JPS5933053Y2 - 自動変速機のガバナ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動変速機のガバナ装置に関するものである
。

自動変速機のライン圧を車速に応じたガバナ圧に調整す
るガバナ装置においては、変速機の出力軸によって回転
されるガバナシャフトにガバナ本体を固定し、該ガバナ
本体にバルブを摺動自在に装着し、ガバナ本体の回転に
応じてバルブを摺動し、バルブ室に導入される自動変速
機のライン圧のオイルを車速に応じたガバナ圧として吐
出するようにしているが、オイル内にダストが含まれて
いると、該ダストによりガバナバルブの摺動がスムーズ
に行われなくなり、遂には不作動となることがあり、ガ
バナ装置の信頼性が損われる問題があった。

この考案は、上記した問題を解消せんとするものであり
、ガバナ本体において、バルブ室にオイルが入る前の上
流側油圧路に、フィルタを設けたフィルタ室を形成し、
オイルに含有されるダストをフィルタに付着させて除去
し、よって、ガバナバルブの不作動を防止すると共に、
上記フィルタ室より外側のガバナ本体回転中心よりはな
れた位置にダスト室を形成し、該ダスト室をフィルタ上
流側のフィルタ室と連通路を介して連通し、フィルタに
付着したダストを遠心力により連通路を通してダスト室
に集め、フィルタの目づまりを防止し、オイルの流通を
スムーズに行い、よって、信頼度の高０咄動変速機のガ
バナ装置を提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。

１はガバナシャフト、２はガバナシャフト１の図中上端
に取り付けたガバナ本体である。

ガバナシャフト１はミッションケース（図示せず）に固
定したスリーブ３に、軸部１ａを回転自在に内嵌すると
共に、上端フランジ部１ｂをベアリング４を介してスリ
ーブ３のフランジ部３ａに回転自在に支承している。

スリーブ３より突出したガバナシャフト１の下端にギヤ
５を嵌合し、ピン６を圧入して固定し、該ギヤ５を自動
変速機の出力軸によって回転されるギヤ（図示せず）と
噛み合せ、よって、ガバナシャフト１及び該ガバナシャ
フト１の上端に固着したガバナ本体２を車速に応じた速
度で回転している。

該ガバナシャフト１には、一端がスリーブ３に設けた油
圧吸入路８に連通ずると共に他端がガバナ本体２に設け
る油圧路（後述）と連通ずる吸入側油圧路９と、一端が
スリーブ３に設けた油圧吐出路１０に連通ずると共に他
端がガバナ本体２に設けた油圧路（後述）に連通ずる吐
出側油圧路１１を形成している。

上記ガバナ本体２は、ガバナシャフト１のフランジ部１
ｂに固定したセパレートプレート１３、該セパレートプ
レート１３の上部に固定したバルブボディー１４、該バ
ルブボディー１４内に摺動自在に嵌合した第１ガバナバ
ルブ１５、第２ガバナバルブ１６とより構成している。

上記セパレートプレート１３には、第２図に示す如く、
上記ガバナシャフト１の吸入側油圧路９の出口Ａとバル
ブボディー１４に設けた第１ガバナバルブ室１７の入口
Ｃとを連通ずる油圧路１８と、上記第１ガバナバルブ室
１７の出口りと第２ガバナバルブ室１９の入口Ｅと連通
ずる油圧路２０と、第２ガバナバルブ室１９の出口Ｆと
ガバナシャフト１の吐出側油圧路１１の入口Ｂとを連通
ずる油圧路２１を形成している。

上記セパレートプレート１３には、上流側の油圧路１８
に、長手方向に傾斜したフィルタ２２をオイル流通路を
横断するようにフレーム２３に張架して取換自在に配置
し、フィルタ室２４を形成している。

かつ、該フィルタ室２４の外側方、即ち、ガバナ本体２
の回転中心Ｐより外れた位置にダスト室２５をセパレー
トプレート１３に形成し、該ダスト室２５をフィルタ室
２４のフィルタ配置部より上流部位（上流側）と連通路
２６を介して連通している。

上記ガバナ本体２のバルブボデー１４には、回転中心に
バネ受は板３０を設け、該バネ受は板３０を境として上
流側の上記第１ガバナバルブ室１７、下流側の第２ガバ
ナバルブ室１９に区分し、該第１及び第２ガバナバルブ
室内の第１ガバナバルブ１５、第２ガバナバルブ１６を
夫々スプリング２７，２８で付勢している。

なお、２９はガバナシャフト１とスリーブ３との間に介
設したオイルシールである。

上記構造よりなるガバナ装置において、スリーブ３の油
圧吸入路８より供給される自動変速機のライン圧の油圧
を、車速に応じたガバナ圧に調整して、スリーブ３の油
圧吐出路１０より自動変速機のバルブ作動系に供給して
いる。

該油圧調整作用はガバナシャフト１を介してガバナ本体
２が車速に応じて回転され、第１ガバナバルブ１５、第
２がバナバルブ１６に回転による遠心力と、スプリング
２７．２８のバネ力と、油圧吸入路８より供給される油
圧が作用し、これらの均り合いに応じて第１ガバナバル
ブ１５、第２ガバナバルブ１６が作動することにより、
自動変速機のライン圧の油圧が車速に応じたガバナ圧に
調整され、油圧吐出路１０より吐出されることとなる。

上記油圧調整作用を行うガバナ装置において、油圧吸入
路８より供給されるオイルが、ガバナ本体２内の第１バ
ルブ室１７に流入する前に、上流側の油圧路１８に設け
たフィルタ室２４を通過する際、オイルに含有されてい
るダストはフィルタ２２に付着される。

よって、ダストを含有しないオイルが第１バルブ室１７
、第２バルブ室１９に送給されるため、バルブ１５，１
６がダストによって、スムーズに作動しなくなり、遂に
は不作動となる事態を招くことは回避できる。

上記フィルタ２２に付着したダストは、セパレートプレ
ート１３を介してフィルタ２２が回転するため、遠心力
により外側の連通路２６を通してダスト室２５に集めら
れる。

該ダスト室２５に集められたダストは外部へ放出される
ものではないが、ダストの量は大量ではないので、該ダ
スト室２５に充満するほどのものではなく、適宜、車検
時等にダスト室２５からダストを除去すればよい。

なお、ガバナ本体２のセパレートプレートとバルブボデ
ーとは一体に形成してもよい。

以上の説明より明らかなように、この考案に係るガバナ
装置によれば、ガバナ本体のバルブ室入口より上流の油
圧路にフィルタ室を形成し、バルブ室には該フィルタに
よりダストを除去したオイルを供給し、ダストによるガ
バナバルブの不作動を防止し、ガバナ装置の信頼性を向
上することができる。

かつ、上記フィルタ室の外側方にダスト室を形成し、該
ダスト室とフィルタ上流のフィルタ室とを連通路を介し
て連通し、よって、フィルタに付着したダストをフィル
タの回転による遠心力により連通路を通してダスト室に
集めているため、フィルタのダストによる目づまりも防
止でき、オイルをガバナバルブ室に伺ら流通抵抗がなく
スムーズに供給できる等の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るガバナ装置の一実施例を示す断
面図、第２図はセパレートプレートの平面図、第３図は
フィルタを示し、同（Ｉ）は平面図、同（ＩＩ＞は同（
Ｉ）の■−■線断面図である。 １・・・・・・ガバナシャフト、２・・・・・・ガバナ
本体、３・・・・・・スリーブ、５・・・・・・ギヤ、
８・・・・・・油圧吸入路、９・・・・・・吸入側油圧
路、１０・・・・・・油圧吐出路、１３・・・・・・セ
パレートプレート、１４・・・・・・ガバナ本体、１５
．１６・・・・・・ガバナバルブ、１７，１８・・・・
・・バルブ室、２４・・・・・・フィルタ室、２５・・
・・・・ダスト室、２６・・・・・・連通路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動変速機のライン圧を車速に応じたガバナ圧に調整す
   るガバナ装置において、 変速機の出力軸によって回転されると共にライン圧を導
   入する油圧路を有するガバナシャフトに、内部にガバナ
   バルブを摺動自在に装着したバルブ室を有するがバナ本
   体を固定し、該ガバナ本体に上記ガバナシャフトの油圧
   路とバルブ室とを連通ずる油圧路を形成し、該油圧路に
   オイルの流通を横断するようにフィルタを配置したフィ
   ルタ室を設けると共に、ガバナ本体の回転中心に対して
   上記フィルタ室より外れた位置にダスト室を形成し、上
   記フィルタの上流側のフィルタ室とダスト室とを連通路
   を介して連通し、フィルタに付着するダストが遠心力で
   連通路よりダスト室に集まる構成としたことを特徴とす
   る自動変速機のガバナ装置。