JPS5914200Y2 - プリンタの活字輪駆動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、卓上計算機や計測器の印字装置として用いら
れるシリアルプリンタの活字輪駆動機構に関する。

卓上計算機等に使用される小型のシリアルプリンタの印
字機構は、周囲に活字を設けかつ行方向に移動可能な活
字輪と、該活字輪を回転させて所望の活字を印字位置に
駆動する活字選択機構と、１行分の長さを有し揺動自在
に枢支された印字ハンマーと、該印字ハンマーを駆動す
るプランジャ機構とを有し、活字輪を最下位桁に位置さ
せ、所望の活字が印字位置に至ったとき、プランジャ機
構を駆動して印字ハンマーを動作させ、該印字ハンマー
とインクを付着させた活字との間に挿入されている記録
用紙を活字に押し付けて最下位桁の印字を行なう。

さらに活字輪を次の印字桁に移動させて上述の如き印字
動作を繰返して行なう、という印字動作を繰返し行なっ
て１行の印字を終了する。

ところで、上述の如き印字機構において、活字輪を回転
させる活字輪駆動機構は、ステップモータを駆動源とし
たものと、第１図に示すように、活字輪を回転させる回
転軸１′に取付けた歯車２′と、歯車２′と交互に噛合
する２つの爪３′及び４′を持った揺動自在なレバー５
′とを有し、レバー５′をプランジャによって揺動させ
て回転軸１′を間欠的に回転させるようにしたものとが
ある。

後者の活字輪駆動機構は、構成も簡単であるばかりか、
プランジャなどの部品がステップモータに比べて安価で
ある点が有利であるが、回転軸１′を高速回転させて印
字動作を行なう一連の動作の中で、爪３′又は爪４′が
歯車２′の歯と噛合して半ピツチ分歯車２′を送ったと
き、レバー５′の異常振動などの原因により、歯車２′
は半ピッチ以上行過ぎた後、半ピツチ位置に逆回転して
戻るという状態が起ることがある。

図には示されていないが、回転軸１′には、印字位置検
出用などの信号発生器が組込まれており、回転軸１′が
前述の如く逆戻りすると、前記信号発生器から異常信号
が発生し、またレバー５′との衝突等が生じ正常な送り
動作が妨げられ、誤印字など、印字動作に多大な悪影響
を及ぼす。

このため、回転軸１′には通常飛車（ラチェット歯車）
と、もどり止め（爪）からなる逆転防止機構を設けてい
るが、歯車２′が逆転しようとしたとき、最低もどり止
めが飛車の歯と噛み合うまで逆回転することになり、逆
回転を完全に防止することができない。

また、この逆転防止機構は安定点が１個所で活字輪が回
転→停止動作した場合振動があり、又もとり止めがバウ
ンドしているため、時により所定の場所で停止せず、１
〜２文字文字行先る場合があって誤印字を行なうという
欠点もある。

本考案は、上述の如き従来の欠点を改善する新しい考案
であり、その目的は歯車と、２個の爪を持った揺動自在
なレバーと、該レバーを揺動せしめる往復動駆動源とよ
りなる活字輪駆動源を用いた活字輪駆動機構において、
活字輪を回転させて所望の活字を印字位置に選択配置す
る一連の動作の中で、活字輪が逆回転を起したり、又一
度に数文字分飛んだりしないような活字輪駆動機構を提
供することにある。

次に本考案の一実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明
する。

第２図において、１は回転軸である。

２は間欠送り機構で、前述の如き歯車２′と爪３′及び
４′を有するレバー５′からなり、図示していないプラ
ンジャ機構によりレバー５′が揺動運動せしめられ、回
転軸１を矢印方向に間欠的に回転させる。

３は円板状をした活字輪で、外周に活字３ａが配設され
ている。

活字輪３は回転軸１とともに回転し、かつ図に示されて
いないキャリッジに保持されて桁送り動作により回転軸
１の軸方向に移動する。

そして所望の活字３ａが印字位置に来たとき印字ハンマ
ーを駆動しインクが表面に付着している活字３ａに記録
用紙を打ち付けて印字を行なう。

４は逆転防止用の摩擦円板で、回転軸１に固定されてい
る。

５は摩擦円板４と摩擦接触するクランプレバ−である。

クランプレバ−５の下方端は枢軸６によりシャーシなど
に枢支されており、他方端は摩擦円板４の円周と接触し
ている。

そしてその接触点はクランプレバ−５を枢支している枢
軸６の中心と回転軸１の中心とを結ぶ線分Ｌ（第３図）
より左方向に外れている。

７はクランプレバ−５とシャーシ間に張設された引張り
ばねで゛ある。

この引張りばね７は、摩擦円板４とクランプレバ−５の
接触点が線分りに近づく方向に該クランプレバ−５をバ
イアスしている。

このような構成において、間欠送り機構２により、回転
軸１が第２図及び第３図において順方向に間欠回転して
いるとき、間欠送り機構２が誤動作して逆回転しようと
すると、摩擦円板４も逆回転しようとし、このためクラ
ンプレバ−５を第３図において時計方向に回転させよう
とする。

しかしながら、クランプレバ−５の先端は摩擦円板４の
周円につかえて回転することが出来ず、かつ摩擦円板４
もクランプレバ−５の先端に押えられて逆回転すること
が全くできない。

回転軸１が再び順方向に回転し始めると、摩擦円板４と
クランプレバ−５とのかたい結合が解かれ、通常の回転
動作に移る。

なお、摩擦円板４が順方向に回転しているとき、クラン
プレバ−５の先端は摩擦円板４の周円と接触し、かつ引
張りばね７によりその先端は摩擦円板４の周円に押し付
けられているので、回転軸１の順方向回転に対し軽いブ
レーキが掛る。

したがって間欠送り機構２が誤動作して回転軸１が順方
向に数文字分余計に回転しようとしてもこのブレーキ力
によりその順方向への余計な回転は防止される。

以上詳細に説明したように、本考案によれば、摩擦円板
とクランプレバ−とクランプレバ−をバイアスするばね
部材とからなる逆回転防止構造を設けたので、活字輪を
回転させる回転軸が逆回転しようとすれば摩擦円板の周
円とクランプレバ−の先端とが喰い込むようにかたく係
合しその逆回転を防止する。

また、クランプレバ−の先端は摩擦円板の周円に常時接
触し、その順方向回転にさからう方向にばね部材が付勢
しているため、摩擦円板の順方向回転に軽いブレーキを
掛ける結果となり、回転軸が順方向に余計に回転しよう
としてもそのブレーキ力によりオーバーランは抑止され
る。

このため、従来の如く印字機構が誤印字を行なうような
ことはなくなった。

【図面の簡単な説明】

第１図は活字輪駆動源の構成国、第２図は本考案の一実
施例を示す斜視図、第３図は摩擦円板とクランプレバー
の先端とを接触せしめた状態を示す側面図である。 図中、１は回転軸、２は間欠送り機構、３は活字輪、３
ａは活字、４は摩擦円板、５はクランプレバ−１６は枢
軸、７は引張りばねである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 歯車と、２個の爪を持った揺動自在なレバーと、該レバ
   ーを揺動せしめる往復動駆動源とよりなる活字輪駆動源
   を用いた活字輪駆動機構において、活字輪駆動源と結合
   して活字輪を回転させる回転軸に固定される摩擦円板と
   、前記摩擦円板の外周に一方の端を接触させ他方の端を
   枢着しかつ該枢着点と前記回転軸を結ぶ線分から摩擦円
   板との接触点を外したクランプレバ−と、クランプレバ
   −と摩擦円板との接触点が線分に近づく方向にクランプ
   レバ−をバイアスするばね部材とを有し、回転軸が順方
   向に回転するときはクランプレバ−が摩擦円板に軽いブ
   レーキを掛け、回転軸が逆方向に回転するときはクラン
   プレバ−が摩擦円板とかたく係合しその回転を防止する
   ことを特徴とするプリンタの活字輪駆動機構。