JPS591904B2 - ラジアルシ−ル用金属ｏリング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、弾性能を有するラジアルシール用の金属シー
ル材に関する。

高温流体のシールには、シール材としてニジストマーを
用いることができず、そのため金属、アスベスト、黒鉛
等が用いられている。

しかし、これらの材料は、大部分がフェイスシール（フ
ランジ型）用であり、ラジアルシール用としてはその弾
性的限界からほとんど用いられていない。

ラジアルシール装置では、シール性が良く、かつ管内へ
のシール装置の出し入れが容易に行えることが必要であ
るが、従来の金属Ｏリングを用いると、シール性能はと
もかく、延性材料でできているため、引抜く時に変形が
元に戻らず、管内面を傷つけたり、あるいは引抜くこと
ができなくなることがある。

、本：発明は、このような従来技術の実情に鑑みなされ
たものであって、その目的は、シール面を傷つけること
なく容易にシール装置を着脱することができ、しかもシ
ール条件に最も適したものを容易に製作できるようなラ
ジアルシール用の金属０リングを提供することにある。

即ち本発明は、弾性リングと、該弾性リングと径を異に
し且つ該弾性リングの変形を案内する剛体リングとを重
ね、両リングを延性金属薄膜で一体的に被包して成り、
これを軸方向間隔が調節可能な２つの部材間に配設し、
該２部材の間隔を調節することによって弾性リングを径
方向に変形可能としたラジアルシール用金属Ｏリングで
ある。

以下、図面に基づき本発明について詳述する。

第１図は前記目的を達成するため案出された参考例を示
す一部破断斜視図であり、直接シール作用をする弾性リ
ング１と、該弾性リング１の変形を案内する剛体りング
２とを組合せてなる。

弾性リング１は剛体リング２よりもやや大径で、リング
中心軸方向に重ねられた構造となって腔る。

弾性リング１および剛体リング２は、一般には中実体テ
アリ、弾性リング１の材質は、チタン合金、一般バネ材
、燐青銅、洋金などが適している。

また剛体リング２の材質は硬い材料であれば何でもよく
、例えばマルテンサイト系ステンレス、フェライト系ス
テンレス、インコネル等を用いることができる。

この金属０ ’Ｊソングールに軸方向の押え付は力を作
用させると、弾性リング１は剛性リング２の上を滑りな
がら径が拡がるように変形し、シール機能を果す。

この押え付は力を除けば、弾性リング１はそのスプリン
グバック力により最初の状態に戻る。

第２図、第３図にこの金属０リングシールの使用例を示
す。

第２図は管５の内部に金属０１Ｊングシール４を使用し
たシール装置を装着した状態を示す。

シール装置は、剛体リング２を受ける面６ａを備えた支
え板６と、金属Ｏリングシール４と弾性リング１に当接
する傾斜面７ａを備えた押し板７とを有する。

シール装置の外径は管５の内径よりも小さく、シール装
置はスムーズに管内に挿入できる。

所定の位置で押し板７に軸方向の押圧力Ｆを加え金属Ｏ
リング４を押える。

すると、押圧力Ｆにより弾性リング１は剛体リング２の
上を滑りながら押し拡げられ管５の内面に接触し押えつ
けられシールが行われる。

この状態が第３図である。

つまりこの場合、弾性リング１がシール作用を果す。

使用中、押圧力Ｆと同じ方向に圧力が加われば、このシ
ール装置は自給性を発揮する。

次に、力Ｆを除くと、スプリングバック力により弾性リ
ング１は剛体リング２の上を滑り、元の状態（第２図の
状態）ＩＬ戻る。

それ故、シール装置は容易に管内から引抜くことができ
る。

しか賦このような参考例で示した技術では、実際に使用
してみると種々の不都合が生じる。

たとえば、用途によっては弾性リングにエラストマー等
を用いたくても、空気中では酸素などによって脆化し易
いため使用できず、最適シール条件を実現できない場合
もあるし、また、弾性リングと剛体リングを重ね合せた
だけのため、ばらばらになり取扱いが面倒で、締付は時
に位置ずれが生じる虞もある。

このような欠点を解消できるよう更に改良されたものが
次に述べる本発明の０リングである。

第４図は本発明の一実施例を示す一部破断斜視図であり
、弾性リング１１と該弾性リング１１の変形を案内する
剛体リング１２とを重ね、両リングを延性金属薄膜１３
で一体的に被包してなるものである。

弾性リング１１は剛体リング１２よりもやや大径で、リ
ング中心軸力向に重ねられた構造となっている。

弾性リング１１と剛体リング１２との構造、材質は前記
参考例のものと同じであってよい。

更に、弾性リング１１は、コイルでリング状に成形した
ものであってもよ＜、ピアノ線等も使用可能である。

金、属薄膜１３は延性に富む材質が好ましく、例えば銀
、金、ニッケル、オーステナイト系ステンレス、鉛、ア
ルミニウム等を用いることができる。

動作的にも、前記参考例とほぼ同じであるが、シール機
能は金属薄膜１３によって果される。

第５図、第６図にこの金属Ｏリングシールの使用例を示
す。

使用法は前記した第１番目の発明の場合と同じであって
よい。

シール装置の外径は管５の内径よりも小すく、それ故シ
ール装置はスムーズに管内所定の位置まで挿入できる。

核部で押し板７に軸方向の押圧力Ｆを加え金、属Ｏリン
グ１４を押える。

すると、その押圧力Ｆにより弾性リング１１は剛体リン
グ１２の上を滑りながら押し拡げられ、その結果、延性
金属薄膜１３が管５の内面に接触し押えつけられシール
が行われる。

この状態が第６図である。

この時、力Ｆと同じ方向に圧力が加われば、このシール
装置は自給性を発揮する。

次に力Ｆを除くと、スプリングバック力により弾性リン
グ１１は剛体リング１２の上を滑り、最初の状態（第５
図）に戻り、従ってシール装置を管５内から容易に引抜
くことができる。

特にこのような構成とすると、０リングを構成する各部
材がそれぞれ異なった役目を担っており、それ故各部の
形状、材質を適当に組合せることにより、シール条件に
最も合ったＯリングを作ることができる。

つまり、シール部の形状に合わせて弾性リングと剛体リ
ングの位置および寸法関係を決め、さらにそれらの断面
形状およびリング形状をも決めることができる。

また、シール流体条件（温度、圧力、流体等）により弾
性リング、剛体リング、金属薄膜の材質を独立に選定し
、組合わせることにより最適の０リングを作ることがで
きるのである。

次に、弾性リング１１の変形を案内する剛体リング１２
の断面は必ずしも円形である必要はない。

例えば第７図に示すように、剛体リング１２における弾
性リング１１の滑り面を傾斜平面状としてもよい。

また、シール装置の押し板７の金属薄膜１３との当接面
は、前記各実施例のように斜面として外方に該弾性リン
グ１１を押し拡げ易い形状とするのがよいが、場合によ
っては第８図に示すように平板形状であってもかまわな
い。

さて以上の実施例は全てＯリングの外径を変化させるも
のであったが、第９図、第１０図に示すように内径を変
化させるものであってもよい。

ここで、金属０リングは、弾性リング２１と、該弾性リ
ング２１の変形を案内する剛体リング２２とをリング中
心軸方向に重ね、両リングを延性金属薄板２３で一体的
に被包した構造となっている。

各部材の材質は前述した如きものであってよい。

この実施例は内管２５と外管３０との間をシールするも
のであり、外管３０の受は座２６上に位置するように、
金属０ ’Ｊソング４並びに押し環２７が内管２５の外
周に挿入される。

押し環２７Ｅ軸方向の押圧力Ｆを加え、金属０リング２
４を押える。

するとその押圧力Ｆにより弾性リング２１は剛体リング
２２の上を滑りながら押し狭められ、その結果延性金−
属薄膜２３が内管２５の外面に接触し押えつけられシー
ルが行われる（第１０図参照）。

力Ｆを除けばスプリングバンク力により弾性リング２１
は剛体リング２２の上を滑り、最初の状態に戻るから容
易にシール装置を取外すことができる。

本発明は上記のように構成された弾性能を有する金属Ｏ
リングであり弾性リングと剛体リングとが延性金属薄膜
によって一体的に被包されているから、′取扱いが通常
の０リングと同様に容易であるし、シールは延性金属薄
膜で青々われるため極めて良好であり、装着及び離脱時
にシール面に損傷を与えることなくスムーズなシール装
置の管内挿入、引抜きが行え、それ故、管内シール面は
常に清浄に保たれ再度の使用に十分耐えることができる
、つまりラジアルシール用のシール材として使用するこ
とができるし、各構成部材の材質並びに形状等を適宜選
択し組合せることができ、それ故、例えば空気中では酸
素などによって脆化し易いニジストマーでも延性金属薄
膜で被包されているため脆化を防止でき、耐久性を向上
させることができるのでシール条件ニ最適のシール性の
良い０リングを作ることができるといった数々のすぐれ
た効果を奏しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は参考例を示す一部破断斜視図、第２図、第３図
はその使用状態を示す説明図、第４図は本発明の一実施
例を示す一部破断斜視図、第５図、第６図はその使用状
態を示す説明図、第７図、第８図、第９図、第１０図は
それぞれ本発明の他の実施例を示す説明図である。 １．１１．’２１・・・・・・弾性リング、２，１２゜
２２・・・・・・剛体リング、１３，２３・・・・・・
延性金属薄膜。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 弾性リングと、該弾性リングと径を異にし且つ該弾
   性リングの変形を案内する剛体リングとを重ね、両リン
   グを延性金属薄膜で一体的に被包して成り、これを軸方
   向間隔が調節可能な２つの部材間に配設し、該２部材の
   間隔を調節することによって弾性リングを径方向に変形
   可能としたラジアルシール用金属Ｏリング。