JPS5914968B2 - 回転電機の通風冷却装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば水車発電機のように突極間磁極を有す
る回転電機の通風冷却装置の改良に係り、特に隣接界磁
極間頭部に塞ぎ板を有し、界磁極間の冷却空気を、この
塞ぎ板の軸方向中央部に設けられている排気窓より排出
し、固定子鉄心の排気ダクトを流通せしめて固定子枠外
へ排風するようになした回転電機の通風冷却装置の改良
に関するものである。

従来一般に中容量機におけるこの種回転電機の通風冷却
手段としては数多くの考えがあり、又一部実用化されて
いるが、最近においては回転電機の単機容量増大化にと
もない冷却風量も増大し風損の問題が注目されるように
なってきている。

これに対処するため、一つの考えとして界磁極間頭部に
塞ぎ板を設け、回転子を円筒状に形成せしめて回転子の
表面における風損を減するようにしたものがある。

この風損を減するようになした回転電機の構成及びその
冷却通風関係を第１図及び第２図に基づき説明すると、
１は回転シャフト、２はこのシャフトに固定一体化され
たヨーク、４は突極界磁極、５は界磁コイルである。

６は隣接界磁極に跨って設けられた極間塞ぎ板であり、
突極界磁極の極間を塞いで、風損を減少させる目的で取
付けられている。

固定子側について述べると、７は固定子コイルであり固
定子鉄心８に巻回収納されている。

９は固定子鉄心８を冷却する空気を通すための固定子通
風ダクトで、この通風ダクトは固定子鉄心８の間に複数
個、すなわち軸方向に所定の間隔をもって複数個設けら
れている。

そしてさらにこの複数個の固定子通風ダクトは冷却空気
の人気、排気の区別（冷却空気の流通方向の区別）によ
り排気ダクト群９ａと人気ダクト群９ｂとに分けられて
いる。

１０は固定子枠で、その内部には前記人気、排気ダクト
群に対応して固定子枠内を人気セクションと排気セクシ
ョンに仕切る仕切り主板１０ａを有している。

１１及び１２は第１の通風ガイドで冷却空気を回転電機
内に導くためのものである。

１３及び１４は第２の通風ガイドであり、突極界磁極４
のファン作用により排出された冷却空気が界磁極間側へ
逆流するのを防止するためのものである。

１５及び１６は突極界磁極４の界磁極間を通過して、界
磁コイル５及び鉄心を冷却するための空気を強制的に押
込むための第１の送風機である。

１７及び１９（第２図）は通風箱であり、固定子鉄心の
後側からの排気及び人気を集合させるためにある。

１８はその通風箱１７に設けられたクーラーであり、２
０は通風箱１９に設けられ、そして固定子を冷却するた
めの冷却空気を送り出す第２の送風機である。

２１はコンクリート架台を示すものである。

次にこの従来構造における冷却空気の流れを説明すると
、第１の送風機１５，１６によって界磁極間に冷却空気
が送り込まれ、界磁コイル５が冷却される。

この冷却空気は突極界磁極４の軸方向中央部の排気窓５
０から排出され、かつ前記排気窓と対向する排気ダクト
群９ａを通って、クーラー１８に至る。

一方固定子側の冷却空気の流れは第２の送風機２０によ
って固定子背部に冷却空気が送り込まれ、そしてこの送
り込まれた冷却空気は固定子枠１０内に形成されている
人気セクション２２を経て、人気ダクト群９ｂを通って
エアギャップｇに押し出される。

エアギャップｇに押し出された冷却空気は軸方向に押し
曲げられ、隣接している排気ダクト群９ａに入る。

排気ダクト群９ａを通過した冷却空気は排気セクション
２３を経て、クーラー１８に到達する。

このように冷却空気は回転電機内を流通し、この冷却空
気によって回転電機全体が冷却されているのであるが、
これにも次のような欠点がある。

この欠点を第３図で説明する。

この図は回転子の排気窓５０の周囲を拡大して示したも
ので回転子の界磁極間の塞ぎ板６で被ってない部分、す
なわち排気窓５０からエアギャップｇに向けて排出され
る冷却空気の流れイが固定子側からの冷却空気の流れホ
と干渉して、固定子側を流通する風量及び回転子側を流
通する風量を減少させる欠点があるということである。

つまり、冷却空気が回転子突極磁極のファン作用によっ
て、高い圧力でエアギャップｇ及び固定子側に吹き出さ
れるわけであるが、この場合、この吹き出された冷却空
気の流れの方向は排気セクション２３における冷却空気
の流れ口の方向と同方向であるから、排気ダクト群９ａ
部では円滑に流れ問題はない。

しかし、人気セクション２２の冷却空気の流れハとは流
れる方向が逆で対抗することとなり、固定子背部からエ
アギャップｇへ抜ける冷却空気の流れホ、二は大幅に減
少するのである。

更に排気セクション２３と人気セクション２２の境界側
にあり、かつ回転子からの冷却空気の流れイと対面する
位置にある人気セクション側の通風ダクトはほとんど冷
却空気の流れがなく、よどみ点となってしまう。

当然のことながら、このよどみ点となった通風ダクトに
は冷却空気（風）が流れないので、温度が非常に高くな
り、固定子コイルの局部加熱、焼損を招く結果となる。

また、回転子側からの冷却空気の流れイが固定子側から
入ってきた冷却空気の流れホと干渉するため、この部分
で回転子から固定子へ向う冷却空気の通風抵抗も上昇し
、結局回転子内部を流通する風量も減少することになり
、回転電機が充分冷却されない嫌いがある。

本発明はこれにかんがみなされたものであり、従ってそ
の目的とするところは、この種回転電機における冷却空
気の干渉によって発生する風量減少を充分に防止し、局
部過熱などのないこの種の通風冷却装置を提供するにあ
る。

すなわち本発明は、前述した界磁極間の塞ぎ板の排気窓
の軸方向領域に対して、固定子鉄心の排気ダクト群の軸
方向領域を大きくするようにして、固定子側からの冷却
空気の流れと回転子側からの冷却空気の流れの干渉を減
じせしめ所期の目的を達成するようにしたものである。

以下図示した実施例に基づいて本発明の詳細な説明する
。

第４図にはその通風冷却装置を備えた回転電機が断面で
示され、又第５図にはその主要部が示されている。

尚第１図及び第２図と同一の部品は同一符号を附したの
で同一部品の説明は省略する。

この図においては、回転子の排気窓５０に対向している
固定子鉄心の排気ダクト群９ａの軸方向領域Ｗ１は、回
転子の排気窓５０の軸方向領域Ｗ２より大きく形成され
ている。

勿論この場合固定子鉄心積厚全長を一定とした場合（従
来機と同一とした場合）他の排気ダクト群（２７で示す
）や人気ダクト群（２５で示す）の軸方向領域は従来機
に比し多少小さく形成される。

ここで人気や排気ダクト群を形成している１つの固定子
通風ダクト９の幅をＷ３．１つの固定子鉄心幅（固定子
通風ダクト間の鉄心幅）をＷ４とした場合、Ｗ１〜Ｗ４
の関係をまとめてみると、次のようにななる。

ただし、ｎは排気ダクト群９ａ中に存在する固定子通風
ダクト９の個数である。

すなわち回転子の排気窓の軸方向領域Ｗ２は固定子鉄心
の１つの固定子ダクトの幅より太きく形成されるが、排
気ダクト群の領域Ｗ１より小さく形成されるということ
である。

この場合当然排気ダクト群の領域Ｗ１は複数（ｎ）個の
固定子通風ダクトと複数（ｎ）個の鉄心（通風ダクト間
の）とで形成されるわけである。

次にこのような構成における作用を説明すると、まず排
気窓５０より排出された冷却空気は、排気ダクト群９ａ
の中でも主に軸方向中央部の排気ダクトを流通するわけ
であるが、その残りの冷却空気、すなわち端部の排気ダ
クトを流れようとする冷却空気は相変らず固定子側の冷
却空気の流れホと干渉するように思われるが、しかしこ
の干渉する部分は排気窓５０の領域Ｗ２が排気ダクト群
の領域Ｗ１に比較し小さく形成されているので、排気窓
５０から軸方向に離れており、したがって回転子側から
の空気圧は低く充分固定子側の冷却空気が勝つことにな
り、冷却空気は充分流れる。

その結果、従来問題となっていた排気窓から吹き出す冷
却空気と固定子側から流入してくる冷却空気と干渉を減
少することができるので、風量減少や通風損失増加を充
分に防止することができる。

次に第６図により従来の通風冷却装置と本発明のそれと
をその効果より比較してみる。

この図は固定子鉄心背後における軸方向位置と風量の関
係を表わしたもので、供試回転電機としては３００ＭＶ
Ａ前後のもので鉄心の積厚４５００ｍｍ、外径６０００
ｍｍのものを選んだ。

この図の点線よりなる曲線Ｘは従来のもので、図から明
らかなように、排気窓に対向している鉄心背後は非常に
多量の冷却空気が流通しているが、これに隣接している
固定子側の給気量は少ないことがわかるであろう。

これに対して本発明の通風冷却装置は図中実験Ｙで示す
ように非常に優れていることが伺えるであろう。

すなわちこれによると、鉄心の軸方向端部では従来のも
のとあまり変化はないが、中央部ではその風量が減じら
れると同時にそれに隣接している部分では風量が充分増
大し、全体的に一様に風量分布に近づいているというこ
とがわかるであろう。

尚以上の説明では排気セクション２３内は空間として説
明してきたが、たとえば第７図のように排気セクション
２３内に補強主板１０ｂを設けるようにしても同様な効
果が得られるのであろうし、またこの場合には固定子枠
の強度の点でも有利になりさらに排出される冷却空気の
整流作用もなすので有効であろう。

以上種々述べてきたように、本発明は回転子に設けられ
ている排気窓の軸方向排気領域に対して固定子側の排気
ダクト群の軸方向領域を大きく形成するようにしたから
、回転子側から排出される冷却空気と固定子側からの冷
却空気との干渉が減じられ、冷却空気が固定子鉄心の排
気ダクト群に一様に入りやす゛くなり、全体的に風量減
少及び通風損失増加を充分に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の通風冷却装置を備えた突極回転電機の縦
断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第
３図は第１図のＱ枠内を示す拡大断面図、第４図は本発
明の通風冷却装置を備えた突極回転電機の縦断側面図、
第５図は第４図のＰ枠内を拡大して示す断面図、第６図
は固定子位置と風量の関係を示す曲線図、第７図は本発
明の他の実施例を示す断面図である。 １・・・・・・シャフト、４・・・・・・突極磁極、５
・・・・・・界磁コイル、６・・・・・・極間塞ぎ板、
Ｉ・・・・・・固定子コイル、８・・・・・・固定子鉄
心、９ａ・・・・・・排気ダクト群、９ｂ・・・・・・
人気ダクト群、１０・・・・・・固定子枠、１５，１６
・・・・・・第１の送風機、２０・・・・・・第２の送
風機、５０・・・・・・排気窓。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヨーク外周に周方向に間隔をもって配された複数個
   の突極界磁極を有し、かつ該突極界磁極間の頭部近傍で
   隣接界磁極間を跨ぐように配され、かつ軸方向中央部近
   傍に軸方向に所定の幅をもつ排気窓を有する極間塞ぎ板
   を備えた回転子と、前記界磁極及び極間塞ぎ板で形成さ
   れる空間へ冷却空気を送る第１の送風機と、径方向に冷
   却空気が流通する人気ダクト群及び排気ダクト群を軸方
   向に交互にもつ固定子鉄心を有し、かつ該固定子鉄心を
   支持し、軸方向に入排気仕切り主板をもつ固定子枠を備
   えた固定子と、前記固定子鉄心の人気ダクト群へ冷却空
   気を送る第２の送風機上を備え、前記回転子の排気窓よ
   り排出された冷却空気が、該排気窓に対向した前記固定
   子鉄心の排気ダクト群及び固定子枠の仕切り主板間を通
   り固定子枠外に排出され、かつ前記第２の送風機による
   冷却空気が前記固定子枠の仕切り主板間より固定子鉄心
   の人気ダクト群へ流入し、ふたたび隣接した排気ダクト
   群より固定子枠の仕切り主板間を通って固定子枠外に向
   って排気されるように形成され、かつ該第２の送風機に
   よる冷却空気の一部が前記回転子の排気窓より排出され
   た冷却空気と同一排気ダクト群を流通するように形成さ
   れた回転電機の通風冷却装置において、前記回転子の排
   気窓の軸方向排気領域に対して、前記固定子鉄心の排気
   ダクト群の軸方向領域を犬ならしめたことを特徴とする
   回転電機の通風冷却装置。