JPS5841397Y2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車輪と車体との間に介装する油圧緩衝器に
関する。

この油圧緩衝器について最近は、その緩衝器本体に加圧
タンクを連結することが普及している。

この加圧タンクを連結する目的は、たとえば車輪と車体
間における当該緩衝器の取付はスペースが狭い場合には
、ピストンのストローク長を充分確保しえず、そのため
に充分な緩衝機能を発揮せず、乗心地を悪くするので、
緩衝器本体に加圧タンクを連結して緩衝器本体内の一方
の圧力室側の機能を加圧タンク側に保持させるためであ
る。

しかして上記緩衝器本体と加圧タンクとはホース等の連
通部材を介して連通させるものであるが、この連通部材
と緩衝器本体あるいは加圧タンクとを連結する場合に従
来は、連通部材の端部に設けた連結金具と、緩衝器本体
あるいは加圧タンクの接続部分にねじを形成し、それら
両者なねじ結合するという手段を用いていた。

しかし上記のようにねじ結合するということは、組立て
作業においてきわめて非能率的なもので、量産性に欠け
るという問題があった。

そこでこの考案は、緩衝器本体及び加圧タンクあるいは
それらいずれか一方に挿入孔を形成し、ホース等の連通
部材の両端あるいはいずれか一端に連結金具を設けると
ともに、それら挿入孔及び連結部材のそれぞれに溝を形
威し、これら溝間にスナップリング等の止め部材をはめ
込むようにして、前記従来の欠点を解消したものである
。

以下にはこれを図示の実施例について説明するが第１図
は緩衝器本体１と加圧タンク２との連結状況を概略的に
示し、第２，３図はその連結部を拡大して示したもので
ある。

上記緩衝器本体１はそのピストンロッド３側に設けたブ
ラケット４を車体側に連結し、そのシリンダ５側に設け
たブラケット６を車輪側に連結するとともに、加圧タン
ク２側に設けたブラケット７を車体側に連結するもので
ある。

なか図中符号８はピストンロッド３と７リンダ５との間
に介在させた懸架スプリングである。

上記緩衝器本体１と加圧タンク２とはホース等の連通部
材９を介して連結されているが、それら連結手段は連通
部材９の両側に設けた連結金具１０．１１を用いている
。

そしてこの連結金具１０及び１１と緩衝器本体１及び加
圧タンク２との連結方法は両者全く同一なので、以下に
は上記本体１側のみを説明し、加圧タンク２側の説明を
省略する。

第２，３図に示した第１実施例においては、前記本体１
に挿入孔１２を形成するとともに、その挿入孔１２内に
環状溝１３を形成している。

一方連結金具１０の外周には溝が形成され、この溝内に
シール部材１４がはめ込まれている。

そしてこのシール部材１４より前方、すなわち前記挿入
孔１２に対する連結金具１０の挿入方向前方に環状凹溝
１５が形成されているもので、この環状凹溝１５にはス
ナップリング等の止め部材１６がはめ込まれるとともに
、当該凹溝１５内は前方に形成した浅溝１７と後方に形
成した深溝１８とによって二段にな−）でいる。

上記のように環状凹溝１５にはめ込まれた止め部材１６
は、前記挿入孔１２の内径より犬なる外径を保持し、ま
た上記浅溝１７にぴったりとはめ込まれる内径を保持す
るとともに、深溝１８に対応する位置において前記挿入
孔１２を通過しうる程度に弾力的に縮小可能としている
。

さらに上記止め部材１６は、それが浅溝１７とかん合し
ている状態において前記環状溝１３にぴったりとかん合
する寸法を維持している。

しかして連結金具１０を挿入孔１２に押しこむと、その
挿入孔１２の開口部にその挿入孔の内径を外側に向うに
したがって徐々に拡開するテーパ１９が形成しであるの
で、環状凹溝１５にはめ込まれた止め部材１６は先ず上
記テーパ１９に当って深溝１８に対応する位置に押しよ
せられる。

この状態からさらに連結金具１０を強制的に押しこむと
、止め部材１６はテーパ１９に沿って弾力的に縮小しつ
つ挿入孔１２内に押しこめられるとともに、当該止め部
材１６が環状溝１３に対応する位置に達したときに弾力
的に複元し、その環状溝１３内にぴったりとはめ込まれ
る。

このように止め部材１６が環状溝１３にがん合した後に
、連結金具１０をその挿入方向とは反対方向に少し戻し
、止め部材１６を前記浅溝１７に一致させ、当該連結部
材１０を挿入孔１２にぴったりとはめ込むものである。

そして止め部材１６を浅溝１７に一致させた後は、連結
金具１０の先端面にシリンダ５側の圧力が作用するハて
、連結金具１０はその挿入方向とは反対側に常時押され
、深溝１８が止め部材１６に一致するようなことがない
。

な釦、上記実施例に釦いて、連通部材９０両端に連結金
具１０，１１を設け、それらを緩衝器本体１と加圧タン
ク２との双方に連結するようにしたが、それらの一方の
みに、この考案を適用してもよいこと当然である。

以上の説明からも明らかなように、この考案の油圧緩衝
器によれば、連結金具を、緩衝器本体や加圧タンクに形
成の挿入孔に押しこむだけで、それら両者を連結できる
ので、その連結作業が簡単になる。

また、上記連結金具の環状凹溝内には、その挿入方向前
方に浅溝を形成するとともに、挿入方向後方には深溝を
形成してる。

したがって、連結金具の装着状態では、止め部材が浅溝
に一致するので、その止め部材が縮小して、連結金具が
不用意に外れることがない。

さらにまた、上記環状凹溝は、連結金具の外周に形成し
ているので、その溝加工が簡単になる。

たとえば、この浅溝と深溝との二段からなる環状溝を、
挿入孔の内周に形成しようとすると、その溝加工が、非
常に難しくなるが、この考案では、そのようなことがな
い。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は緩衝器本体と加圧タンクとの連結状態を示
す一部断面図、第２図は連結金具を挿入孔から切離した
状態の要部断面図、第３図はそれらを結合した状態の要
部断面図である。 １・・醤衝器本体、２・・・加圧タンク、３・・・ピス
トンロッド、９・・・連通部材、１０，１１・・・連結
金具、１２・・・挿入孔、１３・・・環状溝、１５・・
・環状凹溝、１６・・・止め部材、１７・・・浅溝、１
８・・・深溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 緩衝器本体と加圧タンクとをホース等の連通部材を介し
   て連通させ、その緩衝器本体のピストンロンドの有効ス
   トロークを大きくした油圧緩衝器にかいて、前記連通部
   材の少なくとも一端に連結金具を設け、こり連結金具の
   外周に環状凹溝を形成し、また前記緩衝器本体あるいは
   加圧タンクの少なくとも一方の連通部材接続部に、前記
   連結金具が挿入される挿入孔を形成し、この挿入孔の内
   周に環状溝を形成するとともに、上記環状凹溝内であっ
   て、連結金具の挿入方向前方に深溝、後方には浅溝を形
   成して、当該環状凹溝内を二段に構成する一方、この環
   状凹溝内には、挿入孔内径より大なる外径を保持し、か
   つ前記環状溝にはめ込まれた際には、上記浅溝にぴった
   りとはまり合う止め部材を、あらかじめはめ込み、連結
   金具を前記挿入孔に挿入することによって、前記止め部
   材が、深溝に対応しつつ、強制的に縮小されるとともに
   、この止め部材が前記環状溝に合致したとき、止め部材
   が弾力的に復元して、浅溝と一致しうる構成にした油圧
   緩衝器。