JPS591908Y2 - 船舶の倒立式ハッチカバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶の倒立式バッチカバーの構造に関するもの
である。

カーゴ−バージにて貨物を第１図および第２図に示す船
舶１に積載して運送する際、海水や雨水に貨物を漏らさ
ないため、船舶１をバッチカバー２で閉塞し、その上に
シートをかぶせて艙内への浸水を防止している。

しかしてこのバッチカバー２の開閉作業はバッチカバー
２を、バッチコーミング上に船舶の前後方向に設けられ
た走行用レール６および゛バランシングローラー用レー
ル５上を移動して行うものであり、開放時には船首およ
び船尾方向に設けた格納場所に直立格納される構造であ
る。

しかしてその開放作業はまず両端のバッチカバー２を直
立させ、次のバッチカバー２を格納場所まで移動し直立
させ格納し、順次同じ作業を繰り返えして開放作業を終
了し、閉塞作業は開放作業とは逆に一番中央のバッチカ
バー２を転倒する際は、バランシングローラー４がバラ
ンシングローラー用レール５上にあり、走行用ローラー
３は走行用レール６から離れており、バッチカバー２は
バランシングローラー取付軸７を中心に回転する。

しかして従来のバッチカバー２は、第４図に示す如く、
例えばバッチカバー２の両側部８に車軸７が溶接固定さ
れており、その軸にバランシングローラー４が割りピン
１０にて取付けである。

この軸７の中心はバッチカバー２を直立させた時に重量
によるバランスを取り、安定させるためバッチカバー２
の両側部８の長さ方向の中心から、予めバランシングロ
ーラー４の半径より少し大きい距離だけ立上り側へずれ
たところに取付けである。

そのため第５図に示すようにバッチカバー２を閉塞する
場合にバッチカバー２の重心Ｗの作用点と反力Ｒの作用
点との距離がバッチカバー２が直立するに従って大きく
なり、その結果モーメントが大きくなるため、開閉作業
に要する力も大きくなる。

本考案の目的はかかる開閉作業を著しく軽減しうる船舶
の倒立式バッチカバーを提供するもので、その要旨とす
るところは、船舶のバッチコーミング上に、船舶の前後
方向に設けられた走行用レールおよび゛バランシングロ
ーラー用レール上を、走行用ローラーおよびバランシン
グローラーにより移動して、船首および船尾に設けられ
た格納場所に倒立状態で格納されるようにした倒立式バ
ッチカバーにおいて、バッチカバー１２の両側部１８の
中央に固定軸２３を設け、該固定軸に回動レバー２４の
一端を回動自在に取付け、該回動レバーの他端にバラン
シングローラー２２の軸２５を装着し、また前記両側部
１Ｂに、ハツチカバー１２がバランシングローラー用レ
ール２７上で直立状態にもたらされる以前に回動レバー
２４の側面に当接するストッパー２８を設けてなる船舶
の倒立式ハツチカバーにある。

本考案を第６図〜第９図に示す実施例にもとすいて説明
する。

本考案のハツチカバー１２は、第６図および第７図イ９
０に示す如く、その両側部１Ｂに走行用ローラー２６を
有すると共に、バランシングローラー２２を両側部１８
に直接取付けずに、２つの走行用ローラー２６の中間に
固定軸２３を設け、該固定軸２３に、回動レバー２４の
一端を回動自在に取付け、該レバーの他端にバランシン
グローラー２２の軸２５を装着してなる。

図においては１９は走行用レール、２７はバランシング
ローラー用レールであり、走行用レール１９はハツチコ
ーミング上に船舶の前後方向に配設され、バランシング
ローラー用レール２７は艙口の船首、船尾に設けたハツ
チカバー用格納場所の上方に配設される。

ハツチカバー１２の船舶の前後方向への開閉時における
走行は第８図に示す如く、従来のハツチカバーと同様に
走行用レール１９上を走行用ローラー２６が走り、次い
でバランシングローラー用レール２７上をバランシング
ローラー２２が走るようになっている。

ハツチカバー１２の格納に際して、ハツチカバー１２は
走行用ローラー２６により走行用レール１９上を走り、
格納場所に近づくとバランシングローラー２２がバラン
シングローラー用レール２７上を走り、ある程度迄走れ
ば走行用ローラー２６はレール１９から離れる。

その際にハツチカバー１２を第９図に示す如く傾けて行
き、はぼ垂直の状態で格納するが、ハツチカバー１２を
ほぼ垂直の状態で吊り合わせるために、ハツチカバー１
２がほぼ８０°の傾きになったところで回動レバー２４
の側面に当接するストッパー２８を両側部１８に設ける
。

かくしてストッパー２８はハツチカバー１２が垂直に倒
立するに従って、回動レバー２４を押圧して傾け、第９
図に示す如く反力Ｒと重量Ｗとが吊り合った状態で格納
される。

本考案のハツチカバーは以上の如き構成であるから、第
９図に示すとおり、重心と反力の作用点の距離が非常に
短く、通常の大きさのハツチカバーの場合、９ｋｇ程度
の力で倒れるようになり、従って２人の作業員でハツチ
カバーの開閉作業が可能となった。

之に対して従来型式のハツチカバーの場合には第５図に
示す如く重心の作用点と反力の作用点の距離が大きいた
めにハツチカバーを倒す力として約８０ ｋｇ必要であ
り４人の作業具を必要とするものであり、本考案の効果
が著しく優れていることが明らかで゛ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は倒立式ハツチカバーを有する船舶の側面図、第
２図は同上平面図、第３図は従来の倒立式ハツチカバー
の格納状態を示す説明図、第４図イ９０は従来のハツチ
カバーのバランシングローラーの取付状態を示す図、第
５図は従来のハツチカバーの倒立に際しての重心Ｗの作
用点と反力Ｒの作用点の関係を示す図、第６図は本考案
のハツチカバーの斜視図、第７図イは本考案のハツチカ
バーのバランシングローラーの取付状態を示す断面図、
口は同上側面図、第８図は本考案のハツチカバーの格納
状態を示す説明図、第９図は本考案のハツチカバーの倒
立に際しての重心Ｗの作用点と反力Ｒの作用点との関係
を示す図である。 １２・・・ハツチカバー、１８・・・両側部、２２・・
・バランシングローラー、２３・・・固定軸、２４・・
・回動レバー、２５・・・軸、２７・・・バランシング
ローラー用レール、２Ｂ・・・ストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船舶のバッチコーミング上に、船舶の前後方向に設けら
   れた走行用レールおよびバランシングローラー用レール
   上を、走行用ローラーおよびバランシングローラーによ
   り移動して、船首および船尾に設けられた格納場所に倒
   立状態で格納されつるようにした倒立式バッチカバーに
   おいて、／’％ツチカバー１２の両側部１Ｂの中央に固
   定軸２３を設け、該固定軸に回動レバー２４の一端を回
   動自在に取付け、該回動レバーの他端にバランシングロ
   ーラー２２の軸２５を装着し、また前記両側部１Ｂに、
   バッチカバー１２がバランシングローラー用レール２７
   上で直立状態にもたらされる以前に回動レバー２４の側
   面に当接するストッパー２８を設けてなる船舶の倒立式
   バッチカバー