JPS5918166B2 - ボ−ルエンドミル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はボールエンドミルに関するものである。

従来、第１図および第２図に示すよ５なボールエンドミ
ルが知られているが、このものは適宜の工作機械の主軸
に把持される円柱状の本体１と、この本体１の先端部に
取り付けられた切削刃２ａ。

２ｂ 、２ｃ 、２ｄからなるものである。

これら切削刃のうち１つの切削刃２ａは、図に示すよう
に、その切刃稜が本体１の先端の回転中心から本体１の
側部に至るような形状をなすものであり、他の切削刃２
ｂ、２ｃ、２ｄの切刃稜は略直線状で本体１０半径方向
にわずか突出している。

そして、上記のように構成されたボールエンドミルで力
計を行なう場合、先端部は切削刃２ａの先端部の切刃稜
で切削され、周側部は切削刃２ａの側部の切刃稜および
他の切削刃２ｂ、２ｃ、２ｄの切刃稜で切削される。

しかしながら、上記構成のボールエンドミルにおいては
、切削刃２ａ（２ｂ、２ｃ、２ｄ）のすくい面が平坦面
になっているから、切削刃２ ａ ｓ（２ｂ ５２ ｃ
−２ｄ ）の切刃全体が同時に切削を行うようになり、
このため切削時に多大な衝撃荷重が発生し、この結果重
切削や難削加工が極めて困難となり、同時に切刃稜の欠
損や摩耗がはげしくて工具寿命が短かく、さらに、仕上
面が荒れる等、種々の欠点を有している。

特にボールエンドミルにおいては、その先端の回転中心
付近の切削速度がおそいために、この部分における切刃
稜の欠損や摩耗がはげしく、工具寿命を低下する原因に
なっている。

このように従来のボールエンドミルでは切削性能や作業
能率を向上することが困難である。

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、切削性能や
寿命を向上し得るボールエンドミルを提供することを目
的とし、その特徴とするところは、本体の先端部に少な
くともすくい面の切刃に沿う部分が凸曲面をなす複数の
チップを、少なくとも１つのチップの切刃の端部がボー
ルエンドミルの先端部回転中心に位置するとともに各チ
ップの切刃の切削領域が互いに連続するように着脱自在
に取り付けた点にある。

以下区画を参照して本発明の一実施例を説明する。

第３図乃至第６図において、１０は本体であって、その
後端にて適宜の工作機械の主軸に把持される。

本体１０の略中央部から先端側で、軸線Ｓを中心にし℃
対称となる位置（ｉ、半径方向と平行に切欠されて、こ
こに切削屑の排出溝となる平坦部１１ａ、１１ｂが形成
され、ここに複数のチップ１２ａ、１２ｂ・・・・・・
１２ｅが締結ボルト１３にて取り付けられている。

すなわち、これらのうち３つのチップ１２ａ、１２ｂ、
１２ｃ＆Ｌ当該エンドミルの側切刃を形成するものであ
って、薄い方体状をなし、その稜に切刃が形成されて成
るものであり、そしてこれら各チップ１２ａ。

１２ｂ、１２ｃはその１つの切刃を本体１０の外周方向
へわずか突出させるとともにそれぞれの切刃による切削
領域が連続するように互いに離間して固定されている。

また、他の２つのチップ１２ｄ１１２ｅは、当該エンド
ミルの先端切刃を形成するものであつ℃、第１図イ１口
、／豪示す形状を成している。

すなわち、底面１４が平坦面とされる一方、これと対向
するすくい面１５が第Ｔ図イの左右方向に延在する凸曲
面とされており、すくい面１５の左右の各側縁に切刃ｉ
５ａ、１６ｂが形成されている。

そして、これら２つのチップ１２ｄ１１２ｅのうち一方
のチップ１２ｄは、その１つの切刃１６ａの一方の端部
な先端部の回転中心と一致させるとともに前記切刃１６
ａを本体１０の先端側にわずか突出させて一方の平坦部
１１ａに固定され、また、他方のチップ１２ｅ＆Ｌその
１つの切刃１６ａを本体１０の先端部から側部にかけて
突出させるとともにその切削領域が前記テップ１２ｄの
切刃１６ａの切削領域と前記チップ１２ｃの切刃の切削
領域と連続するようにして他方の平坦部１１ｂに固定さ
れている。

すなわち、前記チップ１２ｄの切刃１６ａとチップ１２
ｅの切刃１６ａとは、これら両者で当該エンドミルの先
端部回転中心から外周部に至る略１ ／ ４円内の切刃
稜を構成している。

しかして、上記の構成から明ら力、竜ように、本体１０
の後端部を適宜の工作機械の主軸に把持させて回転駆動
することにより穴あけカビを行なえば、被剛材（図示せ
ず）は先ずチップ１２ｄ。

１２ｅの切刃１６ａによって切削され、次にテップ１２
ｃ、１２ｂ、１２ａの切刃により順次切削される。

この場合、回転中心部を切削するチップ１２ｄにおい℃
は、そのすくい面１５が凸曲面とされ、これに対応し℃
切刃１６ａが凸曲線となっているから、チップ１２ｄに
よる切削が回転中心側から外周側へ向かって漸次進行す
ることになる。

したがって、衝撃的な切削荷重が生じることがない。

また、これと同時に生じた切屑はすくい面１５に沿つ℃
外周側へ押しやられるので、切屑の排出性が向上する。

さらに、チップ１２ｄの４つある側面のうち、切刃１６
ａの端部側の側面（第７図口における左右の側面）とす
くい面１５とのなす角は、すくい面１５が凸曲面となつ
℃いるから、それが平面とされた場合に比し℃大きくな
り、したがって回転中心に位置せしめられる切刃１６ａ
の端部の強度が増大する。

そしてこれら衝撃的切削荷重の発生防止、切屑排出性の
向上および切刃１６ａ端部の強度向上が相俟って、切刃
１６ａ特に回転中心部の欠損を防止し℃工具寿命の向上
を図ることができる。

また、衝撃的切削荷重が作用しないから、結局切削性能
が向上し、重切削加工や難削材の切削加工を行うことが
できる。

また、本実施例におい又は、すくい面１５が凸曲面とさ
れたチップ１２ｄ、１２ｆを点対称的に配置しているか
ら、チップ１２ｄ 、 １２ｆの各切刃１６ａに作用す
る切削力が互いに相殺し合うようになり、この結果エン
ドミル全体のビビリ振動を防止することができる。

なお、本発明は、当該エンドミルの先端切刃を形成する
チップ１２ｄ、１２ｅのみにすくい面１５が凸曲面を成
すものを使用したものに限らず、側切刃を形成するチッ
プ１２ａ、１２ｂ、１２ｃにもそのすくい面が凸曲面を
成すものを使用してもよい。

以上説明したように本発明によれば、工作機械の主軸に
装着され１回転駆動される本体の先端部に取り付けられ
るチップは、そのすくい面が凸曲奥を成すとともにその
切刃の端部が前記先端部の回転中心に略一致し℃いるか
ら、切削速度が遅い回転中心近傍におけるチップの刃物
角が大きくなつ℃その剛性が高く、これに伴ってボール
エンドミルにおい℃特に問題となる回転中心近傍におけ
る切刃の欠損や摩耗が少な（なつ℃工具寿命を著しく向
上させることができる。

また、本体の先端部に取り付けられたチップの切刃は、
回転方向に凸となった円弧状を成し℃いるから、この切
刃によ会切り込み及び切り上げは滑らかに行なわれて衝
撃力が小さくなり、ビビリ振動が殆んど発生しない。

同時に、回転中心近傍で生じた切屑はここにおけるチッ
プのす（い面に沿って半径方向に押しやられ℃速やかに
排出され、また、その切屑の形状はすくい面に沿って湾
曲したものであるから、その排出性は極めて良好である
。

このように本発明のボールエンドミルでは、穴あけ加工
において特に問題となる回転中心近傍における切刃の欠
損や摩耗を抑制し、同時に生じた切屑の排出性が良くな
る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボールエンドミルの正面図、第２図は同
側面図、第３図は本発明の一実施例を示す正面図、第４
図は同側面図、第５図はその先端部を拡大した部分正面
図、第６図は同側面図、第７図イ２口、ハはチップを示
すものでイは正面図、口は側面図、ハは平面図である。 １０・−・−・本体、１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ
。 １２ｅ・・・・・・ゲップ、１３・・・・・・締結ボル
ト、１５・・・・・・すくい面、１６’ａ、１６ｂ・・
・・・・切刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 工作機械の主軸に装着されて回転駆動される本体の
   先端部に、少なくともすくい面の切刃を構成する部分が
   凸曲面をなす複数のチップを、前記すくい面が回転方向
   を向き、かつ前記チップのうち少なくとも１つのチップ
   の切刃の端部が先端部の回転中心に位置するとともに、
   各チップの切刃の切削領域が互いに連続するように、着
   脱自在に装着してなることを特徴とするボールエンドミ
   ル。