JP2844023B2 - 多管式貫流ボイラ - Google Patents

多管式貫流ボイラ

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JP2844023B2
JP2844023B2 JP2169991A JP2169991A JP2844023B2 JP 2844023 B2 JP2844023 B2 JP 2844023B2 JP 2169991 A JP2169991 A JP 2169991A JP 2169991 A JP2169991 A JP 2169991A JP 2844023 B2 JP2844023 B2 JP 2844023B2
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道正 松本
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Ebara Research Co Ltd
Nippon Thermoener Co Ltd
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Ebara Research Co Ltd
Ebara Boiler Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上部管寄せ内に気水分
離構造を有する多管式貫流ボイラに関するものである。
【0002】
【従来技術】上部管寄せと下部管寄せとを環状に配列し
た水管群で連結して缶体を構成する多管式貫流ボイラの
上部管寄せの内部は、水管からの気水混合の蒸気が流入
し、多量の水粒が浮遊している。従って、上部管寄せに
設けられた、蒸気取り出し管すらこのまま蒸気を取り出
すと、多量の水粒が混じり乾き度の悪い蒸気となる。そ
こで従来の多管式貫流ボイラにおいては、上部管寄せに
ドーナツ状の隔板を上下方向に任意の間隔で水平に複数
枚配置する等して気水分離を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の気
水分離方法では、缶水の濃縮度合の上昇にともなって蒸
気泡が缶水中に混入するため、混入した部分の缶水の比
重が軽くなったと同様になり浮遊水粒子の量が増加し、
遊離した水粒子が増加し上部管寄せに滞留するため、乾
き度の悪い蒸気となり負荷側に濃縮ボイラ缶水を供給す
ることになるという問題があった。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記従来の気水分離構造の欠点である分離水が上部
管寄せに滞留することによる蒸気の乾き度が低下するこ
とを防止すると共に、上部管寄せに滞留する分離水を下
部管寄せに導く降水管の取付けを容易にし、缶水のサン
プリングが正確にできる気水分離構造を有する多管式貫
流ボイラを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、上部管寄せと下部管寄せとを環状に配列した
水管群で連結して缶体を構成する多管式貫流ボイラにお
いて、上部管寄せ内に第1の隔板と第2の隔板を上下方
向の任意の位置に水平に配置すると共に、第1の隔板は
上部管寄せの側壁との間に蒸気が垂直方向に通過する開
口を形成し且つ第2の隔板は上部管寄せの下部鏡板の間
に蒸気が水平方向に通過する開口を形成するように配置
し、第2の隔板には上端が該第2の隔板上面に開口し水
管内を通って下端が下部管寄せに達する降水管を設けた
ことを特徴とする。また、下部管寄せを貫いて降水管に
達する該降水管内の水を採取する採水管を設けたことを
特徴とする。
【0006】
【作用】多管式貫流ボイラを上記構成とすることによ
り、水管内で加熱された缶水は水粒子を含んだ蒸気とな
って上部管寄せに流入する。次いで、この蒸気は第1の
隔板と第2の隔板と上部管寄せの上部鏡板で構成される
分離室に該第2の隔板と上部管寄せの下部鏡板で構成さ
れる両側の開口部から水平に流入する。この分離室にそ
の両側から流入した蒸気は互いに衝突し、蒸気中の水粒
子はより大きい水粒子となって重量を増し前記第2の隔
板上に落下する。分離室の蒸気流速は前記開口部の蒸気
流速より遅いので、分離室内での蒸気中の水粒子の分離
は更に促進されることとなり良好な乾き度の蒸気が供給
される。
【0007】前記第2の隔板には上端が該第2の隔板上
面に開口し水管内を通って下端が下部管寄せに達する降
水管が設けられているので、缶水の濃縮度合の上昇にと
もなって分離した水粒子が増加しても、該降水管で下部
水管寄せに導かれるため、上部管寄せに滞留することな
く、乾き度のよい蒸気を安定して負荷側に供給できる。
【0008】また、採水管を下部管寄せを貫いて降水管
に達するように設けることにより、缶水の水質管理をよ
り精密に行うことができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係る多管式貫流ボイラの概略構
造を示す縦断面図(図2のA−A断面矢視図)、図2は
同じく多管式貫流ボイラの概略構造を示す平面図、図3
は図2の矢印B方向から上部管寄せ内を見た図、図4は
図2の矢印C方向から上部管寄せ内を見た図である。
【0010】図示するように、多管式貫流ボイラは、上
部管寄せ1と下部管寄せ2とを環状に配列した多数の水
管3で連結して缶体を構成している。そして上部管寄せ
1の内部には第1の隔板5と該第2の隔板4とが上下方
向の任意の位置水平に配置されている。第1の隔板5は
図4に示すように、長手方向(缶体の円周方向)の両端
が折り曲げられその先端が上部管寄せ1の上部鏡板1−
1に接合され、幅方向(缶体の半径方向)の先端は図1
に示すように、上部管寄せ1の側板1−2,1−3との
間に蒸気が垂直方向に通過する開口H1,H1を形成し
ている。また、第2の隔板4は図3に示すように、長手
方向(缶体の円周方向)の両端が上方に折り曲げられ、
且つ上部管寄せ1の下部鏡板1−4の間に蒸気が水平方
向に通過する開口H2を形成するように配置されてい
る。また、第1の隔板5は第2の隔板4より小さく、第
2の隔板4の上部に位置している。
【0011】第2の隔板4には上端が該第2の隔板4の
上面に開口し下端が水管3の内部を通って下部管寄せ2
に達する降水管6が設けられている。また、下部管寄せ
2を貫いて降水管の下端に達する該降水管6内の水を採
取する採水管8が設けられている。また、第1の隔板5
の上部の上部管寄せ1の鏡板1−1には蒸気取出管7が
取付けられている。
【0012】上記構造の多管式貫流ボイラにおいて、水
管3の内部で加熱された缶水は水粒子を含んだ蒸気とな
って矢印aに示すように、上部管寄せ1内の下部鏡板1
−4と第2の隔板4の間の室Dに流入する。次いでこの
第2の隔板4の長手方向両側の開口H2,H2から第1
の隔板5と第2の隔板4と上部管寄せ1の上部鏡板1−
1で構成される分離室Eに水平に流入する。この分離室
Eにその両側から流入した蒸気は互いに衝突し、蒸気中
の水粒子はより大きい水粒子wとなって重量を増し第2
の隔板5上に落下する。このとき分離室E内の蒸気流速
は開口H1,H1の蒸気流速より遅いので、分離室E内
での蒸気中の水粒子の分離は更に促進されることとなり
良好な乾き度の蒸気が蒸気取出管7からバルブ9を通っ
て負荷側に供給される。なお、図中、a〜fは蒸気の流
れを示す。
【0013】一方、分離室E内で分離され第1の隔板5
の上に落下した水粒子は、落差により降水管6を通って
下部管寄せ2に導かれる。下部管寄せ2を貫いて降水管
6に設けられた採水管8からは、水管3の上部の最も濃
縮した缶水を採水することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来のように缶水の濃縮度合が上昇しても蒸気の乾き度が
低下することなく、安定した良好な乾き度の蒸気を負荷
側に供給する多管式貫流ボイラを提供できるという優れ
た効果が得られる。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多管式貫流ボイラの概略構造を示
す縦断面図である。
【図2】本発明に係る多管式貫流ボイラの概略構造を示
す平面図である。
【図3】図2の矢印B方向から上部管寄せ内を見た図で
ある。
【図4】図2の矢印C方向から上部管寄せ内を見た図で
ある。
【符号の説明】
1 上部管寄せ 2 下部管寄せ 3 水管 4 第2の隔板 5 第1の隔板 6 降水管 7 蒸気取出管 8 採水管 9 バルブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部管寄せと下部管寄せとを環状に配列し
    た水管群で連結して缶体を構成する多管式貫流ボイラに
    おいて、前記上部管寄せ内に第1の隔板と第2の隔板を
    上下方向の任意の位置に水平に配置すると共に、前記第
    1の隔板は上部管寄せの側壁との間に蒸気が垂直方向に
    通過する開口を形成し且つ前記第2の隔板は上部管寄せ
    の下部鏡板の間に蒸気が水平方向に通過する開口を形成
    するように配置し、前記第2の隔板には上端が該第2の
    隔板上面に開口し前記水管内を通って下端が前記下部管
    寄せに達する降水管を設けたことを特徴とする多管式貫
    流ボイラ。
  2. 【請求項2】前記下部管寄せを貫いて前記降水管に達す
    る該降水管内の水を採取する採水管を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の多管式貫流ボイラ。
JP2169991A 1991-01-22 1991-01-22 多管式貫流ボイラ Expired - Fee Related JP2844023B2 (ja)

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