JPS5912535Y2 - 冷凍機のダンパ制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冷凍自動車の冷凍機の空気吹出口に装備され
るダンパの開閉を制御するダンパ制御装置の改良に関す
る。

生鮮食料、化学薬品等の物品を低温に保ちながら輸送す
るための冷凍自動車は、第１図に略示するように、荷室
１の前面にコンプレッサ、コンデンサ、エバポレータ等
を内蔵した冷凍機２を取付け、冷風を吹出すダクト３を
荷室１内に開口させている。

第２図は上述のように装置される冷凍機２とダクト３と
を示している。

図中、４はコンプレツサ、５はコンデンサ、６はエバポ
レータ、７は送風用のファンである。

コンプレッサ４とファン７とは冷凍機専用のエンジン（
図示省略）により駆動される。

このように構威される冷凍機に於いては、ファン７によ
りエバポレータ６に風を送り、ダクト３を通して荷室１
内に冷気を噴出させて荷室１内の温度を下げるのである
が、空気中に含まれる水蒸気がエバポレータ６の表面に
霜となって付着し、長時間経過後は該エバポレータ６の
表面に厚い霜の層を形或して冷凍機の効率を低下させて
しまうので霜取り操作をする必要がある。

このため、従来から第２図に示すように、コンプレツサ
４からコンデンサ５を通らずに直接エバポレータ６に冷
媒を送給する短絡管８を設け、該管８の途中に設けた弁
９を霜取りのときには開けて高温高圧の冷媒をそのまま
エバポレータ６に通し、該エバポレータ６の表面に付着
した霜を融して除くことが行なわれていた。

ところが、このような霜取り操作中も冷凍機用エンジン
は動いてコンプレツサ４を駆動するので、該エンジンに
直結されているファン７も回転し続けているため、高温
冷媒の通っているエバポレータ６を通して加温された空
気が荷室１に吹込まれる危険がある。

そこでこのような温風吹込みを阻止するために、ダクト
３の吹出口３ａの部分にダンパを設け、霜取り操作中は
該ダンパにより吹出口３ａを閉じるようにされている。

このようなダンパの開閉は、従来は第３図に示すように
、中央を軸１０により軸支されたダンパ１１に一端を枢
着したロツド１２をソレノイド１３により押し引きして
行なっていたが、ソレノイド１３は起動時にしばしば電
気火花が生じるので、火薬、或いは引火性の化学薬品輸
送に使用される冷凍自動車には使用できないと言う不都
合がある。

本考案は上記ダンパ１１の開閉を圧縮空気によって駆動
されるエアシリンダにより行なうと共に、霜取りが終っ
た後もエバポレータが充分冷却してから送風を再開すぬ
ようにして上記不都合を解消したものである。

以下、実施例を示す図面により本考案を説明する。

第４図は本考案の実施例を示している。

なお、シリンダ１５のピストンロツド１４の端部をロツ
ド１２（第３図）の一端に連結し、該ピストンロツド１
４の押し引きによりダンパ１１を開閉する構造について
は前述の従来の場合と同様であるから、図示および説明
を省略し、以下エアシリンダ１５の構造と該シリンダ１
５への圧縮空気給排を行なう機構とについて説明する。

ピストンロツド１４に固定されたピストン１６を遊嵌し
たエアシリンダ１５の端壁１５ａとピストン１６との間
には、ばね１７が縮設されており、ピストンロツド１４
を常に押し出す方向に弾圧している。

このため、エアシリンダ１５の上室１５ ｂ内に圧縮空
気が送給されない限りピストンロツド１４は突出してお
り、ダンパ１１は開かれた状態に保持される。

エアシリンダの上室１５ｂ内に一端を開口した送風管１
８の他端はエアコンプレツサ１９の吐出口に接続されて
おり、該コンプレツサ１９がモータ２０により駆動され
ると上室１５ｂ内に圧縮空気が送給されるようになって
いる。

送気管１８の途中には、エアコンプレツサ１９側から順
に、ミストセパレータ２１．マイクロミストセパレータ
２２、逆止弁２３が接続されており、更に、送気管１８
の逆止弁２３とエアシリンダ１５との間からは電磁弁２
４を介して大気に開放される管２５が分岐している。

電磁弁２４は、霜取り終了後に、それまで閉していたダ
ンハ１１を開けるために、エアコンプレツサ１９ヲ駆動
するモータ２０を停止させた後エアシリンダの上室１５
ｂ内と送気管１８内とに残溜している圧縮空気を排出す
るために開かれるもので、遅延リレー（図示せず）を介
してモータ２０の停止後一定時間（例えば１０秒）後に
開かれる。

２６は管１８内の圧力を検知して接点を開閉する圧力ス
イッチで、該管１８内の圧力が高くなり過ぎた場合にモ
ータ２０を停止させる役目をする。

次に、上述のように構成される本考案の冷凍機のダンパ
制御装置の作用について説明する。

短絡管８の弁９ （第２図）が閉じられ、冷凍機が通常
の冷凍動作をしてダクト３内を冷気が流れている場合に
は、電磁弁２４は開かれ、モータ２０は停止し、ピスト
ンロツド１４はばね１７のため突出してダンパ１１は開
かれた状態に保持される。

霜取りを行なうために（この操作は自動または手動で行
なわれる）、短絡管８の弁９を開き、同時に電磁弁２４
を閉じ、モータ２０を起動させると、エアシリンダ１５
の上室１５ ｂに圧縮空気が送られてピストンロツド１
４が該シリンダ内に引き込まれ、ロツド１２を介してダ
ンパ１１が第３図と同様に閉じられる。

霜取りで終了すると、短絡管８の弁９が閉じられ、同時
にモータ２０が停止する。

これにより、エバポレータ６には再びコンデンサ５を通
過して液化した冷媒が送られるようになり、ダクト３に
は再び冷気が送られるようになるが、弁９の閉鎖直後は
エバポレータ６には余熱が残っており、エバポレータ６
を通過した空気が直ちに冷却されることにならない。

このため本考案では、霜取り操作終了後もダンパ１１を
直ちには開かないで、一定時間後に開くように構或した
ものである。

本考案の装置に於いては、モータ停止直後も遅延リレー
のため電磁弁２４が閉じたままなので、上室１５ｂ内の
圧縮空気はすぐには排出されず、一定時間（例えば１０
秒）後電磁弁２４が開いてから排出されるため、霜取り
操作終了後ダンパ１１が開くまでにはエバポレータ６は
十分に冷えた状態となり、荷室１内に暖かい空気が送り
込まれることはない。

また、本考案の装置は、荷室内の空気に触れる部分には
千アシリンダ１５のみを設ければ良く、電気的に駆動さ
れる部品は荷室外に設けられるため、荷室内で火花が発
生することは完全に防止でき、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷凍自動車の略側面図、第２図は冷凍機の略側
面図、第３図は従来のダンパ制御装置を示す第２図のＡ
部拡大図、第４図は本考案の実施例を示す配管図である
。 ３・・・ダクト、３ａ・・・吹出口、４・・・コンプレ
ッサ、５・・・コンデンサ、６・・・エバポレータ、７
・・・ファン、８・・・短絡管、９・・・弁、１１・・
・ダンパ、１４・・・ピストンロツド、１５・・・エア
シリンダ、１８・・・送気管、１９・・・エアコンプレ
ツサ、２４・・・電磁弁、２５・・・管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍自動車の冷凍機の空気吹出口３ａに装備されるダン
   パ１１の開閉を制御するダンパ制御装置であって、通常
   はばね力により突出して上記ダンパ１１を開き圧縮空気
   送給により引込んで上記ダンパ１１を閉じるピストンロ
   ツド１４を持つエアシリンダ１５を、上記空気吹出口近
   傍に設置し、エアシリンダ１５にエアコンプレツサ１９
   から圧縮空気を送給する送気管１８の途中に分岐管２５
   を設け、該分岐管２５にエアコンプレツサ１９が停止し
   て一定時間経過後に開く電磁弁２４を設けたことを特徴
   とする冷凍機のダンパ制御装置。