JPS5933962Y2 - 二重効用吸収冷凍機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は伝熱管内外面で冷媒蒸気と中溶液の熱交換を行
い、伝熱管内の冷媒蒸気は凝縮され、伝熱管外の中溶液
は蒸発・濃縮される低圧再生器を有する二重効用吸収冷
凍機に係る。

従来の二重効用吸収冷凍機は、第１図のように低圧再生
器内の溶液が満液式のものと、第２図のようにスプレ一
式のものとある。

第１図の満液式のものでは、高圧再生器１において発生
した冷媒蒸気は、低圧再生器２の溶液中に浸漬された伝
熱管１３内に通過する間に凝縮され、低圧再生器２内の
中溶液（希溶液と濃溶液の中間濃度を有する溶液）は、
蒸発・濃縮される構造となっている。

また第２図のスプレ一式のものでは、高圧再生器１で発
生した冷媒蒸気が、低圧再生器２内の伝熱管１３に導か
れ、一方高圧再生器１よりの中溶液が、低圧再生器２内
の溶液スプレー装置１４によって伝熱管１３の上方より
散布されることによって、伝熱管１３の内外で熱交換が
行なわれ、同伝熱管１３内の冷媒蒸気は凝縮され、低圧
再生器２内の中溶液は蒸発・濃縮される構造であった。

第１図、第２図において、８はバーナー、９は分離器、
６，７は第１．第２の熱交換器、３は凝縮器、４は蒸発
器、５は吸収器、１０は溶液ポンプ、１１は溶液トラッ
プ、１２は冷媒トラップである。

しかし、第１図のように低圧再生器２内の溶液が満液式
であると、溶液中に浸漬する伝熱管１３の深層液部と浅
層液部では圧力差が生じ、深層液部では溶液の沸点温度
が上昇し、蒸発が阻害されるばかりでなく、多量の溶液
が必要となる。

また、第２図のスプレ一式であると、高圧再生器１より
の中溶液は、溶液スプレー装置１４によって飛散され、
伝熱管１３に触れずに、そのまま落下する中溶液部分が
多く、従って高圧再生器１を通って供給される溶液のみ
では、伝熱管１３上での溶液の濡れ率が低下し、熱交換
率が低下するという欠点があった。

本考案は上記従来のものの欠点を除去することを目的と
し、二重効用吸収冷凍機において、高圧再生器で発生し
た冷媒蒸気は、低圧再生器内の伝熱管内部に導かれ、一
方高圧再生器で濃縮された中溶液は、低圧再生器内の溶
液スプレー装置によって、伝熱管上に散布されるに止ま
らず、それが落下して低圧再生器の底に溜った溶液は、
溶液再循環装置によって再度繰返し伝熱管上に散布させ
るようにしたものである。

以下、本考案を第３図（全体図）、第４図（低圧再生器
内の構造図）に示されたｌ実施例に基いて説明する。

第３図において、第１図、第２図と同符号は同一部分を
示すが、この実施例では第３図に示すごとく低圧再生器
２内には、溶液スプレー装置１４と、落下した溶液を再
循環させる装置（１８で示す）を有している。

蒸発器４にて蒸発した冷媒蒸気を吸収器５にて吸収した
希溶液は、溶液ポンプ１０にて第２．第１の熱交換器７
．６を経て、高圧再生器１に送液されるが、同高圧再生
器１において希溶液はバーナー８にて加熱濃縮されて、
分離器９に入り、ここで冷媒蒸気と中溶液（前に述べた
ように希溶液と濃溶液の中間濃度を有する溶液）に分離
される。

分離された一方の中溶液はトラップ１１、第１の熱交換
器６を経て、低圧再生器２内の溶液スプレー装置１４に
至る。

分離器９で分離された他方の冷媒蒸気は、低圧再生器２
内の伝達管１３の内部に導入される。

即ち、高圧再生器１で発生した冷媒蒸気は、低圧再生器
２内の伝熱管１３内に導かれ、一方同高圧再生器１で濃
縮された中溶液は、同高圧再生器２内の溶液スプレー装
置１４によって上記伝熱管１３（内部には冷媒蒸気が導
入）上に散布され、その落下した溶液は低圧再生器２の
底に溜り、その溜められた溶液が溶液再循環ポンプ１９
によってスプレーノズル２０に送られ、同スプレーノズ
ル２０より再び上記伝熱管１３上に散布される作用が、
繰返される様になっている。

本考案は上記のように、高圧再生器で発生した冷媒蒸気
が導かれている低圧再生器内の伝熱管上に、同低圧再生
器内の溶液スプレー装置によって同じ（高圧再生器で濃
縮された中溶液が散布され、落下した散布溶液は低圧再
生器の底に溜り、これを溶液再循環装置に設けられた他
のスプレー装置によって、上記伝熱管上に再度繰返して
散布することにより常時伝熱管外面に液膜を形成し、伝
熱管の内外面で高効率の熱交換を行ない、これによって
伝熱管内の冷媒蒸気は凝縮され、伝熱管外の中溶液は蒸
発・濃縮される様になっている。

即ち、本考案によるときは伝熱管全表面の濡れ率を均一
にし、伝熱管の全部分を均一の圧力下におき、伝熱管の
内外面の熱交換率を著しく向上して溶液の蒸発の阻害（
従来では伝熱管の深層液部と浅層液部の圧力差のため阻
害される）を除き、又充填溶液量を減少でき、運転起動
時の立上り時間を短縮すると共に、伝熱面積の減少によ
って二重効用吸収冷凍機の小型化を遠戚できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の二重効用吸収冷凍
機の回路図、第３図は本考案による二重効用吸収冷凍機
の回路図、第４図は第３図中の低圧再生器内の伝達管、
溶液スプレー装置、溶液再循環装置を示す拡大図である
。 図において、１・・・・・・高圧再生器、２・・・・・
・低圧再生器、１３・・・・・・伝熱管、１４・・・・
・・溶液スプレー装置で、１９・・・・・・溶液再循環
ポンプ、２０・・・・・・スプレーノズルで、これらは
溶液再循環装置１８．３・・・・・・凝縮器、４・・・
・・・蒸発器、５・・・・・・吸収器、６゜Ｔ・・・・
・・第１．第２の熱交換器、９・・・・・・分離器、１
０・・・・・・溶液ポンプ、１１・・・・・・溶液トラ
ップ、１２・・・・・・冷媒トラップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高圧再性器で発生した冷媒蒸気を導き入れる伝熱管と、
   同じく高圧再生器で濃縮された中溶液を前記伝熱管上に
   散布する溶液スプレー装置とを有する二重効用吸収冷凍
   機の低圧再生器において、前記溶液スプレー装置のほか
   に、該スプレー装置によって前記伝熱管上に散布されて
   落下し底に溜まった溶液を再度繰返し前記伝熱管上に散
   布し、常時同管表面に液膜を形成するスプレー装置付き
   溶液再循環装置を備えたことを特徴とする二重効用吸収
   冷凍機。