JPS5916851Y2 - 携帯時計の機械固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は携帯時計の機械固定構造に関し特に機能品質を
低下させることなく、また外観テ゛ザインバラエティを
落すことなく安価に製造することのできる携帯時計の機
械固定構造に関するものである。

従来の携帯時計の機械固定構造においては、第１図の実
施例の様に金属から成る平板状の時刻表示目盛を有する
時計文字板１を時計機械体２に一般的な文字板足ネジ止
メ固定方式より固定し、ガラス３を固定した胴４の内部
に装着した後、弾性部材から成る中枠５を胴４の内壁と
時計機械体２との間に装着し、時計機械体２の地板段部
２ａを下方より保持した前記中枠５を胴４に噴材などに
より着脱可能に固定される裏ブタ６の上面部で軸方向に
押上げて機械固定する構成をとっていた。

この構成においてはモチ゛ルごとのテ゛ザインにより文
字板の見切形が変わると文字板１のみならず、胴内形が
変わり機械固定のための中枠５もそれに応じて外形形状
が異なるため機械固定のための構成部品が全て新規とな
り多種少量生産の携帯時計の場合は製造上かつ部品管理
、アフターサービス面など総合的にコスト高となってし
まっていた。

また合理化の考案として胴と文字板を一体とすること、
文字板と時計機械体とを一体化することも考えられてい
るが、文字板見切形９表面仕上９色調などのモチ゛ルバ
リエーションが得られ難いため実用的で゛なかった。

本考案は従来の上記の欠点を除去し機能品質を低下させ
ることなく、かつ外観デザインバラエティを落とすこと
なく、安価に製造できる合理的な構造が得られたもので
以下図面により詳細に説明すると、第２図の実施例にお
いては、文字板１１をプラスチックで構威し、その平面
形状を第３図の実施例の様に形成する。

１１ ａは文字板体１１の見切形の外側に構成したスリ
ットで外周部には部分的に弾性突起１１ ｂが設けられ
ている。

文字板１１と時計機械体１２との固定は軸方向には文字
板１１の下方に一体に成形した部分的なカギ型突起部１
１Ｃを時計機械体１２の地板段部１２ ａに両者に設け
られた噴材案内面を利用して押込み固定され、径方向に
は地板外形が非円形の場合は前記部分的突起部１１ Ｃ
の案内でも回転しない様位置決めされるが地板外形が円
形の場合、また非円形でも回転方向の位置決めを精度良
く行なうためには図示された文字板下方のダボ部１１
ｄを時計機械体１２の穴部１２ ｂに係合させれば良い
。

１１ ｅは時刻表示のための略字で文字板体１２の色調
９表面仕−Ｅと変えた内容で金属もしくはガラスなどの
非金属物質がインサート成形などになり埋込まれ固着さ
れている。

この文字板１１を時計機械体１２に装着固定し針を装着
した状態でガラス１３が固定された胴１４の内壁部に径
方向に若干の締代がつく様に押込み固定し径方向に機械
ガタが生じない様に構成し、一方軸方向には時計機械体
１２に一体に固定した弾性バネ１２ Ｃを裏ブタ１６の
内面により押上げ機械ガタが生じない様に構成されてい
る。

上記の構成によりモデルごとに文字板見切形が変わった
場合、文字板は必然的に新設されるがその他の中枠など
の機械固定部材が不要なため製造が合理化され安価に作
ることができる。

また機能的には文字板外周部のスリット溝などの弾性部
により文字板見切形の範囲の文字板面はソリ、ユガミな
どの寸度変化なく機械固定されること、外観的にもプラ
スチックの成形品のため種々の色調。

表面仕上などのバリエーションが得られ、成形型転写の
複雑な模様入り文字板、二色成形５表面にアルミ薄板な
どの装飾板を貼付けた二層文字板などによる多彩なデザ
インがカレンダー有、無を間はず幅広い商品群で可能と
なるなど実用的な効果が創り込めるものである。

第４図の実施例は第３図の実施例に対してさらに軸方向
の弾性的機械固定をも文字板で行うものでプラスチック
から戒る文字板２１の部分的なカギ型突起部２１ Ｃの
下方にさらに軸方向の弾性を有するスリット溝付突起部
２１ ｆが２カ所以上設けられている。

他の部分は第３図に類以であるが表示マーク部２１ ｅ
は一体に略字を形成し上面に印刷などにより文字板体と
は異った色調のマークが施されている。

また径方向の精度良い位置だしと組込性向上のため文字
板下ダボ２１ ｄと時計機械体２２の地板穴２２ ｂと
はテーパ面で係合させている。

第４図の構成により時計機械体の弾性バネも不用となり
文字板１つでも時刻表示の役割のみならず軸方向および
径方向の機械固定を確実に行なうもので、さらに製造面
での合理化が図れるものである。

第５図は文字板３１をアルミなどの成形性が良く陽極酸
化処理などで種々の色調９表面仕上が可能な金属薄板か
ら形成し文字板見切形より外側で部分的に折曲げ加工を
施し機械固定部３１ ａを２力所以上で止メ固定などに
より機械固定し、さらに軸方向の弾性部３１ ｂと径方
向の弾性部３１ Ｃを部分的に構成し、若干の縫代を有
して径方向および軸方向に弾性固定とする構成をとって
いる。

文字板体には洋白、Ｂｅ−Ｃｕ、 ＩＪン青銅などの弾
性が優れた金属材料を用いメッキ処理表面仕上や印刷塗
装仕上を用いても差支えない。

機械固定は図のネジ固定ではなく、第２図および第４図
の様なカギ型の弾性突起と地板段部との噴材係合でも良
い。

また図は全てカレンダーなしで書かれているがカレンダ
ー付の場合は文字板にカレンダーの口車を収容する段部
とカレンダー開口部の穴を構成すれば良い。

機械固定部以外のガラス部、裏ブタ部、外部操作部の構
造は図以外のほとんど全ての構造にも対応して使用でき
るものである。

以上説明した様に本考案は多様性を要求される携帯時計
における実用的かつ合理的構造として、単に製造上安価
に作れるのやならず機械固定性能を落とすことなく部品
点数の削減を実現し部品管理、アフターサービス面にお
ける合理化など総合的に大幅な合理化が図れ、また表示
部の外観デザインの幅広いバラエティが実現できるなど
の大きな実用的効果が得られたもので誠に有用なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の代表的な実施例を示す部分縦断面図、第
２図は本考案の一実施例を示す部分縦断面図、第３図は
本考案の文字板の一実施例を示す平面図、第４図および
第５図は本考案の他の実施例を示す部分縦断面図である
。 １．１１．２１．３１０１．・００文字板、２，１２，
２２．３２・・・・・・時計機械体、４．１４，２４．
３４・・・・・・胴、６，１６，２６．３６・・・・・
・裏ブタ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）時刻表示目盛を有し、時計機械体に軸方向、径方
   向ともに位置決め固定した時計文字板の外周部に部分的
   な弾性突起部を設け、胴の内壁面に対して径方向に若干
   の締代を有して装着固定したことを特徴とする携帯時計
   の機械固定構造。
2. （２）実用新案登録請求の範囲第１項に記載の時計にお
   いて、時計文字板と一体に軸方向の立上り弾性突起部を
   部分的に設け、胴と裏ブタとの間で軸方向に締代を有し
   て保持固定したことを特徴とする携帯時計の機械固定構
   造。