JPS5913131Y2 - リヤサスペンションのアッパ−リンク取付部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、４リンクコイルスプリング式サスペンショ
ンのアッパーリンクの一端を車体側に取り付けるアッパ
ーリンク取付部の構造に関する。

一般に、リヤフロア部の車体構造としては、例えば、実
開昭５３−１８７２８号公報に示されたものがあり、リ
ヤフロア部には、４リンクコイルスプリング式リヤサス
ペンションのアッパーリンクが取付けられたり、リヤシ
ートベルトが取付けられている。

従来における上記アッパーリンクの取付部構造としては
、第１図及び第２図に示すように、左右一対のりキサイ
ドメンバー３内部に補強部材８を設け、これらのりャサ
イドメンバー３及び補強部材８を貫通するボルト６によ
ってアッパーリンク７の一端を回動自在に軸支したもの
、又、第３図に示すように、リヤサイドメンバー３とり
ャフロアフロントパネル９とで形成されるリヤサイドメ
ンバー３の外側隅角部にアッパーリンクブラケット５を
取り付け、このアッパーリンクブラケット５にボルト６
によってアッパーリンク７の一端を回動自在に軸支した
もの、更には、第４図及び第５図に示すように、リヤサ
イドメンバー３とりャフロアフロントパネル９とで形成
されるリヤサイドメンバー３の内側隅角部にアッパーリ
ンクブラケット５を取り付け、リヤサイドメンバー３及
びアッパーリンクブラケット５を貫通するボルト６によ
ってアッパーリンク７の一端をアッパーリンクブラケッ
ト５に回動自在に軸支したものがあり、いずれの場合も
強度の大きいりャサイドメンバー３の縦壁４を利用して
アッパーリンク７の一端を車体側に取り付けている。

しかしながら、第１図及び第２図に示すボルト６によっ
てアッパーリンク７の一端を片持ち状に軸支した構造に
おいては、アッパーリンク７からのサスペンション入力
に耐えられるようにするために、ボルト６の径や補強部
材８の板厚を必要以上に大きくし、アッパーリンク取付
部の強度の向上を図る必要が生じる。

又、第３図や第４図及び第５図に示すようなアッパーリ
ンクブラケット５を使用する構造においても、このアッ
パーリンクブラケット５の上面が固定されるリヤフロア
フロントパネル９は比較的板厚が小さく、その強度も小
さいために、アッパーリンク７よりアッパーリンクブラ
ケット５に入る入力のほとんどをリヤサイドメンバー３
に伝えなければならず、アッパーリンクブラケット５の
強度を大きくしてリヤサイドメンバー３に堅固に固定す
る必要がある。

ところで、リヤフロアフロントパネル９にはアッパーリ
ンク取付部の近傍にアンカーレインフォース２を介して
後席シートベルトのアンカー取付部材（図示せず）が取
り付けられ、衝突時に後席シートベルトを介してアンカ
ー取付部材に入る入力をアンカーレインフォース２によ
ってリヤフロアフロントパネル９の広範囲に分散させ、
リヤフロアフロントパネル９の変形を防止して後席乗員
を確保できるようにしている。

このため、アンカーレインフォース２は、入力を分散さ
せるために一定の面積と強度を確保するために一定の板
厚とが必要になる。

このため、アッパーリンク取付部や後席シートベルト取
付部を構成する個々の部品の重量が大きくなり、又、部
品コストが高くなっていようという不具合があった。

この考案は、かかる従来のアッパーリンク取付部構造に
鑑み、後席シートベルト取付部のアンカーレインフォー
スとアッパーリンク取付部のアッパーリンクブラケット
とを結合することによって互いに補強し合う関係を作り
出し、これによって個々の部品の強度向上と軽量化を図
るアッパーリンク取付部構造を提供するものである。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて、この考案を詳
細に説明する。

第６図ないし第８図において、この実施例に係るアッパ
ーリンク取付部構造は、後席シートベルト１のアンカー
レインフォース２の両端部を左右一対のりャサイドメン
バー３迄延長し、アンカーレインフォース２の端部とリ
ヤサイドメンバー３のフランジ部とを接合し、リヤサイ
ドメンバー３の縦壁４とアンカーレインフォース２とが
形成するリヤサイドメンバー３内側の隅角部にアッパー
リンクブラケット５を接合し、このアッパーリンクブラ
ケット５にはりャサイドメンバー３の縦壁４と平行な軸
受部１０を設け、リヤサイドメンバー３の左右の縦壁４
とアッパーリンクブラケット５の軸受部１０とを貫通す
るボルト６によって４リンクコイルスプリング式リヤサ
スペンションのアッパーリンク７の一端を回動自在に軸
支するようになっている。

尚、後席シーＩ・ベルト１のアンカー取付部材１１は、
アンカーレインフォース２とこのアンカーレインフォー
ス２の上面及びリヤサイドメンバー３のフランジ部に接
合されたりャフロアフロントパネル９とを貫通するポル
Ｉ・１７によって固定されており、又、第７図及び第８
図に示すように、各ツヤサイドメンバ−３内部にはボル
ト６が貫通する部分の強度の向上を図るために補強部材
８が設けられている。

更に、この実施例において、アッパーリンクブラケット
５は、上記軸受部１０とこの軸受部１０とリヤサイドメ
ンバー３の縦壁４との間にアッパーリンク７の一方の軸
受１２を収納する収納部１３とで構成されており、軸受
部１０及び収納部１３の上縁に形成されたフランジ１４
．１５を夫々アンカーレインフォース２に溶接等によっ
て接合し、又、収納部１３のリヤサイドメンバ−３側端
部に形成されたフランジ１６をリヤサイドメンバー３の
縦壁４に溶接等によって接合することにより、リヤサイ
ドメンバー３とアンカーレインフォース２とが形成する
隅角部に取り付けられるようになっている。

従って、この実施例のアッパーリンク取付部構造によれ
ば、第７図において、アッパーリンク７に矢印Ａ方向の
サスペンション入力が加わったとき、このサスペンショ
ン入力はボルト６を介してツヤサイドメンバー３に伝わ
るほか、アッパーリンクブラケット５を介してアンカー
レインフォース２にも伝わり、アッパーリンク７からの
入力に対する強度が著しく向上する。

又、後席シートベルト１を介してアンカー取付部材１１
に矢印Ｂ方向の入力が加わったとき、この考案のように
アッパーリンクブラケット５が設けられている場合のス
パンａはない場合のスパンｂに比べて著しく小さく、し
かも、アンカーレインフォース２が直接あるいはアッパ
ーリンクブラケット５を介してリヤサイドメンバー３に
接合されているので、この入力に対する強度が著しく向
上する。

尚、上記実施例においては、アンカーレインフォース２
の両端がリヤサイドメンバー３のフランジ部に接合され
ているが、必ずしも接合する必要はなく、接合しない場
合であってもアンカー取付部材１１に加わる入力をアン
カーレインフォース２とアッパーリンクブラケット５を
介してリヤサイドメンバー３に伝え、後席シートベルト
取付部の強度の向上を図ることができる。

以上の通り、この考案のアッパーリンク取付部構造によ
れば、後席シートベルト取付部のアンカーレインフォー
スとアッパーリンク取付部のアッパーリンクブラケット
とを結合することによって互いに補強し合う関係が形成
され、これによって両取付部の強度が著しく向上し、こ
の強度向上に見合う分だけ各取付部品の軽量化と部品コ
ストの低減を図ることかで゛きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の４リンクコイルスプリング式リヤサスペ
ンションのアッパーリンクが取り付けられるリヤフロア
フロントパネルとりャサイドメンバーを示す斜視図、第
２図は第１図のりャサイドメンバーにアッパーリンクが
取り付けられる状態を示す分解組立図、第３図は従来の
アッパーリンク取付部構造の他の例を示す第１図と同様
の斜視図、第４図は従来のアッパーリンク取付部構造の
他の例を示す第１図と同様の斜視図、第５図は第４図の
アッパーリンクが取り付けられる状態を示す分解組立図
、第６図はこの考案の実施例に係るアッパーリンク取付
部構造が適用されたりャフロアフロントパネル及びリヤ
サイドメンバーを示す斜視図、第７図は第６図のＶｌｌ
−ＶＩＩ線断面図、第８図は第７図の分解組立図である
。 １・・・・・・後席シートベルト、２・・・・・・アン
カーレインフォース、３・・・・・・リヤサイドメンバ
ー、４・・・・・・ツヤサイドメンバーの縦壁、５・・
・・・・アッパーリンクブラケット、６・・・・・・ボ
ルト、７・・・・・・アッパーリンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後席シートベルト１のアンカーレインフォース２の両端
   部を一対のりヤケイドメ附近−３附近迄延長し、このリ
   ヤサイドメンバー３の縦壁４とアンカーレインフォース
   ２とが形成する隅角部にアッパーリンクブラケット５を
   取り付け、リヤサイドメンバー３とアッパーリンクブラ
   ケット５を貫通するボルト６によってリヤサスペンショ
   ンのアッパーリンク７の一端を回動自在に軸支し、この
   アッパーリンク７に作用するサスペンション人力をアン
   カーレインフォース２に伝え、又、後席シートベルト１
   に作用する入力をリヤサイドメンバー３に伝えるように
   したことを特徴とするリヤサスペンションのアッパーリ
   ンク取付部構造。