JPS6261841B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ボイラ用の缶体に関するものであ
る。上下に対向する環状管寄せ間に水管を渡して
多数の水管側縁の中央部を互に接触させて環状に
配置したボイラ用缶体においては、その缶体の内
側外周部に沿つて上昇する燃焼ガスを缶体の外側
に導いてそれより水管の外側に沿つて下降させる
ようにしているため、隣接する水管の上部間と下
部間のいずれか一方に燃焼ガスの通過用間隙を形
成する必要がある。

ところで、従来は水管の端部に小径筒部を設
け、その小径筒部間に上記間隙を形成するように
しているため、水管の形成に非常に手間がかか
り、缶体のコストが高くつくという問題があつ
た。

また、従来のボイラ用缶体においては、一対の
管寄せ間に渡した水管が缶体の軸芯と平行する配
置であるため、缶体の内側を上昇し、または缶体
の外側を下降する燃焼ガスが層流の流れとなり、
水管と燃焼ガスの接触が悪く、ボイラ効率が悪い
という問題もある。

そこで、この発明は上記の問題点を解決し、製
作コストが安く、ボイラ効率の高い缶体を提供す
ることを目的としている。

この発明は、上下で対向する環状管寄せ間に水
管を渡して多数の上記水管を環状に配置したボイ
ラ用缶体において、前記水管のそれぞれを缶体の
軸芯に対して半径方向に傾斜せしめ、隣接する水
管の傾斜方向を逆方向の傾斜として長さ方向の中
央部を互に接触または近接し、その隣接する水管
の下部間と上部間とのいずれか一方をヒレ板によ
つて閉鎖したことを特徴としている。

以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図示のように、この発明に係る缶体１は、上下
に対向した一対の環状管寄せ２，２′と、この管
寄せ２，２′間において、環状に配置した多数の
水管３と、その環状配置の水管３の外周を覆う案
内筒４との組合せから成り、前記下側管寄せ２′
には給水口５および排水口６を設け、また上側管
寄せ２には主蒸気安全弁口７を設けてある。

前記水管３のそれぞれは、缶体１の半径方向に
傾斜し、隣接する水管３の傾斜は逆方向の傾斜に
なり、その水管３の長さ方向中央部が隣接する水
管３の中央部と接触している（第２図参照）。

また、隣接する水管３の下部間および上部間に
は下部ヒレ板８および上部ヒレ板９を取付けてあ
り、その上部ヒレ板８の上縁と上側管寄せ２の下
面との間に間隙１０が設けられている（第４図参
照）。

なお、実施例の場合は隣接する水管３の上部間
にも上部ヒレ板９を設けたが、この上部ヒレ板９
を省略することもできる。

前記案内筒４は第１図および第４図に示すよう
に、その上縁が上側管寄せ２の下面に溶接等の手
段で取付けられ、その案内筒４の下縁と下側管寄
せ２′の上面間には所要の間隙１１が設けられて
いる。

この案内筒４は、環状配置の水管３との間に所
要の間隙をあけた配置としたり、あるいは内周上
部を水管３の外周上部に接触させた配置とするこ
とができる。

実施例で示す缶体１は上記の構造から成り、こ
の缶体１は炉体の内側に配置してその炉体の胴壁
内面と案内筒４との間に所要の間隙を形成し、上
記缶体１の内側に圧送する燃焼ガスの供給位置に
応じて下側管寄せ２′の内側または上側管寄せ２
の内側を断熱材で閉鎖する。

いま、缶体１の上部からその缶体１の中心部に
燃焼ガスを供給すると、この燃焼ガスは、下側管
寄せ２′の内側を閉鎖する断熱材（図示省略）に
当つて上向きに流れを変え、環状配置の水管３の
内周に沿つて上昇する。この燃焼ガスが上部ヒレ
板９の上縁に達すると、その上部ヒレ板９と上側
管寄せ２との間に形成した間隙１０から環状配置
の水管３と案内筒４間に流入し、それより環状配
置の水管３の外周に沿つて下降し、案内筒４と下
側管寄せ２′との間に形成した間隙１１から外側
に流れる。

第４図に示す矢印は、燃焼ガスの流れを示し、
上記燃焼ガスの流動によつて水管３が加熱され、
その水管３内部に充填した水が温度上昇して蒸気
が発生する。

ところで、燃焼ガスが環状配置の水管３の内周
に沿つて上昇し、または上記水管３の外周に沿つ
て下降するとき、それぞれの水管３は缶体１の半
径方向に傾斜しており、しかも隣接する水管３の
傾斜が逆向きの傾斜であるため、間隙１０を通過
した直後のガスは互に衝突し、さらに水管の外周
に沿つて下降するガスはパイプ中央部の下側にお
ける断面積の変化によりガスが隣接パイプがわに
偏流がおこる。したがつて、燃焼ガスの流れは乱
流となり、燃焼ガスと水管３との接触が良好であ
つて水管３内部の水を効率よく加熱することがで
きる。

なお、実施例の場合は、環状配置の水管３の外
側に案内筒４を設けたが、環状配置の水管３の外
側に所要の間隔をあけて環状配置の水管を設け、
その各水管を垂直方向に配置するように構成すれ
ば、内側の環状配置の水管の外側に沿つて燃焼ガ
スを下降させることができるため、上記案内筒を
省略することができる。

なお、実施例の場合は、上部ヒレ板９と上側管
寄せ２との間にガス通過用の間隙１０を形成した
が、その間隙１０を閉鎖し、その代りに下部とヒ
レ板８と下側管寄せ２′との間に上記間隙を形成
してもよい。

以上のように、この発明は、一対の管寄せ間に
配置した環状配置の水管を缶体の半径方向に傾斜
せしめ、その隣接する水管を互に逆方向に傾斜さ
せたので、隣接する水管の上端部間または下端部
間に燃焼ガスの通過可能な間隙を簡単に形成する
ことができ、水管としてまつすぐのもの（水管の
加工の必要性なし）を採用することができる。例
えば端部を絞つた水管等を採用して缶体を形成す
る場合に比較して缶体のコストを低減させること
ができる。また、隣接する水管を互に逆方向に傾
斜させたので、環状配置の水管の内周および外周
に沿つて流れる燃焼ガスの流れが乱流の流れとな
り、その結果、水管と燃焼ガスとの接触が良好で
あり、環状配置の各水管が缶体の軸芯と平行する
従来のボイラ用缶体に比較してボイラ効率を向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係るボイラ用缶体の一実
施例を示す一部切欠正面図、第２図は第１図の
−線に沿つた断面図、第３図は第１図の−
線に沿つた断面図、第４図は第３図の−線に
沿つた断面図である。 １……缶体、２，２′……管寄せ、３……水
管、８……ヒレ板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下で対向する一対の環状管寄せ間に水管を
   渡して多数の水管を環状に配置したボイラ用缶体
   において、前記水管のそれぞれを缶体の半径方向
   に傾斜させ、隣接する水管の傾斜を逆方向として
   長さ方向の中央部を接触または近接させ、その隣
   接する水管の上部間と下部間とのいずれか一方を
   ヒレ板で閉鎖したことを特徴とするボイラ用缶
   体。