JP3110307B2 - メタルガスケット - Google Patents

メタルガスケット

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JP3110307B2
JP3110307B2 JP08074579A JP7457996A JP3110307B2 JP 3110307 B2 JP3110307 B2 JP 3110307B2 JP 08074579 A JP08074579 A JP 08074579A JP 7457996 A JP7457996 A JP 7457996A JP 3110307 B2 JP3110307 B2 JP 3110307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力分野、半導
体分野などにおける各種配管、機械設備など高温高圧、
真空などの過酷な条件でシール部材として用いられるメ
タルガスケットに関し、特に低い締め付け力でシール性
が良好なメタルガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタルガスケットは、その高
い気密性、耐熱性などに優れるために、原子力分野、半
導体分野などにおける各種配管、機械設備など高温、高
圧、真空、低温などの過酷な条件下において広範に用い
られている。しかしながら、メタルガスケットは、エラ
ストマーなどの弾性部材から構成されるいわゆるソフト
ガスケットに比較して、メタルガスケットに塑性変形を
生じさせてシール効果を維持するために、大きな締めつ
け力が必要であるため、例えば、配管などの継ぎ目のフ
ランジやこれを締結するためのボルトをこのような大き
な締めつけ力に耐えうるようにするために、フランジ厚
やボルト径を大きくしなければならず、機器が大型化し
てしまい、またコストが高くなるなどの問題があリ、シ
ールに必要な締め付け力の低減が望まれていた。
【0003】ところで、メタルガスケットを用いて、図
13に示したように、例えば、配管200、202の継
ぎ目などを締め付けてシールする際には、配管のフラン
ジ204、206に装着したボルト203を締め付ける
ことによって、メタルガスケット210の表面、特にフ
ランジ面204a、206aと当接して押圧されるシー
ル面212、214が、フランジ面204a、206a
の微小な形状に沿うように塑性変形して、気密性(シー
ル性)が保持される。このシール性を確保するために
は、ある一定以上の応力が必要であり、この応力が気密
開始応力S0であるが、図14に示したように、ガスケ
ットのシールに必要な締め付け力Sは、安定したシール
性能を得るために、気密開始応力S0よりも高い締め付
け力が必要である。従って、シールに必要な締め付け力
Sを低減するためには、この気密開始応力S0を低減す
る必要がある。すなわち、図14に示したように、シー
ルのためにSの締め付け力を必要とするガスケットにお
いて、シールに必要な締め付け力をS’まで低減するた
めには、気密開始応力を、S’0にまで低減する必要が
ある。
【0004】これに対して、特開平2−113171号
公報及び特公平6−56211号公報では、図15に示
したように、断面略C字形状のアルミニウムなどの金属
からなる外側ケーシング116の内部に、第1のケーシ
ング114とコイルスプリング112を嵌着するととも
に、外側ケーシング116のシール面となる支持面11
8に周方向に設けられた環状の突起部分120を形成し
ている。これによって、この突起部分120に応力集中
させるとともに、この突起部分によって接触面積を減少
することによって、同じ締め付け力に対して発生する応
力(すなわち、単位面積当たりの圧力)を増加させて、
気密開始応力を低減させて、シールに必要な締め付け力
の低減を図り、シール性能を向上することが行われてい
る。
【0005】一方、このようにメタルガスケットのシー
ル面となる支持面118に周方向に環状の突起部分12
0を形成する代わりに、図示しないが、配管の継ぎ目な
どのシールすべき部材のフランジのシール面(すなわ
ち、メタルガスケット101が押圧されシール面となる
面)に、環状の突起部分を設けたり、環状の溝部を設け
て、シールに必要な締め付け力の低減を図り、シール性
能を向上することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−113171号公報及び特公平6−56211号公
報に示したように、シール面となる支持面118に周方
向に環状の突起部分120を設けたメタルガスケットで
は、メタルガスケットの材質によっては、気密開始応力
に至る前に突起部分120に塑性変形が生じて、メタル
ガスケットのシール面とフランジとの接触面積が大きく
なって、同じ締め付け力に対して発生する応力が減少
し、気密開始応力が低減せず、シールに必要な締め付け
力の低減効果が得られなかった。また、ボルトによるフ
ランジの締め付けに伴って、突起部分120にクリープ
現象が生じて突起部分が周囲に流れてしまうので、高温
時及び高温経過後の常温時にシール性能が低下するおそ
れがある。さらに、突起部分120がメタルガスケット
の外側に突出しているために、運搬、取り扱いなどの際
に他の部材と接触するなどして、突起先端部が損傷する
おそれがあり、シール性が低下することになり、また、
メタルガスケットの外側に突起部分120を設けるため
に、その製作工程が複雑でコスト高となり好ましくなか
った。
【0007】また、シールすべき部材のフランジのシー
ル面に、環状の突起部分や溝部を設けてシールに必要な
締め付け力の低減を図り、シール性能を向上する方法で
は、シールすべき部材の構造によっては、溝や突起部分
の形成のために複雑な工程が必要でコストが高となって
いた。また、ガスケットの幅が小さい場合には、ガスケ
ットのシール面とこれらの突起部分や溝部との位置合わ
せが難しく、位置ずれによってシール性の低下をきたす
おそれがあり好ましくなかった。さらに、これらのフラ
ンジの突起部分や溝部が、運搬、取り扱いなどの際に他
の部材と接触するなどして、損傷してシール性が損なわ
れた場合には、いったん締め付けたフランジを取り外し
て、加工し直す必要があり、煩雑な作業が必要であっ
た。
【0008】本発明は、このような現状に鑑みて、シー
ルに必要な締め付け力が低く、シール性能が向上するこ
とが可能で、しかも、シール面の損傷が生じることがな
く、高温、高圧時などにおいてもシール性が低下するお
それのなく、取り扱いも簡単なメタルガスケットを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明のメタルガスケットは、
環状のメタルガスケットのシールすべき部材のフランジ
面と接触する両側のシール面にそれぞれ、メタルガスケ
ットの周方向に形設された少なくとも一つの環状の凹溝
を備えるように構成した。すなわち、フランジと接触す
るシール面に沿って全周にわたって、シール面を幅方向
に横断することなく少なくとも一つの環状の凹溝を形成
した。
【0010】それによって、メタルガスケットの両側の
シール面に設けられた凹溝のエッジ部分に応力集中が起
こるとともに、凹溝を設けたことによって、メタルガス
ケットのシール面のフランジ面との接触面積を減少し
て、同じ締め付け力でも発生する応力(単位面積当たり
の押圧力)が増加して、この両者の効果が相俟って気密
開始応力を低減することができ、その結果、シールに必
要な締め付け力を低減することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のメタルガスケットでは、
前記凹溝が、メタルガスケットのシールすべき部材のフ
ランジ面と接触するシール面のシール幅の中央近傍に形
成するのが好ましい。また、前記凹溝が、メタルガスケ
ットの両側のシール面に対称的に形成されているのが締
め付けの際、均等に荷重がかかりシール性が増大するた
めに好ましい。さらに、この凹溝の形状は、V字型であ
るのが切削などの加工がし易く、応力集中などの効果が
高く好ましいが、U字型その他の形状であってもよい。
【0012】さらに、本発明のメタルガスケットは、中
空で環状の金属管であるメタル中空ガスケット、断面C
字状の環状のガスケットであるメタルCリングガスケッ
トであるのが好ましいが、特にこれに限定されるもので
はなく、例えば平型などその他の形状のメタルガスケッ
トにも適用可能であることは勿論である。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいてより
詳細に説明する。図1は、本発明のメタルガスケットの
第1の実施例の平面図であり、図2は、図1のA−A線
方向の部分断面斜視図であり、図3は、図1のメタルガ
スケットを配管などの継ぎ目のフランジに用いた状態を
示す部分拡大断面図である。
【0014】図において、10は全体で本発明のメタル
ガスケットを示しており、メタルガスケット10は、断
面円形の環状の中空の金属管から構成されており、これ
は、例えば、金属管を円形や楕円、三角形などの所定の
形状にくせ付けして、両端を突き合わせ溶接によって形
成されている。そして、図3に示したように、締め付け
の際に配管20、21などの継ぎ手部分のフランジ面2
2、23と接触してシール性を付与する両側のシール面
11、12にそれぞれ、メタルガスケットの周方向に、
すなわち、シール面に沿って全周にわたって、環状の断
面V字形状の凹溝11a、12aが形成されている。
【0015】この場合、凹溝11a、12aは、メタル
ガスケット10のシール性を確保するために、シール面
11、12を幅方向に横断することがないように形成す
ることが好ましい。また、凹溝11a、12aの位置は
特に限定されるものではないが、メタルガスケット10
のシール面11、12のシール幅の中央近傍に形成する
のが、シール性を考慮すれば好ましく、特に、メタルガ
スケットの両側のシール面11、12に対称的に形成さ
れているのが締め付けの際、均等に荷重がかかりシール
性が増大するために好ましい。さらに、凹溝11a、1
2aは、本実施例のように、それぞれ一つの凹溝だけで
はなく、図4に示したように、複数の凹溝11a、12
aを半径方向に所定間隔離間して形成しても良く、その
数は目的とする締め付け力の低減率を考慮して適宜選択
すればよい。
【0016】なお、この凹溝11a、12aの形状は、
V字型であるのが切削などの加工がし易く、後述するよ
うに、応力集中などの効果が高く好ましいが、図5に示
したようなコの字型形状の凹溝でもよく、またU字型形
状などその他の形状であってもよい。また、凹溝11
a、12aの溝深さは、締め付けの際の、塑性変形によ
るシール性の付与、エッジ部分への応力集中などを考慮
すれば、メッキなどの成膜厚を含んだ総管肉厚の2分の
1以下とするのが好ましい。さらに、溝幅は、ガスケッ
トとフランジとの接触幅によっても変わるが、気密開始
応力を低減し、シールに必要な締め付け力を低減するた
めに、接触幅の3分の1以下、好ましくは、10分の1
以下とするのが望ましい。また、これらの凹溝11a、
12aを形成する方法としては、金型による圧縮成型な
どの切削、旋盤加工などの切削加工が適用できるが、溝
加工の寸法精度、経済性から適宜選択すればよい。
【0017】また、メタルガスケット10を構成する金
属管の材質としては、特に限定されるものではなく、シ
ールすべき部材のフランジの材質に応じて適宜選択すれ
ばよく、例えば、SUS304などのステンレス鋼、イ
ンコネルなどが使用可能である。また、シール性を高め
るために、メタルガスケットの表面に、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどのコーティ
ングや、銀、ニッケル、銅などのメッキを施すことも可
能である。さらに、図示しないが、メタルガスケットの
内径側に複数の貫通小孔を設けておけば、高圧に使用す
る際に、メタルガスケット内部と外部の流体圧力が均衡
して、つぶれ破損によるシール漏洩が生じないので好ま
しい。
【0018】このように構成されるメタルガスケット1
0を用いた場合の締め付け力の低減について、以下に説
明する。一般に、ガスケット30がシールすべき部材3
1のフランジ面32に接触して、ボルトなどによる締め
付けによって所定の締め付け力を受ける場合には、図6
に示したように、フランジ面32も微小変形32’が生
じて、接触面32’で圧縮される。従って、従来のガス
ケットでは、応力集中箇所がなく、接触面32’にてほ
ぼ均等に荷重されるため、気密開始応力が低減すること
がないので、シールに必要な締め付け力が低減すること
がない。
【0019】これに対して、本発明のメタルガスケット
10では、図7に示したように、ガスケット10がシー
ルすべき部材31のフランジ面32に接触して、ボルト
などによる締め付けによって所定の締め付け力を受ける
場合には、フランジ面32が従来と同様に微小変形3
2’箇所が生じる。しかしながら、図8の拡大図に示し
たように、メタルガスケット10の凹溝11aのエッジ
部分11b、11cの間でフランジ面32aが隆起状に
微小に変形して、エッジ部分11b、11cに応力集中
が生じることになる。従って、ボルトなどを締め付けて
締め付け圧力をかけた場合に、このエッジ部分11b、
11cに応力が集中することになり、しかも凹溝11a
の分だけ全体的に(シール面11の)接触面積が減少し
ているので、接触部の単位面積当たりの荷重が大きくな
る。従って、この両作用が相俟って、結果として気密開
始応力が低減して、シールに必要な締め付け力が低減す
ることになる。すなわち、低いボルト締め付け力で、気
密に必要な応力を発生させることが可能である。また、
凹溝11aのエッジ部分11b、11cでは、クリープ
現象は突起に比較して微少であり、高温時および高温経
過後の常温時などシール性能の熱安定性も良好である。
【0020】図9は、本発明のメタルガスケットの第2
の実施例を示す図2と同様な部分断面斜視図である。こ
の実施例では、メタルガスケット10が、金属製の断面
C字状の環状のケーシング部材14と、ケーシング部材
14の内側に嵌着された断面円形状の環状の弾性部材1
5とから構成されている。そして、ケーシング部材14
の両側のシール面14a、14bには、第1の実施例と
同様に、ケーシング部材14の周方向に、すなわち、シ
ール面に沿って全周にわたって、環状の断面V字形状の
凹溝14c、14dが形成されている。この場合、ケー
シング部材14には、その外径側端部に周方向に切欠部
14eが設けられており、これにより、内部に嵌着され
た弾性部材15と相俟って締め付け力に対して反力が発
生して、よりシール性を増加することができるようにな
っている。なお、この場合、本実施例では、切欠部14
eをケーシング部材14の外径側端部に周方向に設けた
が、これを内径側端部に周方向に設けることも可能であ
る。
【0021】また、第1の実施例と同様に、凹溝14
c、14dを複数半径方向に離間して設けることも可能
であること、図10に示したようなコの字型形状の凹溝
でもよく、またU字型形状などその他の形状であっても
よいことなどは同様である。なお、弾性部材15として
は、コイルスプリングが好ましいが、板バネなどその他
の弾性部材であってもよい。
【0022】このように構成される本発明のメタルガス
ケットでは、第1の実施例と同様な作用を有し、シール
に必要な締め付け力が低減するが、この際、ケーシング
部材14に設けられた切欠部14e、内部に嵌着された
弾性部材15によって締め付け力に対して反力が発生し
て、よりシールに必要な締め付け力が低減し、しかも、
シール性を増加することができる。
【0023】図11は、本発明のメタルガスケットの第
3の実施例を示す部分断面斜視図である。この実施例で
は、外側のケーシング部材14と弾性部材15との間
に、断面C字形状の環状の内側ケーシング部材16を介
装(嵌着)しており、その他の点では、第2の実施例と
同様な構成となっている。すなわち、ケーシング部材1
4の両側のシール面14a、14bには、ケーシング部
材14の周方向に、環状の断面V字形状の凹溝14c、
14dが形成され、ケーシング部材14には、その外径
側端部に周方向に切欠部14eが設けられていることな
どは第2の実施例と同様である。なお、図12は、凹溝
14c、14dをコ字状の溝とした例を示したが、前述
の実施例と同様にこの凹溝の形状は変更可能である。
【0024】この場合、内側ケーシング部材16は、例
えば、ステンレス鋼、インコネルなどの金属材料で構成
され、弾性部材の荷重を均一に分散させるためのもので
ある。すなわち、弾性部材15が、コイルスプリングな
どの場合に、巻き線の頂部における荷重を均一に分散し
て、外側のケーシング部材14に伝えるようになってい
る。なお、内側ケーシング部材16にも、外側のケーシ
ング部材14の切欠部14eに対応した切欠部16eが
設けられている。
【0025】このように構成される本実施例のメタルガ
スケットでは、第1の実施例と同様な作用を有し、シー
ルに必要な締め付け力が低減するが、この際、ケーシン
グ部材14、16に設けられた切欠部14e,16e、
内部に嵌着された弾性部材15によって締め付け力に対
して反力が発生して、よりシールに必要な締め付け力が
低減し、しかも、シール性を増加することができる。ま
た、内側のケーシング部材16が弾性部材15と外側の
ケーシング部材14との間に介在しているので、弾性部
材15の反力が外側ケーシング部材14に均一に分散さ
れるので、均等なシール性が付与されることになる。
【0026】
【実施例1】断面C字形状のアルミニウムのケーシング
(内径101mm×φ3.8mm)にインコネルのコイ
ルスプリングを嵌着した従来の通常のバネ入りメタルガ
スケット(通常品A)と、断面C字形状のアルミニウム
のケーシング(内径101mm×φ3.8mm)にイン
コネルのコイルスプリングを嵌着し、シール両面にV字
型の突起(高さ0.08mm、幅0.1mm)を周方向
に設けた従来のバネ入りメタルガスケット(突起品B)
と、断面C字形状のアルミニウムのケーシング(内径1
01mm×φ3.8mm)にインコネルのコイルスプリ
ングを嵌着し、シール両面にV字型の凹溝(深さ0.0
8mm、幅0.1mm)を周方向に設けた図9に示した
本発明のバネ入りメタルガスケット(本発明品C)に関
して、それぞれ気密開始応力と締め付け力を測定した。
その結果を下記の表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】この結果から明らかなように、本発明品C
の気密開始応力は、通常品Aに比較して約2分の1、突
起品Bに比較しても低下しており、ガスケットのシール
に必要な締め付け力も通常品Aに比較して約2分の1、
突起品Bに比較してもかなり低減することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明のメタルガスケットは、環状のメ
タルガスケットの配管の継ぎ手部分などのシールすべき
部材のフランジ面と接触する両側のシール面にそれぞ
れ、メタルガスケットの周方向に形設された少なくとも
一つの環状の凹溝を備えるように構成したので、凹溝の
エッジ部分に応力集中が起こるとともに、凹溝を設けた
ことによって、メタルガスケットのシール面のフランジ
面との接触面積が減少するので、同じ締め付け力でも発
生する応力(単位面積当たりの押圧力)が増加して、こ
の両者の効果が相俟って気密開始応力を低減することが
でき、その結果、シールに必要な締め付け力を低減する
ことが可能となる。
【0030】従って、締め付け力の低下にともない、配
管などの継ぎ目のフランジやこれを締結するためのボル
トなどの機器を小型化することが可能となる。また、こ
の凹溝部分ではクリープの発生がほとんどないために、
シール性能の温度安定性も良好であり、また、取り扱
い、運搬の際にもこの凹溝が損傷することがほとんどな
いので、一般のメタルガスケットと同様な取り扱いでよ
く便利であり、シール性が損なうこともない。
【0031】従って、本発明のメタルガスケットは、原
子力分野、半導体分野などにおける各種配管、機械設備
など高温、高圧、真空、低温などの過酷な条件下におい
て広範に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルガスケットの第1の実施例の平
面図である。
【図2】図1のA−A線方向の部分断面斜視図である。
【図3】図1のメタルガスケットを配管などの継ぎ目の
フランジに用いた状態を示す部分拡大断面図である。
【図4】図1の実施例の凹溝の別の配置状態を示す部分
断面斜視図である。
【図5】図1の実施例の凹溝の別の形状を示す部分断面
斜視図である。
【図6】従来のガスケットの締め付け状態を示す部分拡
大断面図である。
【図7】本発明のガスケットの締め付け状態を示す部分
拡大断面図である。
【図8】図7のB部の拡大図である。
【図9】本発明のメタルガスケットの第2の実施例を示
す部分断面斜視図である。
【図10】図9の実施例の凹溝の別の形状を示す部分断
面斜視図である。
【図11】本発明のメタルガスケットの第3の実施例を
示す部分断面斜視図である。
【図12】図11の実施例の凹溝の別の形状を示す部分
断面斜視図である。
【図13】従来のメタルガスケットを配管などの継ぎ目
のフランジに用いた状態を示す部分拡大断面図である。
【図14】メタルガスケットの締め付け力と歪みとの関
係を示すグラフである。
【図15】従来のメタルガスケットの部分断面斜視図で
ある。
【符号の説明】
10…メタルガスケット 11、12…シール面 11a、12a…凹溝 11b、11c…エッジ部分 14…ケーシング部材 14a、14b…シール面 14c、14d…凹溝 14e、16e…切欠部 15…弾性部材 16…内側ケーシング部材 20、21…配管 22、23…フランジ面 30…ガスケット 32…フランジ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−177977(JP,A) 特開 平8−219291(JP,A) 実開 昭61−137164(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタルガスケットのシールすべき部材の
    フランジ面と接触する両側のシール面にそれぞれ、メタ
    ルガスケットの周方向に形設された少なくとも一つの環
    状の凹溝を備えるメタルガスケットであって、 前記メタルガスケットが、断面C字状のケーシング部材
    であり、 前記凹溝の溝深さが、総管肉厚の2分の1以下であり、 前記凹溝の溝幅が、接触幅の3分の1以下である ことを
    特徴とするメタルガスケット。
  2. 【請求項2】 前記凹溝が、メタルガスケットのシール
    すべき部材のフランジ面と接触するシール面のシール幅
    の中央近傍に形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載のメタルガスケット。
  3. 【請求項3】 前記凹溝が、メタルガスケットの両側の
    シール面に対称的に形成されていることを特徴とする請
    求項1又は2のいずれかに記載のメタルガスケット。
  4. 【請求項4】 前記メタルガスケットが、前記ケーシン
    グ部材の内側に嵌着された弾性部材をさらに備えること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメタル
    ガスケット。
  5. 【請求項5】 前記メタルガスケットが、前記ケーシン
    グ部材の内側に嵌着された断面C字状の内側ケーシング
    部材と、内側ケーシング部材の内部に嵌着された弾性部
    材とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載のメタルガスケット。
  6. 【請求項6】 メタルガスケットのシールすべき部材の
    フランジ面と接触する両側のシール面にそれぞれ、メタ
    ルガスケットの周方向に形設された少なくとも一つの環
    状の凹溝を備えるメタルガスケットであって、 前記メタルガスケットが、中空の金属管であることを特
    徴とするメタルガスケット。
JP08074579A 1996-03-28 1996-03-28 メタルガスケット Expired - Lifetime JP3110307B2 (ja)

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