JPS592688B2 - ポリオレフィン可工物及びそれを用いた編網又は製織加工物 - Google Patents

ポリオレフィン可工物及びそれを用いた編網又は製織加工物

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JPS592688B2
JPS592688B2 JP51157379A JP15737976A JPS592688B2 JP S592688 B2 JPS592688 B2 JP S592688B2 JP 51157379 A JP51157379 A JP 51157379A JP 15737976 A JP15737976 A JP 15737976A JP S592688 B2 JPS592688 B2 JP S592688B2
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久也 桜井
基十雄 森口
好彦 片山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、機械的、熱的、光学的等広い範囲に亘って改
良された性質を有する無機充填剤含有ポリオレフィンの
延伸加工物および該延伸加工物からなる編網加工物、製
織加工物に関するものである。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンは、
延伸加工して、またはせずして、糸状、テープ状または
紐状の加工物にされたり、また、これらが編網加工、製
織加工された各種の商品に5 されていることはよく知
られている。
これらの商品の例としては、各種ロープ、結束テープ、
結束紐あるいは編網、製織された商品としては、野菜ネ
ット、防風網、漁網等の各種編網製品、肥料袋、羊毛袋
、米穀袋等の各種クロス袋、10および工業用、土木用
、農業用、水産用およびインチリヤ用などの各種クロス
シートが挙げられる。
このような多くの分野で使用されているのは、勿論数多
くの特長があることによるが、しかしながら、さらに広
範囲に用途を拡大しようとすれば、15その優れた成形
加工性、機械的、熱的諸性質を生かし、さらにそれらの
機械を向上すること、また比較的欠点として挙げられ易
い性質、たとえば、プラスチック様の透明感のあるテカ
テカとした外観、剛性が高く、ゴワゴワしたかたい手触
り感な20どの諸性質を改良すること、また、葦などの
ような天然物に近い風合いを出すことなどが望ましい。
本発明者らは、ポリオレフィンを使用した、編網加工物
、製織加工物について、上記のような観点から検討を重
ね、その原糸となる糸、テープの25物性とそれから得
られる編網加工物、製織加工物の物性との関連について
あらゆる角度から研究を続けて来た。その結果、その機
械的強さ、熱的性質などの特長を生かし、かつ剛性が高
く、かたい感触で、手触りが悪い、プラスチック様の透
明性30のあるテカテカとした外観の2つの欠点を改良
し、また、従来のプラスチックにはない例えば木綿製品
、麻製品などの天然製品のような感触あるいは独特の風
合いを有する本発明に到達した。すなわち、本発明は、
ポリオレフィンを基体重35合体として、無機充填剤を
組成物中5重量%以上70重量%含有する無機充填剤配
合ポリオレフィン組成物100重量部に対して、シアン
酸エステルを0.1〜10重量部加えて、加熱混練して
得られる無機充填剤充填組成物を延伸加工することによ
り、気孔率10〜600!)とした加工物、および該加
工物を編網または製織して得られる加工物である。
本発明の特徴を列挙すると以下の如くである。
(1)本発明の延伸加工物は、機械的強力、熱的性質な
どは、通常のポリオレフインのレベルにあり、また基体
重合体として用いたポリオレフィンの特性を損つていな
い。(2)本発明の延伸加工物は、剛性が低く、手触り
感がよい。
(3)本発明の延伸加工物は、従来のポリオレフインか
らなる延伸加工物に比較し、プラスチツク様の透明性が
なく、外観は高級感のイメージがある。
(4)本発明の延伸加工物は、通常のポリオレフインか
らなる延伸加工物と同等以上の編網加工性、製織加工性
等の二次加工性を有する。
(5)本発明による編網加工物、製織加工物は、引張強
力、伸度、引裂き強力等の機械的性質、及び耐熱性等熱
的性質は、通常のポリオレフインの編網、製織加工物と
同等、以上である。
(6)本発明による編網加工物、製織加工物は、プラス
チツク様の透明性のある、テカテカした外観を無くして
おり、いわゆる高級感のイメージを与える。
(7)本発明による編網加工物、製織加工物は、剛性が
低く、ゴワゴワしたかたい感触がなく、手触りがよい。
(8)本発明による編網加工物、製織加工物は、折り曲
げ易く、折りたたみ易く作業性に優れる。
(9)本発明による編網加工物、製織加工物は、折り曲
げたり、折りたたんだりするときにほとんど音がしなく
、従来のポリオレフインの編網、製織加工物のメラメラ
というような不快音がしない。AO)本発明による編網
加工物、製織加工物は、印刷性、塗装性、接着性等表面
特性に優れ、容易に印刷、塗装、接着が出来、さらに商
品価値の高いものにすることができる。
また、ラミネート、樹脂コード等が可能で、ラミネート
したり、コーテイングしたりして使用することもできる
。(自)本発明による延伸加工物は通常の編網、製織加
工を容易に実施することができ、通常、横編みと称され
る平編み、ゴム編み、パール編み等各種の横編み、経編
みと称される平編み、飾編み等各種の経編み等で編網加
工物にされ、また平織り組織、斜文織り組織およびこれ
らの各織り組織を原型にして、それらを変化したり、組
合せたりしてつくる各種の織り組織たとえば、紋織り組
織、重ね織り組織、パイル織り等の各種の織り組織の製
織加工物にされる。(自)本発明による編網加工物、製
織加工物は、該加工物を構成する延伸加工物の形状、太
さテープ状加工物の厚さ、幅等および構成本数等を種種
変化させることにより、厚さ、ポリユーム感あるいは機
械的性質等目的に応じて自由に変化させることができる
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリオレフインとは、エチレンプロピレ
ン、ブテン、等のモノオレフイン重合体および共重合体
を主成分とするものを言う。
たとえば、高密度ポリエチレン、中、低密度ポリエチレ
ン、結晶性ポリプロピレン、結晶性エチレンープロピレ
ンプロツク共重合体、ポリブテン、ポリ−3−メチルブ
テン−1、ポリメチルベンゼン1、エチレン一酢酸ビニ
ル共重合体等およびそれらの混合物を言う。本発明にお
ける無機充填剤とは、粉末状の無機物であり、たとえば
、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、アルミノ
ケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸カリウム、アルミノ
ケイ酸リチウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン、クレー、タルク、ボラストナィト
、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等のポリオレフインに
分散可能な無機物質の粉末であり、これらは単独もしく
は2種以上の混合物であつてもよい本発明においては、
かかる無機粉末の平均粒径は0.01〜30μの範囲に
あり、さらに好ましくは、0.05〜20μの範囲にあ
る。
平均粒径が30μを越えると本発明における延伸加工物
を製造する場合の成形加工性が悪くなるばかりでなく本
発明の気孔率を有する延伸加工物を製造することが困難
であり、したがつて本発明の目的とするような、機械的
強力、剛軟度ヤング率等の諸性質を満足する延伸加工物
、編網加工物、製織加工物が得られないのである。本発
明における該充填剤の濃度は5〜70重量%の範囲にあ
り、好ましくは10〜60重量%の範囲にある。
該充填剤が5重量%未満の場合には、延伸加工の条件を
如何に選んでも、本発明の気孔率を有する延伸加工物を
得るのは極めて困難であり、したがつて本発明の目的と
する諸性質を満足する延伸加工物および編網加工物、製
織加工物を得ることは非常に難しい。一方、該充填剤が
70重量%を越える場合には、成形加工性が悪くなり本
発明の気孔率を有する延伸加工物を得るのが困難となり
、また得られた延伸加工物の機械的強力等が極端に低く
なり、本発明の目的とする優れた延伸加工物および編網
加工物、製織加工物は得られ難くなる。本発明における
シアン酸エステルとは、RNCO,OCN(CH2)。
NCOの一般式で示される、イソシアナート、ジイソシ
アナートを言う。本発明においては、これらのシアナー
トのうちRはClO以上のアルキル基であり、nは4以
上の整数である。
本発明においては、これらのシアン酸エステルは、単独
で、または2種以上の混合物として使用することができ
る。
また、該化合物の使用量はポリオレフインと無機充填剤
とから成る組成物100重量部に対して0.1重量部以
上10重量部未満、好ましくは0.5〜5重量部の範囲
にある。0.1重量部未満の場合には、成形加工性が悪
くなるばかりでなく、気孔率を高くすることが困難で、
本発明の諸特性を有する延伸加工物を得ることが極めて
困難となる。
したがつて本発明の目的とする諸性質を満足する延伸加
工物および編網加工物、製織加工物を得ることは非常に
難しい。一方10重量部を越える場合は、本発明の目的
とする延伸加工物を製造する場合に、押出成形時の発煙
現象の発生、また延伸加工物の表面に該化合物がブリー
ドするなど好ましくない。次に、本発明における延伸加
工物の製造方法について説明する。
本発明の延伸加工物を製造する場合には、少なくとも、
ポリオレフイン囚、無機充填剤(B)、シアン酸エステ
ル(Oの三成分を含有する組成物(有)を使用すること
が必須である。
該組成物(有)の製造方法としては、上の(A),(B
),(C)の3者を加熱混練する方法が挙げられる。
各成分の混合順序は任意である。たとえば、(A),(
B)および(C)の3者を同時に加熱混練する方法、A
.l5(B)の2者からなる組成物に(Oを加えて加熱
混練する方法が挙げられる。加熱混練装置としては、通
常使用される混練機、たとえば、各種押出機、バンバリ
ーミキサ一 ニーダ一、ミキシングロール等が使用でき
る。
加熱混練の温度は基体重合体の溶融軟化温度以上、熱分
解温度以下の範囲にあるが、通常180℃以上280℃
以下の範囲にある。本発明において使用する組成物には
、上記組成以外に、熱安定剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸
収剤、顔料および染料等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤
、増粘剤、発泡剤等の各種添加剤が用途に応じて適宜添
加されてもよい。
また、これらの添加剤の中で、高級脂肪酸、そのエステ
ル、そのアミド、その金属塩などの滑剤は、本発明の目
的を達成するために、しばしば効果的な役割を果たす。
発泡剤の添加は得られるテープ状加工物の気孔率が本発
明の範囲に入るよう、濃度、発泡条件などを選ばなけれ
ばならない。上記のようにして得られる該無機充填剤配
合ポリオレフイン組成物は延伸加工して気孔率10〜6
0(f)のモノフイラメント、フイルムテープ状加工物
にされる。
とくにモノフイラメント、テープ状加工物で、本発明の
特長は大きく現われるここで、気孔率Mの求め方として
は次の方法による。用いた組成物の理論比重D(組成物
中に含まれる原料の真比重と配合組成から計算されるが
、または組成物を完全に脱泡して圧縮成形した試験片に
ついて測定して求めた比重)、糸状、テープ状等加工物
に成形されたものの見掛け比重ρにより、V=D+Xl
OO(%)の式で求めたものを本発明の気孔率という。
本発明において、気孔率は10%以上60%以下の範囲
にあり、好ましくは15%以上500!)以下にある。
このような気孔率になるように、該組成物を延伸加工す
ることによつて本発明の目的が達成されるのである。気
孔率が10%より小であると、剛軟度、ヤング率等が改
良されず、透明度あるいは外観の改良も不十分である。
曲げ回復率の改良も不十分である。一方気孔率が60%
を越えるとヨコワレ強度及び編網、製織加工性等が大き
く低下し、本発明の目的は達成されない。延伸加工の方
法は通常の1軸または2軸延伸が用いられるが、本発明
においては延伸条件が非常に重要な要素となる。延伸条
件を適切に選ぶことによつて本発明の目的とする優れた
特性を有する延伸加工物が得られる。すなわち(1)延
伸温度は、基体重合体の融点をTp℃とすると、Tp−
5〜Tp−80℃の範囲にあり、好ましくは、Tp−1
0〜Tp−5『Cの範囲にある。
延伸温度がTp−5℃より高い場合は、気孔率が低く本
発明の気孔率を得ることは困難となり、Tp−80℃よ
り低い場合は延伸加工性が悪く、実質的に本発明の気孔
率にすることができない。
(2)延伸倍率は、3倍以上15倍以下、好ましくは5
倍以上12倍以下にある。
延伸倍率が6倍未満のときは気孔率が低く、本発明の目
的とする気孔率を得るのが困難である。一方、延伸倍率
が15倍を越えるときは、気孔率が高くなりすぎ、ヨコ
ワレ強度等が低下し、好ましくない。本発明においてい
うモノフイラメントとは断面が円形、惰円形、各種異形
の、断面積が数十Md以下の長さは任意の通常モノフイ
ラメントと称される糸状のものを言う。本発明において
いうテープ状加工物の形態は、自由であるが、断面は概
ね矩形で、厚さより幅が大きいものを言い通常数百μ以
下の厚さ、数10儂以下の幅を有し、長さは任意である
目的とする厚さ、幅を得るためには、延伸前の厚さ、巾
及び延伸倍率、延伸温度等の延伸条件、延伸方式などの
諸条件を勘案しなければならない。また、巾を調整する
には延伸前、あるいは延伸の後にスリツトすることが便
利である。また、このようにして得られた該テープ状加
工物は通常の方法により、スプリツトレ、スプリツトテ
ープとすることも可能である。このようにして得られた
スプリツトテープはポリユーム感も増大し、一層特徴の
ある延伸加工物になる。上記のようにして得られた延伸
加工物は、通常の編網機、製織機により、すでに延べた
ような各種の編網加工物、製織加工物になされる。
編網、製網工程の前に必要により、撚糸工程を入れるこ
とは自由である。更に、本発明の目的製品は下記の(1
)〜(7)の条件を適宜満たすことが好ましい。
(1)テープの引張強さが常温で少なくとも7kg/M
d、好ましくは10kg/M7l以上あることO(2)
テープのヨコワレ強さが常温で309/MlL以上、よ
り好ましくは509/Md以上あること(ヨコワレ強さ
は、得られたテープ状加工物を長さ方向と直角方向に1
00m7ILの長さに切断し、23℃,50(!)湿度
雰囲気、引張り速度50mm/Minで、テープの長さ
方向に引張りテープが破断する最高強度である)。
(3)テープの剛軟度が、改良すべき基材(ポリオレフ
イン)に対して、図1のJIS−L−1004でl値が
5(fl)以上大きいこと(l値が大きい程柔い)。
(4)テーブのヤング率が、改質すべき基材(ポリオレ
フイン)に対して引張ヤング率で10%以上小さいこと
(5)テープの引張伸度が常温で3〜100%の範囲に
あること。
(6)テープの透明度。
改質すべき対象物に対して、ASTM−D−1003の
かすみ度が少なくとも10%以上大きくなり、かつ、か
すみ度の絶対値が70(fl)以上であること。(7)
テープの曲げ回復性。
JISL−1004によつて、一定荷重を一定時間かけ
て折り曲げた後に除重しその回復角で表わす。対象物に
対して10%以上小さいこと。これら(1)〜(7)の
条件を達成するためには、組成物の基体重合体の物性、
無機充填剤の組成、多価アルコール誘導体の組成および
延伸加工条件と適宜選べばよい。
本発明者らは、これらの条件を満足する、糸、テープを
用いることにより、従来のポリオレフインの糸、テープ
からなる、従来の編網加工物、製織加工物の前記の欠点
を改良し、また、従来の編網加工物、製織加工物にない
特殊な風合いを出すことができることを見出したのであ
る。
上の条件のうち、(1),(2),(5)は編網加工性
、製織加工性および得られた編網加工物、製織加工物の
機械的強力等が、通常のポリオレフイン並みのレベルに
あるために必要であり、とくに(2)が不足するときは
編網あるいは製織加工時にテープのタテワレ、ケバ立ち
が多く発生しやすくなり、編網製織加工の効率が低下し
、また編網製織加工物もケバ立ちが多くなり、外観のみ
ならず機能そのものも低減する。また、(3),(4)
は糸、テープの剛軟性にとどまらず、それから得られた
編網加工物、製織加工物を曲げたり、引張つたときの柔
さ、手触り感などの改良に対して非常に大きい要素とな
る。(6)は糸、テープのみならずそれから得られる編
網加工物、製織加工物のプラスチツク様の透明性、テカ
テカした艶の改良に対して非常に大きな要素となる。さ
らに、これらの特性に(7)が加わると、編網加工物、
製織加工物が、従来のポリオレフインにはない、独特の
感触、風合いを出すのである。以下に、従来のポリオレ
フインの編網加工物、製織加工物の機械的強力、熱的性
質等を生かし、かつ前記の欠点を改良し、また特長を出
すために上の諸条件を満足させることは、それ程簡単な
ものでないことを、二、三の例をもつて示す。
例えば、従来のポリオレフインのモノフイラメント、延
伸テープを例にとると、ポリプロピレンモノフイラメン
ト、テープのゴワゴワした剛さ、その透明性を改良する
ために、高密度ポリエチレンのモノフイラメント、テー
プに代えることは、上の諸条件をある程度満足させる方
向にいくが、しかし一方で、ポリプロピレンの熱的特性
を大幅に損ない、本発明の意図するところとならない。
また、同様に低密度ポリエチレンの透明性を改良するた
めに、これを高密度ポリエチレンに代えると上の条件の
うち(3),(4)が逆に本発明の目的と逆の方向に変
化し、目的のものは得られない。このようにして、製造
された編網加工物、製織加工物はすでに述べたように、
各種のすぐれた特性を有するが、この中で、折り曲げた
り、折りたたんだりするときに従来のポリオレフインの
編網、製織加工物のようにメラメラというような不快音
がしないこと、印刷、塗装性等の表面特性が改良された
こと等は当初は期待していなかつた大きな付随効果であ
つた。以下実施例により、詳細に説明するが、本発明は
実施例の範囲に制限されるものではない。
実施例 1メルトインデツクス(以下単にMIと記す)
(荷重2.16kg、温度19『C)1.0、比重0.
953、融点130℃の高密度ポリエチレン64.9重
量%、平均粒径1.0μの重質炭酸カルシウムの粉末3
5.0重量%および2,6−ジ第三ブチル−4メチルフ
エノール0.1重量%から成る混合物100重量部に対
して、イソシアン酸オクタデシル2重量部を加えリポン
プレンダ一で30分間混合し、混合物を製造した。
該混合物をバンバリーミキサ一で23℃の温度で3分間
加熱混練し、充填組成物を得、次いでロールによりシー
ト化し、シートペレタイザ一により粒状化して、ペレツ
ト状の充填組成物を得た。
この組成物を完全に脱泡し、圧縮成形した試験片の比重
は1.228であつた。なお、比重の測定はASTMD
−1505の方法に従つた。この組成物を、65關押出
機で、樹脂温195℃で押出し、インフレーシヨン方式
でブロー比1.5、厚さ約60μのフイルムを製膜した
このフイルムを巾16m7!Lにスリツトし、ロール延
伸機で、延伸温度112℃、延伸倍率8倍、巻取り速度
120m/Minの条件で、延伸テープを製造した。延
伸は順調でトラブルなく、延伸テープを製造することが
できた。得られた延伸テープは、テープの厚さは約27
μ、巾は約6.5m1L,見掛け比重は0.85であつ
た。したがつて、このテープの気孔率は30,701)
であつた。また、このテープについて、引張強度、伸度
、ヨコワレ強度、剛軟度、ヤング率、かすみ度、曲げ回
復性を測定した。
これらの測定方法は次の通りである。
引張強度、伸度,23℃,50(F6の湿度の雰囲気、
チヤツク間200mTL,引張速度50m7n/Min
Oヨコワレ強度;23℃,50%の湿度の雰囲気、チヤ
ツク間50m1,引張強度50m那/Min,テープの
両縁にそれぞれ2mm巾のゼロテープを貼りつけ、ゼロ
テープの部分をチヤツクに取付ける。
剛軟度;23℃,50%の湿度の雰囲気、JISL−1
004の方法に準じ、図1のlで表示する。ヤング率:
上記引張試験において、初期引張り抵抗度として求める
。かすみ度:ASTMD−1003の方法に準じ、サン
プル取付け部に5mm巾のスリツトを設け、このスリツ
トにテープを貼りつけ測定した。
曲げ回復性:23℃,50%の湿度の雰囲気、JISL
−1004の方法に準じ、図2の如く、折り曲げ部に5
9の荷重を5分間加えた後除重し、除重後5分間経過し
たときの回復角θを測定する。
参考例 1−1実施例1で使用した高密度ポリエチレン
に2,6−ジ第三ブチル−4メチルフエノール0.1重
量%を配合し、実施例1と同一の押出、製膜条件でフイ
ルムを製膜した。
ただし、フイルムの厚さは約65μとした。このフイル
ムを実施例1と同様にして巾16mmにスリツトし、延
伸温度112℃、延伸倍率7倍、巻取速度120m/M
inの条件で延伸テープを製造した。得られた延伸テー
プは、テープの厚さは平均25μ、巾約6.5m1nで
あつた。また、それ以外の諸物性についても実施例1と
同様にして測定した。これらの結果は第1表に示す。
参考例 1−2 実施例1−1で使用した高密度ポリエチレン64.9重
量%、重質炭酸カルシウムの粉末35.0重量%および
2,6−ジ第三ブチル−4メチルフエノール0.1重量
%の3者から、実施例1と同様にして、充填組成物を得
、フイルムを製膜した。
このフイルムから実施例1−1と同様の条件で、延伸テ
ープを製造しようとした。しよしながら、延伸切れが多
発したので、延伸倍率を下げ、巻取り速度も下げ、延伸
可能な条件を探したところ、次のような条件で延伸が可
能であつた。すなわち、延伸温度112℃、延伸倍率4
倍、巻取り速度70m/Minの諸条件で、延伸テープ
の製造が可能であつた。このようにして得られた延伸テ
ープについて、実施例1と同様にして測定した見掛け比
重は1.08で、気孔率は12.3(!)であつた。
ところが厚さが約35μ、巾が約87fLmで、あつた
。実施例1、参考例1−1で得られたテープにくらべ、
厚さが大きく違いすぎたので、諸物性の比較はしなかつ
た。参考例 1−3 参考例1−2において、フイルムの厚さを約40μにし
て、これを同様にして延伸した。
しかし、この場合は延伸倍率3倍までしか延伸できなか
つた。このようにして、製造した延伸テープについて、
測定した、見掛け比重は1.15で、気孔率は6.70
t)であつた。テープの厚さは約25μ、巾9mmで、
あつた。このテープについて、諸物性を実施例1と同様
にして測定した。
これらの結果は第1表に示す。
実施例 2 実施例1において製造した延伸テープを用い、NCL織
機によつて、12本/インチ×12本/インチの打込み
本数で、幅1800m7!Lの織物を、この織機では最
高の製織スビードである150rpmで、平織り組織の
織物を製織した。
製織におけるトラブルは約20時間の運転の間全くなく
、柔かく、不透明で艶のない白色の織物を得ることがで
きた。手で触つた感触は柔和で、ソフトタツチで、べト
ついた感じがなく、折り曲げたり、折りたたんだりして
も、従来のプラスチツクの延伸テープの織物の様なメラ
メラというような不快音がなく、全く従来のプラスチツ
クの延伸テープには無い高級感のイメージがぁった。
このようにしてつくつた織物の引張り強度、伸度、剛軟
度、ヤング率、曲げ回復性を測定した。
これらの測定条件は次の通りである。引張強、伸度:得
られた織物を30m1L巾に切り出し、23℃,50%
湿度の雰囲気で、チヤツク間200mm、引張速度50
7nL/Minで測定。
剛軟度:得られた織物を25mm巾に切り出し、23℃
,50(!)湿度の雰囲気で、JISL一1004の方
法に準じ、図1のlで表示する。ヤング率;上記引張試
験において、初期引張り抵抗度として求める。この場合
は断面積換算をしなかつた。曲げ回復性:23℃,50
(:I)の湿度の雰囲気、JISL−1004の方法に
準じ、図2の如く、折り曲げ部に200f1の荷重を5
分間加えた後除重し、除重後5分間経過したときの回復
角θを測定する。
これらの評価結果は第2表に示す。
参考例 2−1 参考例1−1において製造した延伸テープを用い、実施
例2と同様の製織条件で織物を製造した。
製織におけるトラブルは全く無かつたが、でき上つた織
物はプラスチツク様の半透明で、かたくゴワゴワし、手
触り感も悪く、折り曲げたり、折りたたんだりすると、
メラメラという不快音がした。この織物について実施例
2と同様にして、諸物性を測定した。
これらの評価結果は第2表に示す。
参考例 2−2 参考例1−3において製造した延伸テープを用い、実施
例2と同様の製織条件で製織しようとした。
製織時の糸切れ、ケバ立ちがひどく、製織は困難を極め
た。そこで、製織スピードを実施例2の1/3の50r
pmに下げて、製織した。それでも、なお製織中にテー
ブの切断、ヨコワレによるケバ立ちが発生し、約1時間
の製織で中止した。このようにして得られた織物は、外
観は白色で、プラスチツク様の透明性が消え本発明の目
的に沿うものであつたが、ゴワゴワした剛さがあり、こ
の点で本発明の目的に沿うものではなかつた。また、引
張強度も低くかつた。この織物について、実施例2と同
様にして評価した結果を第2表に示す。実施例 3 M11.5、比重0.905、融点169℃のポリプロ
ピレン、平均粒径2.5μの水酸化マグネシウムの粉末
、安定剤として2,6−ジ第三ブチルー4メチルフエノ
ール、添加剤として、イソシアン酸ドデシルの4者を第
2表に記載の組成で配合し、実施例1−1と同様にして
充填組成物を製造し、実施例1−1で使用したフイルム
成形機を使用し、樹脂温215℃で押出し、厚さ80μ
のフイルムを製膜した。
このフイルムを巾30龍にスリツトし、オーブン延伸機
で、延伸温度125゜C、延伸倍率7倍、巻取り速度1
20m/Minの条件で、延伸テープを製造した。この
テープは厚さ約34μ、幅約151m1,見掛け比重は
0.87であつた。このテープについて、実施例1と同
様に諸物性を評価した。これらの評価結果は第3表に示
す。
参考例 3 実施例3で使用したポリプロピレンに2,6−ジ第三ブ
チル−4メチルフエノール0.1重量%配合し、実施例
2−1と同様にして、フイルムを製膜し、同様の条件で
延伸し、延伸テープを製造した。
ただし、延伸倍率は6倍とした。このようにして製造し
た延伸テープは、厚さ約28μ、幅約16詣、であつた
このテープについて、実施例1と同様に諸物性を評価し
た。これらの評価結果は第5表に示す。実施例 4 実施例3において製造した延伸テープを用い、実施例2
で使用した織機によつて、8本/インチ×8本/インチ
の打込み本数で、幅1800m71Lの織物を、製織ス
ビード150rp1で、綾織り組織の織物に製織した。
製織時間約20時間の間製織におけるトラブルは全くな
い、柔かく、かつプラスチツク状の艶が無く、青味がか
つた白色の独特の風合いを有する織物を得ることができ
た。手で触つた感触は柔和で、ソフトタツチで、プラス
チツク状のベトついた感じがなく、折り曲げたり、折り
畳んだりしても、従来のプラスチツクの延伸テープ織物
の様なメラメラというような不快音が少なく、従来のプ
ラスチツクの延伸テープ織物には無い高級感のイメージ
があつた。
このようにしてつくつた織物について、実施例2と同様
にして諸物性を測定した。
これらの結果は第4表に示す。
参考例 4 参考例3において製造した延伸テープを用い、実施例4
と同様にして、同様の織物を製造した。
製織中のトラブルは全く無かつたが、出来上つた織物は
、透明感のあるプラスチツク状のテカテカした外観であ
り、かたいゴワゴワした感触で手触り感は悪く、折りた
たんだり、折り曲げたりするとメラメラという不快音が
し、また、折りたたんだりするときの作業性が悪かつた
。この織物について、実施例2と同様にして物性を測定
した。
これらの結果は第4表に示す。実施例 5MI0.8、
比重0.959、融点135℃の高密度ポリエチレンを
用い、平均3μの硫酸バリウム粉末を用い、安定剤とし
て2,6−ジ第三ブチル−4メチルフエノール、添加剤
として、ステアリン酸カルシウム、0CN(CH2)1
6NC0の5者を第5表に記載の組成で配合し、実施例
1と同様にして充填組成物を製造し、次いで厚さ約12
0μのフイルムを製膜した。
このフイルムを50mwL巾にスリツトし、オーブン延
伸機で、延伸温度100℃、延伸倍率4倍、巻取り速度
6m/Minで延伸した。得られたテープは厚さ約50
μ、巾34m7!L、見掛け比重0.95であつた。こ
のテープは不透明、黄白色で、手触りの柔かい、感触の
よい、独特の風合いがあつた。このテーブについて、実
施例1と同様にして測定した物性値は第5表に示す。
参考例 5−1 実施例5で使用した高密度ポリエチレンについて、実施
例5と同様の条件で延伸テープを製造した。
得られたテープは厚さ約50μ、巾34mm、であつた
。このテープは透明で、ゴワゴワしたかたい手触りであ
つた。参考例 5−2 実施例5において、延伸温度を130℃にした以外は同
一の条件で、延伸テープを製造した。
得られたテープは、厚さ約44μ、巾35mm.見掛け
比重1.072であつた。このテーブは不透明であつた
が、手触りがかたく、感触は悪かつた。このテープの評
価結果は第5表に示す。実施例 6 実施例2で製造した織物について、ラミネートをし、ラ
ミネート性を調べた。
ラミネートの方法はエクストルージヨンラミネートで、
MI5、比重0.91.8の高圧ポリエチレンを用い、
押出温度260℃、干均ラミネート厚30μの条件で、
片面にラミネートをした。
3ラミネート性は良好で、接着性は良く、ラミネート後
のはがれは無かつた。
ラミネートした織物について、実施例2と同様の方法で
、引張強度、伸度、剛軟度、弾性回復率を測定した。
これらの評価結果は第6表に示す。
実施例 7 実施例2で製造した織物について、グラビア印刷機によ
り印刷のテストをし、印刷性を調べた。
この場合印刷は、ポリオレフイン用の印刷インキを使用
して行なつた。印刷性は非常に良好で、印刷部分をお互
いに擦り合せても、印刷部分の剥離はほとんどなかつた
また、印刷面にゼロテープを貼り、該ゼロテープを急速
にひきはがし、印刷面がどの程度剥離してくるかを調べ
たが、面積にして100%が剥離しないで残つていた。
参考例 7一1 参考例2−1で製造した織物について、実施例7と同様
の方法で印刷性のテストをした。
印刷部分をお互いに擦り合せると、印刷部分はほとんど
剥離してしまつた。
また、ゼロテープによる剥離テストでは、印刷面は面積
にして、約5%しか残らなかつた。参考例 7一2 参考例2−2で製造した織物について、実施例7と同様
の方法で印刷性のテストをした。
印刷部分をお互いに擦り合せると、印刷部分は相当な部
分が剥離してしまつた。
また、ゼロテープによる剥離テストでは、印刷面は面積
にして、約200t)しか残らなかつた。実施例 8 実施例1において使用した高密度ポリエチレン44.9
重量%、重質炭酸カルシウムの粉末55.0重量係、お
よび2,6−ジ第三ブチル−4メチルフエノール0.1
重量%からなる混合物100重量部に対して、イソシア
ン酸オクタデシル3.0重量部、を加え、リポンプレン
ダ一で30分間混合し、混合物を製造した。
該混合物をバンバリーミキサ一で220℃の温度で、3
分間加熱混練し、充填組成物を得た。
この組成物を、407It11押出機で、1.0(F6
の紡口から樹脂温25『Cで押出し、このストランドを
30℃の冷却水で冷却し、次いで熱水中96℃で延伸倍
率10倍、巻取り速度80m/Minで500デニール
のモノフイラメントを製造した。このモノフイラメント
の見掛け比重は0.95であつた。
外観は白色不透明で、数mを手でつかみ、揉んだときの
感触は柔く、あたかも木綿糸のような感触であつた。こ
のモノフイラメントについて、実施例1と同様の方法、
条件で引張強伸度、剛軟度、ヤング率を測定した。なお
、引張強度についてはデニール当りの9で表わした。こ
れらの評価結果は第8表に示す。
参考例 8 実施例8で使用した高密度ポリエチレン99.9重量%
に、2,6−ジ第三ブチル−4メチルフエノール0.1
重量%配合し、実施例8と同様にして500デニールの
モノフイラメントを製造した。
ただし、500デニールに調整するために、実施例8と
は、押出量を若干変えた。このモノフイラ′ントの外観
はプラスチツク様の透明性があり、数mを手でつかみ
んだときの感触はかたく、ゴワゴワしており、感触は非
常に悪かつた。
このモノフイラメントについて、実施例8と同様にして
、物性を測定した。
この結果は第8表に示す。実施例 9 実施例8で製造したモノフイラメントを用い、メリヤス
編機で、経編み形式の平編みで、目付約509/TIの
編物にした。
この編物は、白色で不透明性、柔かな、あたかも木綿糸
でつくつたような編物であつた。
この編物について、実施例2と同様にして、引張強伸度
、剛軟度、ヤング率を測定した。
この結果は第9表に示す。
参考例 9 参考例8で製造したモノフイラメントを用い、実施例9
と同様の方法で、編物をつくつた。
この編物は、透明性があり、かつテカテカした艶があり
、剛く、ゴワゴワした感触であつた。この編物について
、実施例8と同様にして、引張強伸度、剛軟度、ヤング
率を測定した。この結果を第9表に示す。
以上述べたように、本発明による延伸加工物、および該
延伸加工物からつくられる編網加工物、製織加工物は従
来のポリオレフインから成るそれらの加工物にはない、
優れた特長を有し、多汎な用途に極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の効果を定量的に表わすために用いた測定方
法の概略図である。 第1図は剛軟度の測定方法に関し、有孔表250m71
1のものである。1がサンプルである。 第2図〜第4図は曲げ回復性の測定方法を示すものであ
り、1は台、2はサンプル、3が荷重で、θは荷重をと
り除いた後の角度である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 無機充填剤を5〜70重量%含有するポリオレフィ
    ン組成物100重量部に対して、シアン酸エステルを0
    .1〜10重量部含むポリオレフィン組成物を基材とし
    、延伸加工した気孔率が10〜60%であるポリオレフ
    ィン加工物。 2 無機充填剤を5〜70重量%含有するポリオレフィ
    ン組成物100重量部に対して、シアン酸エステルを0
    .1〜10重量部含むポリオレフィン組成物を基材とし
    、延伸加工した気孔率が10〜60%であるポリオレフ
    ィン加工物を用いた編網又は製織加工物。
JP51157379A 1976-12-28 1976-12-28 ポリオレフィン可工物及びそれを用いた編網又は製織加工物 Expired JPS592688B2 (ja)

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