JPS5916591Y2 - 動力取出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、動力取出装置に関するものである。

従来、エンジン等の駆動部から動力を取出す装置として
は種々のものがあるが、一般には、動力取出軸と作業部
との間に複数のギヤを設け、これらのギヤ同士の噛み合
わせをかえることにより回転方向を逆転したり回転数を
かえたりしている。

したがって、ギヤをオイルとともにケースに収納した複
雑なミッション機構を設けなければならず、また、ギヤ
の噛み合いをかえる際には一旦動力の伝達を切るための
クラッチを設ける必要があり、よって、切換操作がワン
タッチで行なえず、また構造が複雑になり生産コストも
高くなっている。

さらに、作業部側に過負荷が作用した場合にはエンスト
し易い等の欠点を有している。

この考案は、このような点に鑑みなされたもので、駆動
部からの動力による作業部側の回転方向の逆転及び駆動
部から作業部側への伝達トルクの調節を簡単に行なうこ
とを目的とするものである。

この考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は作業機の機体で、この機体１はフレーム２とバンド
ル３とが一体的に設けられている。

前記フレーム２の前方部には従動輪体である走行輪４を
回転自在に保持する保持体５が溶接され、前記フレーム
２の後方部には左右一対のスタンド６が溶接され、さら
に、これらのスタンド６間には支え板７が溶接されてい
る。

前記スタンド６に溶接された支持片８と前記フレーム２
に溶接された支持片９との間には回転軸１０が回転自在
に支持され、この回転軸１０には薄肉の外周輪部を有す
る回転輪１１とスプロケット１２とが固定されている。

そして、このスプロケット１２と前記走行輪４の回転軸
１３に固定されたスプロケット１４との間にチェーン１
５が巻回されている。

また、前記回転輪１１は一側面を側板１６に覆われた円
筒状をしており、この側板１６の中央に前記回転軸１０
が挿通されている。

前記支え板７には駆動部であるエンジン１７が固定され
ており、このエンジン１７の動力取出軸１８にはプーリ
１９が固定されている。

又、この動力取出軸１８の先端は前記プーリ１９を覆う
駆動輪ボックス２０の内側部に回転自在に挿入されてい
る。

前記駆動輪ボックス２０には前記回転輪１１の外周側に
位置する駆動輪２１が一端に固定された支軸２２と前記
回転輪１１の内周側に位置する駆動輪２３が一端に固定
された支軸２４とが回転自在に挿入されている。

これらの駆動輪２１，２３は前記駆動輪ボックス２０の
外側に位置するもので、前記駆動輪ボックス２０の内側
に位置する前記支軸２２．２４の他端側にはブー’Ｊ
２５．２６がそれぞれ固定されている。

そして、これらのプーリ２５．２６と前記ブー１１１９
との間にはベルト２７が張設されている。

しかして、前記駆動輪ボックス２０にはスプリング受レ
バー２８が上方に突出した状態で固定されており、この
スプリング受レバー２８には上下方向に長い長穴２９が
形成されている。

前記ハンドル３には操作レバーとしての前後進レバー３
０が取付けられ、この前後進レバー３０に連結されて前
後方向にスライドするロッド３１が前記長穴２９に挿通
されている。

そして、前記ロッド３１には前記スプリング受レバー２
８の前後に位置するスプリング受３２と前記スプリング
受レバー２８との間には前記ガイド３１に巻回されたス
プリング３４が設けられ、同様に、前記スプリング受３
３と前記スプリング受レバー２８との間にも前記ロッド
３１に巻回されたスプリング３５が設けられている。

また、前記支え板７には補助輪３６を保持する保持体３
７が回動自在及び任意位置固定自在に連結されている。

このような構成において、エンジン１７の動力取出軸１
８に固定されたプーリ１９は動力取出軸１８とともに反
時計方向に回転している。

したがって、プーリ１９とベルト２７によって連結され
たプーリ２５、２６も反時計方向に回転し、よって、駆
動輪２１゜２３もそれぞれ反時計方向に回転する。

なお、図面はいずれもエンジン１７からの駆動力が走行
輪４に伝達されないニュートラル状態を示しており、前
後進レバー３０は直位状態でニュートラルポジションに
位置している。

機体１を前進させる場合は、前後進レバー３０を前方に
倒す。

この操作によリロツド３１か゛後方にスライドし、スプ
リング３４の付勢力によりスプリング受レバー２８は後
方向きに付勢され、スプリング受レバー２８及び駆動輪
ボックス２０は動力取出軸１８を中心として時計方向に
回転する。

駆動輪ボックス２０の回動とともに支軸２２．２４及び
駆動輪２１．２３も時計方向に回動し、駆動輪２３が反
時計方向に回転しつつ回転輪１１の内周面に圧接される
。

これにより、回転輪１１は反時計方向に回転し、この回
転が同様に反時計方向に回転するスプロケット１２がら
チェーン１５によりスプロケット１４へと伝達され、走
行輪４が反時計方向に回転して機体１が前進する。

前後進レバー３０を後方に倒すとロッド３１が前方へス
ライドし、スプリング受レバー２８と駆動輪ボックス２
０とがスプリング３５の付勢力を受けて動力取出軸１８
を中心に反時計方向に回動し、駆動輪２１が反時計方向
に回転しつつ回転輪１１の外周面に圧接される。

これにより、回転輪１１は時計方向に回転し、走行輪４
も時計方向へ回転して機体１が後進する。

このように、機体１の前後進の切換をきわめて簡単な機
構により、しかもワンタッチの切換操作によって簡単に
行なうことができる。

また、駆動輪２１．２３の回転輪１１への接合圧力を調
節することにより駆動輪２１．２３から回転輪１１への
伝達トルクを調節することができ、さらに、走行輪４側
から過負荷が作用した場合には回転輪１１と駆動輪２１
．２３との間ですべりを生じてエンジン１７が停止して
しまうことを防止できる。

なお、回転輪１１及び駆動輪２１．２３等の径を変える
ことにより任意の減速比を得ることができ、前進時と後
進時の速度をかえることもできる。

この考案は、上述のように構成したいで、駆動部に連結
されて同一方向に回転する駆動輪を従動輪体に連結され
た回転輪の外周側と内周側とに位置させつつその回転輪
の外周面又は内周面に選択的に圧接及び離反自在に支持
したことにより、駆動輪の回転輪への接合を切換えて従
動輪体の回転方向をワンタッチの操作で逆転させること
ができ、駆動輪と回転輪との接合圧を調節することによ
り伝達トルクを変えることができ、従動輪体側に過負荷
が作用した際のエンジン停止を防止することができ、し
かも、きわめて簡単な構造であるため生産コストを低く
することができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は側面
図、第２図は平面図、第３図は一部を拡大した縦断側面
図である。 ４・・・・・・走行輪（従動輪体）、１１・・・・・・
回転輪、１７・・・・・・エンジン（駆動部）、２０・
・・・・・駆動輪ボックス、２１・・・・・・駆動輪、
２３・・・・・・駆動輪、３０・・・・・・前後進レバ
ー（操作レバー）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄肉の外周輪部を有する回転輪を従動輪体に連結して設
   け、駆動部に連結されて同一方向に回転する二個の駆動
   輪を前記回転輪の外周輪部の外周側と内周側とに位置さ
   せて駆動輪ボックスに取付け、この駆動輪ボックスを操
   作レバーにより揺動するように設けて前記駆動輪を前記
   回転輪の外周輪部の外周面又は内周面に選択的に圧接及
   び離反させるようにしたことを特徴とする動力取出装置
   。