JPS6244266Y2

JPS6244266Y2 -

Info

Publication number: JPS6244266Y2
Application number: JP1983145491U
Authority: JP
Priority date: 1983-09-19
Filing date: 1983-09-19
Publication date: 1987-11-20
Also published as: JPS6054044U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は蒸気用または温水用のボイラに関す
る。

従来のボイラ、特に小型ボイラでは円筒状本体
の中央部に燃焼室が設けられ、該燃焼室の上部を
貫通して循環水管が設けられると共に、該燃焼室
の頂部には上向きの排ガス路が開口されていた。
そして、加熱は前記燃焼室外壁および水管壁を通
して行なわれ、排ガスは前記排ガス路を経て上方
の排ガス口より排出されていた。このため、高温
の燃焼ガスが排ガスとして放出され、熱効率が極
めて低く、燃料の無駄が多かつた。

本考案は上記欠点を除き、熱効率が高く、燃料
の無駄がないボイラを提供することを目的とす
る。

この目的を達成するため本考案の構成は、直立
円筒状水室と、該水室のほぼ中央部に設けられた
円筒状燃焼室と、該燃焼室の下面中央部から下方
へ前記水室の底まで垂下した排ガス中央路と、該
中央路に対し間隔を存して同芯に配置された１以
上の排ガス環状路と、前記水室の下部側壁を貫通
する排ガス出口と、これら中央路、環状路の下部
および排ガス出口とを個々に結び、ボイラの半径
方向に沿つて設けられた排ガス連絡路とを含むこ
とである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。

第１図、第２図において、ボイラＡは全体とし
て直立円筒形をなし、内部に円筒状水室１０と、
該水室のほぼ中央部に設けられた円筒状燃焼室２
０と該燃焼室２０の下方に形成された排ガス路３
０とを有する。

水室１０は側壁、上壁、底壁が熔接などの手段
により一体形成される。該水室１０の側壁を貫通
して焚口２１が設けられ、下部を貫通して排ガス
出口４０が設けられる。前記焚口２１は、燃焼室
２０に接続される。燃焼室２０は一体形成された
側壁、上壁および下壁によつて前記水室１０と隔
離される。

排ガス路３０は、前記燃焼室２０の下面中央部
から下方へ前記水室の底壁を貫通して垂下した中
央路３１と、該中央路３１に対し間隔を存して同
心に配置された複数の環状路３２（実施例では内
側から外側へ、第１環状路３２ａ、第２環状路３
２ｂ）と、前記中央路３１、環状路３２、排ガス
出口４０を個々に結び、ボイラＡの半径方向に沿
つて設けられた連絡路３３とからなる。そして、
これら連絡路は内側から順に第１連絡路３３ａ、
第２連絡路３３ｂ、第３連絡路３３ｃとされる。
第３連絡路３３ｃは排ガス出口４０に連結され
る。

しかして、前記第１環状路３２ａ、第２環状路
３２ｂは２枚の円筒側壁と１枚の上壁との溶接に
よる上下方向に長い矩形状断面を持ち、前記中央
路３１に対して同芯で、かつ、互いに間隔を存し
て重複配置される。これら環状路３２ａ，３２ｂ
は夫々の１個所に仕切板３４ａ，３４ｂが設けら
れて円周方向を仕切られている。そして、各環状
路においてこれら仕切板３４ａ，３４ｂを挾む位
置に連絡路３３が設けられている。また、仕切板
３４ａ，３４ｂおよび連絡路３３は円周方向に沿
う同一方向にずらされている。従つて、全ての環
状路３２、連絡路３３によつて概ね渦巻状の流路
が形成されることになる。

前記排ガス路の中央路３１および環状路３２の
下部には耐火材３５が充填されて下壁を構成する
が、該下壁は取外し自在とされる。

水室１０には上部側壁を貫通して給湯管１１が
また下部側壁を貫通して給水管１２が設けられ
る。これら給湯管１１はボイラが蒸気ボイラの場
合には蒸気管（還湯管）とされる。

なお図に示す１は安全弁取付口、２は環状路３
２の下部に貫設されたスペーサ兼用の水循環用
管、３はボイラ下部側壁に設けられた開閉可能の
掃除口である。

ボイラＡは排ガス中央路３１を除く全底面に断
熱材４が装着される。

以上からなるボイラＡにおいて次にその使用態
様を説明する。燃焼室２０において水焔は水室上
部を主として加熱し、その排ガスは中央路３１に
沿つて下降し、第１連絡路３３ａに入り各連絡路
３３、環状路３２を経て渦巻流となつて進み排ガ
ス出口４０より排出される。この排ガス路に沿つ
て進む間に排ガスと水室内水との熱交換が高効率
で行なわれ、熱損失が極めて少ない。

即ち、(イ)燃焼室２０の水平断面積に比べて排ガ
ス中央路３１の水平断面積を充分小さく（1/10〜
1/13）してあるので、燃焼室周壁の燃焼ガス温度
は高温になり熱交換効率が良い。(ロ)排ガス路３０
が長くて水室１０との接触面積が広いため、この
部分における熱交換効率が良い。実験によると、
本考案のボイラは蒸気発生量160Kg／Hr、圧力
0.5Kg／cm²、（燃料灯油）の状態において、排ガ
ス温度260゜〜270℃であり、熱効率約90％の高い
数値を得た。

また、上記熱効率向上のほか、(ハ)燃焼室２０の
排ガスの出口方向を下向きとし、末燃物を下方へ
落下させるようにし、かつ、排ガス路の下壁を断
熱材を用いて取外し自在としたため掃除が容易に
できる。(ニ)環状路３２を断面矩形状にしたことは
伝熱面積の増大とともに工作が極めてやり易い。
(ホ)環状路３２はその下部を連絡水管２によつて貫
通され、下部水室の遮断部分が前記水管により互
いに連通されるので、水室内の水の循環が良い。
(ヘ)渦巻状ガス流路としたために、単一流路である
のでガス流量分布が均一で汚れが生じにくく、コ
ンパクトで伝熱面積が広くとりやすい。環状路３
２の壁厚は通常の丸い伝熱管の場合の厚みより大
きくとれるので、環状路壁からの流体の漏洩の可
能性は小さい。

また、給水管１２はボイラの底壁に設けられて
もよいことは勿論である。

本考案は、以上の如く、直立円筒状水室と、該
水室のほぼ中央部に設けられた円筒状燃焼室と、
該燃焼室の下面中央部から下方へ前記水室の底ま
で垂下した排ガス中央路と、該中央路に対し間隔
を存して同芯に配置された１以上の排ガス環状路
と、前記水室の下部側壁を貫通する排ガス出口
と、これら中央路、環状路の下部および排ガス出
口とを個々に結び、ボイラの半径方向に沿つて設
けられた排ガス連絡路とを含む。そして特に、全
ての環状路と全ての連絡路が全体として渦巻状の
流路を形成するように、環状路に仕切板が設けら
れ、前記連絡路は相互に前記仕切板を挾む位置で
同一円周方向にずらされている。従つて、燃焼ガ
スは渦巻状に流動して常に流れの方向を変えるの
で、慣性のために中心部の最大速度を有する部分
が曲率半径方向外側へ突き進んで環状路壁の境界
層を剥離させ、境膜伝熱係数が大きくなる。ま
た、前記環状路は円筒側壁と上壁との溶接による
上下方向に長い矩形状断面を持ち、前記仕切板と
前記連絡路によつて渦巻流路が形成されているの
で、渦巻流路が簡単に製作できる。更に、燃焼室
の排ガス出口方向が下向きとされ、排ガス路の中
央路、環状路は水室の底壁を貫通して開口し、該
開口には着脱自在な耐火材が充填されているの
で、未燃物を下方へ落下させ、耐火材を取り除い
て容易に掃除が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第
２図は第１図の−断面図である。Ａ……ボイラ、１０……水室、２０……燃焼
室、３０……排ガス路、３１……排ガス中央路、
３２……環状路、３３……連絡路、３４ａ，３４
ｂ……仕切板、４０……排ガス出口。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

直立円筒状水室と、該水室のほぼ中央部に設け
られた円筒状燃焼室と、該燃焼室の下面中央部か
ら下方へ前記水室の底まで垂下した排ガス中央路
と、該中央路に対し間隔を存して同芯に配置され
た１以上の排ガス環状路と、前記水室の下部側壁
を貫通する排ガス出口と、これら中央路、環状路
の下部および排ガス出口とを個々に結び、ボイラ
の半径方向に沿つて設けられた排ガス連絡路とを
含み、前記全ての環状路と全ての連絡路が全体と
して渦巻状の流路を形成するように、環状路に仕
切板が設けられ、前記連絡路は相互に前記仕切板
を挾む位置で同一円周方向にずらされ、前記環状
路は円筒側壁と上壁との溶接による上下方向に長
い矩形状断面を持ち、前記ガス路の中央路、環状
路は水室の底壁を貫通して開口し、該開口には着
脱自在な耐火材が充填されてなるボイラ。