JPS5920Y2 - 穀稈収穫機における穀稈掻込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、株元チェノに殻稈を掻込供給する殻稈収穫機
における殻稈掻込装置に関するものである。

一般に、コンバイン等の殻稈収穫機においては、走行機
体の前部に後傾状の殻稈梳起体を設け、該殻稈梳起体に
よって穂先側が梳起された殻稈の株元側はスターホイー
ルを介して後方の株元搬送チェノに掻込供給して後方に
搬送するようになっている。

この場合、左右の分草体間全幅にわたって植立する立毛
殻稈を刈刃によって刈取って後方に搬送することとなる
が、立毛殻稈が刈取られる直前に、該立毛殻稈は、その
株元部が植付位置に位置したまま穂先部側が殻稈梳起体
によって中央部側に梳起されて、正面視において逆Ｖ字
状に傾斜した姿勢となっている。

このため、第７図、第８図で示すように、従来知られて
いる歯先頂部が上下方向に一致した上下二段のスターホ
イール６’、７’で掻寄せて株元チェノに掻込もうとす
ると、下段スターホイール６′がまず株元部に当接して
から上段スターホイール７′が株元部に当接して掻寄せ
掻込み作用を行うこととなって、殻稈の株元部が折れ曲
がってしまい、従って、殻稈姿勢が乱れ、株元揃いが悪
くなって、脱穀機での扱残し、巻付等が発生してしまう
欠点があった。

本考案は、上記の如き実状に鑑み、これらの欠点を一掃
すべく創案されたものであって、株元搬送チェノの搬送
始端部を挾む上下二段のスターホイールを、下段スター
ホイールの歯先頂部が上段スターホイールの歯先頂部か
ら歯溝谷部までの範囲内で回転方向後方側に偏立させる
ことによって、株元部は植付位置に位置したまま、穂先
部側が殻稈梳起体によって中央部に寄せられた傾斜姿勢
となった殻稈を、上記偏位した上下二段のスターホイー
ルによって株元部が折れ曲ることなくそのままの姿勢で
掻寄せることができ、もって殻稈姿勢の乱れがなく、株
元揃いを良くし得て、脱穀機での扱残し、巻付等を解消
できる殻稈収穫機における殻稈掻込装置を提供せんとす
るものである。

本考案の構成を、図面に示された一実施例によって説明
すれば、１は殻稈収穫機であをコンバインの機体前部下
方に装備された刈刃であって、該刈刃１の左右両端前方
部には分草体２が配設されている。

３は上記分草体２の対向間の殻稈を梳起す左右一対の殻
稈梳起体であって、該殻稈梳起体３は刈刃１の前方刈取
地面位置から機体の後方上方に向けて後傾状に斜設され
ており、その上下両端部にはスプライン係合するスプロ
ケット（図示せず）が内装軸支され、これらのスプロケ
ット間に懸回された無端チェノに殻稈梳起爪４が等間隔
に起倒自在に装着されていて、殻稈の梳起作用を行うよ
うになっている。

５，５ａは左右の株元搬送チェノであって、該株元搬送
チェノ５，５ａの搬送始端側は殻稈梳起体３の後方下側
に位置して後述する上下二段のスターホイール６．７間
に介装したスプロケット８に懸架されている。

そして、一方の株元搬送チェノ５の搬送終端部は機体に
搭載した脱穀部のフィートチエン９の穀送始端部に臨ま
せており、他方の株元搬送チェノ５ａの搬送終端部は前
記分草体２間の中央部に設けられた中央分草体１０の後
方中央部で一方の株元搬送チェノ５に合流するように臨
ませている。

一方、前記上下二段のスターホイール６．７は株元搬送
チェノ５，５ａを挾む上下位置に位置しているが、第６
図に示すように、下段スターホイール７の歯先頂部７ａ
は、上段スターホイール６の歯先頂部６ａから歯溝谷部
６ｂまでの角度θの範囲内にて回転方向後方側に偏位さ
せてセットされている。

すなわち前述の傾斜状の殻稈稈集方向に上下段のスター
ホイルの歯溝各部が対応するように偏位させることが望
ましい。

そして、左右の分草体２間に植立する立毛殻稈は、株元
部が植立位置に位置したままで、殻稈梳起体３によって
穂先部側が中央部に梳寄せられた傾斜姿勢となった状態
で刈取られその傾斜状態の殻稈の株元部を上記二段のス
ターホイール６．７によって左右より中央に掻寄せ、中
央分草体１０に掻送案内されながら株元搬送チェノ５，
５ａに掻込供給されるようになっている。

１１は殻稈穂先部搬送体であって、該殻稈穂先部搬送体
１１は株元搬送チェノ５の上方に位置して、殻稈梳起体
３による梳起作用が終了する時点で殻稈Ｓの穂先部側を
受継いて脱穀機の扱口に搬送供給するものである。

１２は扱深さ調節をする扱深さ調節体である。

次に、叙上の如く構成された本考案の作用について説明
する。

いま、刈刃１、殻稈梳起体３および株元搬送チェノ５，
５ａ等を駆動させながら機体を圃場に植立する立毛殻稈
群Ｓに突入させると、左右の分草体２間に植立する立毛
殻稈が分草されることとなるが、該立毛殻稈Ｓの穂先部
側は、殻稈梳起体３によって株元側から穂先側に向けて
順次梳起される一方では、殻稈Ｓの株元部は刈刃１によ
る刈取作用を受ける。

そして刈取られた殻稈Ｓは株元部はスターホイール６．
７によって中央に掻寄せられ中央分草体１０によって搬
送案内されながら株元搬送チェノ５，５ａに掻込供給さ
れる。

そして、殻稈梳起体３による梳起作用が終了する時点で
左右両方向から搬送される株元元部は合流して株元搬送
チェノ５のむで搬送され、穂先部は殻稈穂先部搬送体１
１に受継がれて、さらに後方に搬送される。

次いで、殻稈Ｓは扱深さ調節体１２による扱深さ調節作
用を受けながら株元部はフィートチエン９に引継がれ、
穂先部は脱穀機の扱口から扱室内に供給されて脱穀作用
を受けることとなる。

ところで、上記の様な殻稈Ｓの刈取搬送に際し、左右分
草体２間の左右横方向に幅広く植立する立毛殻稈Ｓは、
株元部が植立位置に位置したままで、穂先部側のみは第
４図、第５図に示すように殻稈梳起体３によって中央部
側に梳寄せられて正面視において逆Ｖ字状の傾斜姿勢と
なっておりこの傾斜姿勢の殻稈Ｓに対して上下のスター
ホイール６．７による掻寄せ作用を受けることとなる。

しかしながら、株元搬送チェノ５，５ａを挾んだ上下二
段のスターホイール６．７は、その回転方向に対し下段
スターホイール７の歯先頂部７ａが上段スターホイール
６の歯先頂部６ａから歯溝谷部６ｂの角度θの範囲内で
後方に偏位し、このため両スターホイール６．７の歯先
頂部６ａ、７ａが殻稈Ｓの傾斜方向と略一致するように
偏位することとなるため、傾斜した殻稈がスターホイー
ル６．７によって掻寄せられる場合に、歯先頂部５ａ、
７ａが上下に一致したもののように株元部が折れ曲って
掻寄せられることはない。

従って、スターホイール６．７による掻寄せ掻込作用が
良好となって殻稈姿勢が乱れることはなく、株元揃いが
良好となる。

従って、殻稈Ｓは穂先部も揃い、正確な扱深さ調節作用
を受けながら脱穀機に供給され、扱残し、巻付等を生ず
ることなく脱穀されることとなる。

尚、上記実施例においては、スターホイール６．７のス
プロケット８は株元搬送チェノ５，５ａを懸架したがこ
れに限定されるものではなく、株元搬送チェノ５，５ａ
の搬送始端側を挾んだ上下に該株元搬送チェノ５，５ａ
のスプロケットとは別個に駆動回転する二段のスターホ
イール６．７を設けたものであってもよいことはもちろ
んである。

さらに、両スターホイール６．７の偏位角を殻稈の傾斜
度合に対応するように自在に調節可能にしておけば、さ
らによい。

以上要するに、本考案は、殻稈梳起体の後方に株元搬送
チェノを設けた殻稈収穫機において、上記株元搬送チェ
ノの搬送始端部を挾んで上下に二段の殻稈掻込用のスタ
ーホイールを設け、上記下段スターホイールの歯先頂部
を、上段スタ・−ホイールの歯先頂部から歯溝谷部まで
の範囲内でスターホイールの回転方向後方側に所定角度
だけ偏位させて軸設したことから、上下のスターホイー
ルの歯先頂部が、株元部は植立位置に位置したままで穂
先部が梳起されて中央部側によった傾斜姿勢となった殻
稈の稈身方向に沿うように偏位することとなって、上下
のスターホイールの歯先頂部が上下方向に一致している
従来のもののように株元部の掻寄せ掻込みの際に株元部
を折曲させることなく、傾斜した殻稈姿勢に適合させた
状態で掻寄せることかでき、従って、殻稈姿勢が乱れた
り、株元揃いが不良となることはなく適正姿勢で株元搬
送チェノに搬込供給することができ、もって脱穀機での
扱残し、巻付等を未然に防止した円滑な脱穀作業をする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の殻稈収穀機における殻稈掻込装置の一
実施例を示すものであって、第１図はコンバイン前部の
要部側面図、第２図は同上正面図、第３図は要部拡大側
面図、第４図は要部拡大正面図、第５図は要部詳細斜視
図、第６図は要部詳細平面図、第７図、第８図は従来例
を示す説明図である。 図中、３は殻稈梳起体、５，５ａは株元搬送チェノ、６
は上段スターホイール、６ａはその歯先頂部、６ｂは同
上歯溝谷部、７は下段スターホイール、７ａはその歯先
頂部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 殻稈梳起体の後方に株元搬送チェノを設けた殻稈収穫機
   において、上記株元搬送チェノの搬送始端部を挾んだ上
   下に二段の殻稈掻込用のスターホイールを設け、上記下
   段スターホイールの歯先頂部を、上段スターホイールの
   歯先頂部から歯溝谷部までの範囲内でスターホイールの
   回転方向後方側に所定角度だけ偏位させて軸設したこと
   を特徴とする殻稈収穫機における殻稈掻込装置。