JPS622995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は自走型ロータリ式芝刈機の変速装置に関
する。

この種の芝刈機として例えば実開昭54−99851
号公報のものが知られている。その芝刈機は以下
の構成である。即ち、前後輪を備えた刈刃ハウジ
ングの上部に原動機を載置して、その原動機で回
転駆動される刃物軸を刈刃ハウジング内に地面に
対して略垂直に突出させ、その刃物軸の下端に取
付けた刈刃で刈取つた芝をハウジングの後部開口
から集草バツグ内に収容する。

一方、走行動力は上記刃物軸のＶ調車から中間
軸のＶ調車にＶベルトで伝動し、その中間軸から
後輪軸に歯車伝動するもので、この場合上記のよ
うに刈刃で刈取つた芝をバツグ内に収容するため
の開口を避けて後輪軸の一側部に伝動する。

上記のような芝刈機、特に大型の機種では上記
構成の動力伝達機構に変速装置を備えるのが好ま
しい。その場合の変速装置としては一対のＶ調車
の一方を可変ピツチ調車で構成し、両調車間の距
離を変えることによつて変速するものが適する。
そのような変速装置を備えた芝刈機として特開昭
56−75014号公報があるが、前記のような歯車伝
動機構を有する動力伝達機構には歯車軸の軸間距
離が変るのでそのまま適用することができない。

本考案は前記のように略垂直な原動軸からベル
ト伝動機構と歯車伝動機構を介して後輪軸に伝動
する自走型ロータリ式芝刈機に構造簡単な変速装
置を設けることを目的とするもので、略垂直な回
転刃物軸５から後輪軸１０に伝動する自走型ロー
タリ式芝刈機に於て、上記刃物軸５と、後輪軸１
０に対して一定角度θ傾斜した中間軸１１との間
にＶ調車１２，１３、90゜捻つたＶベルト１４か
ら成る中継ベルト伝動機構を設け、その従動Ｖ調
車１３の軸１１上のはすば歯車１５とこれにかみ
合う歯車１６とからなる中継歯車伝動機構を設
け、上記歯車伝動機構の従動歯車軸１７を中心と
して回動自在のケース１８に前記の従動Ｖ調車１
３の軸１１を軸受させ、その従動Ｖ調車１３を二
つ割１３ａ，１３ｂにして軸１１にスプライン結
合し常時押圧ばね１９により互いに接近傾向に保
ち、上記ケース１８を回動変位させることにより
Ｖベルト１４の巻き掛けピツチを可変にした自走
型ロータリ式芝刈機の変速装置を要旨とする。

図示例は従動歯車１６の軸１７からさらに減速
機２０を介して後輪軸１０に伝動するようにした
ものであるが、従動歯車１６を後輪軸１０上に設
けて直接伝動することもある。２１〜２３は減速
歯車、２４は案内調車である。

上記減速機２０とケース１８は軸１７を介して
連結され、その連結部の反対側に於て夫々軸受２
５，２６（第５図）により前記刈刃収容ハウジン
グ６に対して回動可能に支持されている。上記両
軸受２５・２６は各々刈刃収容ハウジング６の縦
辺６１，６２に取付けられ、夫々上記軸１７の軸
線上で減速機２０、ケース１８に凹凸嵌合させた
ものである。

従つて、ケース１８と減速機２０は刈刃収容ハ
ウジング６に対して軸１７を中心に各々独立に回
動可能であり、ケース１８を回動することにより
従動Ｖ調車１３が傾動変位してＶベルトの巻き掛
けピツチを変えることができる。

２７はケース１８に軸ピン２８により回動可能
に取付けたケース１８の回動操作腕で、その一端
２７ａをケース１８の筒部１８ａに当接させ、他
端２７ｂを前記のハンドル３に設けた操作レバー
２９（第１，２図示）にワイヤ３０で連結したも
のである。３１は操作腕２７と刈刃収容ハウジン
グ６の後部との間に縮設したばねを示す。

上記操作レバー２９は通常第２図実線の位置に
あり、そのときケース１８及び従動Ｖ調車１３は
第４図実線の位置にあつてＶベルト１４は調車１
３の外周部に懸回している。

操作レバー２９を第２図矢示の方向に回動し、
ワイヤ３０を介して操作腕２７の一端２７ｂを他
端２７ａとケース筒部１８ａとの当接部を支点に
して引上げると、ケース１８が軸１７を中心に第
４図の鎖線の位置に回動し、それと一体に調車１
３が同図鎖線位置に傾動する。なおその際はすば
歯車１５も同１６とかみ合つたままケース１８と
一体に回動する。

その結果、両調車１２，１３間の距離が広が
り、ベルト１４がばね１９に抗して調車１３の中
心方向に入り込んで調車１３の回転が早くなり、
芝刈機の走行速度が早くなるもので、操作レバー
２９の回動位置を変えることにより走行速度を調
節することができる。

又操作レバー２９を第２図鎖線の位置から実線
の位置に戻すと、ばね３１により操作腕２７が第
４図の反時計方向にワイヤ３０が張るまで回動
し、操作腕２７の一端２７ａがケース１８の筒部
１８ａから一時離れるが、ベルト１４がばね１９
により調車１３の外周側に戻り、ケース１８と調
車１３が第４図実線の位置に戻ると同時に操作腕
２７も同図実線位置に戻つて当初の低速走行の状
態に復帰するものである。

図中３２ははすば歯車１６と軸１７との間に介
在させたクラツチで、そのクラツチ３２をハンド
ル３に設けた操作レバー等に連動して切ることに
より手押し刈りができるように構成されている。

３３は前記軸受２５と後輪軸１０に回動可能に
取付けた刈刃高さ調節レバーで、そのレバー３３
を軸１０を中心に適宜回動保持して刈刃収容ハウ
ジング６を上下させることにより刈刃高さの調節
が可能である。

上記後輪軸１０と後輪２との間には芝刈機の前
進方向にのみ動力を伝達する一方向クラツチが介
在されているが図には省略する。

本案は上記の構成であるから変速装置を極めて
簡単に構成することができると共に、ケース１８
を回動変位させるだけで変速できるから変速操作
が容易であり自走型ロータリ式芝刈機の変速装置
として有効適切である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案変速装置を備えた自走型ロータリ
式芝刈機の平面図、第２図はその側面図、第３図
はその要部の拡大横断平面図、第４図はその縦断
側面図、第５図は第３図−線断面図である。 １は前輪、２は後輪、３はハンドル、４は原動
機、５は回転刃物軸、１０は後輪軸、１１は中間
軸、１２・１３はＶ調車、１４はＶベルト、１
５・１６ははすば歯車、１７は従動歯車軸、１８
はケース、１９はばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略垂直な回転刃物軸から後輪軸に伝動する自走
   型ロータリ式芝刈機において、 上記刃物軸と、後輪軸に対して一定角度θ傾斜
   した中間軸との間にＶ調車と90゜捻つたＶベルト
   とからなる中継ベルト伝動機構を設け、 その従動Ｖ調車の軸上のはすば歯車とそれにか
   み合う歯車とからなる中継歯車伝動機構を設け、 上記歯車伝動機構の従動歯車軸を中心として回
   動自在のケースに前記の従動Ｖ調車の軸を軸受け
   させ、 その従動Ｖ調車を二つ割にして常時押圧ばねに
   より互いに接近傾向に保ち、 上記ケースを回動変位させることによりＶベル
   トの巻き掛けピツチを可変にした、 自走型ロータリ式芝刈機の変速装置。