JPS5913667B2 - 吸収式冷温水機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 この発明は、吸収式？ｅ湛水機に関するものである。

〔発明の背景〕

従来の吸収式冷温水機の一例を第１図により説明する。

機体の上側部には発生器１、凝縮器２が形成され、中間
部には吸収器４、蒸発器３が形成されている。

吸収器４の下側部にはじゃま板１２を内蔵させた溶液タ
ンク７が形成され、蒸発器３の下側部には冷媒タンク６
が形成されている。

溶液タンク７は循環ポンプ９の吸込側に連絡さね、同ポ
ンプ９の吐出管路は熱交換器５を通して再生器１に連結
されている。

じゃま板１２で区画された溶液タンク７部は溶液スプレ
ーポンプ１０の吸込側に連結され、同ポンプ１０の吐出
管路は、吸収器４の冷却管群の一部上に配置したスプレ
部に接続されている。

発生器１は熱交換器５を介して、じゃま板１２で区画さ
れた溶液タンク７部に連結されている。

冷媒タンク６は冷媒スプレポンプ１１の吸込側に連結さ
ね、同ポンプ１１の吐出管路は蒸発器３の冷却管群の上
に配置したスプレ部に接続されている。

凝縮器２と冷媒タンク６とは、絞り８を設けた管路によ
りたがいに連結されている。

発生器１で濃縮された吸収剤は、溶液タンク７で稀薄な
吸収剤と混合してから、ポンプ１０により吸収器４の冷
却管群上に散布させられる。

その結果、吸収器４の伝熱管群上に散布される濃溶液の
散布量は増大するが濃溶液の臭化リチウム濃度は低下す
る。

一方、吸収器４に散布される溶液濃度が低いと、熱交換
の際の温度差ΔＴが小さくなるので、吸収器４で生成さ
れる最終的な稀溶液濃度が濃くなるという問題がある。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、吸収器で生成される稀溶液の濃度を
薄くすることにある。

〔発明の概要〕

この発明は、吸収器の伝熱管の上部に複数の溶液スプレ
一部を備え、発生器からの溶液を第１スプレ一部からス
プレーして、発生器からの溶液の濃度よりも薄い溶液を
生成し、以下は前段で生成した溶液を次の段のスプレ一
部からスプレーするのを繰返し、順次薄い濃度の溶液を
生成することを特徴とする。

このようにすると、各スプレ一部からスプレーされる溶
液と、冷却水との温度差を各スプレ一部とも大きくとれ
るとともに、伝熱面積に対する溶液スプレー量が充分に
確保さ札熱通過率が向上し、その結果、吸収器で生成さ
れる最終的な溶液濃度は薄くなる。

また、別の観点からすると、最終的な溶液濃度が与えら
れた場合には、それを達成するのに必要な吸収器の伝熱
面積Ａは小さくて済むことである。

この点をさらに詳しく述べる。

吸収器の内部はほぼ一定の蒸気圧であり、吸収剤として
臭化リチウム水溶液を用いた場合、たとえば７１１１；
ＩＩＩＨｇの蒸気圧を示す吸収剤の温度は、臭化リチウ
ム濃度６０係では約４６℃であり、６２係では約５０℃
である。

再生器１で濃縮された溶液の濃度を６２係とし、最終的
な稀溶液の濃度を５８係とすると、従来のものでは、単
純に１対１で混合すると濃度は６０優になる。

吸収器冷却管内を流れる冷却水の平均水温を３５℃とす
ると、熱交換の温度差△Ｔ−１１℃である。

この発明の場合、再生器１からの最も濃い溶液を稀溶液
と混合しないでスプレーするので、熱交換の温度差△Ｔ
−１５℃となる。

一方、熱通過率をＫＫｃａＩ／ｍ！２ｈ℃とし、必要熱
交換量をＱａにｃａｌ／ｈとした場合、伝熱面積Ａは（
１）式％式％ （１） すなわち伝熱面積Ａは熱交換量Ｑａに比例し、Ｋ・八Ｔ
に反比例する。

上記のように本発明は、温度差△Ｔを従来よりも大きく
とれるので、熱通過率Ｋを一定とすれば伝熱面積を小さ
くできる。

さらに、この発明は、全伝熱管・＼のスプレーを複数の
スプレ一部で行っているので、一個のスプレ一部でスプ
レーする伝熱面積は、従来より少なくなり、そのため、
伝熱面積に対する溶液スプレー量を充分に確保できる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を第２図により説明する。

この実施例は、この発明を一重効用吸収式冷温水機に適
用した例を示すものである。

吸収器４の伝熱管１３の上方には、２個の溶液スプレ一
部１４．１５を備え、第１スプレ一部１４は、蒸発器３
から離れた側の伝熱管１３Ａに、第２スプレ一部１５は
蒸発器３に隣接している側の伝熱管１３Ｂに、それぞれ
溶液をスプレーする。

伝熱管１３Ａと伝熱管１３Ｂとの間の位置に、溶液たま
りを第１溶液たまり１７Ａと第２溶液だまり１７Ｂとに
仕切るためのせき１６が設けられている。

第１スプレ一部１４は、熱交換器５を介して発生器１に
連絡さ札発生器１の濃溶液が第１スプレ一部１４に流れ
る。

第１スプレ一部１４および伝熱管１３Ａの下方の位置に
は、溶液スプレー用ポンプ１８の吸込側が連絡され、こ
の溶液スプレー用ポンプ１８の吐出側は、第２スプレ一
部１５に連絡されている。

第２スプレ一部１５および伝熱管１３Ｂの下方の位置に
は循環ポンプ９の吸込側が連絡され、この循環ポンプ９
の吐出側は熱交換器５を介して発生器１に連絡されてい
る。

その他の点は、第１図と同じであるから第１図と同一符
号を付し説明は省略する。

一重効用に適用した場合につき述べたが、二重効用にも
そのまま適用することができる。

次に動作を説明する。

発生器１に流入した薄い臭化リチウム溶液（以下稀溶液
という）は発生器１内で加熱され、冷媒を蒸発して濃く
なり（以下濃溶液という）、この濃溶液は熱交換器５を
経て吸収器４の伝熱管１３Ａ上に第１スプレ一部１４か
らスプレーされる。

−力、発生器１で蒸発した冷媒蒸気は凝縮器２で凝縮、
液化し、絞り８を経て冷媒タンク６に流入する。

冷媒タンク６内の冷媒は、ポンプ１１により蒸発器３の
伝熱管上に散布させられて蒸発する。

このときの蒸発潜熱が伝熱管内を通る冷水を冷やし冷却
能力を発揮する。

吸収器４の伝熱管１３Ａ上にスプレーされた濃溶液は約
６２ｗｔ％であり、第１溶液だまり１７Ａでの溶液は、
蒸発器３からの冷媒蒸気を吸収し約６ｏｗｔ％となる。

ここで、吸収器４の伝熱管１３Ａにより強冷された前記
中間濃度溶液は、再度、スプレーポンプ１８により吸収
器４の伝熱管１３Ｂ上に第２スプレ一部１５からスプレ
ーさ札冷媒蒸気を吸収する。

冷媒蒸気を吸収して薄くなった第２溶液たまり１７Ｂ内
の稀溶液は約５８ｗｔ％であり、この溶液は第１溶液だ
まり１７Ｂに一時たまり、ついで循環ポンプ９により熱
交換器５を通して発生器１に送られてサイクルを形成す
る。

尚、吸収器４および凝縮器２の冷却水は、吸収器、凝縮
器を冷却した結果温水となり、この温水を暖房等に利用
すれば、この装置は吸収式温水機となる。

上記の実施例によれば次の効果がある。

（１）濃溶液が直接吸収器の伝熱管上に散布されるため
、熱交換の温度差△Ｔを大きくとれ、伝熱面積を少なく
するかまたは、稀溶液濃度をより薄くできる。

（２）蒸発器から離れた領域の伝熱管１３Ａに、発生器
からの濃溶液をスプレーしているので、この伝熱管１３
の領域における吸収能力が高くなり、蒸発器から前記の
領域・＼の冷媒蒸気の流れが活発になる。

そのため、伝熱管１３の領域へ冷媒蒸気が流れる際の経
路途中に位置する伝熱管１３Ｂの領域では、活発な冷媒
蒸気の旅れによって吸収作用が助長され、全体としての
吸収作用が向上し、薄い溶液の生成に極めて大きい効果
を有する。

（３）溶液だまりを仕切っているので、濃度差のある溶
液の混合がさけら札吸収器で生成される最終的な稀溶液
（発生器に送られる溶液）の濃度をより一層薄くできる
。

上記実施例では、溶液の混合をなくするためせき１６を
設けた場合を説明したが、たとえば第２図のように、循
環ポンプ９の吸込位置とスプレーポンプ１８の吸込位置
とを離して設置すると、循環ポンプ９が吸込む溶液とス
プレーポンプ１８が吸込む溶液との混合は、実質的に避
けられる。

従って、せき１６が設けなくても循環ポンプ９との吸込
位置とスプレーポンプ１８の吸込位置を離してやれば上
記の同等の作用効果を奏する。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば、極めて濃度の薄
い溶液を生成できる吸収式冷温水機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の吸収式冷凍機を示す断面図、第２図はこ
の発明の一実施例を示す系統図である。 １・・・・・・発生器、２・・・・・・凝縮器、３・・
・・・・蒸発器、４・・・・・・吸収器、５・・・・・
・熱交換器、６・・・・・・冷媒タンク、１・・・・・
・溶液タンク、８・・・・・・絞り、９・・・・・・循
環ポンプ、１０・・・・・・溶液スプレポンプ、１１・
・・・・・冷媒スプレポンプ、１３・・・・・・伝熱管
、１４・・・・・・第１スプレ一部、１５・・・・・・
第２スプレ一部、１６・・・・・・せき、１７・・・・
・・溶液だまり、１８・・・・・・スプレーポンプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、熱交換器および
   ポンプを備え、これらが作動的に連絡され、吸収器は伝
   熱管に溶液をスプレーすることによって溶液中に冷媒蒸
   気を吸収させるものにおいて吸収器の伝熱管の上方に配
   置された少くとも２個のスプレ一部および少くとも１個
   のスプレーポンプを有し、吸収器内の第１のスプレ一部
   と発生器とは、発生器の溶液が熱交換器を経由して第１
   のスプレ一部に導入されるように連絡され、第２以降の
   スプレ一部とスプレーポンプとは、前段で生成された溶
   液を次の段のスプレ一部に送り込むように連絡され、各
   ポンプの吸込位置は離して設置されていることを特徴と
   する吸収式冷温水機。 ２ スプレ一部が２個、溶液スプレーポンプが１個であ
   り、溶液スプレーポンプは第１のスプレ一部の下方の溶
   液を吸い込み、第２のスプレ一部に送り込むように、溶
   液スプレーポンプと第２スプレ一部とが連結されている
   特許請求の範囲第１項記載の吸収式？＋混水機。 ３ 第１スプレ一部は蒸発器より離れた伝熱管領域に溶
   液をスプレーするように配置さ札第２スプレ一部は、蒸
   発器に隣接した伝熱管領域に溶液をスプレーするように
   配置されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項に記載の吸収式？／＋温水機。 ４ 発生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、熱交換器および
   ポンプを備え、これらが作動的に連絡され吸収器は伝熱
   管に溶液をスプレーすることによって溶液中に冷媒蒸気
   を吸収させて稀溶液を生成するものにおいて、吸収器の
   伝熱管の上方に配置された少くとも２個のスプレ一部、
   少くとも１個のスプレーポンプを有し、吸収器内の第１
   スプレ一部と発生器とは、発生器の溶液が熱交換器を経
   由して第１スプレ一部に導入されるように連絡され、第
   ２以降のスプレ一部とスプレーポンプとは、前段で生成
   された溶液を次の段のスプレ一部に送り込むように連絡
   されているとともに、吸収器の溶液だまりをスプレ一部
   に対応して少くとも２個に仕切るせきを有することを特
   徴とする吸収式冷温水機。