JPS593326Y2 - 温水ボイラ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、給湯・暖房等に使用される温水ボイラーに関
し、詳しくは、耐熱材製のケーシング内部に水を満たす
離体を配設し、バーナーの燃焼ガスにより離体内に温水
を加熱生成するようにした温水ボイラーに関する。

従来、この種の温水ボイラーは、バーナーが離体の下部
に取付けられていて、燃焼ガスが前記離体の内筒に沿っ
て上昇し、内筒を伝熱面として離体内の水を加熱するよ
うになっていた。

換言すれば、離体のうち、内筒のみが燃焼ガスと接触す
る伝熱面として使用されていたもので、離体寸法の割に
伝熱面積が小さく、このため温水ボイラーが大型化し、
離体の内面処理作業、溶接による密罐作業も煩雑になる
傾向があった。

本考案は、このような問題を解決できる温水ボイラーを
提供せんとするものであって、目的は、バーナーを前記
離体の内筒上部に下向きに配設して、燃焼ガスが前記離
体の内筒内面から外筒外面に沿って流出する如く威すと
共に、前記ケーシング内面、外筒、内筒を上方に向って
外方に傾斜させる如く威すことにより、燃焼ガスの伝熱
面積を増大させると共に、燃焼ガスが外筒外面に衝突し
ながら上昇する如く威して外筒と燃焼ガスの接触効率を
高め、装置全体を小型化できながら、熱効率を向上させ
る点にある。

詳しくは、本考案の構成は耐熱材製のケーシング内部に
、該ケーシングの内面及底面に間隙を介して外筒と内筒
とから成る離体を設け、内筒内部が下向きに開口するご
とく上下方向に、かつ前記ケーシング、外筒、内筒が同
心円状となるよう配置してこの離体の内筒上部にバーナ
ーを下向きに取付け、燃焼ガスを、前記離体の内筒内面
から外筒外面に沿わせるごとく或す一方ケーシング内面
および上下方向に配置する離体の外筒、内筒上方に向っ
て外方に傾斜させ、内筒、外筒の両面を伝熱面積として
利用すると共に、外筒とケーシング内面との間に上方に
向って外方に傾斜する燃焼ガス通路を形成して、該通路
の燃焼ガスがその高温部分を順次外筒外面に衝突しなが
ら上昇する如く威して熱効率を高める如く威したもので
ある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る温水ボイラーの第１実施例を示し
、内筒１と外筒２とから戊る二重筒構造を有し、両筒１
，２間を水槽とした離体Ａを耐熱材製のケーシング３内
部に上下方向にかつ、前記ケーシング３内面、外筒２、
内筒１が同心状となるように配置し、更に該離体Ａの外
面及び下面とケーシング３の内面及び底面との間に間隙
が形成されるように適当なスペーサ＝（図示せず）を介
してケーシング３に支持させている。

しかも、前記ケーシング３内面、および上下方向に配設
する前記離体Ａの外筒２、内筒１を、上方に向って外方
に傾斜させている。

更に、該離体Ａの内筒１上部に前記ケーシング３に断熱
材５を介して支持させたバーナーＢを下向きに挿設して
いる。

而して、縁体Ａ外面とケーシング３内面との間に形成さ
れた上方に向って外方に傾斜した環状の間隙を燃焼ガス
の排気路６として威し、該排気路６の上部に、排気ロア
ａを有する消音箱７を連通連設して構成したものである
。

８は給水管、９は出湯管である。

尚、図示のケーシング３は、その全体が耐火材から形成
されているが、例えば、内面側を耐火材とし外面側を断
熱材、外装材で被覆する等、適宜の具体構造で採用する
ことは勿論である。

上記の実施例によれば、内筒１内部がバーナーＢの燃焼
室となり、燃焼ガスは内筒１に沿って下降した後、外筒
２に沿って該外筒２と衝突しながら斜め上方に上昇し、
消音箱７、排気ロアａを経て排気される。

従って、離体Ａの内外両面、即ち、内筒１と外筒２の双
方が燃焼ガスと接触する伝熱面となり、離体Ａの大きさ
の割に伝熱面積が大きくできるのである。

更に、前記離体Ａの外筒２を上方に向って外方に向って
傾斜させ、排気路６をこの外筒２に沿わして設けたので
、燃焼ガスが前記排気路６を流出する過程で、前記外筒
２に接触して冷却されると、比重差のために、この冷却
された燃焼ガスにかわって、高温の燃焼ガスが上方に浮
上がり、前記外筒２に接触するのである。

この結果、前記排気路６を通る燃焼ガスはその高温部分
を順次前記外筒２に衝突させながら上昇するのであるか
ら、外筒２と燃焼ガスとの接触効率を向」二できるので
ある。

換言すると、前記外筒、ケーシング内面を鉛直方向に形
成して排気路を形成した場合のように、該通路の前記ケ
ーシング内面側近くを上昇する燃焼ガスが前記外筒と接
触、即ち熱交換することなく、真直ぐ上方に上昇し排第
口に流出するようなことがないのである。

尚、第２図乃至第４図は本考案の第２実施例を示し、離
体Ａの外面と対向するケーシング３の内面に縁体Ａ外面
に向う多数の突起１０・・・・・・を設けた点に特徴が
ある。

この第３実施例によれば、離体Ａ周面の排気路６を上昇
する燃焼ガスが各突起１０・・・・・・によって乱流と
なるため、縁体Ａ外面との接触効率が向上するのである
。

尚、前記突起１０・・・・・・は、燃焼ガス流に対する
過度の抵抗とならないよう図示の通り千鳥状に突設する
ことが望ましく、ケーシング３の底面は内筒１に沿って
下降した燃焼ガスを外方へ案内できるように円錐状に膨
出させておくことが望ましい。

また、各突起１０は、ケーシング３と別個に形成してケ
ーシング３に取付けたものであってもよいが、ケーシン
グ３の少なくとも内面側を不定形耐火材から作製して突
起１０を一体成形するようにすれば製造上有利である。

図示の突起１０は、略矩形状を呈するが、球面状、棒状
等、適宜の突起形状に設定して実施することが可能であ
る。

以上のように、本考案によれば、離体の内外両面が燃焼
ガスと接触する伝熱面となるため、装置全体を大型化す
ることなく伝熱面積を大きくでき、しかも、ケーシング
内面、外筒、内筒を上方に向って外方に傾斜させたから
、前記外筒と燃焼ガスとの接触効率を向上できるのであ
り、これらのことにより温水ボイラーの小型化が可能で
あり、離体の内面処理、奇縁等の作業も容易になる等の
効果がある。

その上、ケーシング内面、底面に間隙を介して内筒と外
筒とから成る離体を配設し、前記ケーシング内筒と外筒
との間の間隙を燃焼ガスを下方から上方に向って流出さ
せる排気路としたから、例えば前記離体に上下方向に貫
通するパイプを設ける等の複雑な加工を殊更に行って前
記排気路を形成する必要がなく、従って全体に構造が簡
単でありながら上記した作用効果を発揮させられるので
ある。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案に係る温水ボイラーの実施例を示し、第１
図は縦断面図、第２〜４図は別の実施例を示す縦断面図
、第２図は縦断面図、第３図は第２図の■−■線断面図
、第４図はケーシング内面の展開図である。 Ａ・・・・・・錐体、Ｂ・・・・・・バーナー、１・・
・・・・内筒、２・・・・・・外筒、３・・・・・・ケ
ーシング、１０・・・・・・突起。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）耐熱材製のケーシング３内部に該ケーシング３の
   内面及底面に間隙を介して外筒２と内筒１とから成る離
   体Ａを設け、内筒１内部が下向きに開口するごとく上下
   方向にかつ前記ケーシング３、外筒２、内筒１が同心円
   状となるよう配置してこの離体Ａの内筒１上部にバーナ
   ーＢを下向に取付け、燃焼ガスを、前記離体Ａの内筒１
   内面から外筒２外面に沿わせるごとく戊す一方、ケーシ
   ング３内面および上下方向に配置する離体Ａの外筒２、
   内筒１の上方に向って外方に傾斜させたことを特徴とす
   る温水ボイラー。
2. （２）離体の外筒２と対向するケーシング３内面に前記
   離体Ａ外筒２間に向かう多数の突起１０を設けたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の温水ボ
   イラー