチ
ル基(分子式ClOHl6O7)であるとして計算した
値とよく一致した。上記の収量は収率95%に相当する
。また、このものの融点は116〜117℃、旋光度〔
α〕25は−124.31(C=0.54f7/DlO
Omllエタノール)であつた。
このもののNMR吸収スペクトルのデータは次のとおり
であつた(100MHz.CDC13中のケミカルシフ
トTMS基準、以下同じ)ジヨール法、以下同じ)には
波数3440C−JrLH、3280CTfL−1、1
745cm−1の強い吸収帯が認められた。
さらに、過よう素酸を用いる開裂反応試験の結果はこの
ものが環状構造をもつていることを支持しており、以上
の結果からこのものが前記構造式()(ただし、R,R
’およびR″ はそれぞれメチル基)で示される化合物
であることが確認された。
(2)アセタール化物の2・3−ジアセチル化〔(口)
工程〕前記アセタール化工程で得られたイソプロピリデ
ン化物1クをピリジン2m1に溶解した後、無水酢酸1
m1を加えて60℃に加温し、5時間撹拌を続けて反応
させた。
反応終了後少量のトルエンを加えてトルエンとの共沸を
利用してピリジンを減圧下に留去した。ついでエタノー
ルを加えて過剰の無水酢酸を加えて同様に溶媒を減圧留
去したところ白色の結晶1.33yが得られたが、これ
をエタノール中から再結晶して得られたプリズム状結晶
(収量1.27y)の元素分析値は下記に示すようにイ
ソプロピリデン化物がジアシル化されたもの(分子式C
,。
H2OO9)の計算値とよく一致した(収率98%)。
C:実測値50.78%;計算値50.60%H:実測
値 6.05%:計算値 6.07%融点:128〜1
28.5℃旋光度〔α〕25:一166.2( C =
0.52V/DlOOml、エタノール) また、このものの赤外線吸収スペクトルには波数174
0CTfL−1、1765(V7l−1に強い吸収帯が
認められた。
またこのもののNMR吸収スペクトル(100MHz,
.CDC13中)のデータは次のとおりであつた。1.
36ppm3H)1.53ppm3H)2.11ppm
3H)2.16ppm3H)3.76ppm3H)これ
らのデータからここに得られた化合物は前記構造式()
(ただしR,R’、R〃およびR1はそれぞれメチル基
)で示される化合物であることが確認された。
(3) 2 ・ 3−ジアシル化物の脱アセタール反応
〔←J工程〕前記ジアセチル化工程(2)で得たジアセ
チル化物2.92Vを80%酢酸水溶液10m1に溶解
した後、60℃に加温して2.5時間かくはんして反応
させた。
ついで減圧下に揮発性成分を留去して白色結晶2.86
Vを得たがこのものをエタノール中から再結晶して得ら
れた結晶の元素分析値は脱イソプロピリデン化物(分子
式Cl,H,6O9)の計算値とよく一致した(収率9
8%)。
C:実測値45.40%:計算値45.21%H:実測
値 5.56%;計算値 5.52%融点:161.5
〜162.5℃旋光度〔α〕25:一162.6 D lOOml)エタノール) またこのものの赤外線吸収スペクトルには波数3500
cTrL−1、3340(V7l−1、1740cm−
1、1755儂−1に強い吸収帯が認められた。
またこのもののNMR吸収スペクトル(100MHz,
DMS0d6)のデータは次のとおりであつた。
2.04ppm3H)2.14ppm3H)3.58p
pm3H)以上のデータからここに得られた化合物が前
記構造式()(ただしRおよびR1はそれぞれメチル基
)で示される化合物であることが確認された。
(4) 2 ・ 3−ジアシル化物の4−アシル化反応
〔(−)工程〕前記脱イソプロピリデン工程(3)で得
られた2・3−ジアシル化物1.26yをピリジン5m
1に溶解し、−10℃に冷却してかくはんしながらベン
ゾイルクロライド0.5m1を滴下した。
ついで0℃で一夜放置してから水0.5m1を加え、1
時間かくはんした後さらに水で希釈し、塩化メチレンで
抽出して得た抽出液を酸性炭酸ナトリウム水溶液および
水で順次洗浄し、脱水乾燥し、塩化メチレンを留去した
ところ白色結晶1.58vが得られた。このものをエタ
ノール中から再結晶して得たプリズム状結晶(収量1.
36y)の元素分析値は4−ベンゾイル化物(分子式C
,2H2OOlO)の計算値とよく一致した(収率93
%)。C:実測値54.78%;計算値54.55%ま
た、このものの赤外線吸収スペクトルには波数1600
(7L−111722?−1、1745?−1および3
500CTrL−1に強い吸収帯が認められた。
また、このもののNMR吸収スペクトル (100MHz.CDC13中)は次のとおりであつた
以上のデータからここに得られた化合物が前記構造式(
V)(ただし、RおよびR1はそれぞれメチル基、R2
はフエニル基)で示される化合物であることが確認され
た。
(5) トリアシル化物の5位の酸化反応〔(ホ)工程
〕前記4−アシル化反応(4)で得られた2・3ジアセ
チル−4−ベンゾイル化物17をアセトン10m1に溶
解した後、氷冷下にかくはんしながらジヨーンズ試薬(
濃度2.672ミリモルCrO3/ml)2m1を滴下
した。
ついでO℃で2日間保持して反応を完結させ、メタノー
ル3m1を加えて過剰のジヨーンズ試薬を分解し、次に
氷水100m1を加えてから塩化メチレンで抽出し、得
られた抽出液を酸性炭酸ナトリウム水溶液および水で順
次洗浄、脱水乾燥し、塩化メチレンを留去したところ泡
状の白色固体0.857を得た。このものの赤外線吸収
スペクトルには波数1600(e−1、1730CTI
L−1、1755α11および3450cTrL−1に
強い吸収帯が認められた。
また、このもののNMR吸収スベクトル (60MHz.CDC13中)のデータは次のとおりで
あつた。
以上のデータからここに得られた化合物が前記構造式(
)(ただし、RおよびR1はそれぞれメチル基、R2は
フエニル基であり、5位のカルボニル基は水和されてい
るものと考えらた。
1)カルボニル化合物の還元反応〔(ハ)工程〕前記の
泡状固体をエチレングリコールジメチルエーテル5m1
に溶解し、−10℃に冷却してかくはんしながらこの溶
液中にNaBH4O.O6Oyを加え、温度をO℃とし
て3時間反応させた。
反応終了後5%酢酸水溶液2.47r11を加えて過剰
のNaBH4を分解中和し、氷水100m1を加えてか
ら塩化メチレンで抽出した。得られた抽出液を酸性炭酸
ナトリウム水溶液および水で順次洗浄、脱水乾燥してか
ら塩化メチレンを留去して白色の結晶0.64yを得た
。この結晶の元素分析値は分子式Cl2H2OOlOと
して計算値とよく一致した〔(5)、(6)工程の通算
収率64%〕oまた、このものの赤外線吸収スペクトル
には波数3490CTrL−1、1765c7rL−1
、1719?−1、1600c7n−1に強い吸収帯が
認められた〜 また、このもののNMR吸収スペクトル (100MHz.CDC13中)のデータは次のとおり
であつた。
以上のデータから、ここに得られた化合物が前記構造式
()(ただしRおよびR1はそれぞれメチル基、R2は
フエニル基であり5位の水酸基はエカトリアル配座をし
ている)で示される化合物であることが確認された。
1)エカトリアル配座水酸基含有トリアシル化物からL
−アスコルビン酸の製造〔(卜)工程〕前記工程(6)
で得られたエカトリアル配座水酸基含有2・3−ジアセ
チル−4−ベンゾイル化物17をメタノール30m1に
溶解し、この溶液中に窒素ガスを吹込み、かつかくはん
しながらナトリウムメチラートの5Nメタノール溶液0
.6m1を室温で滴下した。
10分間かくはんを続けて反応を完結させ、ついで塩化
水素ガスを吹込んだメタノールを添加してアルカリを中
和し、メタノールを減圧留去し、残留物をエタノールで
抽出し、さらにエタノールを留去し、残留物を酢酸エチ
ルで洗浄したところ白色の結晶体0.3387が得られ
た。
このものの元素分析値、赤外線吸収スペクトル、NMR
スペクトル融点、旋光度はL−アスコルビン酸の計算値
あるいは文献記載のデータとよく一致し、このものがL
−アスコルビン酸であることが確認された。実施例 2 実施例1のアセタール化工程(1)で得られたイソプロ
ピリデン化物17をピリジン2m1に溶解し、氷冷下に
かくはんしながらベンゾイルクロライド1.4m1を滴
下した。
反応混合物を室温に一夜放置してから水1m1を加え、
1時間放置後、氷水中に注ぎ、エーテルで抽出して得た
抽出液を酸性炭酸ナトリウム水溶液および水で順次洗浄
してからエーテルを留去したところ白色の粉末1,80
7が得られた。このもののジベンゾイル化物(分子式C
24H24O9)としての収率は97.5%に相当する
。またこのもののNMR吸収スペクトル(100MHz
sCDC13中)のデータは次のとおりであつた以上の
データからここに得られた化合物が前記構造式()(た
だしR.R7およびR″はそれぞれメチル基、R1はフ
エニル基)で示される2・3−ジベンゾイル化物である
ことが確認された。
上記で得られた2・3−ジベンゾイル化物を用い、実施
例1に準じて脱アセタール化、4位のアシル化、5位の
酸化および還元反応を行い、さらに加水分解、中和を行
つたところ、L−アスコルビン酸が得られた。実施例
3 (1) トリアシル化物のスルホニル化反応〔(刀工程
〕実施例1の工程(4)において得られた2・3ジアセ
チル−4−ベンゾイル化物0.807をピリジン2m1
に溶解して氷冷し、かくはんしながらピリジン2m1に
トシルクロライド0.577を溶解した液を滴下し、室
温に3日間保持して反応を完結させた後、反応液を氷水
中へ注いだところ、白色結晶が析出したのでこの結晶を
ろ別し十分に水洗を行つて乾燥し白色結晶1.077を
得た。
これをエーテル溶液から再結晶して精製したものの元素
分析値は分子式C25H26Ol2Sとした計算値とよ
く一致した(収率97.5%)。
またこのものの赤外線吸収スペクトルには波数1765
礪−1、1725cTn−11600?ml、1195
cTn−1、1180?−1に強い吸収帯が認められた
またこのもののNMR吸収スペクトル(100MHz.
CDC13中)データは次のとおりであつた。
以上のデータからここに得られた化合物が前記構造式(
)(ただし、RおよびR1はそれぞれメチル基、R2は
フエニル基、R3はパラトリル基である)で示される化
合物であることが確認された。
).)スルホニル化物のアシル基置換反応〔(り)工程
〕前記トシル化反応で得られたトシル化物1.17をへ
キサメチルリん酸トリアミド10TrL1に溶解し、さ
らに安息香酸ナトリウム0.507を加えて90℃に加
熱し、3時間かくはんを行つて反応させた後、水100
m1を加え、エーテルで抽出を行つて得た抽出液を酸性
炭酸ナトリウム水溶液および水で順次洗浄し、脱水乾燥
後エーテルを留去したところかつ色りシロツプ状の液0
.86f7′が得られた。
これをシリカゲル吸着クロマトグラフイ一(展開液:ト
ルエンリエーテル一1:1)法で精製して白色結晶0.
517が得られた。この結晶の元素分析値はC25H2
4Ollとしては計算値とよく一致した(収率51%)
。C:実測値60.35%;計算値60.00%H:実
測値 4.75%;計算値 480%このものの赤外線
吸収スペクトルには波数1600(1771−1、17
22?−11755C7!l−1に強い吸収帯が認めら
れた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (イ)アルキル−2−ケトグルコネートの4位およ
    び5位の水酸基をアセタール化する工程と、(ロ)前記
    (イ)工程で得られた反応生成物の2位および3位の水
    酸基をアシル化する工程と、(ハ)前記(ロ)工程で得
    られた反応生成物を脱アセタール化して4位および5位
    に水酸基を再生させる工程と、(ニ)前記(ハ)工程で
    得られた反応生成物の4位の水酸基をアシル化する工程
    と、(ホ)前記用工程で得られた反応生成物の5位の水
    酸基を酸化してカルボニル基とする工程と、(ヘ)前記
    (ホ)工程で得られた反応生成物を還元して5位にエカ
    トリアル配座水酸基を生成させる工程と、(ト)前記(
    ヘ)工程で得られた反応生成物を加水分解する工程、と
    から成ることを特徴とするL−アスコルビン酸の製造方
    法。 2 (イ)アルキル−2−ケトグルコネートの4位およ
    び5位の水酸基をアセタール化する工程と、(ロ)前記
    (イ)工程で得られた反応生成物の2位および3位の水
    酸基をアシル化する工程と、(ハ)前記(ロ)工程で得
    られた反応生成物を脱アセタール化して4位および5位
    に水酸基を再生させる工程と、(ニ)前記(ハ)工程で
    得られた反応生成物の4位の水酸基をアシル化する工程
    と、(チ)前記(ニ)工程で得られた反応生成物の5位
    の水酸基をスルホニルオキシ化する工程と、(リ)前記
    (チ)工程で得られた反応生成物の5位のスルホニルオ
    キシ基をエカトリアル配座アシル基オキシに置換する工
    程と、(ヌ)前記(リ)工程で得られた反応生成物を加
    水分解する工程、とから成ることを特徴とするL−アス
    コルビン酸の製造方法。
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