JPS5921089Y2 - ウエビングガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乗員保護用シートベルト装置に用いられるウェ
ビングガイドに係り、特に自動装着型シートベルト装置
に用いられてウェビング中間部を移動するためのウェビ
ングガイドに関する。

乗員拘束用ウェビングのインナ一端部が車両の略中央部
へ、アウタ一端部が車両ドアへそれぞれ係止されること
によりドア開放に応じてウェビング中間部が車両前後方
向へ移動し、乗員へ自動的にウェビングを装着、解除さ
せるいわゆる自動装着型シートベルト装置が提案されて
いる。

このシートベルト装置においては車両ドアの開放時にウ
ェビングの中間部を車両前方へ移動させてウェビングと
乗員用シートとの間の間隔を更に拡大するウェビングガ
イド装置を設けることが好ましい このウェビングガイド装置は車両前後方向へ移動すをア
ームの先端部に設けたガイドリングへウェビングの中間
部を挿通し、車両ドア開放時にアームを車両前方へ駆動
する構造となっている。

ところがこのウェビングガイド装置は乗員用シートと、
車両略中央部に設けられるパーキングブレーキレバー、
チェンジレバー等との間の狭い設置スペース内へ取りつ
けられるため、アームの回動時に乗員用シートのシート
クッションと接触したり、チェンジレバーの移動範囲と
干渉する不具合がある。

そこで本考案はアームが回動時に乗員用シート、チェン
ジレバー等の車内備品と干渉することのないウェビング
ガイド装置を提供することを目的としている。

本考案に係るウェビングガイド装置は、乗置用シートの
側方にアームが設置され車両前後方向へ所定角度回動さ
れて乗員拘束用ウェビングを移動させるウェビングガイ
ド装置において、前記アームの回動中心は水平面内で車
両横軸線から所定角度ずらしてアームの車両前方への回
動位置でアームの先端へ設けられるウェビング係止部を
アームの車両後方回動位置よりも車両横外側に配置させ
、かつ前記アームは車両前方回動位置にてシートクッシ
ョンの側面に略平行に立上げてシートクッション上側縁
に相当する中間部にシートクッション回避用の屈曲部を
設けるとともに屈曲部より上部をシートクッション上方
側に屈曲させたものであり、アームが車内備品を干渉し
ないように配慮したのである。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１．２図に示されている如く乗員拘束用ウェビング１
０のインナ一端部１２はコンソールボクス１４の開口１
６を通してコンソールボクス１４内へ導かれ、コンソー
ルボクス１４内へ配置されると共にブラケット１８を介
して車両略中央部のトンツル部２０へ固着された巻取装
置２２へ巻取られている。

この巻取装置２２は付勢力でウェビング１０を巻取って
いるが、車両緊急時にウェビング１０の巻出しを急激に
停止させるイナーシャロック機構が内蔵されている。

一方、ウェビング２１０のアウタ一端部２４にはタング
プレート２６が係止されており、このタングプレー１−
２６が車両ドア２８の上部へ固着された緊急時解離用バ
ックル装置３０へ係合されることによりアウタ一端部２
４がドア２８へ係止されている。

ごれによりドア２８を解放すれば第１図運転席に示され
る如く、ウェビング１０はそのインナ一端部１２が巻取
装置２２から巻出されると共に車両前方へ移動してシー
ト３２との間に乗員の乗車空間を形成することができる
ようになっている。

ウエビ蔦グガイド装置３４はそれぞれシート３２の車内
側側面に設けられており、アーム３６の先端にウェビン
グ係止部であるガイドリング３８が取りつけられており
、アーム３６は水平軸４０回りに車両前後方向へ回動可
能となっている。

このアーム３６は第１図に示される如くドア２８が開放
された場合には車両前方へ回動してガイドリング３８か
′さらにウェビング１０の中間部をシート３２の前方へ
移動させて乗員の乗降を容易とするようになっており、
ドア２８が閉止された場合には第１図助手席に示される
如く車両後方へ回動してウェビング１０の乗員への装着
を可能としている。

ここに水平軸４０は第３．４図に示される如くシート３
２内へ組み込まれた減速箱４２を経てモータ４４の駆動
力を受けるようになっている。

モータ４４は乗員の乗車状態を検出してアーム３６を回
動させるようになっており、即ちドア２８が開放された
場合にはアーム３６を第２図２点鎖線及び第５図実線で
示される略垂直位置まで車両前方へ回動させ、ドアが閉
止された場合には車両後方へ回動させるようになってい
る。

また第４図に示される如く水平軸４０の軸線４６は車両
の横軸線と平行な線４８に対し、角度θだけずれている
。

この角度θのずれている方向は、アーム３６が車両前方
へ回動位置（第５図示状態）でガイドリング３８が車両
後方への回動位置（第２図図示状態）よりも車両横側方
（第４図矢印穴方向）に配置される方向となっている。

従ってアーム３６が車両前方へ回動された場合に第６図
の如くアーム３６及び゛ガイドリング３８がチェンジレ
バーであるシフトノブ４９の移動軌跡５０と干渉するこ
とがなくなっている。

アーム３６の中間部は第６図に示される如く、車両後方
から見て「＜」字状に変形された屈曲部５２が設けられ
てシートクッション５４との当接回避用とされている。

−すなわちアーム３６の水平軸４０への取付部及びガイ
ドリング３８がそれぞれシートクッション５４の上下に
あるが、アーム３６の中間部に屈曲部５２が設けられて
車両縦軸線上に配置されるシフトノブ方向へ張り出して
いるため、アーム３６が回動してもシートクッション５
４と干渉することがない。

なお、第４図に示される如く、コンソールボクス１４に
はその両側に凹部５６が形成されており、これによって
シート３２がリャモスト位置でアーム３６が車両後方へ
回動してもガイドリング３８がコンソールボクス１４へ
当接することがないようになっている。

また、第２．４図から明らかなように、コンソールボク
ス１４に設けたウェビング挿通用の開口１６は前記アー
ム３６の回転軸心４６と直交する方向に沿って形成され
、アーム３６の回動時に巻取装置２２からアーム３６の
ガイドリング３８に略−直線に引き出されるようになっ
ている。

この結果、ウェビング１０の引き出しが極めて円滑とな
る。

このように構成された本実施例の作動を説明すると、乗
員が乗車するためにドア２８を開放すれば第１図運転席
で示される如くウェビング１０はドア２８の円弧運動に
従って車両前方へ移動されてインナ一端部１２が巻取装
置２２から巻出され、ウェビング１０の中間部はシート
３２と離間する。

さらに、ドアの開放によりモータ４４がアーム３６を車
両前方へ回動させるのでガイドリング３８はウェビング
１０の中間部を車両前方へ屈曲させてシート３２との間
隔を拡大する。

この場合、アーム３６の水平軸４０は角度θだけ車両横
軸線からずれており、またアームの中間部が屈曲してい
るので、アーム３６が車両前方へ回動された場合にもア
ーム３６、ガイドリング３８がシフトノブ４９、シート
クッション５４と干渉することはない。

これは、シート３２が第２〜４図に示されるリャモスト
位置にあを場合から第５図に示されるフロントモースト
位置へ移動されても同様であり、シート３２の位置に拘
らず干渉が生ずることはない。

乗員が着座後ドア２８を閉止すればウェビング１０のア
ウタ一端部２４はドアの閉止円弧運動に応じて車両後方
へ移動されると共にモータ４４が逆転するのでアーム３
６は車両後方へ回動され、第２図に実線で示される如く
ガイドリング３８はウェビング１０の中間部をシート３
２へと接近させる。

これによってウェビング１０は着座した乗員へ自動的に
装着される。

この場合にもアーム３６及びガイドリング３８はシフト
ノブ４９及びシートクッション５４へ当接することはな
い。

また乗員の降車時における作動は前記と逆であり、同様
にアーム３６、ガイドリング３８が車内備品と干渉する
ことはない。

車両が衝突時の緊急状態に陥った場合には巻取装置２２
内のイナーシャロック機構がウェビング１０の巻出しを
急激に停止させ、これによって乗員はウェビング１０で
確実に拘束され安全が保証される。

また衡突終了後にはタンクプレート２６をバックル装置
３０から脱落すれば乗員はウェビング１０の装着を解除
すると共に車外へ脱出可能である。

以上説明した如く本考案に係るウェビングガイド装置は
アームを回動させる水平軸を車両横軸線から所定角度ず
らすと共に、アームの中間部に屈曲部５２を設けたので
アーム及びウェビング係止部が車内備品と干渉すること
がなくなる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウェビングガイド装置の実施例を
示す斜視図、第２図は乗員用シートが車両最後方位置に
ある場合に車両横方向から見たウェビングガイド装置の
正面図、第３図は第２図の右側面図、第４図は第２図の
平面図に相当しアームが車両前方へ回動した状態を示す
平面図、第５図は第２図図示状態からシートが車両最前
方位置へ移動した状態を示す正面図、第６図は第５図の
右側面図である。 １０・・・ウェビング、３４・・・ウェビングガイド装
置、３６・・・アーム、３８・・・ガイドリング、４６
・・・軸線、５２・・・屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗員用シートの側方にアームが設置され車両前後方向へ
   所定角度回動されて乗員拘束用ウェビングを移動させる
   ウェビングガイド装置において、前記アームの回動中心
   は水平面内で車両横軸線から所定角度ずらしてアームの
   車両前方への回動位置でアームの先端へ設けられるウェ
   ビング係止部をアームの車両後方回動位置よりも車両横
   外側に配置させ、かつ前記アームは車両前方回動位置に
   てシートクッションの側面に略平行に立上げてシートク
   ッション上側縁に相当する中間部にシートクッション回
   避用の屈曲部を設けるとともに屈曲部より上部をシート
   クッション上方側に屈曲させたことを特徴とするウェビ
   ングガイド装置。