JPH0318864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば排熱回収装置において、高温の
燃焼排ガスおよびプロセスガスなどを導入する高
温ガス受入部の冷却構造に関するものである。

従来のこの種の高温ガス受入部の冷却構造を第
１図に示す。

第１図において符号１で示すものは炉壁で、内
部には高温の排ガスが発生している。この炉壁１
の外側は外板２によつておおわれている。この炉
壁１の上端部には伝熱管３が複数本配置されてい
る。

この伝熱管３の高温排ガス入口側は外側に折り
返された折り返し部３ａとなつており、炉壁１の
外側に配置された管板４に固定されている。

管板４の外側にはジヤケツト５が形成されてお
り、このジヤケツト５と折り返し部３ａの内側と
は連通状態にある。

ジヤケツト５内には給水管６を介して冷却用の
水が供給されている。

一方、伝熱管３の外側には外筒７が同心円状に
配置されており、その下端は前記折り返し部３ａ
の下端部近傍に達している。

従つて外筒７と伝熱管３との間にも冷却水が導
かれる。

以上のような構造のもとに、高温排ガス、例え
ば1000℃以上の高温のガスが伝熱管３内に導かれ
ると、この伝熱管３は当然極めて高温となる。

伝熱管３の外側には水が供給されているため、
伝熱操作によつて水蒸気が発生し、外筒７の上端
部から排出される。

このようにして排ガスからの熱回収が行なわれ
る。

ところが、以上のような構造を採用すると次の
ような欠点が生ずる。すなわち、伝熱管３の高温
ガス入口部は直接的に高温排ガスにさらされるの
で伝熱管３全体にわたつて耐熱強度の優れた材料
を用いる必要がある。

また、熱応力をもたすために、ガス入口先端部
の管厚さを厚くすることには限度があり、使用圧
力限界が限定される。

本考案は以上のような従来の欠点を除去するた
めになされたもので、管板部の冷却および高温ガ
ス入口伝熱管部の高熱流負荷伝熱を可能とし、単
純な構造にした冷却構造を提供することを目的と
している。

この目的を達成するために、本考案は、管板を
介して高温ガス受入側と伝熱管側とが仕切られ、
伝熱管の下端部が管板に固定されてなり、管板上
の伝熱管の下部分にウオータジヤケツトを設けて
なる排熱回収装置等の高温ガス受入部の構造であ
り、下端を該高温ガス受入側に開口させ上端を伝
熱管内に開口させて熱伝導率の低い高温耐熱材か
らなる管体を伝熱管の下端部分に嵌合固定して設
け、管板上で伝熱管の外周に伝熱管との間で第１
の環状の水通路を開けられて同心状に設置され、
下端を管板と隙間を開けられ、上端をウオータジ
ヤケツトの上方まで延ばされて開口された外筒を
設け、さらにこの外筒の外周に外筒との間で第２
の環状の水通路を開けられて同心状に配置され、
下端を管板に接合され、上端をウオータジヤケツ
ト内に位置された筒体を設け、ウオータジヤケツ
ト内の冷却水が第２の環状水通路の上方から流入
して下降し、管板部で折り返されて第１の環状水
通路へと流入して上昇される構成とした。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を詳
細に説明する。

第２図は本考案の一実施例を説明するものであ
る。本図中、第１図と同一部分は同一符号を付
し、その説明は省略する。

本実施例においては、伝熱管３の高温排ガス入
口部分に熱伝導率の低い高温耐熱材からなる管体
８を設けた構造を採用している。

この高温耐熱材からなる管体８は筒状に形成さ
れ、その一端を炉壁１内に臨ませ、他端を管板４
に固定された伝熱管３内に嵌合固定してある。

そして、ウオータジヤケツト５の大きさを従来
に比べて大きくし、外筒７の外側に外筒７との間
で第２の環状水通路を開けた状態でさらにもう一
つの筒体９をその下端を管板４上に接合させて配
置してある。この筒体９は外筒７よりも高さが低
く、ウオータジヤケツト５内に完全に没してい
る。

外筒７は下端を管板４と隙間を開けられ、上端
はウオータジヤケツト５の上方まで延ばされて開
口されて伝熱管３と同心状に配置され、伝熱管３
との間で第１の環状水通路を形成している。

このような構成において、伝熱管３の高温排ガ
ス入口部には熱伝導率の低い高温耐熱材の管体８
が取付けられているので、伝熱管３自体が直接高
温の熱影響を受けることがなく、伝熱管３が熱に
よつて損傷することはなく、耐熱性が向上する。

また、伝熱管３と外筒７とで構成される第１の
環状水通路にある水は急激に沸騰して水蒸気とな
つて上昇することにより、ウオータジヤケツト５
内の水が外筒７と筒体９で形成される第２の環状
の水通路に強制的に流入され、伝熱管３の周囲に
おいて水が迂回路を形成して強制循環される。こ
れにより、伝熱管３の高温排ガスの入口部分で高
温状態にある管板４が筒体９と伝熱管３との間の
環状の範囲で循環水て直接的にかつ強制的に冷却
されると共に、伝熱管３の下部分の周囲も二つの
環状の水通路内の水の流通によつて効果的に冷却
される。

そして、本考案では、従来の高温排ガス入口側
のガス圧とウオータジヤケツト５内の圧力の差圧
が作用し耐圧強度を要していた伝熱管３の折り返
し部３ａに相当する部分を筒体９とし、この筒体
９を同一圧力であるウオータジヤケツト５内にお
いて管板４上で外筒７の外側に配置した構成にし
たことにより、筒体９自体の耐圧強度が不要とな
ると共に伝熱管３の耐圧強度も上げることがで
き、また、高温排ガス入口部分の構造を単純にす
ることができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、伝熱管の高温ガス入口部に熱伝導率の低い高
温耐熱材からなる管体を配置した構造を採用して
いるので、伝熱管が直接、高温影響を受けずにす
み、伝熱管の入口部の表面温度をさげることがで
き耐熱性を向上させることができると共に、伝熱
管の耐圧強度を上げることができる。さらに、高
温ガス受入部の構造が簡単になると共に高温ガス
入口部分の高温雰囲気にある伝熱管やその周囲の
管板も第２の環状水通路および第１の環状水通路
の作用によつて効果的に冷却されて耐用性が向上
する。そして、冷却部の耐圧、耐熱強度も必要で
なく安価に製作できる。

本考案は以上のとおりの実用的効果を奏するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造を説明する縦断側面図、第２
図は本考案の一実施例を説明する縦断側面図であ
る。 １……炉壁、２……外板、３……伝熱管、４…
…管板、５……ウオータジヤケツト、６……給水
管、７……外筒、８……高温耐熱材からなる管
体、９……筒体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管板を介して高温ガス受入側と伝熱管側とが仕
   切られ、伝熱管の下端部が管板に固定されてな
   り、管板上の伝熱管の下部分にウオータジヤケツ
   トを設けてなる排熱回収装置等の高温ガス受入部
   の構造であり、下端を該高温ガス受入側に開口さ
   せ上端を伝熱管内に開口させて熱伝導率の低い高
   温耐熱材からなる管体を伝熱管の下端部分に嵌合
   固定して設け、管板上で伝熱管の外周に伝熱管と
   の間で第１の環状の水通路を開けられて同心状に
   設置され、下端を管板と隙間を開けられ、上端を
   ウオータジヤケツトの上方まで延ばされて開口さ
   れた外筒を設け、さらにこの外筒の外周に外筒と
   の間で第２の環状の水通路を開けられて同心状に
   配置され、下端を管板に接合され、上端をウオー
   タジヤケツト内に位置された筒体を設け、ウオー
   タジヤケツト内の冷却水が第２の環状水通路の上
   方から流入して下降し、管板部で折り返されて第
   １の環状水通路へと流入して上昇される構成とし
   たことを特徴とする高温ガス受入部の構造。