JPS5914940A - 溶接作業性に優れた複合塗装鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はジンクリッチ塗膜の上にマンガンリッチ塗膜！
形成することにより電気溶接作業性を向上させた複合塗
装鋼板に関する。

近年自動車車体の下廻りやドアなどの素材として冒耐食
性表面処理鋼板の要求が高まっている。

しかし自動車部材の場合その組立に電気溶接を伴うので
電気溶接が可能であること、Ｒよび塗装体系は冷延鋼板
を対象とするものであるので、表面処理は片面のみであ
ることが要求されている。

従来このような表面処理鋼板としては亜鉛系電気めっき
鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板などのめつぎ鋼板、ある
（・はジ／クリツテ系塗装鋼板などの塗装鋼板が使用さ
れていたが、（・ずれも一長一短があり、自動車メーカ
ーの要求を満足させるには至っていない。

例えば亜鉛系電気めっき鋼板の場合、従来Ｚｎ　−Ｎｉ
系やＺｎ　−Ｆｅ系台金暑めつぎしたものやＺｎ層とＮ
ｉ層とを複層めっきしたものが使用されていたが、これ
らの鋼板はプレス加工時めっき層の剥離やパウダリング
の発生が非常に少（、かつスポット溶接に８ける連続打
点可能数がチップのドレッシングなしで５０００点にも
及ぶなど加工性、溶接性においては優れている。しかし
電気めっき鋼板の場合一般にピンホールの発生がさげら
れないので、ピンホールを起点とする錆の発生の問題が
あり、かつ電Ｎ塗装しても塩水噴霧試験においてふくれ
が発生しやてく、その防食性はジンクリンチ系塗装鋼板
に比べると劣っている。また電着塗膜の密着性もジンク
リンチ系塗装鋼板には及ばない。

溶融亜鉛めっき鋼板の場合も同様で、従来Ｚｎ−Ｆｅ系
やＺｎ　−ＡＩ系のものが使用されていたが、その長短
は前記亜鉛系電気めっき鋼板と類似して（・た。

しかし本鋼板の最大の難点は確実１よ片面めっき法がま
だ開発されていないことである。このため従来片面めっ
き品の製造はめつぎ後片面のめつぎ層を機械的に削除す
ることにより行ってい友りめ、その製造コストは著しく
高価なものとなっていた。

一方ジンクロメタル（商品名）やりｐム含有高耐食性下
塗層の上にエポキシ系ジンクリッチ塗料ｙａ′塗布した
塗装鋼板に代表されるジンクリンチ系塗装鋼板の場合既
存のストリング塗装ラインで容易に片面塗装品ρ５生産
でさ、亜鉛系電気めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板より
優れた防食性乞発揮する。しかし防食性に関してはまだ
不十分で、近年要求されている穴あきまで１０年以上の
防食性能を有して（・るものではなかった。またプレス
加工の時に塗膜がパウダリング現象を呈して、そのパウ
ダーがピンクアンプされ、製品に傷やへこみン生じさせ
たり、あるいはスポット溶接に２いてはチップが亜鉛曾
金化して連続打点数が２０００点程度でめっき鋼板より
劣ったりしていた。

本発明は近年自動車メーカーｆＪ）らと（に防食性の優
れた表面処理鋼板の要求が強い点に鑑み、ジンクリンチ
系塗装鋼板よりさらに防食性に優れ、しかもスポット溶
接性も改善された複合塗装鋼板を提供するものである。

本発明者らは従来のジンクリンチ系塗装鋼板の防食性、
溶接作業性を改善丁べ（種々研究を重ねた結果、ジンク
リッチ塗膜の上にさらにマンガンリッチ塗膜を形成して
？けば防食性、溶接作業性ン改善でさることを見田した
。

そして本発明者らは防食性、溶接作業性に優れた表面処
理鋼板として平均表面粗度Ｒｚが４〜３０μである鋼板
上に鋼板側から順次（１）皮膜中の全クロム量が５〜ｔ
００ｖｚ臂であるクロメート系皮膜と、（２）エポキシ
系樹脂中に亜鉛粉末を重量％にて７０〜９０％含有する
膜厚２〜２０μのジンクリンチ塗膜と、（３）エポキシ
系樹脂中にマンガン粉末を重量％にて５０〜９０％含有
する膜厚２〜２０μのマンガンリッチ塗膜とが形成され
た複合塗装鋼板ン開発したのである。

以下本発明の詳細な説明する。

添付図面は本発明の複合塗装鋼板の断面を模式的に示し
たもので、１は鋼板、２はこの鋼板上に形成されたクロ
メート系皮膜である。３はこの皮膜上に形５！ｊ、キれ
たジンクリッチ塗膜で、エポキシ系樹脂塗膜中に亜鉛粉
末４が分散されたものである。５はジンクリンチ塗膜３
の上に形成されたマンガンリッチ塗膜で、エポキシ系樹
脂塗膜中にマンガン粉末６が分散されたものである。本
発明に８いてはこれらの鋼板、皮膜２よび塗膜は次のよ
うに構成されて（・る。

まず鋼板１であるが、この鋼板１０表面には平均表面粗
度Ｒｚが４〜３０μの凹凸が形５ｙ、されて（・る。

この凹凸は本発明の場合塗膜密着性を向上させるという
一般的な目的のほかクロメート系皮膜２の形成に塗布方
式の処理液を用いた場合の皮膜付着量が凹部７に８いて
多くなるようにして全体の皮膜付着量乞増大させ、これ
により防食性の向上をはかるとともに、電気溶接の際凸
部８により溶接機チップとの距離ケ短（し、溶接性を高
めるのである。

この凹凸の平均表面粗度Ｒｚは４μ未満であると塗膜密
着性が低下し、加工時に塗膜の］（ラダリングや剥離を
誘発しゃ丁（なる。また３０μを超えると塗膜面が肌荒
れン起し、防食性ン低下きせるとともに、外観も損われ
る。従って本発明の場合は鋼板１の平均表面粗度Ｒｚは
４〜３０μにする。なお表面粗度のグロフィルについて
はと（に限定はな（、一般的な形成法であるダルスキ／
ノクス法やショツトブラスト法で形成したもので十分で
ある。

また鋼板１の種類としては自動車車体の部材の場合普通
鋼鋼板を主として使用するが、用途によつては他の鋼種
の鋼板を使用することも可能である。

クロメート系皮膜２は鋼板１の表面を不働態皮膜で覆っ
て不活性化すると同時に塗膜密着性を向上させるもので
あるが、皮膜中の全クロム量が５■〜未満であると防食
性に乏しく、塗膜密着性も安定せず、良好な密着性が得
られない場合がある。また１００キ／ｒｒ？乞超えると
防食性は向上するが塗膜密着性が低下し、ダンス加工な
どで剥離したりして、安定した実用に耐える製品が得ら
れな（・。このため本発明ではクロメート系皮膜２の皮
膜量は皮膜中の全クロム量で５〜１００ηβにする。

クロメート系皮膜２は公知のクロメート処理法により形
成しｋものでよ（、例えば反応型クロメート処理、ノー
リンス型の塗布方式のクロメート処理、あるいは電解ク
ロメート処理などで形成したもので十分である。

ジンクリッチ塗膜３は乾燥塗膜中に亜鉛粉末４を重量％
にて７０〜９０％含有するエポキシ系樹脂塗膜で、亜鉛
粉末含有量が７０％未満であると塗膜＠漸性は優ｒして
いるが、通電性が低下し、溶接性が急激に低下する。一
方９０％乞超えろと塗膜密着性が悪くなるとともに、パ
ウダリングも起りや丁（なって上層のマンガンリッチ塗
膜５との層間密着性が著しく悪（なる。

塗膜厚は乾燥塗膜厚にて２μ未満であると、使用する亜
鉛粉末の粒径が５〜ｌＯμであるので、塗布の際均−に
分布させて各粉末を相互にバインドさせることが困難に
なり、均一で、密着性の優れた塗膜にならない。ま１こ
このように塗膜厚が薄いと防食上鋼板１に対する亜鉛の
絶対量が不足し、防食性が低下する。一方２０μン超え
ると品質上問題はないがコスト高となる。

マンカンリッチ塗膜５は乾燥塗膜中にマンガン粉末ケＮ
量％にて５０〜９０％含有するエポキシ系樹脂塗膜で、
下層のジンクリンチ塗膜３に対してはガルバニック作用
を発揮して防食性７向上させ、また溶接機のチップに対
しては合金化を防止して溶接性作業性を改善する。

マンガンは電気化学的に亜鉛より卑であるので、亜鉛に
対してはガルバニック作用を有し、亜鉛の溶出を保護す
る。またマンガンは腐食環境下におかれた場合防食性の
あるマンガン酸化物や水酸化物ケ生成し、この腐食生成
物がマンガン自体の溶解を抑制する。従ってマンガンリ
ッチ塗膜５は犠牲的防食作用と不働態的防食作用ン有し
、これらの両面から防食性を向上させる。

またマンガンが亜鉛に対してガルバニック作用ン有する
と（・うことは従来のジンクリッチ系塗装鋼板にだける
亜鉛の自己消費的な過剰ガルバニック作用を抑制して亜
鉛が必要以上に溶出するの馨防止する作用もあるものと
考えられる。

一方マンガンは溶接作業的には溶接機のチップ（ＭＷ）
と合金化しに（いので、スポット溶接の連続打点数は向
上し、４０００〜５０００点も可能になる。

本発明の場合塗膜（乾燥塗膜）中のマンガン粉末含有量
が重量％にて５０％未満であると通電性が低下して溶接
性が低下し、また防食的にもガルバニック作用が低下し
たり、防食性のある酸化物や水酸化物の生成が少（なっ
て防食性が低下する。

一方９０％を超えるとパウダリングや層間剥離しゃ丁（
なって加工上問題が生じる。

膜厚は乾燥膜厚にて２μ未満であると亜鉛に対する絶対
量が不足し、長期的防食効果が得られない。

まり２０μン超えても品質的問題はないが、コスト高に
なる。

前記ジンクリンチ塗膜３？よびマンガンリッチ塗膜５の
エポキシ系樹脂としては分子（］１−１０万のものが作
業的、品質的に好ましく・０ま１ここｎらの塗膜の形成
は各塗料を公知の塗装法で塗装した後２００〜２６０℃
の温度（板温）で焼付乾燥てれは容易に形成でざる。

次に実施例により本発明を説明する。

実施例 板厚０．８■の普通鋼冷延鋼板をダルスキンバスして表
面に凹凸ン形成した後２コート２ベーク方式の連続塗装
ラインを使用して脱脂、クロメート処理、ジンクリッチ
塗膜の形成？よびマンガンリッチ塗膜の形成を順次行っ
て複合塗装鋼板の製造を行った。第１衣に得られた鋼板
を、また第２衣にその品質性能ン示す。なおジンクリッ
チ塗膜とマンガンリッチ塗膜の焼付けはともに板温か２
６０℃になる温度で６０秒間行ったものである。

第２表の品質性能試験は次の要領で行った。

（１）塗膜密着性 ＪＩＳ−Ｇ・３３１２の着色亜鉛鉄板の試験法に準じて
折曲げ試験を行った。折曲げ試験は曲げ内側の間隔枚数
０枚（Ｏｔ）、２枚（２ｔ）で１８０度密着折曲げ加エ
ン行った後加工耶塗膜にセロテープを貼付け、それを急
激にひざはが丁セロテープ剥離ン行（・、次の基準によ
り評価した。

（２）防食性 試験片にあらかじめナイフによる鋼索地罠達するクロス
カットと、１ｔの１８０度密着折曲げと２施した後ＪＩ
Ｓ−Ｚ・２３７１に基いて塩水噴霧試験７１０００時間
行い、白錆Ｓよび赤錆の発生率を下記基準により評価し
た。

（３）溶接作業性 Ｃｕ　−Ｃｒ系のチップを用いてドレッシングせずに連
続的にスポット溶接２行った後溶接試験片の引張剪断強
度を測定し、４５０＃ｆ−１４％未満のものが生じた時
点を溶接可能打点とし、その打点数を調査した。溶接は
加圧力２５０＃、電流７５００Ａ、１２サイクルで行っ
た。

第２表より明らかな如く、ジンクリッチ塗膜の上にマン
ガンリッチ塗膜を有する本発明の複合塗装鋼板は従来の
ジンクリッチ系塗装鋼板より防食性、溶接作業性に優れ
ている。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の複合塗装鋼板の模式断面図である。 １・・・鋼板、２・・・クロメート系皮膜、３・・・ジ
ンクリンチ塗膜、４・・・亜鉛粉末、５・・・マンガン
リッチ塗膜、６・・・マノガン粉末、７・・・凹部、８
・・・凸部特許出願人 日新姿鋼株式会社 代理人 進藤　満 （１６） １８ 市川市高谷新町７番地の１日新 製鋼株式会社市川研究所内

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 平均表面粗度Ｒｚが４〜３０μの鋼板上に鋼板側より順
   次 （１）皮膜中の全クロム量が５〜１００　ｒｔｑ／ｌｒ
   ？であるクロメート系皮膜と、 （２）エポキシ系樹脂中に亜鉛粉末ン重量％にて７０〜
   ９０％含有する膜厚２〜２０μのジンクリッチ塗膜と、 （３）エポキシ系樹脂中にマンガン粉末ン重量％にて５
   ０〜９０％含有する膜厚２〜２０μのマンガンリッチ塗
   膜と。 が形成されていること乞特徴とする溶接作業性に優れた
   複合塗装鋼板。