JPS5927849Y2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炊飯器の蓋部分の改良に関し、特に米汁の吹き
こは゛れを防止することを目的とするものである。

一般に炊飯器においては、炊飯時における米汁の吹きこ
ぼれが大きな問題となっていた。

即ち、ここでいう米汁の吹きこぼれとは、炊飯の進行と
ともに、米の成分によって炊けに多数の泡が発生し、鍋
内の圧力の上昇につれこれが鍋内にとどまらず、炊飯器
の本体から飛び散って床面等を汚すことをいう。

この対策として今迄、種々の考案がなされていた。

例えば、内蓋と外蓋との空間を大きくしたり、外蓋に設
けた蒸気口の径を大きくした構造が主に採用されていた
。

更にこの他の方法として、鍋内の圧力を調整する調圧弁
を設けたものや、蒸気筒の中に消泡機構を設けて発生し
た泡を消滅さす等の対策もとられていた。

しかし、内蓋と外蓋との空間を大きくすれば、製品とし
ての炊飯器自体が大きくなり、外観として見ばえが悪く
なるばかりではなく、主婦が持ち運ぶ際に重く移動しに
くい等の欠点がある。

又、蒸気口の径を大きくすると、その分だけ飯の保温熱
が外に逃げ易くなって美味な飯の長時間の保温が出来な
いという欠点がある。

さらに調圧弁や蒸気筒の中に消泡機構を設けたものは、
部品点数の増加や、構造の複雑となり、それだけ洗浄等
の手入れが困難になるという欠点があった。

本考案は上記の炊飯器の欠点を解消したものであり、以
下、本考案の一実施例について説明する。

第１図に示すように本考案の炊飯器は本体１に着脱自在
に設けられた炊飯鍋（以下単に鍋という）２の開口部に
は環状段部３を設けている。

本体１上部の片側にはヒンジ部４が設けられ、このヒン
ジ部に１８０°対向する位置にフック受は部５が設けら
れている。

上蓋６はヒンジ部４にその一端が回動自在に支持されて
いる。

上蓋６のヒンジ部４の反対側にはフック受は部５に係合
するフック７が設けられている。

上蓋６の下面には上蓋カバー８が固定され、上蓋カバー
８には円盤状金属板９が環状バッキング１０とともに固
定されている。

金属板９の周縁部近傍には上面に小径の孔を形成した円
筒状の蒸気筒１１が固定され、その上端は外蓋６を貫通
して上方に突出している。

皿状の内蓋１２はその中央部で金属板９の中央部と連続
棒１３により着脱自在に連結されている。

キャップ状の内蓋支持ゴム１４は弾力性を有していて金
属板９から内蓋１２を常時離す方向に弾力を作用させ、
フック７とフック受は部５とが保合状態の時、内蓋１２
の周縁部１５を鍋２の環状段部３に押圧して密接状態に
保っている。

又この内蓋１２はフック７とフック受は部５とが保合状
態において、すなわち外蓋６を閉じた状態において、中
央部に上方へ突出した環状突部１６と外周部に形成され
た環状の汁溜部１７とを有している。

突部１６には環状に蒸気孔１８が複数個形成され、汁溜
部１７には前記蒸気孔１８よりも小径な蒸気孔１９が複
数個形成されている。

一方金属板９には前記内蓋１２の環状突部１６に設けた
複数個の蒸気孔１８に対向し、この蒸気口１・８との隙
間を小さくする様、下方に突出した環状のリブ２０が設
けられている。

上記の構成において、炊飯を行なうと鍋２内の圧力の上
昇につれて、蒸気や米汁の泡は内蓋１２の蒸気孔１８及
び１９から吹き上るが、蒸気孔１８の孔径が蒸気孔１９
の孔径よりも大きい為、主として泡を含む蒸気は蒸気孔
１８より内蓋１２上に吹き出る。

しかし蒸気孔１８と金属板“のリブ２０との隙間が小さ
い為、噴出速度が大きく、シがもリブ２０によって蒸気
や泡がリブ２０を境に左右に分けられる為、発生した泡
はそれが大きくなる前に消滅する。

又、第２図に示すように、リブ２０に囲まれた空間イに
とどまった小さな泡も内蓋１２とリブ２０との隙間が小
さい為、外周方向には漏れ出ない。

一方蒸気や消滅した泡による水分は位置的により低い汁
溜部１７に流れる為、蒸気孔１８は常に開いた状態であ
り、内蓋外周部の蒸気孔１９がら泡が出ることはなく、
汁溜部１７に溜った水分は、炊飯終了後に鍋内の圧力低
下に伴なって蒸気孔１９により鍋内に還流する。

この円盤状金属板９に環状リブ２０がない場合、内蓋１
２の蒸気孔１８がら蒸気および泡が内蓋１２上に吹き出
て戒長し、金属板９と内蓋１２と鍋２の周縁部２１とで
形成された皿状空間部ロ一杯となり、その空間部口内の
圧力の増加に伴い、蒸気筒１１に形成した小径の孔より
吹き出て吹きこぼれとなる。

従ってこの状態で吹きこは゛れを防止する為には、蒸気
筒１１先端に形成した孔を適当な大きさにすることによ
り空間部口内の圧力が容易に高くならないようにするが
、あるいは泡を外気にあてて温度を下げ消滅させなけれ
ばならないが、このようにすると前述した如く保温効果
が低下する。

以上の説明により明らがな如く本考案の炊飯器は余分な
空間を設けることなく、又炊飯や保温性能を低下させず
に単純な構造で米汁の吹きこぼれを防止することが出来
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す炊飯器の縦断面図、第
２図は同要部拡大断面図である。 １は本体、２は炊飯鍋、３は環状段部、６は外蓋、９は
金属板、１０は環状バッキング、１１は蒸気筒、１２は
内蓋、１３は連結棒、１６は内蓋の環状突部、１７は内
蓋の汁溜部、１８、は内蓋中央部の蒸気孔、１９は内蓋
性溜部の蒸気孔１．２０は環状リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部に環状段部を有した炊飯鍋と、下面に円盤状金属
   板と環状バッキングとを有して前記炊飯鍋を覆う外蓋と
   、この金属板中央部に着脱自在に取付けられ周縁部が前
   記状・飯鍋の環状段部と接する内蓋とを有し、前記金属
   板の周縁部近傍には、この金属板と内蓋および鍋とによ
   って形威される皿状空間部と連通した蒸気筒をその先端
   が前記外蓋外に突出するように設けるとともに、前記内
   蓋には複数の蒸気孔を形威し、かつ前記金属板にはこの
   蒸気孔に近傍する下向きのリブを設けてなる炊飯器。