JPS5913878Y2 - 椅子における座面クツシヨンの保護装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、後部座板のみが傾動する椅子における座面ク
ッションの保護装置に関する。

椅子の座板を前部と後部に分割し、前部座板は脚部材に
対し上下動しないように取付ける一方後部座板を後傾動
可能に構成した椅子においては、前部座板の床面に対す
る高さを常時一定でき、後部座板の傾動にかかわらず、
座る人の足は常に床面に接したままにできるから、当該
前部座板上面部に相当する大腿部を圧迫しない利点があ
る。

しかしながら、後部座板を後傾したとき、前部座板の後
端と後部座板の前端との間で上下段差が生じると、当該
両座板上面にわたって座面クッションがあっても、その
段差、屈折感はクッションを介して座る人の大腿部に伝
わり座り心地が悪いのであつた。

本考案ではこの種の椅子において座面クッションの下面
に、後部座板傾動時にその前端が自由に回動できる空間
を確保することにより、座る人の大腿部に圧迫感、屈折
感を感じさせない座り心地の良い椅子を提供すると共に
座面クッションの破損を防止できるようにしたものであ
る。

次に本考案をトーションバ一式傾動椅子に適用した実施
例に基き説明すると、図において１は下部にキャスタ２
を取付けた脚部材３を備え、該脚部材３の上端にトーシ
ョンバー４式傾動装置５を装着し、脚部材３に対し固定
的な前部座板６ａと、脚部材３に対し傾動する背もたれ
７付後部座板６ｂとを備えた椅子を示す。

傾動装置５におけるハウジング部材８を下向きコ字状で
前後長手に形威し、該ハウジング部材８下部に固着した
断面コ字状脚支持ブラケット９に上下一対の取付孔を穿
設し、該取付孔に前記脚部材３の上端を嵌挿する一方、
ハウジング部材８の前部上面には前部座板６ａを取付け
る。

前記ハウジング部材８の左右両側部１０．１０’外側に
は左右一対の断面逆り字状の座面支持体１１．１１’を
配設し、該両支持体１１．１１’の後部を連設し、この
両支持体１１．１１’上面に後部座板６ｂを取付ける一
方、左右両座面支持体１１．１１’とハウジング部材８
とを水平方向に貫通するトーションバー４のねじり力に
抗して後部座板６ｂを傾動できるように構成するにあた
り、前記一方の座面支持体１１′には円筒状支持部材１
２を外向きに固着突設し、該円筒状支持部材１２内を挿
通する断面角形のトーションバー４の一端を該円筒状支
持部材１２の外端において回転不能に係合１３させる一
方、円筒状支持部材１２内端側では外径円筒状内径角孔
の合成樹脂ブツシュ１４を前記トーションバー４に被嵌
し、ハウジング部材８の左右両側部１０．１０’及び他
方の座面支持体１１に穿設した円孔には合成樹脂製等の
円筒状軸受１５，１６．１７をそれぞれ嵌着し、各軸受
１５，１６゜１７の内径部には外円筒状内角礼状の合成
樹脂製ブツシュ１８，１９．２０をそれぞれ嵌挿し、各
ブツシュの角孔内に前記トーションバー４を挿通させる
ことにより、トーションバー４をハウジング部材８及び
他方の座面支持体１１に対し回動自在に支持する。

さらに前記他方の座面支持体１１から外側方に突出する
トーションバー４には、前記一方の座面支持体１１′に
おける円筒状支持部材１２と略同じ長さの筒状部材２１
を着脱自在に被嵌し、該筒状部材２１の外端とトーショ
ンバー４の一端とを回動不能に保合２２する一方、該筒
状部材２１の内端部にはアーム２３の基端を固着し、該
アーム２３を前記他方の座面支持体１１の外側面に沿っ
て略平行にハウジング部材８の前方に向って延長させ、
アーム２３先端部には下方からハンドル付き調節ねじ杆
２４の先端部を上下動自在に螺着し、ハウジング部材８
から突設するＬ型ブラケット２５下面の凹所２６に前記
調節ねじ杆２４の先端部を係合させるように構成する。

そして、前記ハウジング部材８は取付く前部座板６ａと
、これに対し傾動する座面支持体１１．１１’に取付く
後部座板６ｂとのにまたがって座面クッション２７を載
置するにあたり、第５図に示すように座面クッション２
７の前部下面を前部座板６ａにまた座面クッション２７
の後部下面を後部座板６ｂにそれぞれ面ファスナ等で固
定する一方、前記前部座板６ａの後端から後部座板６ｂ
の前端近傍までの上方に相当する座面クッション２７下
面部には比較的硬い合成樹脂製等の保護板２８を張設す
るのであり、該保護板２８の中途部に上向き凸状湾曲部
２９を形成することにより、後部座板６ｂ後傾時にその
前端が自由に浮き上ることのできる空間部３０を形成す
るのである。

この構成により、座面クッション２７に腰かける人が背
もたれ部７に体重を掛ける等して椅子１を後方に傾けれ
ば、後部座板６ｂ下面に取付く座面支持体１１．１１’
はトーションバー４軸線まわりにそのねじり力とバラン
スして傾動するのであり、脚部材３上端のハウジング部
材８前部に取付く前部座板６ａは常時一定姿勢に保持さ
れたまま、後部座板６ｂは第５図の二点鎖線で示すよう
にその前端が前部座板６ａより浮き上るように後傾する
。

このとき、座面クッション２７下面には保護板２８が張
設されており、該保護板２８の湾曲部２９は前部座板６
ａ後端と後部座板６ｂ前端とにわたって形成されており
、湾曲部２９下方が空間３０となっているから、後部座
板６ｂ前端が座面クッション２７を下から押圧すること
なく自由に回動できて、前後両座板間の段差や屈折感を
座面クッションに伝達しないから座る人の大腿部下面を
圧迫することがない。

また椅子傾動の繰り返しにより座面クッション２７を後
部座板６ｂ前端で摩損させることがないのである。

第６図、第７図及び第８図はそれぞれ本考案の他の実施
例で、座面クッション２７を前後座板６ａ、６ｂにそれ
ぞれ面ファスナ等で固定すると共に、座面クッション２
７下面には前記前部座板６ａの後端と後部座板６ｂ前端
とにわたる湾曲部２９を形成した比較的硬い保護板２８
を張設したものにおいて、第６図ではハウジング部材８
上面に前後長手溝３１を穿設し、これに挿通するボルト
３２を介して前部座板６ａをハウジング部材８に対し前
後摺動自在に取付けたものであり、第７図ではハウジン
グ部材８前部左右両側に嵌合部３３を、前部座板６ａ下
面には前記各嵌合部３３に嵌る摺動部３４を設けて、前
部座板６ａをハウジング部材８に対し、前後摺動自在に
すると共に、後部座板が取付く座面支持体１１．１１’
と前部座板６ａの摺動部３４とをリンク３５連結したも
のであるがら、第５図実施例と同様に後部座板６ｂ後傾
時において、前記保護板２８の湾曲部２９下方の空間内
で後部座板６ｂ前端は自由に回動できると同時に、後部
座板６ｂ後傾につれて前部座板６ａと共に座面クッショ
ン２７前端が後方に移動でき、該クッション２７に無理
な力が作用しないのであり、同様に第８図では、座面ク
ッション２７上面に前後方向に伸縮自在なひだ３６を形
成する。

一方、座面クッション２７下面に張設する保護板２８の
湾曲部２９中途に前後伸縮自在な突条部３７を形成しで
ある。

これにより、後部座板６ｂ後傾につれて、ひだ３６が伸
び、座面クッション２７に代わる引張り力を吸収できる
と共に保護板２８も突条部３７により前後に伸びること
ができるのである。

また、本考案に係る後部座板傾動装置はトーションバー
に限らず板ばね又はコイルばねを使用したものであって
も良く、さらに保護板２８を前後座板６ａ、６ｂ上面に
直接取付けるときは、保護板２８における上向き湾曲部
２９に相当する座面クッシコン２フ下面個所を予め湾曲
状に切欠いて、載置する座面クッション２７上面が略平
面となるようにするのが良い。

以上要するに本考案に従えば、前部座板の後端と、後部
座板の前端とにまたがってその上方に、湾曲部を形成し
た保護板を設けて、当該個所に空間を積極的に形成し、
保護板上面側に載置した座面クッションに座る人の体重
が掛っても、当該空間を保持できるようにしたから、椅
子傾動時に前部座板に対し後部座板の前端が浮き上る等
段差が生じてもその段差や屈折部によって座面クッショ
ンを下から押圧することがなく、座面クッションの厚さ
を薄くしても座る人の大腿部に圧迫感や屈折部を与えな
いのであり、また、椅子傾動の繰り返しによっても座面
クッション下面が摩耗せず、長期間の使用に耐えること
ができ、これらの事項を極めて簡単な構造のもので達成
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は椅子の斜視図、
第２図は傾動装置の側面図、第３図は第２図のＩＩ−Ｉ
ＩＩ線断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線視図、第
５図は第１図の要部拡大断面図、第６図及び第７図及び
第８図は本考案の他の各々の実施例を示す要部拡大断面
図である。 １・・・・・・椅子、３・・・・・・脚部材、４・・・
・・・トーションバー、８・・・・・・ハウジング部材
、１１．１１′・・・・・・座面支持体、６ａ・・・・
・・前部座板、６ｂ・・・・・・後部座板、２７・・・
・・・座面クッション、２８・・・・・・保護板、２９
・・・・・・湾曲部、３０・・・・・・空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座板を前部座板と後部座板とに分割し、前部座板を脚部
   材に対し上下動不能に取付する一方、後部座板を後方下
   向き傾動可能に構成して成る椅子において、前後両座板
   の上面間にまたがって載置する座面クッションの下面に
   は、前部座板の後端と後部座板の前端間にわたって上向
   き湾曲部を形成した保護板を設けて成る椅子における座
   面クッションの保護装置。