JPS5918194Y2 - シリンダ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧緩衝器又はガススプリング等に適用し得る
シリンダ装置に関する。

油圧緩衝器又はガススプリング等に用いられているシリ
ンダ装置のピストンは、一般に、小径に形成されたロッ
ド先端に装着されている。

このように装着されたピストンは、ロッドに対して移動
しないように、またロッドから離脱しないように、ロッ
ド小径部から大径部に至る境界における環状層部と、小
径部先端に螺合されたナツトとの間に挟持されてロッド
小径部に固定されている。

ところで、このようなピストン−ロッド組立体によれば
、ロッド先端小径部長をピストンの厚みに対応して形成
しなければならず、このため加工時間を多く必要とし、
また、得られるロッドの機械的強度を低下させる。

更に、機械的強度の面より小径部に形成される螺合部を
より小径に形成することが困難であるため、一般に、螺
合部の外径と、ピストンの内径とはほぼ等しくなるよう
に形成され、従って、ロッドへのピストンの装着に際し
、螺合部を損傷する恐れがある。

本考案は前記諸点に鑑み案出されたものであり、その目
的とするところは、ロッドの機械的強度を低下させるこ
となく、ピストンをロッドに確実に固定して装着し得、
また、ロッドへのピストンの装着作業において、螺合部
等の損傷の恐れの少ないシリンダ装置を提供することに
ある。

次に本考案による好ましい一具体例を油圧緩衝器の場合
について図面に基づいて説明する。

第１図において、１は円筒状のシリンダであり、このシ
リンダ１の両端面は閉塞されており、一方の閉塞端面か
らは、ロッド２がシリンダ１外に突出している。

またシリンダ１の内部には油液が充填されている。

シリンダ１内に伸長したロッド２の先端には、他より径
の小さい小径部３、すなわち大径部１７より延びた小径
部３が設けられている。

４は、円周方向に沿ってロッド２の大径部１７に設けら
れた溝であり、この溝４には、止め輪５が嵌着されてい
る。

６は、小径部３に設けられた螺合部７に螺合しているナ
ツトであり、このナツト６と止め輪５との間にワッシャ
８及び９を介して挟持されてピストン１０がロッド２の
大径部１７から外れないように装着されている。

ピストン１０は、シリンダ１内面に摺動可能に当接して
シリンダ１内に装着されている。

１１及び１２は夫々、ピストン１０によって区分される
シリンダ１内の左右の室を連通させるべく、ピストン１
０に設けられた貫通孔である。

１３及び１４は夫々、可撓性部材から形成された弁であ
り、一方の弁１３は、貫通孔１１を介するピストン１０
によって区分されたシリンダ１内の右側の室から左側の
室への油液の流れを許容し、逆方向の流れを阻止するよ
うに設けられており、他方の弁１４は、弁１３と逆に、
シリンダ１内の左側の室から右側の室への油液の流れを
許容し、逆方向の流れを阻止するように設けられている
。

即ち、シリンダ１に対してピストン１０が右方向に移動
する際には、貫通孔１１を介してシリンダ１内の右側の
室から左側の室へ油液が流れ、一方、シリンダ１に対し
てピストン１０が左方向に移動する際には、貫通孔１２
を介してシリンダ１内の左側の室から右側の室へ油液が
流れるようになっている。

よって、これにより緩衝作用が提供される。１５及び１
６は夫々、非保持ワッシャである。

尚、ワッシャ８，９、ピストン１０、弁１３．１４及び
保持ワッシャ１５．１６は夫々、その内径がロッド２の
径とほぼ同一になるように形成されている。

また、小径部３は、その最大径が止め輪５の内径より小
さくなるように形成されている。

このように構成された油圧緩衝器２０においては、止め
輪５、ピストン１０等の内径が小径部３の最大径よりも
大に形成されているため、止め輪５、ピストン１０等の
ロッド２への装着に際し、小径部３の螺合部７を損傷す
ることがほとんどなく、またロッド２の小径部３の長さ
をピストン１０の厚みに対応させて形成する必要がなく
、ピストン１０が装着される位置の径をロッド２の他の
部分の径と同一にし得、このためロッド２に対する加工
時間を短縮し得、加えて機械的強度を向上させられ得る
。

ところで、止め輪５とピストン１０との間に配置された
ワッシャ８において、止め輪５に対面する側に設けられ
た切欠き２２は、止め輪５が陥入するように、止め輪５
の形状に対応して第１図に示すように断面円弧状となる
ように形成してもよく、或いは第２図に示すように断面
直線状となるように形成してもよい。

尚、２１は止め輪５の断面中心であり、第１図に示す例
では中心２１はロッド２の外表面上にある。

尚、本考案は油圧緩衝器に限らず、油液に代えて流体と
して高圧ガスが封入されるガススプリングにも好ましく
適用され得る。

前記の如く、本考案のシリンダ装置では、ロッドの機械
的強度を低下させることなしにピストンをロッドに確実
に固定し得、ロッドへのピストンの装着において螺合部
等の損傷をなくし得る。

そうして本考案のシリンダ装置では、止め輪が陥入する
切欠きを有してワッシャが止め輪とピストンとの間に配
置されているが故に、ピストンに強大な力が加わり、溝
から止め輪が抜は出ようとしてもワッシャの切欠きによ
りこれを確実に阻止し得る結果、ロッドに対してピスト
ンが自由に移動し得るような事態をなくし得る。

加えて、ワッシャの切欠きにより上記のような効果を奏
効し得る本考案のシリンダ装置では、逆に、比較的浅い
溝とこの溝に嵌着された止め輪とによりピストンをロッ
ド大径部に確実に保持し得るが故に、溝形成によるロッ
ドの機械的強度の低下をそれ程招来しないようにし得、
深溝形成に起因する工数増大と機械的強度の劣化という
好ましくない事態を同時に回避し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による好ましい一具体例の断面説明図、
第２図は第１図に示すワッシャの他の具体例の説明図で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に、大径部から延設された小径部を有するロッドと
   、このロッドの大径部に形成された溝に嵌着された止め
   輪と、ロッド小径部に螺合されたナツトと、止め輪とナ
   ツトとの間においてロッドの大径部に装着されたピスト
   ンと、止め輪とピストンとの間に配置されており、止め
   輪が陥入する切欠きを止め輪に対面する側に有するワッ
   シャと、内部に、ピストンが装着され、かつ流体が封入
   されたシリンダとからなることを特徴とするシリンダ装
   置。