JPS5932657B2 - 内燃機関の燃料噴射ポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関の燃料噴射ポンプであって、ポンプ
作業室を燃料供給室（吸込室）に接続する吸込通路を有
し、該吸込通路は、ポンプの吸込行程中ポンプ作業室へ
燃料を通過させ、かつ内燃機関停止のために電磁弁によ
り閉鎖可能であり、かつ電磁弁の可動の弁部分が閉鎖時
に少な（とも吸込室圧力により弁座へ圧着される形式の
ものに関する。

機関の回転数が高い場合にも、換言すれば開放時横断面
が小さい場合にも、ポンプ作業室に燃料が完全に充填さ
れるようにするためには、電磁弁の相応する流過横断面
を規定する吸込通路最小横断面が必要である。

吸込室内の圧力は電磁弁の可動の弁部分を、閉鎖ばねに
よって助成されながら、弁座へ押付けるから、電磁弁の
開放は相応した時間的遅れを以って行なわれる。

それというのは、必要な磁力が完全に惹起されるまでに
はかなりの時間がかかるからである。

成程、電磁弁の制御開始時点をポンプの吐出行程時間中
に、要するに吸込行程開始よりも前にずらし、これによ
り適正時点での通過を生せしめることも可能であるが、
しかしこのような手段はその効果がある程度までしかえ
られない点を度外視しても、就中、高価な制御装置を付
加的１て必要とする。

本発明の課題は、はじめに述べた形式の燃料噴射ポンプ
を改良して、電磁弁が今日の高い機関回転数において必
要とされる短い制御時間に相応して迅速に全吸込通路横
断面を開放し、その結果、充填損失を伴なう絞シ効来が
できるだけ生じないようにすることにある。

上記の課題は本発明によれば、はじめに述べた形式の燃
料噴射ポンプにおいて、電磁弁の可動子が先行制御弁の
可動の弁部分に直接に結合されており、かつ電磁弁の可
動子がその行程運動の開始時に、吸入通路の、電磁弁の
前後にある部分を液力的に接続させ、かつ圧力平衡の発
生後さらに開放行程運動を行なうさいに、可動子に結合
されている連行機構を介して主制御弁の可動の弁部分を
作動させることによって解決されている。

次に図示の実施例につき本発明を実施する。

第１図に示されている多気筒内燃機関用燃料噴射装置に
おいて、ケーシング１内に駆動軸２が軸受けされてお択
この駆動軸にはカム板３が連結されており、これは、定
置のロールと協働する多数のカム４を有している。

駆動軸２の回転によ如カム板３および、これと連結部６
により結合されていてかつカム板上へ少なくとも１つの
図示されていないばねにより押付けられているポンプピ
ストンＴは、往復運動および回転運動と同時に行なう。

カム４の個数、ひいては１回転当りの上昇工程回数は内
燃機関の燃料を給送されるべきシリンダの個数に等しい
。

ポンプピストン７は、ケーシング１内へ嵌着すれていて
上側から弁ホルダ−８によって閉鎖されている、シリン
ダ孔１０を有するシリンダブツシュ９内において働き、
こ＼に作業室１１を形成する。

作業室１１からは、弁ホルダ−８内に配置された軸方向
の孔１２が室壁１３内の閉じた室内へ延びており、この
閉じた室は通路１４を介して、シリンダブツシュ９内の
孔１０に接続している。

軸方向の孔１２は作業室１１の方向へはね１５により負
荷を受けている弁部材１６により閉鎖可能である。

通路１４は半径方向でシリンダ孔１０へ開口し、かつこ
＼から、ポンプピストンの外周面に配置された環状溝１
７および、これに接続している縦溝１８を介して、ポン
プピストンの回転運動に相応して順次に各吐出行程毎に
、個々の、孔１０に開口していて図示されていない内燃
機関のシリンダへ達している吐出通路２０に接続される
。

吐出通路２０は燃料を供給されるべき機関シリンダの個
数に相応して孔１０の周囲に等間隔に配置されている。

ポンプピストン７の各吐出行程において燃料は弁部材１
６を開放しながら軸方向の孔１２、室壁１３内の閉じた
室、通路１４および縦溝１８を経て吐出通路２００１つ
へ送出される。

吸込行程では、燃料は加圧の存するポンプ吸込室２２か
ら、孔１０へ開口している吸込通路２３および、吐出通
路２０と同数かつ同じ形式でポンプピストンの外周面に
配置された縦溝２４を経て作業室１１内へ達する。

ポンプピストンの吐出行程においては、ポンプピストン
の回転によシ、吸入通路２３および縦溝２４の間の接続
が遮断され、その結果ポンプピストンにより検出された
燃料の全量が吐出通路２０の１つへ供給される。

さらに吸込通路２３は、後に詳細に述べるように、電磁
弁２５により制御される。

燃料送出量を制御するために作業室１１はポンプピスト
ン７内に軸方向に延びている袋孔２６並びに、袋孔２６
に交わる横孔２７を介してポンプ吸込室２２に接続可能
である。

この横孔２７とは、ポンプピストンに沿って移動可能な
スライドリングの形の送出量制御部材２８が協働し、こ
れはその位置により、ポンプピストンの上昇運動におい
て横孔２１が開放されて作業室１１とポンプ吸込室２２
とが接続される時点を規定する。

この時点以後は吐出通路２０内へのポンプの燃料送出は
遮断される。

従ってスライドリング２８の調節によシ燃料噴射量を変
えることができる。

燃料噴射量を変えるためにスライドリング２８は制御レ
バー３０によシ調節され、このレバーはスライドリング
２８の切欠き３２内へ係合している。

制御レバーはこの場合軸３４を中心に旋回可能であり、
この軸は偏心盤３５により調節可能である。

制御レバー３０の他端部には、図示されていないが、回
転数信号発生器の力とは逆向きに作用する制御ばねが作
用している。

制御ばねの初ばね力は、任意に調節可能の調節レバーに
よって変えられる。

回転数信号発生器はこの場合回転数が増昇すると噴射量
を減少させる方向に働き、これに対してばねは噴射量を
増大させる方向に働く。

ある所定の噴射量に相応するそのつどの平衡位置は調節
レバーによシ必要に応じて変化させることができる。

第２図によれば、電磁弁２５は電磁弁ケーシング３８を
有し、この電磁弁ケーシング３８内には案内スリーブ４
０を取囲んでいる電磁コイル３９が配置されている。

案内スリーブ４０の、電磁コイル３９によって取囲まれ
ている部分内には、磁心４１の一部が侵入しておシ、案
内スリーブ４０内へ侵入しているこの部分の端部は、円
錐部７０として製作されている。

案内スリーブ４０内には、円錐部７０に近接して可動子
４２が移動可能に配置されており、この可動子４２の、
上記円錐部側の端部は円錐孔形に製作されている。

可動子４２と円錐部７０との間には圧縮はね４３が設け
られておシ、可動子４２は、電磁コイル３９に電流が通
されると上記圧縮ばね４３の力に抗して引戻される。

はぼ鉢形の電磁弁ケーシング３８内には電磁コイル３９
、案内スリーブ４０及び磁心４１が挿入されており、こ
の電磁弁ケーシング３８は薄板フード４４によシ端面側
を閉鎖されている。

この場合、薄板フード４４のもつとも外側の縁４５は電
磁弁ケーシング３８のもつとも外側の縁と共に鍔出しさ
れて結合されてお如、この場合単数又は複数の突出部４
６が薄板フード４４の縁部から舌状に切出されていて電
磁弁ケーシング３８内へ回込まれており、さらに、磁心
４１の切欠き７１内へ係合している。

この形式で薄板フード４４は回動を防止されている。

薄板フード４４内には中心に導入ブツシュ４７が設けら
れており、この導入ブツシュ４７内の孔７２には電磁コ
イル３９のリード線７３が通されている。

鉢形の電磁弁ケーシング３８の内部と電磁コイル３９と
の間には環状のスペース５２が形成されており、このス
ペース５２には、機関から伝達される振動によって電磁
弁部分、殊に電気的接続部がゆるみ又は外れることを防
止するために、プラスチックが充填されている。

磁心４１の端部に製作されている円錐部７０及びこれに
面している、可動子４２の円錐形として製作されている
端部間では、可動子４２の行程運動距離が比較的大きい
場合にも申し分なく磁力が伝えられる。

案内ストーブ４０は鉢形の電磁弁ケーシング３８の底部
７４を貫通しており、この場合案内スリーブ４０の外側
へ突出した部分７５はポンプケーシング１のケーシング
孔７６内へ同軸的に侵入している。

案内スリーブ４０のこの侵入している部分７５の外周に
は円形横断面のバッキングリング６２が保持されており
、このバッキングリング６２により、ポンプケーシング
１内へねじはめられた電磁弁ケーシング３８が外部に対
してシールされている。

ケーシング孔７６へは、ポンプ吸込室２２から導かれて
いる吸込通路２３が開口しておシ、この通路２３はケー
シング孔７６の端面側から、電磁弁の可動子４２に対し
て同軸的に再び発している。

ケーシング孔１６の屑状の端面は弁座５７．７７として
製作されておシ、この弁座５７．７７上には、鉢形の可
動の弁部分５４が当接している。

鉢形の弁部分５４の底部は弾性バッキング部材５６によ
って形成されており、これは可動の弁部分５４に加硫結
合されておシ、弁部分５４の座着面を形成している。

さらに弁部分５４の底部は縦孔５３を有している。

鉢形の弁部分５４の内部へは、可動子４２に軸方向で続
いている、先行制御弁の可動の弁部分としてのピン状部
Ｔ９が侵入しており、このピン状部Ｔ９の平らな端面８
０は、鉢形の弁部分５４内における、縦孔５３のだめの
閉鎖部材として役立つ。

ピン状部Ｔ９内に、その縦方向に対して横方向に、ピン
５５が嵌込まれており、このピン５５はスリーブであっ
てもよい。

このピン５５はピン状部７９から側方へ突出し、かつ鉢
形の弁部分５４の側壁中の切欠き８１内へ侵入している
。

切欠き８１はこの場合可動子４２の軸線の方向に延びて
いる。

ピン５５と切欠き８１との組合わせは連行機構を構成す
る。

連行機構はさらに別の構成によっても実現することがで
きる。

例えばピン５５を弁部分５４内に配置し、このピンが可
動子４２の適当な切欠き内に係合するように構成しても
よい。

さらに別の連行機構の構成は第３図又は第４図に示され
ている。

即ちこれらの実施例では連行機構は後に説明されるよう
にはねリング６５及び切欠き６４により構成されている
。

電磁コイル３９が励磁されると直ちに、可動子４２のピ
ン状部は圧縮ばね４３の力に抗して磁心４１に引付けら
れる。

この場合可動子４２のピン状部７９は縦孔５３を開き、
その結果吸込通路２３の、電磁弁２５の前後にある両方
の通路区分が互いに接続される。

即ち第２図の実施例では、ケーシング孔７６の孔壁面と
弁部分５４及びバンキングリング５６の外周面との間の
間隙、切欠き８１、ピン状部７９の外周面とこれを取囲
んでいる弁部分５４の内周面との間の環状間隙１８１並
びに縦孔５３を介して、電磁弁２５の前後にある両方の
通路区分が互いに接続される。

第２図の実施例における上記の環状間隙１８１の代シに
、後に述べる第３図及び第４図の実施例では、可動子４
２のピン状部外周面に、破線で示す溝が加工されている
。

次いで圧力平衡が生じると直ちに、可動子４２がさらに
行程運動を行なうさいにピン５５を介して主制御弁の部
分５４が（に連行され、その結果弁部分５４は弁座５７
，７７から離れ、かつ吸込通路２３を完全に開通させる
。

電磁弁２５に印加された電圧が遮断されると直ちに、圧
縮ばね４３によシ可動子４２は弁座５８へ、かつ弁部分
５４は弁座５７，７７へ圧着される。

次いで、電磁弁２５の前後にある吸込通路２３０部分に
生じる圧力差に基き、弁部分５４はさらに付加的に弁座
５７，７７に押圧される。

主制御弁の弁部分５４には鍔６０が配置されてお虱これ
は主制御弁が開かれるさいに案内スリーブ４０の端面側
へあたり、これにより電磁弁の最大開放横断面が規定さ
れる。

これによシ、可動子４２および磁心４１がそれらの円錐
形の面で嵌合して、公知のように両部会の解離不可能な
接合を生じることが防止される。

電磁弁２５は噴射ポンプケーシング１のねじ孔６１内へ
ねじはめられておシ、かつこのケーシングに対して円形
横断面のパツキンリング６２によシシールされている。

燃料噴射ポンプにおいて上記のような電磁弁を用いない
場合には、その代りに上記の孔６１内へ栓がねじはめら
れる。

主制御弁の第３図に示されている変化実施例では、主制
御弁の可動の弁部分５４と可動子４２のピン状部との間
の閉鎖部材として、環状切欠き６４内で軸方性に運動可
能なげねリング６５が設けられており、これは弁部分５
４の孔壁に移動不能に配置されている。

縦孔５３を制御するためにこの場合別体のバッキング部
材６６が役立ち、これは可動子４２のピン状部に不動に
結合されている。

第４図に示されているさらに別の変化実施例では、可動
子４２のピン状部と主制御弁の可動の弁部分５４との間
のバッキング部材として球６８が設けられており、これ
は可動子４２のピン状部と結合されておシかつ弁部分５
４上の球面状に製作された弁座６９と協働する。

弾性バッキング部材５６．６６の材料としては、「ビト
ンＪ （Ｖｉｔｏｎ ）の商品名で市販されているフル
オルエジストマを用いるのが有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による燃料噴射ポンプの一実施例の部分
縦断面図、第２図は本発明による電磁弁の一実施例の拡
大縦断面図、第３図および第４図は本発明による電磁弁
の特に先行制御弁の別の実施例の部分的拡大縦断面図で
ある。 １・・・ケーシング、２・・・駆動軸、３・・・カム板
、４・・・カム、６・・・連結部、７・・・ポンプピス
トン、８・・・弁ホルダ、９・・・シリンダブツシュ、
１０・・・孔、１１・・・作業室、１２・・・孔、１３
・・・室壁、１４・・・通路、１５・・・ばね、１６・
・・弁部材、１７・・・環状溝、１８・・・縦溝、２０
・・・吐出通路、２２・・・吸込室、２３・・・吸込通
路、２４・・・縦溝、２５・・・電磁弁、２６・・・袋
孔、２７・・・横孔、２８・・・送出量制御部材、３０
・・制御レバー、３２・・・切欠き、３４・・・軸、３
５・・・偏心盤、３８・・・電磁弁ケーシング、３９・
・・電磁コイル、４０・・・案内スリーブ、４１・・・
磁心、４２・・・可動子、４３・・・圧縮ばね、４４・
・・薄板フード、４５・・・縁、４６・・・突出部、４
７・・・導入ブツシュ、５２・・・スペース、５３・・
・縦孔、５４・・・弁部分、５５・・・ピン、５５・・
・バッキング部材、５７．７７・・・主制御弁の弁座、
５８・・・先行制御弁の弁座、６０・・・鍔、６１・・
・ねじ孔、６２・・・バッキングリング、６４・・・環
状切欠き、６５・・・ばねリング、６６・・・バッキン
グ部材、６８・・・球、６９・・・弁座、７０・・・円
錐部、１１・・・切欠き、７２・・・孔、７３・・・リ
ード線、７４・・・底部、７５・・・部分、７６・・・
ケーシング孔、７７・・・弁座、７９・・・ピン状部、
８０・・・端面、８１・・・切欠き、１８１・・・環状
間隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関の燃料噴射ポンプであって、ポンプ作業室
   をポンプ吸込室に接続する吸込通路を有し該吸込通路は
   、ポンプの吸込行程中ポンプ作業室へ燃料を通過させ、
   かつ内燃機関停止のために電磁弁によ如閉鎖可能であり
   、かつ電磁弁の可動の弁部分が閉鎖時に少な（とも吸込
   室圧力により弁座へ圧着される形式のものにおいて、電
   磁弁の可動子４２が先行制御弁５３．５８．７９の可動
   の弁部分７９に直接に結合されており、かつ電磁弁の可
   動子がその行程運動の開始時に、吸込通路２３の、電磁
   弁２５０前後にある部分を液力的に接続させ、かつ圧力
   平衡の発生後さらに開放工程運動を行なうさいに、可動
   子４２に結合されている連行機構５５，８１．６４，６
   ５を介して主制御弁の可動の弁部分５４を作動させるこ
   とを特徴とする内燃機関の燃料噴射ポンプ。 ２ 先行制御弁の弁座５８が主制御弁の可動の弁部分５
   ４に配置されている特許請求の範囲第１項記載の燃料噴
   射ポンプ。 ３ 主制御弁の鉢形の可動の弁部分５４が先行制御弁の
   可動の弁部分７９に係合しかつ先行制御弁の可動の弁部
   分７９に沿って案内される特許請求の範囲第２項記載の
   燃料噴射ポンプ。 ４ 主制御弁と先行制御弁との間に、燃料を案内する環
   状間隙１８１または溝が設けられている特許請求の範囲
   第３項記載の燃料噴射ポンプ。 ５ 先行制御弁のバッキング部材として球６８が設けら
   れておシ、該球は先行制御弁の可動の弁部分に連結され
   でいる特許請求の範囲第１項記載の燃料噴射ポンプ。 ６ 先行制御弁の可動の弁部分７９にピン５５が配置さ
   れておシ、このピン５５は、主制御弁の可動の弁部分５
   ４にある、相対的軸方向運動を可能にする相応する切欠
   き８１内に係合しておシ、上記ピン５５及び切欠き８１
   が連行機構を構成している特許請求の範囲第３項記載の
   燃料噴射ポンプ。 Ｔ 主制御弁の可動の弁部分５４の鉢形孔内壁にばねリ
   ング６５が配置されており、とのばねリング６５は先行
   制御弁の可動の弁部分７９にある、軸方向相対運動を可
   能にする相応する切欠き６４内に係合しており、上記ば
   ねリング６５及び切欠き６４が連行機構を構成している
   特許請求の範囲第３項記載の燃料噴射ポンプ。 ８ 主制御弁の可動の弁部分５４がこれに帽子状に直接
   に加硫結合されたバンキング部材５６を有している特許
   請求の範囲第１項記載の燃料噴射ポンプ。