JPS5917210B2 - スナ−ルを有する交絡加工糸の製造方法 - Google Patents

スナ−ルを有する交絡加工糸の製造方法

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JPS5917210B2
JPS5917210B2 JP53017714A JP1771478A JPS5917210B2 JP S5917210 B2 JPS5917210 B2 JP S5917210B2 JP 53017714 A JP53017714 A JP 53017714A JP 1771478 A JP1771478 A JP 1771478A JP S5917210 B2 JPS5917210 B2 JP S5917210B2
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snarls
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relaxation
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Description

【発明の詳細な説明】 〔本発明の技術分野〕 本発明は特殊加工糸の製造方法に関し、さらに詳しくは
、繊維のスナールを有し、かつ構成繊維が相互に交絡し
てなる構造を有するマルチフィラメント糸を製造する方
法の改良に関する。
〔従来技術とその問題点〕 繊維のループ、クルミ、スナール等を有しかつ構成繊維
が相互に糸軸に沿ってほぼ連続的に交絡したマルチフィ
ラメント糸は、従来から良く知られている。
このような糸を製造する方法の、従来最も代表的な例は
、流体噴射装置を用いるものであり、該流体噴射装置は
アスピレータ形式で空気等の流体を高圧源から導き音速
あるいは超音速で噴射してマルチフィラメント糸を吸引
し、接糸を噴射流体流とともに該装置外に排出する。
そして、かかる排出されたマルチフィラメント糸は噴射
流の流れ方向に対してほぼ直角方向に引取られ、このと
きのマルチフィラメント糸の流体噴射装置への供給速度
を引取り速度に対して、10数パーセントから数10パ
ーセント過超にすると、排出されたマルチフィラメント
糸は急激に速度及び張力を弱められ、順次あとから排出
される各構成繊維は自己の系内に割り込み、繊維のルー
プ、クルミ、スナール等を形成しつつ繊維相互が交絡し
て前記構成の糸を形成するものと解釈される。
かかる方法が前記した構造を有する特殊加工糸の従来知
られた代表的な製造方法であるが、この方法によって得
られる糸について詳細に検討すると、この糸は、多数の
ループ、クルミ、スナール等を持ち、ダブルニット等の
編物分野においては極めて嵩高でかっ反発性に富み、優
れた糸と言えるが、糸の寸法安定性及びループ、クルミ
、スナール等の保持性が、ミシン糸、経編、織物等の分
野においては不十分であり、これらの分野においては優
れたものを得ることがむずかしい。
また、この糸の製造方法に関しても、高速流体流から発
する騒音が激しい点、流体の消費量が多く製造コストが
高くなる点、マルチフィラメント糸の激しい動きにより
装置の局部が摩耗し装置性能が経時的に極めて変化する
ものである点、またマルチフィラメント糸からの油剤等
の付着物や接糸の素材の一部が装置の局部に付着堆積す
ることによっても装置性能が経時的に極めて変化するも
のである点等の解決すべき課題が数多く存在するのであ
った。
なおまた、装置についても、その製作に際しては極めて
高精度のものが要求され、さらに使用時において厳密な
調整が必要とされ、実用面においても不都合な点が多い
ものであった。
また特開昭48−73562号公報、米国特許第1,0
29,097号等において、仮撚後空気交絡処理するこ
とは知られているが、これらはいずれもスナールを発現
せしめた状態で強固に固定するという点においては満足
な方法ではなかった。
更に特公昭47−23348号公報ではスナール等を有
する捲縮加工糸を弛緩し、次いで追ネン等により該スナ
ールを固定する方法が提供されている。
しかしながら、かかる方法はダブルツイスタ−等の撚糸
機を用いるため、加工速度がせいぜい数lom/分であ
り、加工能率が極めて劣るものであった。
〔本発明の目的〕
本発明は、このような従来技術の不都合さに鑑み、マル
チフィラメント糸に繊維のスナールを形成し、繊維相互
の交絡によって、該繊維のスナールを束縛した特殊加工
糸の製造方法を提供しようとする点、前記従来の技術と
目的が類似するものであるが、更に得られる糸の性能を
改善し、かつ改善された新規な製造方法を提供せんとす
るものである。
〔本発明の構成〕
本発明の加工糸の製造方法の骨子は次に記す如きもので
ある。
すなわち、熱可塑性繊維マルチフィラメント糸を下Ha
a)式で示される撚数Tで仮撚加工して接糸の各構成
単繊維に旋回能を付与し、次いで接糸を、弛緩率20%
以上で弛緩して接糸の各構成単繊維にスナールを形成せ
しめ、しかる後、該スナールを存在せしめた状態下でド
ラフトしつつ接糸の構成繊維相互を圧力流体により交絡
処理し、かつ該ドラフトしつつ交絡処理するドラフト交
絡処理域の引き取り速度に対して該弛緩を行なう弛緩域
への供給速度を5%以上20%以下の過超供給状態とす
ることを特徴とする特殊加工糸の製造方法である。
T=K(D/ρ)−%・・・・・・・・・・・・・・・
・・・(a)(ただしKは定数であり2000<K<7
000の範囲、Dは糸の総デニール数、ρは糸の比重、
Tは1m当りの撚数である。
)〔本発明の作用・効果〕 まず、本発明のプロセスについて、図面を用いて説明す
る。
本発明の方法において供給原糸としては、各種ポリエス
テル系繊維、各種ポリアミド系繊維、各種ポリオレフィ
ン系繊維、各種ポリビニル系繊維又は上記ポリマより成
る複合繊維等から成るマルチフィラメント糸又は上記繊
維を2種類以上含むマルチフィラメント糸等の熱可塑性
繊維マルチフィラメント糸、その他加熱−加熱−解撚の
加工によって繊維が旋回能を備える熱可塑性繊維マルチ
フィラメント糸が用いられる。
本発明の加工糸の製造方法の主要な工程は以下の如き3
つの工程からなるものである。
すなわち、第1の工程は熱可塑性繊維マルチフィラメン
ト糸を加熱し、かかる加熱状態下のまま加熱し、加熱後
解撚して、接糸の各構成繊維に旋回能を付与する工程で
ある。
第1図はかかる第1の工程の一実施態様例を示す概略図
である。
第1図において、マルチフィラメント糸Yはローラ10
によって仮撚加工域1へ供給され、仮撚装置7によって
加熱され、仮撚加熱状態下で加熱装置6によって加熱さ
れ、次いで仮撚装置7を通過することによって仮撚加熱
状態を終了しく解撚)、ローラ22によって引き取られ
て第1の工程を終了する。
本発明の方法の第2の工程は、上記第1の工程を通過し
たマルチフィラメント糸を、第1の工程に連続して又は
一旦パッケージとした後、弛緩して接糸の各構成繊維に
単繊維のスナールを形成せしめる工程である。
本発明の第3の工程は、上記第2の工程を通過したマル
チフィラメント糸を、該スナールを存在せしめた状態下
でドラフトしつつ交絡処理して、構成繊維の交絡によっ
て該スナールを該マルチフィラメント糸に固定する工程
である。
第3図は本発明方法のかかる第2の工程及び第3の工程
の一実施態様例を示す概略図である。
第3図においてマルチフィラメント糸Yはローラ20に
よって弛緩処理域2へ供給されローラ31によって引き
取られ第2の工程を終了する。
該弛緩処理域2においてマルチフィラメント糸Yは弛緩
され、第13図に示す如き単繊維のスナールSを多数形
成したマルチフィラメント糸Y1となる。
続いてマルチフィラメント糸Yはローラ31によってド
ラフト交絡処理域3に供給され、交絡処理を行なう流体
噴射装置8に導かれた後、ローラ30によってドラフト
しつつ引き取られ、第3の工程を終了するのである。
交絡処理を施されたマルチフィラメント糸Yは構成繊維
相互の交絡によって先の第2の工程で形成されたスナー
ルSを固定する。
本発明は上記した如き加熱−加熱−解撚、弛緩及びドラ
フト交絡の3つの作用を順次熱可塑性繊維マルチフィラ
メント糸に施すものである。
次に本発明の更に好ましいプロセスについて説明する。
すなわち、スナールの長さをより短く又は/及びスナー
ルの数をより多くする等のスナールの大きさや数を調整
するための方法として、該弛緩を行なう弛緩域における
弛緩率を調整するほかに、弛緩処理の後、かつドラフト
交絡処理の前において別途ドラフト処理を行なって調整
することができる。
第4図は本発明方法の上記ドラフト処理を行なう一実施
態様を示す概略図である。
かかる第4図において、ローラ20とローラ32とで区
画される領域が弛緩処理域2であり、ローラ32とロー
ラ31とで区画される領域がドラフト処理域4であり、
ローラ31とローラ30とで区画される領域がドラフト
交絡処理域3である。
¥1は弛緩処理域2におけるマルチフィラメント糸Yを
示し、¥2はドラフト処理域4におけるマルチフィラメ
ント糸Yを示す。
第13図及び第14図はY、の、また第15図は¥2の
一形態例を示す外観概略図である。
例えば弛緩処理域において原長(フィラメントの長さ)
の60%の糸長(弛緩率40%)にすると第13図に示
す如き糸形態となり、その糸をドラフト処理域4におい
て原長の90%の糸長(ドラフト率1.5倍)にすると
第15図に示す如き糸形態のものとなる。
これに対し、同じ糸でも弛緩処理域において直ちに例え
ば原長の90%の糸長にしたものは第14図に示す如く
スナールは形成されない場合も発生する。
したがって、このようにスナールの形成されない糸を交
絡処理したとしても本発明方法で得んとする加工糸は得
られない。
上記は一実施態様による一例を示したに過ぎないが、い
かなる場合においても、同一の弛緩状態で交絡処理域へ
供給する場合、弛緩処理しただけの状態の場合よりも、
大目に弛緩しておいてその多い分だけドラフトした状態
の場合の方が、より多くのスナールを形成し得るのであ
り、本発明方法の実施に際しては、これら弛緩率やドラ
フト率を所望の加工糸特性に合せて適宜設定して調整を
するのがよい。
また、さらに本発明の方法を実施するに際して、弛緩処
理域へ供給するマルチフィラメント糸が巻糸体から解舒
されて供給される場合又は/及び繊維のケン縮が極めて
多い場合等においては、弛緩処理によってスケールの発
生が起こりにくい場合がある。
このような場合弛緩処理域へ供給する前に伸張又は/及
び加熱等の手段によってマルチフィラメント糸を緊張処
理し、潜在化している繊維の旋回能を顕在化させたり、
ケン縮を減少させたりして弛緩処理に際して好ましい状
態に変更することができる。
第2図はかかる緊張処理を行なう実施態様を示す概略図
であり、弛緩処理域への供給ローラ20の手前にローラ
21を設けて該ローラ21とローラ20とで区画される
領域を緊張処理域とすることができる。
次に本発明方法におけるドラフト交絡処理工程について
説明する。
本発明の方法は、前述の通り交絡処理によりスナールを
糸に固定するものであるが、スナールの固定を強固にす
ることを可能にする実施の態様として、次なる方法を提
供するものである。
すなわち、前記本発明の方法において、マルチフィラメ
ント糸の各構成繊維に単繊維のスナールを形成せしめた
状態下で交絡処理するに際し、該マルチフィラメント糸
をドラフトしつつ交絡せしめるのである。
かかる方法について以下に詳しく説明する。
まず、ドラフトしつつ交絡処理せしめる方法であるが、
これは前記したドラフトしてから交絡処理す・ る場合
と異なるドラフト作用効果の方法であり、交絡の起って
いる部分、つまり構成繊維が相互に交絡しつつある部分
において、マルチフィラメント糸がドラフトを受けるこ
とを意味するものである。
もちろん、かかるドラフトはスナールを消滅させない範
囲内で行なう必要があり、実際には必要なスナールの量
と、かかるドラフトの量を加味した弛緩状態を形成した
後に該ドラフトをしつつ交絡処理せしめるようにするの
である。
かかるドラフトしつつ交絡処理をすると、交絡前に形成
されたスナールのうち強固に残留し得るスナールが主と
して選択されつつ交絡し、結局、交絡後のマルチフィラ
メント糸には強固に固定されたスナールが形成されるこ
とになるのである。
したがって交絡処理時にドラフトしない場合や交絡処理
時にドラフトせず交絡処理後にドラフトした場合と比べ
て、交絡処理時にドラフトした場合には、スナールが強
固に固定される他、各繊維の糸に対する強力寄与率が高
く、糸強力が高くなる、糸の寸法安定性が高くなる、繊
維の移動が起りにくいため交絡が消滅しにくい等の優れ
た効果を多数発揮することになる。
第10図、第11図、第12図は本発明の方法において
かかるドラフトしつつ交絡処理を行なう場合の一実施態
様を示す概略図であり、交絡処理は流体噴射装置を用い
ている。
これらの図において、マルチフィラメント糸Yが流体噴
射装置8を通過する際、流体噴射装置8の糸通退路入口
部及び出口部で屈曲接触部材86及び85に屈曲接触し
て走行する状態を示す。
この状態において、マルチフィラメント糸Yは屈曲接触
部材86によって通過抵抗を受け、したがって該屈曲接
触部材86の糸の流れの下流側でドラフトを受けるので
ある。
マルチフィラメント糸が流体噴射流の作用を受けて交絡
する際には、点的な部分で交絡を起こすものではなく、
糸の長さ方向にある程度の長さを持った部分において交
絡を起すものであり、したがって、この長さを持った部
分内又はそれに接して屈曲接触部材86を設ければドラ
フトしつつ交絡処理せしめられると言える。
この場合、屈曲接触部材86が交絡装置の一部品として
不可欠な場合はもちろん、屈曲接触部材86の位置自体
が交絡現象に影響を及ぼす場合においてもドラフトしつ
つ交絡せしめると言えるものである。
また、屈曲接触部材86の糸の流れの上流側を走行しつ
つある糸の太さが流体噴射装置8の下流側を走行しつつ
ある糸の太さよりも太い場合にドラフトしつつ交絡する
と言える。
次に本発明方法のドラフト交絡工程の更に好ましい工程
を説明する。
本発明は前記した如く、加熱−加熱−解撚、弛緩、ドラ
フト交絡の3つの作用を順次熱可塑性マルチフィラメン
ト糸に施すことを必須の要件とし、必要とあらば緊張又
は/及びドラフトの作用を施すものであるが、この3つ
乃至5つの作用を施す処理域を全て糸送りローラで区画
することは極めて装置的にも煩雑であり好ましくない。
この煩雑さを解消するために本発明は次の好ましい工程
を提供する。
すなわち、既に説明した本発明の方法において、弛緩処
理を行なう弛緩域への供給ローラと交絡処理を行なう交
絡付与装置との間に摩擦抵抗体を設け、該摩擦抵抗体に
被処理系を接触走行させる又は/及び弛緩処理を行なう
弛緩域への供給ローラと交絡処理を行なう交絡域の引き
取りローラとの間に、糸送りローラを置くことを省略す
ることである。
かかる方法について更に説明をする。
かかる方法を採用する第1の目的は弛緩処理域を糸送り
ローラで区画せずして弛緩状態を形成することであり、
第2の目的はドラフト処理域をローラで区画せずしてド
ラフトを行なうことであり、いずれの目的も既述した本
発明の方法をより簡便にしようとするものである。
第5図はかかる方法の一実施態様を示す概略図であり、
マルチフィラメント糸Yはローラ20、流体噴射装置8
、ローラ30の順に係合し、ローラ20とローラ30と
の間に糸送りローラを設けることを省略した態様である
ローラ20によって供給される糸速度はローラ20の糸
送り速度で決定され、ローラ30に引き取られる糸速度
は口−ラ30の糸送り速度で決定される。
糸の通過量つまり単位時間に通過するフィラメントの長
さは、糸の走行に泊ったどの位置においても一定である
が、糸の通過速度は糸の走行による空気抵抗の影響を受
け、ローラ20の糸送り速度で供給されたマルチフィラ
メント糸Yは、ローラ20を離れると急激に通過速度が
減少し、弛緩され、また流体噴射装置8に近づくにつれ
通過速度が増加する。
かかる通過速度の増加はとりもなおさずドラフト作用で
もあるのである。
この弛緩の程度及びドラフトの程度は糸の通過速度の高
いほどまた通過距離の長いほど大きい。
なお、流体噴射装置8として第10図、第11図、第1
2図等に示す如く屈曲接触部材86を備え、自ずからド
ラフトしつつ交絡処理する態様のものを採用する場合に
おいては糸の通過速度の低い場合又は/及び通過距離の
短い場合においてもローラ20と流体噴射装置8との間
で特にローラを設けることなく弛緩状態を形成すること
ができる。
また、第6図は摩擦抵抗体を設ける方法の一実施態様を
示す概略図であり、マルチフィラメント糸がローラ20
と流体噴射装置8との間で摩擦抵抗体9に係合している
態様である。
該マルチフィラメント糸は摩擦抵抗体9との係合によっ
て走行に際して通過抵抗を受は摩擦抵抗体9より上流の
糸張力は下流の糸張力より弱められ弛緩され、かつ摩擦
抵抗体9上において 該摩擦抵抗体を離れる時にはドラ
フトされるのである。
かかる方法を採用するに際して、摩擦抵抗体9は通常使
用されるヤーンテンサでもよく、棒状物に屈曲接触させ
るだけでもよい。
要は通過抵抗を付与できるものであればよいものである
次に本発明方法の各工程における具体的条件について説
明する。
本発明のスナールを有する交絡加工糸の製造方法は、前
記した如きプロセスによるが、そのプロセスにおいては
次の加工条件が必要である。
すなわち、既述の本発明のスナールを有する交絡加工糸
の製造方法において、熱可塑性繊維マルチフィラメント
糸を構成する各繊維に旋回能を付与する段階で、下記(
a)式で示される1m当りめ撚数Tで加熱された状態下
加熱を行なうこと、及び弛緩を行なう段階で該弛緩域に
おける弛緩率を20%以上とすること、及びドラフト交
絡を行なう段階で、ドラフト交絡域の引き取り速度に対
して弛緩を行なう弛緩域への供給速度を5%以上20%
以下の過超供給状態とすることである。
T=K(D/ρ)−% ・・・・・・・・・・・・・・
・・・・(a)ただし、Kは定数であり、2000 <
K< 7000の値、Dは糸の総デニール数、ρは糸の
比重である。
かかる方法についで更に詳細に説明する。
まず、熱可塑性繊維マルチフィラメント糸を構成する各
繊維に旋回能を付与する段階において接糸を加熱し、加
熱状態のまま加熱し、次いで解撚することによって繊維
に旋回能を付与するのであるが、旋回力は上記(a)式
で示される撚数Tによ゛つて付与されるのである。
該(a)式で定まる撚数に加熱すると撚線の曲率は糸の
太さに依らず、はぼ一定になる。
撚数が増加すると該曲率が増加し、繊維の旋回力が増加
し、繊維の旋回力が増加するのであるが、そのときのス
ナールの発生状態は撚数が増加するとスナールの数が増
しかつ小さくなり、更に・撚数が増加するとスナールの
発生が全く起らなくなる。
むろん、通常のウーり糸を得る場合に採用される如き撚
数では、弛緩してもスナールの発生は起こらない。
逆に撚数が減少するとスナールの数が減少して大きくな
り、更に撚数が減少するとネップ状態でスナールが発生
する。
更にこれよりも撚数が減少するとスナールの発生は全く
起らない。
本発明者らの知見によると、前記(a)式における係数
にの値が2000K<7000で示される範囲内に撚数
を設定した場合において、はぼ均一にスナールが発生す
る。
なお、加熱温度は広範囲の設定値で達成でき、ガラス転
位温度以上で繊維相互が融着を起こす温度以下であれば
よい。
かかる加熱温度の設定値は、後の繊維物性の目的に応じ
て決定するのがよいが、本発明者らの知見によれば、分
子結晶化が急速に進む温度(結晶化開始温度)以上で行
なうのが好ましい場合が多いようである。
次にスナールを形成するための弛緩処理であるが、ここ
での弛緩率を20%以上とすることが必要である。
効果的なスナールを発生させるためである。
なお、弛緩率は下記定数によって算出される値である。
弛緩率”=(1−x)X100% ただし、Xは下記の式で求められる値である。
(これら3つの式で求められるXの値は理論的に等しく
なるものである。
9x−(走行中の糸の一定区間の両端を同時に切断して
取り出す糸の長さ)/(その糸のフィラメントの平均長
さ)又は =(フィラメントのデニール×フィラメント本数)/(
走行中の糸のデニール)又は =(糸の走行速度)/(糸の供給速度) かかる弛緩率を求めるに際して、必要な値の測定は弛緩
域への供給ローラの近傍で行なう。
上記の如く決定される弛緩率が20%以上になると糸は
見掛は上糸の長さ方向に沿って均一にスナールを発生す
る。
なお、弛緩率の上限は糸の走行が継続する限り大きくす
ることができ、90%(このとき、糸の長さに対して構
成フィラメントの長さは10倍となる)近くまで取れる
場合もある。
かかる弛緩率の値も所望の加工糸特性に応じて適宜決定
されるべきものである。
次に、ドラフト交絡処理域におけるスナールを強固に固
定する必要な条件の一つとして、交絡域の引き取り速度
と弛緩域への供給速度との関係を次の通りとすくことが
顕著な効果を奏する。
すなわち、例えば第3図乃至第6図に示す態様において
、 ローラ20の糸送り遺訓1 5%<(、−1)X100%〈20% ローフ30の糸送り逼囮1 とすることが必要である。
この条件によりスナールが強固に保持される。
次に本発明方法の更に好ましい方法について説明する。
本発明の方法は前記した如く、少なくとも加熱−加熱−
解撚、弛緩、ドラフト交絡の3つの作用を順次熱可塑性
マルチフィラメント糸に施すことを必須とするものであ
るが、最も重要なことは、マルチフィラメント糸の構成
単繊維にスナールを存在せしめた状態下で接糸を交絡し
、接糸に該スナールを束縛固定することにある。
したがって交絡処理部でスナールを消滅させる交絡処理
は本発明方法に採用できないが、該スナールを減少させ
る交絡処理もまた本発明には好ましくない方法である。
交絡処理に際しスナールを効率よく束縛固定するために
本発明はまた次なる方法をも好ましい実施態様として提
供するものである。
すなわち、前述した本発明の方法において、交絡付与装
置として、実質的に糸の搬送作用を有さないものを用い
る、又は該マルチフィラメント糸の長さ方向に沿って間
歇的に交絡部を形成せしめる間歇交絡処理とすることで
ある。
かかる方法について更に詳しく説明するー。
上記において、「搬送作用」とは交絡付与装置を通過し
たマルチフィラメント糸を引き取ることを停止しても糸
が交絡付与装置の通過を継続する程度の搬送作用を意味
する。
今、交絡付与装置について検討すると、交絡付与能力の
高い流体噴射装置であっても、流体噴射流又は/及びそ
の排出流の作用で該搬送作用を呈するものが数多く知ら
れているが、このような装置を本発明の方法の実施に採
用する場合、スナールの消滅が起こるもの、極端にスナ
ールが減少するもの等も多い。
したがって、本発明のスナールを有する交絡加工糸の製
造方法を実施するに際しては、流体噴射装置の選定に当
り、かかる点を十分に考慮することが好ましい。
前記した如く、実質的に糸の搬送作用を有さない装置を
用いる場合には、かかるスナールの消滅等の問題がほと
んど発生しないので、かかる装置を用いるのが最もよい
のである。
なお、流体流が通過抵抗となって作用する流体噴射装置
もあるが、この場合には本発明に好ましい効果を与える
ことがあり、所望に応じてそのような装置を採用するこ
とは本発明の方法の実施に際して何ら差支えない。
次に間歇的に交絡部を形成する間歇交絡処理方法である
が、これは従来公知の交絡処理方法でよい。
第7図、第8図、第9図はそれぞれ交絡処理を行なう流
体噴射装置の横断面を示す概略図であり、かかる間歇交
絡処理方法をなす場合に使用できる装置の一例を示すも
のである。
これら各図において、81は糸通過孔、82.83は流
体噴射孔、84は糸挿入間隙である。
元来、マルチフィラメント糸は、構成者フィラメントが
実質的に平行に配夕1ルでいたものであるから、交絡処
理によって形成された繊維相互の交絡は本質的に解舒す
ることが可能であるから繊維相互の部分的な交絡に対し
、該交絡を打費す機能を持った繊維相互の交絡が該交絡
とは別の糸部分に存在することは自明であり、容易に理
解できることである。
また、元来、マルチフィラメント糸は各フィラメントが
実質的に等長のものであるから、あるフィラメントにス
ナールが形成されると該スナールの存在する部分におい
てフィラメント相互のフィラメント長に過不足が生じる
が、系全体ではスナールによるフィラメント長の部分的
過不足は打消し合う状態で各フィラメントにスナールが
形成されることもまた自明であり、容易に理解できるこ
とである。
したがって、糸軸に沿って連続的に構成繊維相互が交絡
していると、互いに打消し合う交絡やスナールが極めて
近くに存在するため、糸に張力が付加されると、交絡や
スナールが消滅しやすいという状態を避は得ない。
これに対して、前述の間歇交絡処理による加工糸の場合
には互いに打消し合う交絡やスナールが非交絡の糸部分
によって隔絶して形成されることも多いため、糸に張力
が付加されても交絡やスナールが極めて消滅しにくいの
である。
第16図はかかる間歇交絡法による間歇的に交絡したマ
ルチフィラメント糸の一態様を示す外観概略図であり、
交絡部分Cと非交絡部分Oとが糸軸方向に沿って交互に
形成された状態を示すものである。
次に本発明方法の効果について説明する。
本発明方法により得られる加工糸は、前述の通り繊維の
スナールを有し、かつ構成繊維が相互に糸軸に清ってほ
ぼ連続的にあるいは間歇的に交絡してなるマルチフィラ
メント糸である。
以上、述べた通りの本発明の加工糸の製造方法によれば
、スナールの保持性のよい、かつ寸法安定性、嵩高性に
優れ、例えばミシン糸用、経編用あるいは織物用として
最適な糸が得られる。
かかる本発明の方法によれば、前述した従来方法によっ
て得られる加工糸に比較してスナール等が強固に保持さ
れ、かつ寸法安定性に優れた特殊加工糸が得られるので
ある。
また本発明方法はプロセスが簡潔で、合理的、能率的で
あり、製造コストが安価にできるという効果も奏する。
以下に実施例を示し、本発明の具体的構成、効果につい
て説明をする。
実施例 1 ポリエチレンテレフタレートより成るマルチフィラメン
ト糸(75デニール、36フイラメント)を第1図に示
す如き態様にてスピンドル方式の仮撚装置7を用いて仮
撚数1500T/mの仮撚を付与しつつ160℃に加熱
された加熱装置6にて加熱した。
次いで連続して第6図に示す如き態様にて流体交絡処理
を行なった。
ここで、第1図のローラ22と第6図のローラ20とは
同一の態様である。
このとき、流体噴射装置8における糸の停台状態は第1
0図に示す如き態様のものを採用し、該装置の横断面形
状は第7図に示す如きものを用いた。
交絡処理域の引取ローラであるローラ30の糸送り速度
は135 rn /ynin、弛緩域への供給ローラで
あるローラ20の糸送り速度は150m1min、 Y
lの弛緩率は65%、¥2の弛緩率は27%であった。
これにより摩擦抵抗体9によるドラフトは概算で2.1
倍起ったことになる。
さらに¥3の弛緩率は12%であった。
従って1.2倍にドラフトしつつ交絡処理を施したこと
になる。
かかる条件の本発明の加工糸の製造方法によって得られ
た糸は、第16図に示す如き形態のものであり、多数の
スナールが固定され、糸が破断する張力を付加しても多
数のスナールが残留するものであった。
また糸張力は繊維強力総和の80%と極めて高いもので
あった。
実施例 2 ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して、3QQQ
m/mの速度で引き取り、太さ120デニール、フィラ
メント数36本のマルチフィラメント糸を得た。
次いで接糸を第1図に示す如き態様にて、1.75倍の
延伸を行ないつつ仮撚数1600T/m、200℃の仮
撚加工を行なった。
次いで第5図に示す如き流体噴射交絡処理を行ない加工
糸を得た。
このときローラ30の糸送り速度は365 m /vi
yi、 o−ラ20,22の糸送り速度は4oorn
/ynnrとした。
流体噴射装置8の糸係合状態は第11図に示す如きもの
とし、該装置の横断面形状は第8図に示す如きものを採
用した。
かかる本発明の方法で得られた糸は、実施例1で得られ
た糸と同様にスナールの固定性、強力等で優れたもので
あった。
実施例 3 実施例1と同様にして存S仮撚糸とZ仮撚糸を摩擦抵抗
体9の上流で合流させ、引き揃え状態で交絡処理を行な
った。
得られた糸は実施例1,2で得られた糸と同様の効果を
有したほか、旋回性のない糸が得られた。
この糸は特にシングルシャーシー用として優れたもので
あった。
比較実施例 1 実施例2と同一の方法で仮撚加工糸を得た。
かかる仮撚加工糸を弛緩しつつダブルツイスタ−を用い
て追撚600 T/mを行なった。
なおダブルツイスタ−の回転数はt o、o o or
pmで、はぼMaxの回転数であった。
かかる追撚の速度は約17rIl。7分であり、実施例
2の約4007′n/分に比べて能率が劣るものであっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図は本発明の加工糸の製造方法の工程の
一実施態様を示す概略図であり、それぞれ工程の一部分
を示す。 詳しくは、第1図は加熱、加熱、解撚工程、第2図は緊
張工程、第3図は弛緩処理工程と交絡処理工程、第4図
は弛緩処理工程と交絡処理工程の間にドラフト処理工程
を特に設けた工程、第5図は弛緩処理域への供給ローラ
と交絡処理域の引取りローラとの間には糸送りローラを
特に設けない場合の工程、第6図は弛緩処理域への供給
ローラと交絡付与装置との間に摩擦抵抗体を設けた場合
の工程をそれぞれ示すものである。 第7図乃至第9図は本発明の方法において交絡処理に利
用できる流体噴射装置の一例を示す横断面概略図であり
、糸の通過方向に垂直な断面を示す。 第10図乃至第12図は本発明の方法で採用され得る噴
射装置への糸係合状態を示した概略図であり、それぞれ
本発明の方法における好ましい実施態様例を示す。 第13図乃至第16図は本発明の方法におけるマルチフ
ィラメント糸の製造工程中の一状態例を示す外観概略図
であり、詳しくは、第13図および第14図は弛緩処理
後の状態を示す。 なお、ただし漬14図に示される如き状態を示す糸は本
発明の方法には用いることのできない糸である。 また第15図は弛緩処理後にドラフト処理された場合の
状態例を示し、第16図は間歇交絡処理を施された本発
明の方法で得られる加工糸の外観概略図である。 1:加熱−加熱−解撚処理域、2:弛緩処理域、3ニド
ラフト交絡処理域、4ニドラフト処理域、5:緊張処理
域、6:加熱装置、γ:仮撚装置、8:流体噴射装置、
81:糸通過孔、82,83:流体噴射孔、84:糸挿
入間隙、85,86:屈曲接触部材、9:摩擦抵抗体、
10,20,21.’22.30,31.32:糸送り
ローラ、Y、Y、。 ¥2.¥3:マルチフィラメント糸、Sニスナール、C
:交絡部分、O:非交絡部分、なお、図中の矢印は糸の
走行方向を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性繊維マルチフィラメント糸を下記(a)式
    で示される撚数Tで仮撚加工して接糸の各構成単繊維に
    旋回能を付与し、次いで接糸を、弛緩率20%以上で弛
    緩して接糸の各構成単繊維にスナールを形成せしめ、し
    かる後肢スナールを存在せしめた状態下でドラフトしつ
    つ接糸の構成繊維相互を圧力流体により交絡処理し、か
    つ該ドラフトしつつ交絡処理するドラフト交絡処理域の
    引き取り速度に対して、該弛緩を行なう弛緩域への供給
    速度を5%以上20%以下の過超供給状態とすることを
    特徴とするスナールを有する交絡加工糸の製造方法。 T=K(D/ρ)−%・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・(a)(ただしKは定数であり2000<K<7
    000の範囲、Dは糸の総デニール数、ρは糸の比重、
    Tは1m当りの仮撚数である。 )2 交絡処理が糸の長さ方向に沿って間歇的に交絡部
    を形成せしめる間歇交絡処理であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のスナールを有する交絡加工糸
    の製造方法。 3 交絡処理を行う交絡付与装置として、実質的に糸の
    搬送作用の有さないものを用いるごとを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載のスナールを有する交絡加工糸の
    製造方法。
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