JPS592148B2 - コネクタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両のエアバッグ装置等の電気的接続に用いる
に好適するコネクタ装置に関する。

車両の衝突時、これの衝突が乗員に被害を及ぼす程度で
ある場合、ステアリングホィール等に格納されたエアバ
ッグを膨張展開し、乗員の車室前方への衝突を緩和する
ようにしたエアバッグ装置は知られている。かかるエア
バッグ装置は、車両の衝突がエアバッグを展開するのに
必要か否かを検出する衝突センサを備え、このセンサに
よる検出信号をエアバッグの起動装置に伝え、起爆剤に
点火し、ガス圧を解除し、或はガス圧を発生させ、発生
ガス圧及び空気によつてエアバッグを膨張展開させる。
ところでドライバー側にあつては、エアバッグ装置はス
テアリングホィールの中央部に格納され、起動装置、ガ
ス発生装置もこの周辺に付設されている。

一方上記センサはここから離れた部分に配設され、セン
サからステアリングホィールのエアバッグ装置迄電気的
に接続する必要があるが、ステアリングホィール、ステ
アリングシャフトは回転するのに対し、これの周囲は固
定であるため回転部分における電気的接続手段を採用せ
ざるを得ない。かかる回転部分の接続手段としては、リ
ングとブラシとを相対的に回転動させつつ摺接するスリ
ップリング機構のコネクタが用いられているが、かかる
形式のコネクタは長期間の使用でブラシやリングの接点
部の摩耗を生じ、接触不良が発生する虞があわ、長期に
亘る安定性を確保することが困難であること、長期間の
摺動で発生する金属微粉による短絡等の虞れがあること
、リングとブラシ間で発生するノイズが信号に混入し、
誤動作の虞れがあること、リングとブラシとの間で火花
が発生する等の不都合がある。

従つて最重要保安装置であわ、作動の絶対的信頼性、安
定性を前提とするエアバッグ装置の電気的接続手段とし
て採用することは最良とはいえない。以上の如くエアバ
ッグ装置の電気的接続手段の他、ステアリングホィール
には通常ホーン、即ち警音器の操作スイッチが付設され
、従つてこれの接続手段を上記エアバッグ装置の接続手
段と別途に設けたのでは部品の増加、取付の煩雑さ、取
付スペースの確保等の問題等が発生する。

本発明者等はエアバッグ装置等の如く絶対的な信頼性、
安定性を必要とする装置の電気的接続手段の上記問題点
及びこれに他の電気的接続手段を付設する場合の上記問
題点を解決すべく本発明をなしたものである。

本発明の目的は、ステアリングホィールの如き回転部側
材に取付支持された上ケースと、ステアリングコラムの
如き固定側部材に取付支持された下ケースとからなり、
この上下ケース間に外部から隔離された半径方向の内・
外に相互に区画された空間を設ける如くし、該空間内の
一方に複数回巻回され、両端を上下のケースの端子に各
接続された電気導体を収納し、他方の空間には各ケース
に夫々固定されたスリップリング及びブラシを摺接しつ
つ収納し、これらリング、ブラシの夫々を上下のケース
を通して電気機器の回路に接続する如くし、一つのコネ
クタ装置内に二つの接続要素を配設して複数の回転部分
の電気機器における接続を行わしめ、しかも一方が電気
的接続の絶対的な信頼性、安定性を確保することができ
、構造の簡単化、部品の減少、取付の簡素化、スペース
の有効利用等を企図し得る如くした車両のステアリング
周りに用いるに好適し、特にエアバック装置の実用化、
ステアリングホィール周りの電気機器の接続手段として
有益であるコネクタ装置を提供するにある。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従つて詳述する
。

第１図は車両のステアリングホィール周りの縦断側面図
、第２図乃至第４図はコネクタを示す図で、１はステア
リングホィールを示し、これのホィール部１ａの内径部
に設けたスポーク部２・・・でセンター部３に連結され
、センター部３は凹皿状をなし、この部分の上側にバッ
ド４が被冠され、センター部３の空間Ｓ内の底に支持さ
れたベース５の中央部にガス発生器６がノズル６ａ・・
・を備えて付設されている。

この下にガス発生器６を構成するボンベ等の圧力を過除
させるための駆動器７が設けられ、駆動器７への図示し
ない衝突センサによる信号の入力でガス発生器６の駆動
機構に点火等させ、ガス圧を解除し、或はガス圧を発生
させる。ガス発生器６上にはこれを囲む如くエアバッグ
８が折畳まれて格納され、エアバッグ８の膨張展開は、
ステアリングホィールセンター部のバッド４をバッグ８
の膨張で除去してなされ、ドライバー前面にエアバッグ
は膨張展開して臨み、衝撃を緩和する。ステアリングホ
ィール１のセンター部３の底にはボス部９が結着され、
これの中心部にステアリングシャフト１０の先端部１０
ａを止着し、ホィール１の回転はシャフト１０に伝えら
れ、操向操作がなされることとなる。

そしてシャフト１０のボス部９下側には該シャフト１０
を囲繞する如くステアリングコラム１１が設けられ、ス
テアリングコラム１１は固定側（不動側）で、これの周
りでセンター部３に近い部分迄カバー１２で覆われる。
そして上記したステアリングホィール１のスポーク部２
にはホーンスイッチ１３が設けられ、既知の如くバネに
よる弾圧力に抗して押圧することによりホーン（警音器
）の回路が閉成され、警音が発生する。第２図乃至第４
図はコネクタＡを示し、第２図の部分縦断面図の如くコ
ネクタＡは上ケース１４と下ケース１５とからなる。

下ケース１５は中央部に既述のボス部９のシャフト１０
上端部１０ａ周を囲む如く垂下された筒部９ａ周を囲繞
してこれと干渉しない縦通孔１５ａを内径部に有する筒
部１５ｂと、これの下部から半径方向に延出された円板
状本体１５ｃと、外辺部に二段に軸方向に高さを異なら
せて起立したリング状段部１５ｄ１リング状外壁１５ｅ
とからなる。上ケース１４は円板状本体１４ａを備え、
本体１４ａの内径部１４ｂを下ケース１５の筒部１５ｂ
上部外周に設けた係止段部１５ｆに係合し、上からクリ
ップ１６を係着し、上下のケース１４，１５は相互に軸
方向に拘束されつつも回転は自在に一体化されている。
上ケース１４の本体外辺部にはリング状に内壁１４ｃが
垂下され、これの先端１４ｄは下ケース１５の段部１５
ｄの内側に臨み、内壁１４ｃの外側には軸方向に高さを
異ならせた段部１４ｅ，１４ｆが二段に形成され、内側
の段部１４ｅは下ケース１５の段部１５ｄと軸方向に離
間して対峙し、又外側の段部１４ｆは下ケース１５の外
壁１５ｅ端と摺接する。以上の上下のケース１４，１５
には筒体１５ｅ外径部と内壁１４ｃ１上下に向い合う本
体１４ａ，１５ｃとの間に径方向に長さを有し、軸方向
に高さを有する円帯状の大きい内径側の第１の空間１７
が形成され、これに中立状態で左右への巻回動が自由な
る如く複数層に巻回された電気導体１８を収納する。

導体１８は第５図の如く例えばテープ状で、テープ状の
合成樹脂等の可撓絶縁体１８ａ内にテープ状の銅線１８
ｂ，１８ｂが並行して幅方向に離間して埋設され、導体
１８は丸状導体その他でも良い。かかる導体１８の一端
は上ケース１４の端子を介して既述のエアバッグ装置側
に、又他端は下ケース１４の端子を介して衝突センサ側
に各接続され、これらを含むエアバッグシステムの回路
を接続する。かくして上下ケース１４，１５の回転に伴
つて導体１８は両端が各ケースに固定され、右或は左に
巻き取られ、或は巻き戻され、複数回の回転を許容する
。又上下のケース１４，１５の上記空間１７の外辺部の
壁１４ｃと段部１４ｅ，１５ｄ１そして外壁１５ｅとの
間には小さいリング状の空間１９を形成し、この第２空
間１９は第１空間１７と画成されている。

第２空間１９の底にあたる段部１５ｄには導体で成形せ
るスリップリング２０を固設し、一方第２空間１９の天
井にあたる段部１４ｅには導体よりなるブラシ２１を固
設し、リング２０とブラシ２１は上下のケース１４，１
５の相対的回転動に伴つて摺接し、既述の導体１８とは
別個にこれと絶縁して回路を接続する。このリング２０
とブラシ２１は上下のケース１４，１５の夫ｋを通して
一方がホーンスイッチ１３側に、他方が警音器側、電源
側に各接続され、スイッチ１３の閉成押圧動で警音器の
回路を閉成する如く構成されている。以上のコネクタＡ
は円筒部１５ｂの内径部１５ａの既述のボス部９の筒部
９ａ周に嵌合する如くステアリングホィール１のセンタ
ー部３直下に配設し、上ケース１４をこれの上面に突設
した係止杆２２でボス部９の上部から半径方向に延出し
たフランジ部９ｂに連結する。

下ケース１５は底に軸方向下方に突出した係止杆２３で
コラム１１上端周に固設したブラケット部材２４等に連
結する。かくして上ケース１４はステアリングホィール
１と一緒に回転し、一方下ケース１５はコラム１１に支
持されて固定され、動かない。以上のステアリングホィ
ール１の操向回転時、これの回転を導体の巻き取り、巻
き戻しで許容しつつエアバッグシステムの回路を常時接
続し、又ノスリツプリングとブラシとの摺接で警音器の
回路を常時接続する。

以上図示例では導体を一本としたが、複数本を同時に収
納することも上記により容易に行え、又図示例では導体
を内径側の空間に収納したが、スリップリング、ブラシ
を内径側に小空間を形成して付設しても良く、外径側に
大空間を形成して導体をこれに収納しても良いが、導体
を内径室間に付設することにより巻取径が小さくなり、
導体の長さは短かくてすむ。

以上で明らかな如く本発明によれば、ステアリングホィ
ールとコラムの如く回転部分において、コネクタ内の導
線の巻き取り、巻き戻し、接点の固定で常時固定的に接
続するようにしたため、長期に亘り信頼性、安定性に優
れた電気的接続が行え、エアバッグ装置の如き高い信頼
性と作動の絶対的な確実性を要する装置に不可欠な信頼
性、安定性を保障し、エアバッグ装置の実用化上資する
処大である。

そしてかかる導体固定接点を採用しつつコネクタのケー
スの径方向に画成してスリップリング、ブラシを設けた
ため、エアバッグ装置の如く極めて厳格性を必要とせず
、通常の信頼性、安定性で足りる回転部分であるステア
リングホィールに付設される警音器のホーンスイッチ回
路の接続を一個のコネクタで行え、これを別設した場合
における取付構造の複雑化、取付作業数の増加、取付ス
ペースの問題等を一掃し、一個のコネクタで複数系統の
回転部分における接続が行え、特にエアバッグ装置をス
テアリングホィール部に備える車両の電気的接続手段と
して多大の利点を有し、更に上記により回転部分におけ
る複数の回路の接続を簡単な構造で安価に企図すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図はステア
リングホィール部の縦断側面図、第２図はコネクタ装置
の要部破断側面図、第３図は同平面図、第４図は同底面
図、第５図は導体の端断面図である。 尚図面中１はステアリングホィール、Ａはコネクタ、１
４は可動ケース、１５は固定ケース、１７，１９は空間
、１８は導体、２０はスリップリング、２１はブラシで
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転部材側に取付支持された可動ケースと、固定部
   材側に取付支持された固定ケースとからなり、このケー
   ス間に外部から隔離され、半径方向の内・外に相互に区
   画された空間を設け、該空間の一方に複数回巻回された
   電気導体を収納し、該電気導体の両端を上記可動、固定
   両ケースを通して電気回路に接続するとともに、他方の
   空間には導体のスリップリング及びブラシを収納し、リ
   ング、ブラシの夫々を上記両ケースの夫にに固定して該
   ケースを通して別個の電気回路に接続するようにしたこ
   とを特徴とするコネクタ装置。 ２ 前記電気導体は、前記内径側の空間に収納した前記
   特許請求の範囲第１項記載のコネクタ装置。